- 更新日 : 2025年6月24日
派遣社員も福利厚生は受けられる!派遣会社別の制度内容や活用方法を解説
「派遣社員として働くと、福利厚生が受けられないのではないか」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。しかし実際には、派遣社員でも条件を満たせば社会保険、有給休暇、教育支援など、正社員と同じような福利厚生を利用できます。
この記事では、派遣社員が受けられる福利厚生の種類や条件、福利厚生が充実している派遣会社の特徴をわかりやすく解説します。この記事を参考に、ぜひ自分に合った派遣会社選びや福利厚生の活用方法を見つけてみてください。
目次
派遣社員が受けられる福利厚生とは
派遣社員として働く場合、正社員とは異なり福利厚生が受けられないと思っている方も少なくありません。しかし実際には、派遣社員でも法律や派遣会社の制度によってさまざまな福利厚生が受けられます。
ここでは、派遣社員が具体的にどのような福利厚生を受けられるのか、詳しくご説明します。
法定福利厚生
まずは、法律で必ず提供される法定福利厚生について解説します。派遣社員であっても一定の条件を満たせば、次のような福利厚生が保証されています。
- 社会保険(健康保険・厚生年金)
週所定労働時間と月所定労働日数が正社員の4分の3以上であれば、派遣社員でも健康保険と厚生年金への加入が義務づけられています。また、従業員が51人以上の企業であれば、4分の3要件を満たさなくても、所定労働時間が週20時間以上など一定の要件を満たせば社会保険に加入しなければなりません。 - 雇用保険
週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあれば、雇用保険に加入できます。失業時の失業手当や育児休業給付などを受けるために重要な制度です。 - 労災保険
労働者全員が加入対象であり、派遣社員でも必ず適用されます。業務中や通勤中にケガや病気をした場合、治療費などが補償されます。 - 有給休暇
派遣社員でも勤務開始から6ヶ月間継続して働き、かつ勤務日の8割以上出勤していれば、法律により有給休暇が付与されます。
法定外福利厚生
次に、派遣会社が独自に設けている法定外福利厚生について説明します。これは派遣会社によって異なり、派遣会社選びのポイントにもなります。
主な福利厚生として以下のようなものがあります。
- 健康診断・人間ドック割引制度
定期的な健康診断の提供や、人間ドックの費用負担や割引を提供する派遣会社があります。 - 教育研修・資格取得支援制度
スキルアップを目指す派遣社員向けに、無料または格安で研修プログラムや資格取得講座を提供する派遣会社が多くあります。 - 育児休暇・産休制度
法律に基づいて、産前産後休業や育児休業の取得をサポートし、復帰支援まで積極的に行う派遣会社もあります。 - 福利厚生サービス(施設利用や割引など)
派遣会社によっては、映画館、ジム、宿泊施設などの施設利用が割引価格になる福利厚生サービスを提供しています。 - 慶弔休暇・見舞金制度
結婚や出産、親族の不幸などの際に、休暇やお祝い金・見舞金を出す派遣会社もあります。
派遣社員が福利厚生を受けるための条件
派遣社員が福利厚生を受けるには一定の条件を満たす必要があります。特に社会保険や有給休暇の取得には、勤務時間や契約期間などの条件が重要です。
具体的な加入条件を以下にまとめました。
- 社会保険の加入条件
- 週所定労働時間及び月所定労働日数が正社員の4分の3以上
- 従業員数51人以上で労働時間等が一定の要件を満たす
- 雇用保険の加入条件
- 週20時間以上の勤務
- 31日以上の継続勤務見込みがあること
- 有給休暇の付与条件
- 勤務開始から6ヶ月間継続勤務
- 所定勤務日の8割以上出勤
福利厚生の制度を利用するためには、自分が条件を満たしているか、事前に派遣会社に確認しておくことが重要です。
派遣社員が福利厚生を活用するメリット
派遣社員として働く方にとって福利厚生を上手に活用することは、職業生活だけでなく、プライベートな生活面でもさまざまなメリットがあります。ここでは福利厚生の活用が派遣社員にもたらす具体的なメリットを、いくつかの観点から詳しく解説します。
生活や収入の安定につながる
派遣社員として働く方は、雇用の安定性や収入に対する不安を抱えることがありますが、福利厚生の活用はその不安を軽減する助けとなります。例えば、健康保険や厚生年金、雇用保険といった社会保険制度を利用することで、万が一のケガや病気の際にも安心して治療が受けられたり、失業や休業時にも一定の収入を保障されたりするため、安定した生活を送ることが可能になります。
また、有給休暇を取得することで病気や急な家庭の事情が起きた際にも、収入を維持しつつ心身を休めることができます。そのため、福利厚生は日々の生活を支える重要な制度といえます。
キャリアアップや自己成長ができる
福利厚生の一環として提供される教育研修や資格取得支援制度を活用すると、自身のスキルアップや新しいキャリア形成が可能になります。派遣社員は、短期契約や勤務先の変更により多様な業務経験を積むことができますが、それだけでなく、派遣会社が提供する研修プログラムや資格取得講座を利用することで、自分の価値を高め、より好条件の職場で働く機会を増やすことができます。
また、資格取得によって自信がつき、積極的にキャリアチェンジを検討したり、派遣から正社員へのステップアップを目指したりすることもできるようになります。
ワークライフバランスが整う
福利厚生として提供される施設割引や健康支援サービスを利用すると、仕事と私生活のバランスを整えることができます。派遣会社が提携するレジャー施設やジムなどの健康施設の割引利用を通じて、日頃の仕事で蓄積した疲れを解消したり、趣味や健康維持のために充実した時間を過ごしたりできます。
これにより仕事に対するモチベーションや集中力が高まり、仕事にも良い影響を及ぼすことが期待できます。また、派遣会社によっては慶弔休暇や出産祝い金などの制度もあるため、人生の節目においても安心して休暇を取り、家族やプライベートの充実を図ることができます。
健康維持や病気の予防ができる
定期的な健康診断や人間ドックの提供を受けることで、自身の健康状態を把握し、生活習慣病や重い病気の早期発見につなげることができます。派遣会社によっては、無料あるいは割引価格で健康診断を受けられるケースも多いため、経済的負担を抑えながら健康を維持できます。
また、健康に関する情報提供や相談サービスを受けられる派遣会社もあり、健康管理を適切に行うためのサポートを受けることも可能です。これにより、長期的に安定して働き続けることができます。
仕事への安心感や帰属意識が向上する
福利厚生が充実している派遣会社で働くことは、仕事や職場に対する安心感を生み、企業や派遣会社への帰属意識を高めることにつながります。特に、育児休業や介護休業などを整備している派遣会社を利用すれば、生活環境が変化しても、働き続けられるという安心感を得ることができます。
このような安心感や帰属意識が高まることで、日々の仕事に対する意欲や働きがいを感じられるようになり、職場環境への満足度も向上します。派遣社員であっても、福利厚生の活用によって安心して働き続けられる環境を整えることができるのです。
派遣会社の福利厚生を比較するポイント
派遣会社の福利厚生は、働く環境や生活の質に直結するため、派遣会社選びの際には慎重に比較する必要があります。しかし、実際にどのようなポイントを見て比較すればよいか迷う方も多いのではないでしょうか。ここでは、福利厚生を比較する際に特に重視したいポイントを詳しく解説します。
社会保険の加入状況
福利厚生を比較する際には、まず社会保険の加入状況をしっかり確認しましょう。社会保険とは主に健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険のことで、派遣会社がこれらの保険制度に適切に加入しているかどうかを確かめることが重要です。
具体的には、健康保険や厚生年金への加入条件が厳しく設定されていないか、勤務時間や雇用期間などについて、法定と異なる加入条件を提示していないか確認しましょう。また、有給休暇取得の条件や、実際の取得状況についても確認すると、安心して働けるかどうかがわかります。
教育研修や資格取得支援制度の充実度
派遣社員として働く場合、キャリアアップやスキルの向上につながる教育研修制度や資格取得支援の内容が重要です。派遣会社ごとに提供する研修内容や制度の充実度は大きく異なります。例えば、OAスキルや語学研修などの基本的なスキル研修から、専門的な資格取得支援まで幅広く提供している派遣会社もあれば、基礎的な研修に限定されている会社もあります。
研修や資格支援が充実している派遣会社では、費用負担が少なくスキルアップを図れるため、キャリア形成を重視する場合は、研修プログラムの種類や頻度、利用条件を丁寧に比較することが大切です。
育児・介護休暇制度の実績
派遣社員として働きながら、子育てや家族の介護を行う可能性がある方にとっては、育児休暇や介護休暇などの休暇制度の充実度や取得実績を重視すべきでしょう。制度が整備されているだけでなく、実際に休暇を取得している派遣社員が多いかどうかも重要なポイントです。
また、休暇取得後のサポート体制が整っているかどうかも確認しましょう。具体的には、休暇後の職場復帰支援や、休暇中の相談窓口の有無など、細かな支援制度があると安心です。
健康管理のサポート体制
派遣社員の健康管理を積極的に支援している派遣会社を選ぶことも大切なポイントです。定期的な健康診断や人間ドックを無料または割引価格で提供しているか、メンタルヘルスに関するサポート体制が整っているかなどを比較しましょう。
特に、派遣社員は働く環境が変わりやすく、職場でのストレスを抱えやすい傾向にあります。そのため、健康相談やカウンセリングを受けられる制度があると、安心して働き続けることができます。健康管理制度の内容やその利用条件をしっかり確認しましょう。
提携する福利厚生サービスの種類と内容
福利厚生を充実させるために、さまざまな施設と提携して割引サービスを提供する派遣会社もあります。例えば、スポーツジムやレジャー施設、映画館、宿泊施設などの割引利用が可能になる福利厚生サービスを利用すると、プライベートの充実やストレス発散にもつながります。
提携施設の種類や割引内容がどの程度充実しているかを比較すると、自分の趣味やライフスタイルにあった派遣会社を選ぶことができます。さらに、福利厚生クラブに加入している派遣会社では、多様な施設を利用できるケースが多く、生活面でも大きなメリットが得られるでしょう。
ライフイベントに対するサポートの有無
結婚や出産、病気や家族の不幸など、人生の節目において経済的または精神的なサポートが受けられる制度があるかどうかも比較ポイントの一つです。派遣会社によっては、慶弔休暇やお祝い金・見舞金などを支給する制度を設けているところがあります。
こうした制度がある派遣会社を選ぶことで、長期的に安心して働き続けることができます。また、派遣社員であってもこうした福利厚生を受けられる環境が整っていると、仕事に対する満足度や派遣会社への信頼感も高まります。
これらのポイントを一つずつ丁寧に比較検討することで、自分に合った派遣会社を選び、快適で安心できる派遣ライフを送ることができるようになります。
ユニークな福利厚生を提供する派遣会社の事例
派遣会社は、福利厚生の充実度をアピールするため、さまざまな特色ある制度やサービスを導入しています。ここでは、特に他社との差別化を図るために、独自で特徴的な福利厚生を展開している派遣会社を詳しくご紹介します。それぞれの派遣会社がどのような制度を持っているかを知ることで、派遣会社選びの参考にしてください。
テンプスタッフ:充実した教育研修・資格取得支援制度
テンプスタッフは、特に派遣社員のスキルアップやキャリア形成を目的とした教育研修や資格取得支援制度に力を入れている点が特徴です。多くの研修や講座を無料または格安で受講できる仕組みがあり、スキルアップを希望する派遣社員に好評を得ています。
具体的には、ビジネスマナーやパソコン操作といった基本的なオフィススキルの研修を無料で提供しているだけでなく、専門的な知識や資格取得を目指す派遣社員向けに、奨励金制度も導入しています。また、オンライン上でいつでも受講できる「eラーニング」も充実しており、時間や場所を選ばず自分のペースで学習を進められることも大きなメリットとなっています。
リクルートスタッフィング:リクルートグループ関連サービスの利用特典
リクルートスタッフィングは、リクルートグループが提供するさまざまな関連サービスをお得に利用できる福利厚生が特徴です。具体的には、リクルート団体保険の加入や、スタディサプリEnglishの優待利用などが挙げられます。
福利厚生を通じてリクルートグループのサービスを気軽に利用できるため、プライベートを楽しみながら節約にも役立ちます。
パソナ:育児・介護支援などの手厚い福利厚生
パソナは派遣業界の中でも特に育児支援や介護支援に関する福利厚生が充実していることが特徴です。育児休業制度や介護休業制度を整備しているだけでなく、実際に多くの派遣社員がこれらの制度を利用しており、休業中や復職後のフォロー体制も万全です。
特に育児支援では、産前産後休暇や育児休業の取得だけでなく、復職後の保育施設の紹介や提携保育園の利用支援、育児に関する専門家による個別相談などを提供しています。これにより、子育てと仕事を両立する派遣社員が安心して働き続けられる環境が整備されています。
介護支援でも同様に、専門家による介護相談窓口を設置するなど、家庭と仕事を両立するための具体的な支援が充実しています。
マンパワー:福利厚生クラブの提供による豊富な優待サービス
マンパワーは、外部の福利厚生クラブ(ベネフィット・ステーションなど)と提携し、幅広い優待サービスを提供している点が特徴です。福利厚生クラブを利用すると、全国各地の宿泊施設やレジャー施設、フィットネスクラブ、レストランなどを特別価格や割引価格で利用できます。
また、育児・介護に関する相談サービス、生活支援サービス、各種ショッピング割引サービスなど、生活全般にわたり手厚いサポートを受けられるため、派遣社員の生活満足度を高めることに役立っています。特にプライベートを充実させたい派遣社員にとっては、これらのサービスは大きな魅力となっています。
スタッフサービス:メンタルヘルス・健康支援制度が充実
スタッフサービスは派遣社員の健康維持やメンタルヘルス支援を特徴的な福利厚生として提供しています。派遣社員が定期的な健康診断を受けられる制度があり、経済的な負担を軽減しつつ健康管理を行うことができます。
また、特にメンタルヘルス支援にも力を入れており、専門のカウンセラーによる相談窓口を設けることで、派遣社員が抱える仕事上や人間関係に関する悩み、ストレスなどを気軽に相談できる環境を整えています。これにより、心身ともに健康的に働き続けられるようサポートしています。
以上のように、各派遣会社はそれぞれ特色ある福利厚生を提供しており、自分のライフスタイルや目的に合った制度を持つ派遣会社を選ぶことで、より満足度の高い働き方を実現できるでしょう。
派遣社員が福利厚生をフル活用する方法
派遣社員が福利厚生を最大限活用するためには、単に制度を知るだけではなく、それらを実際に使いこなすコツを理解することが大切です。この章では、福利厚生を具体的にどのように活用すればよいか、そのノウハウを詳しく解説していきます。
教育研修・資格取得支援を積極的に活用する
派遣会社が提供する教育研修や資格取得支援制度を積極的に利用することで、スキルアップやキャリアアップにつながります。
派遣会社によっては、資格取得後に奨励金が支給されたり、研修費用が無料になったりすることもあります。
具体的な活用方法としては、まず自分が目指したいキャリアやスキルを明確にし、その目標に合わせて研修や資格支援制度を選びます。さらに、派遣会社のキャリアコンサルタントや担当者と定期的に相談しながら、次の仕事に活かせるスキルや資格を取得する計画を立てると良いでしょう。
また、資格取得にかかる費用の支援制度や奨励金制度など、経済的なサポートもあるため、それらの制度の利用方法を派遣会社に確認しておくことも重要です。
割引制度を日常的に利用する
派遣会社によって提供されている福利厚生サービスには、レジャー施設や宿泊施設、映画館、スポーツクラブなどを割引価格で利用できる制度があります。これらのサービスは積極的に使わないとメリットが得られません。派遣会社から定期的に届く案内やメール、専用サイトなどを確認し、普段の生活の中で積極的に利用しましょう。
また、福利厚生サービスの専用サイトには、派遣社員が見落としがちなさまざまな割引や特典が掲載されていることもあります。定期的に情報をチェックし、休日のレジャーや趣味、健康維持などに上手く役立てることで、仕事の疲れをリフレッシュすることができます。
健康診断やメンタルヘルスサポートを利用する
派遣社員が健康的に働き続けるためには、定期的な健康診断を受けることが重要です。派遣会社が提供する無料または割引価格での健康診断を、積極的に活用しましょう。健康診断を定期的に受けることで、病気の早期発見や健康リスクの軽減につながります。
また、メンタルヘルスのサポートサービスを提供している派遣会社も増えてきています。日常的なストレスや職場での悩みがある場合は、専門のカウンセラーによる相談サービスなどを遠慮なく利用し、精神的な健康管理を行いましょう。これにより、精神的にも安定した状態で派遣社員として長く働き続けられます。
ライフイベントに関する制度を活用する
結婚や出産、家族の病気や不幸といった人生の大きなイベントに対して支援を行う制度が派遣会社ごとに整っています。慶弔休暇や見舞金、お祝い金制度など、これらの制度は事前に知らないと利用機会を逃すこともあります。
派遣会社の制度をあらかじめ確認し、自分に起こりうるライフイベントの際に、どのような支援があるのかを把握しておきましょう。実際にライフイベントが起きた際に、速やかに派遣会社に報告・相談することで、安心して福利厚生制度を利用することができます。
福利厚生を上手く活用することで、派遣社員としての生活の質や働くモチベーションを高めることができます。自分が利用できる福利厚生をきちんと理解し、積極的に活用する習慣を身につけましょう。
派遣社員の福利厚生に関してよくある質問
派遣社員として働くうえで、福利厚生について気になる疑問は多いものです。ここでは、多くの派遣社員がよく疑問に感じる福利厚生に関する質問をピックアップし、それぞれ詳しく解説します。
派遣社員には福利厚生がないって本当?
「派遣社員には福利厚生がない」という誤解がありますが、これは正確ではありません。派遣社員にも社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)や有給休暇、健康診断など法律で定められた福利厚生があり、条件を満たせば必ず受けられます。
ただし、正社員に比べて住宅手当や家族手当、退職金といった派遣会社が任意で提供する福利厚生が少ないことが多いため、「福利厚生がない」と感じてしまう人もいるようです。また、派遣会社ごとに提供する福利厚生の種類や充実度が異なるため、派遣会社選びが重要になります。
派遣社員と正社員の福利厚生の差はどのくらいある?
法律で義務づけられた福利厚生(社会保険、有給休暇など)に関しては、派遣社員も正社員も基本的に同じ権利を持っています。ただし、派遣社員と正社員では企業が任意で提供する福利厚生(住宅手当や退職金制度など)の部分で違いが出るケースが一般的です。
また、派遣社員が受けられる福利厚生は、派遣会社によって大きく異なるため、派遣会社選びが非常に重要となります。正社員と比較した場合、住宅手当や退職金、家族手当などの制度は派遣社員にはないことが多いため、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。
福利厚生を受けるには派遣先企業との契約期間はどのくらい必要?
社会保険や雇用保険、有給休暇など、法律で義務づけられた福利厚生は、派遣会社との契約期間や勤務時間で条件が決まります。例えば社会保険への加入は、原則として「正社員の4分の3以上の週所定労働時間及び月所定労働日数」が必要です。雇用保険への加入は「週20時間以上かつ31日以上の雇用見込み」がある場合に適用されます。
有給休暇の場合は「勤務開始後6ヶ月間継続勤務し、その間の勤務日の8割以上出勤」という条件が必要です。派遣先企業が変わっても、同一の派遣会社との契約が続いている場合は、有給休暇の継続適用が可能です。派遣先ではなく、あくまでも派遣会社との契約期間や勤務状況が重要であることを覚えておきましょう。
派遣社員の福利厚生費や交際費はどうなる?
派遣社員が業務上で発生した交際費や福利厚生費(例えば職場の懇親会費、歓迎会費など)は、基本的には派遣先企業や派遣会社から支給されないことが一般的です。これらの費用は、企業が任意で従業員向けに提供するものであるため、派遣社員は自己負担となるケースがほとんどです。
ただし、派遣先企業の方針や派遣会社のルールによっては、交際費や社内行事費を支給する場合もまれにあります。派遣先のイベントへの参加が必要な場合や、費用負担に関して不明な点がある場合は、事前に派遣会社の担当者に相談することをおすすめします。
派遣社員も福利厚生を積極的に活用しましょう
派遣社員でも福利厚生を活用することで、収入や生活の安定、スキルアップ、健康管理、さらにはワークライフバランスの向上といった多くのメリットを享受できます。ただし、受けられる福利厚生の内容や条件は派遣会社によって大きく異なります。そのため、自分に必要な福利厚生が揃っている派遣会社を選ぶことが非常に重要です。この記事をきっかけに、派遣社員として自分が使える福利厚生を積極的に活用し、安心して働き続けられる環境を整えていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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