- 更新日 : 2024年12月13日
バイトの面接でよく聞かれる質問とは?聞くべき質問もあわせて解説!
アルバイトの面接は、正社員の場合と同様、自社が求める人材像に応募者がマッチングしているか見極めるための重要な選考過程です。この記事では、アルバイト面接で頻繁に聞かれる質問、面接官が聞くべき質問、そして面接に臨む際に準備すべきことについて詳しく解説します。
バイトの面接でよく聞かれる質問
アルバイトの面接において、採用担当者の定番の質問事項にはどのようなものがあるのでしょうか。
志望動機・応募理由
まず、アルバイトの面接においても、「志望動機・応募理由」を挙げることができるでしょう。アルバイトであっても、応募者が仕事に対して真剣な態度を持っているか、また、企業や職場の文化、価値観に合致しているかどうかは非常に重要な要素です。
シフト希望・シフトに入れる日
アルバイトの場合、シフト制を採用している場合が多いため、「シフト希望・シフトに入れる日」についての質問も一般的です。これによって、面接官は、応募者がどの程度フレキシブルに働けるか、また特定の時間帯や曜日に制約があるかを確認し、職場のスケジュール管理や人員配置の計画を立てることになります。
お盆や年末年始などに対応可能か
特に小売業やサービス業では、お盆や年末年始などの繁忙期には多くのアルバイトスタッフが必要になります。面接官は、「お盆や年末年始などに対応可能か」という質問を通じて、応募者がこれらの重要な時期に勤務できるかを確認します。
試験期間や繁忙期に対応可能か・学業や家庭との両立
アルバイト募集には、学生の応募者が少なくありません。学生の場合、学業が本業である以上、基本的に試験期間は出勤できないと考えるべきでしょう。繁忙期とバッティングしないか、しっかり確認しておく必要があります。また、本人の家庭の事情によって繁忙期に対応できないケースもありうるため、両立の可否を質問することも大切です。
試験期間や家庭の事情でシフトに入れない場合、前もって通知することや、繁忙期には追加で働くことができるなど、柔軟な対応が可能であることを告げることも考えておきましょう。
他アルバイトとの掛け持ちはあるかどうか
正社員と異なり、アルバイトの場合、一般的に他のアルバイトとの掛け持ちで働くケースは多くみられます。こうした場合、時間的な余裕やコミットメントの程度に制約が生じ、業務に影響があるため、面接官としては忘れずに聞いておくことが大切です。
通勤方法・通勤時間について
アルバイトの場合、遠方からの通勤というのは一般的ではありません。特にシフト制の場合、割り振った労働時間に適切に勤務してもらう必要があります。万が一の交通遅延などを想定し、通勤時間や代替ルールの有無を確認するため、通勤方法・通勤時間は不可欠な質問といえるでしょう。
勤務開始日はいつか
新卒採用を除けば、アルバイトに限らず、勤務開始日は必ず質問する事項です。特にアルバイトの募集は、通常、急ぎで人員の補充が必要な場合に行うものであり、会社が想定する期日に対応が可能か、確認しましょう。
アルバイト経験
社会人経験は、職場でのチームワーク力、コミュニケーション能力、問題解決能力などに大きな影響を与えます。その意味で、学生の場合、過去にアルバイトをしたことがあれば、社会人経験として、一定のスキルを学んでいると評価ができます。過去に同様の業務でのアルバイト経験があれば、採用後、すぐに職場に適応できる可能性が高いです。
自己PRおよび長所
自己PRおよび長所は、正社員の採用では定番の質問事項です。志望動機・応募理由と同様、会社が求める人物像とマッチングしているかを確認するために聞きます。アルバイトの場合も、この質問に的確に回答することができれば、応募者の人物像が明確になります。チームワーク力、コミュニケーション能力を判断する指標にもなります。
アルバイトを辞めたことがある場合には、辞めた理由
前職を辞めた理由も正社員の採用では、その理由がポジティブなのか、ネガティブなのかを確認するために必ず質問する事項です。一般的に有期雇用のアルバイトは、アルバイト経験があれば当然、辞めた経験があることになります。ただし、その理由が有期雇用期間の終了であるのか、雇用期間の途中での自己都合による退職なのかによって、仕事に向き合う姿勢を推し量ることができます。法的には有期雇用の場合の自己都合退職は契約違反ともいえるため、詳しく事情を聞く必要があるでしょう。
アルバイトの面接で聞くべき質問
アルバイト面接において、応募者へ質問するべき事項としては、上記の定番以外にどのようなことが挙げられるのでしょうか。応募者だけでなく、企業の面接担当者としても聞かれることを想定しておくことが大切です。
合否の連絡時期・連絡手段
採用担当者は、合否の連絡時期および連絡手段については、応募者に質問される前に面接において説明するべきです。これによって、選考プロセスに対する透明性と信頼性が向上することになります。連絡時期については、具体的な日付や期間を示し、連絡手段については電話、Eメール、郵送など、応募者がアクセス可能で確実な方法を伝えましょう。
シフトが決まるタイミング・要望は受け入れられるか
シフト制をとっている場合、アルバイトの応募者としては、その決まるタイミングと自分の要望が受け入れられるかは重要な関心事です。採用担当者は、シフトがいつ、どのように決まるのか、シフトの決定にはどのような基準が用いられるのか、応募者が希望する勤務時間や曜日に柔軟に対応できる範囲などを具体的に示すことが大切になります。
試用期間の有無・時給は記載の通りか
試用期間は、無期雇用の正社員の場合に適性をみるための期間であり、アルバイトのような有期雇用の労働者では契約期間で更新しない方法もあるため、導入する意味はないといえます。したがって、アルバイトの場合、有期雇用であることを明確にし、更新しない場合があることをしっかり説明することが重要です。時給については、現時点での勤務地における最低賃金を遵守していることを確認のうえ、求人広告と齟齬がないようしなければなりません。
研修の有無
アルバイトを社会人経験の一環として考える学生などの場合、研修の有無について質問することも考えられます。その際、単に研修があるということだけではなく、その内容、期間、時間、場所、そして研修中の労働条件(時給が変わるかどうかなど)を明確にします。また、研修を受けることが仕事を始める前提条件かどうか、研修が実務にどのように役立つかについても説明するとよいでしょう。
残業の有無
アルバイトの場合、学業や部活の隙間時間に仕事をすることを想定することも多いため、残業の有無は知っておく必要度が高い質問事項だといえます。採用担当者としては、残業が予想される場合、その頻度、時間、条件(割増賃金など)を具体的に説明します。残業が求められる状況や、残業を拒否することが可能かどうかについても補足しておきましょう。
繁忙期・どうしてもシフトに入る必要がある時期はあるか
シフト制を採用している場合、「シフト希望・シフトに入れる日」は質問事項の定番でしたが、学生の場合、試験期間などでどうしても繁忙期であってもシフトに入れない可能性があります。会社としては、繁忙期の人員補充を期待してアルバイト採用を行うのであれば、シフトに応じられない場合は採用基準を満たしていないということもあります。その旨、あらかじめ明確にしておくことが望ましいといえます。繁忙期に勤務することで特別な手当やインセンティブがある場合は、その情報も提供します。
髪色・髪型・ネイル・ピアス等の服飾規程
髪色、髪型、ネイル、ピアスなどの外見に関するガイドラインは企業によって異なります。特に飲食業や接客業では顧客への印象を考慮して厳格な規程が設けられているのが一般的です。採用後のトラブルを避けるためにも、こうした服飾規程は事前にすり合わせておくことが重要です。宗教や身体上の理由などで服飾規程を遵守することが難しい応募者に対しては、会社としての対応方法を考えておくことも必要となります。
働く人の年齢層・雰囲気
応募者によっては、自分が働こうとしている環境を事前にイメージし、自身がその環境に適応できるかどうかを考え、職場の年齢層や雰囲気についての情報を知りたい人もいます。採用担当者としては、職場の雰囲気については、チームワークの重視度、コミュニケーションスタイル、ワークライフバランスへの取り組みなど、職場文化の特徴を具体的に説明します。
まかないや社販はあるか
アルバイトの待遇の一つとして、まかないや社販制度の存在は非常に魅力的であり、応募者の関心を引く要素です。まかないがある場合、その内容や提供される頻度、利用のルールを明確にします。社販制度がある場合は、どのような商品やサービスが割引価格で提供されるのか、利用条件や制限がある場合はそれらについても詳しく説明するとよいでしょう。
バイトの面接で必要なもの・準備すべきもの
最後にアルバイトの応募者が面接に臨んで、忘れてはならない書類などのほか、把握しておくべき情報について確認しておきましょう。採用担当者にとっては、応募者に求めるべきものということになります。
履歴書
アルバイトに限らず、採用試験では、履歴書は不可欠な提出書類です。以前は、一般財団法人日本規格協会によるJIS規格の様式がありましたが、性別欄の存在から令和2年7月から削除されたため、現在はこれに代わって厚生労働省において厚生労働省履歴書様式を公開しています。誤字脱字がないことを確認し、写真も最近のものを使用します。また、履歴書は郵送、持参のいずれの場合も折り目や汚れがつかないように注意します。
高校生の場合は保護者の同意書
高校生がアルバイトをする場合、多くの企業では保護者の同意が必要です。これは、未成年者が労働に従事する際に、保護者がその内容を理解し、同意していることを確認するためです。同意書には、保護者の署名や捺印が必要となることが多く、場合によっては連絡先や保護者の氏名、住所などの情報も記入する必要があります。同意書は、労働契約の一部として重要な役割を果たします。また、事前に学校の規則でアルバイトが許可されているかも確認しておくことが重要です。
高校生の場合は年齢を証明できるもの
アルバイトを希望する高校生は、年齢を証明できる公的な身分証明書を用意することが求められます。これは、労働基準法や児童福祉法に基づき、未成年者の就労条件を確認するためためです。年齢を証明できるものには、学生証、パスポート、住民基本台帳カード、運転免許証などがあります。これらの書類を提示することで、応募者が法律で定められた年齢要件を満たしているかどうかを証明し、アルバイトが法的な基準に適合していることを保証します。
振込先情報・通帳や印鑑
アルバイトを始める際には、給与の振込先となる銀行口座の情報を提供する必要があります。面接時や採用が決定した際に、振込先情報を求められることが一般的です。振込先情報には、銀行名、支店名、口座種別(普通口座や当座口座)、口座番号、口座名義人の氏名などが含まれます。通帳やキャッシュカードを持参することで、情報の正確性を確認し、誤入金などのトラブルを防ぐことができます。また、給与の振り込みに関連して印鑑(認印または銀行印)が必要になる場合もあるため、面接時にこれらを準備しておくとスムーズです。特に、アルバイト契約の際には口座情報の提出が求められることが多いので、事前に準備しておくことが望ましいでしょう。
マイナンバー情報・カード
マイナンバー制度は、各個人に付与される個人識別番号制度です。アルバイトを含む雇用契約において、マイナンバーは税金や社会保険の手続きに必要となります。そのため、アルバイトの面接時や採用が決定した際に、マイナンバー情報の提出を求められることがあります。マイナンバーカードや通知カードを持参することで、採用担当者は必要な手続きを行うことができます。マイナンバーカードには個人の基本情報のほか、顔写真も記載されているため、身分証明書としての機能も果たします。マイナンバー情報の提出は、個人情報の取り扱いに関する規定に従って厳密に管理されるため、安心して提出することができます。ただし、どのような書類が必要かは職場によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。
筆記用具
面接時に筆記用具を持参することは、基本的かつ忘れてならない重要な準備です。面接中にアンケートの記入が求められたり、重要な情報をメモしたりする必要が出てくるかもしれません。筆記用具として、少なくともボールペンまたはシャープペンシルを準備しておくとよいでしょう。準備しておくことで緊急の状況にも対応でき、応募者としての真剣さを示すことができます。
応募先の連絡先
面接に行く際は、応募先の連絡先を控えておくことが非常に重要です。特に、道に迷ったり、何らかの事情で遅れそうになったりした場合に、迅速に連絡を取ることができます。連絡先には、企業の電話番号やメールアドレスのほか、可能であれば担当者の名前も含みます。また、面接の日時や場所、必要な持ち物などの情報も一緒にメモしておくと安心です。この情報をスマートフォンに保存したり、紙に書いてバッグに入れたりして、いつでも確認できるようにしておきます。
訪問時に連絡する担当者名・部署
企業に訪問する際は、面接の担当者名やその人が所属する部署を事前に把握し、前述のようにメモしておきます。受付では所属部署と担当者名を告げて案内してもらうことになります。もし情報が不明な場合は、面接前に連絡して確認しておくことも必要となります。
バイト面接!採用担当者、応募者とも十分な準備でウィン・ウィンを実現しよう!
アルバイト面接で頻繁に聞かれる質問、面接官が聞くべき質問、そして面接に臨む際に準備すべきことについて詳しく解説してきました。
効果的にアルバイトの採用面接へ臨むためには、採用担当者だけでなく、応募者も適切な質問を想定するとともに、必要な事前準備が欠かせません。企業と応募者の双方にとってウィン・ウィンの結果を導き出しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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