• 更新日 : 2024年7月16日

【最新調査】SDGsとは簡単に?17の目標や企業や個人の取り組み事例

SDGs(エス・ディー・ジーズ)とは、2030年までに世界中の人々が協力して達成すべき「持続可能な開発目標」のことです。簡単に言えば、「環境破壊や貧困、差別などの問題を解決し、人間がずっと地球で豊かに暮らせるようにするための世界共通の約束」を指します。

2026年1月現在、目標達成の期限である2030年まで残り5年を切りました。

本記事では、SDGsの基本から最新の進捗状況、そして中小企業や個人が今日から実践できる具体的な取り組みをわかりやすく解説します。

SDGsとは簡単に言うと?

SDGsは、Sustainable Development Goals(サステナブル・デベロップメント・ゴールズ)の略称で、「エス・ディー・ジーズ」と読みます。

SDGsの意味は、「将来の世代が必要とするものを損なうことなく、現在の私たちのニーズも満たす開発」です。

2015年9月の国連サミットで、加盟国193ヵ国が全会一致で採択しました。「誰一人取り残さない(Leave no one behind)」をスローガンに、先進国と途上国が一丸となって取り組むべき普遍的な目標です。

SDGsが生まれた背景

SDGsが生まれた背景には、地球環境や人間社会への深刻な危機感があります。

  • 1972年「成長の限界」:
    ローマクラブが「このまま人口増加や環境汚染が続けば、100年以内に地球の成長は限界に達する」と警告しました。
  • 2000年「MDGs(ミレニアム開発目標)」:
    SDGsの前身となる目標。主に途上国の貧困や飢餓の撲滅を目指しましたが、先進国の関与や環境問題への視点が十分ではありませんでした。
  • 2015年「SDGs」誕生:
    MDGsの成果と課題を引き継ぎ、気候変動や経済格差など、先進国自身が取り組むべき課題を包括した17の目標が設定されました。

政府や国連だけでなく、企業やNGOを含む世界中のステークホルダーが約2年にわたる議論を経て作り上げた、人類の羅針盤といえます。

参照:SDGsとは?|外務省

【一覧表】SDGsの17の目標と169のターゲット

SDGsの掲げる17の目標は、大きく分けると「経済」「社会」「環境」の3つのバランスを保つように構成されています。また、17の目標には、それぞれに10個程度のターゲットがあり、合計で169個あるため169のターゲットと呼ばれています。

社会、経済、環境で見る17の目標

貧困や飢餓から、経済成長、気候変動まで、世界が解決すべき課題を17のジャンルに分類しています。理解しやすいよう、3つのカテゴリーに分けて整理しました。

社会(貧困・人権・生活)

番号目標タイトル簡単な内容
1貧困をなくそう世界中からあらゆる形の貧困をなくす。
2飢餓をゼロに誰でも栄養のある食事がとれるようにし、持続可能な農業を行う。
3すべての人に健康と福祉をあらゆる年齢の人が健康で、安心して暮らせる医療や福祉を整える。
4質の高い教育をみんなに誰でも公平に、質の高い教育を受けられる機会を作る。
5ジェンダー平等を実現しよう男女の差別をなくし、すべての女性と女の子の能力を伸ばす。
6安全な水とトイレを世界中に誰もが安全な水とトイレを利用できるようにし、管理を徹底する。

経済(豊かさ・産業)

番号目標タイトル簡単な内容
7エネルギーをみんなに そしてクリーンに電気やガスなどのエネルギーを、安く、安定して、環境に優しく使う。
8働きがいも経済成長も全員が働きがいのある仕事につき、経済も成長させ続ける。
9産業と技術革新の基盤をつくろう災害に強いインフラを作り、新しい技術や産業を育てる。
10人や国の不平等をなくそう国内や国同士の貧富の差や不平等を減らす。
11住み続けられるまちづくりを災害に強く、安全で快適に住み続けられる都市や地域を作る。
12つくる責任 つかう責任資源を無駄にせず、生産から廃棄までのリサイクルや削減を徹底する。

環境(地球・協力)

番号目標タイトル簡単な内容
13気候変動に具体的な対策を地球温暖化などの気候変動とその影響を食い止める対策を急ぐ。
14海の豊かさを守ろう海の汚染を防ぎ、魚やサンゴなどの資源を大切に使う。
15陸の豊かさも守ろう森や動物を守り、砂漠化を防ぎ、生態系を回復させる。
16平和と公正をすべての人に暴力や争いをなくし、誰もが公平に扱われる社会を作る。
17パートナーシップで目標を達成しよう国、企業、市民が協力し合い、世界の目標達成を目指す。

169のターゲットとは

SDGsの掲げる17の目標には、それぞれに10個程度のターゲットがあり、合計で169個あるため169のターゲットと呼ばれています。

ターゲットには、具体的な期限や数値が示されています。

  • 目標1(貧困)の例:
    「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」
  • 目標8(経済)の例:
    「各国の状況に応じて、一人当たり経済成長率を持続させる。特に後発開発途上国は少なくとも年率7%の成長率を保つ」

SDGsに取り組む各国は、これらの具体的なターゲットについて、2030年までの実現を目指して活動しています。

参照:SDGs(持続可能な開発目標)17の目標と169のターゲット|農林水産省

【2025年】世界の進捗状況は?国連報告書のポイント

2030年の期限まで残り5年となった現在、国連が発表した「持続可能な開発目標(SDGs)報告 2025」は、世界の進捗状況について「順調なターゲットはわずか18%」にとどまっています。

「緩やかに進捗している(17%)」を合わせても全体の35%に過ぎず、残りの約6割以上が停滞、あるいは後退している状況です。報告書では、約束を実現するために「最後の5年間を最大限活用しなければならない」と強く主張しています。

17の目標別・最新の進捗ハイライト

報告書で示された各目標の最新データ(2023〜2025年時点)は以下の通りです。インフラ面での改善は見られる一方、環境や人権の危機が深刻化しています。

  • 目標1(貧困):
    世界人口の半数以上が、現在少なくとも1つの社会的保護給付を受けられるようになりました。
  • 目標2(飢餓):
    飢餓人口は減少傾向にあるものの、2024年には世界で12人に1人が飢餓に直面しており、依然として2015年の水準を上回っています。
  • 目標3(健康):
    2015年から2023年にかけて、妊産婦死亡率は14%減少、5歳未満児死亡率は16%減少し、着実な成果を上げています。
  • 目標4(教育):
    2015年以降、新たに1億900万人以上の子どもが学校に通えるようになりましたが、2023年時点でも2億7,200万人が学校に通えていません。
  • 目標5(ジェンダー):
    2025年1月現在、国会議員に占める女性の割合は27.2%にとどまります。前年からの増加はわずか0.3ポイントで、歩みは非常に緩やかです。
  • 目標6(水と衛生):
    安全に管理された飲料水を利用できる人は74%(2024年)まで増加しましたが、安全な衛生施設(トイレなど)の利用は58%にとどまっています。
  • 目標7(エネルギー):
    世界の電力アクセス率は、2010年の84%から2023年には92%へ向上し、順調に進んでいます。
  • 目標8(経済成長):
    児童労働者数は2020年から2,000万人以上減少し、2024年には1億3,800万人となりましたが、撲滅にはまだ遠い状況です。
  • 目標9(インフラ):
    高所得国では84%の人が5Gにアクセスできる一方、低所得国ではわずか4%にとどまり、デジタル格差が鮮明です。
  • 目標10(不平等):
    障害者が差別を受けたと報告する割合は28%で、健常者の17%と比べて高く、根強い不平等が残っています。
  • 目標11(まちづくり):
    世界で最大30億人が住居費の工面に苦労しており、11億2,000万人がスラム街などの劣悪な環境で暮らしています。
  • 目標12(つくる責任 つかう責任): 食品の13%が収穫から小売までの流通過程で失われ、さらに19%が家庭や飲食店などの消費段階で廃棄されています。
  • 目標13(気候変動):
    2024年は観測史上最も暑い年となり、世界の平均気温は産業革命前より1.55℃上昇しました。
  • 目標14(海の豊かさ):
    サンゴ礁の危機が深刻化しており、気温が1.5℃上昇するシナリオでは70〜90%が死滅すると予測されています。
  • 目標15(陸の豊かさ):
    生物種の絶滅リスクを示すレッドリスト指数は1993年以降12%悪化しました。一方で、保護地域の割合は17.6%となり、2020年の目標数値を達成しています。
  • 目標16(平和):
    紛争による死者数は2024年に5万人近くに達し、これは「12分に1人が亡くなる」計算になります。
  • 目標17(パートナーシップ):
    途上国の債務負担が急増しており、2023年の債務返済コストは過去最高の1兆4,000億ドルに達しました。

総評:インフラは進展するも「命と環境」が置き去りに

最新データからは、電力や通信(目標7・9)といったインフラ整備が進む一方で、気候変動(目標13)や平和(目標16)、ジェンダー(目標5)といった「人間の尊厳と地球環境」に関わる分野の遅れが深刻であることが読み取れます。

特に2024年が観測史上最も暑い年となり、紛争による死者が増え続けている現実は、単なる技術の進歩だけでは解決できない課題が山積していることを示しています。企業活動においても、単に便利なサービスを提供するだけでなく、「その事業が環境や人権にどう配慮しているか」という視点が、これからの5年間でより厳しく問われることになるでしょう。

参照:SDGs報告 2025|国連経済社会局

【世界と比較】日本のSDGs達成度は?

日本のSDGs達成度は、世界ランキングで19位となり、前年の18位から順位を下げました。

日本はフィンランドやスウェーデンといった上位の北欧諸国と比較して、「ジェンダー」と「環境」の2分野で大きく遅れをとっています。

急務とされるのは、最低評価と判定された以下の6目標です。

  • 目標5(ジェンダー):
    女性議員の比率や賃金格差が改善されず、政治・経済面での参画が進んでいません。
  • 目標12・13・14・15(環境):
    CO2排出量、食品ロス、海洋プラスチック汚染など、消費活動に伴う環境負荷が高止まりしています。
  • 目標17(パートナーシップ):
    国際的な資金援助などの取り組みが不足しています。

一方、教育(目標4)や産業インフラ(目標9)、平和と公正(目標16)では、世界トップレベルを維持しています。

参照:Sustainable Development Report(英語サイト)

企業がSDGsに取り組むには?

SDGsへの取り組みを成功させるコツは、自社の「もったいない(廃棄物)」や「強み(地域とのつながり)」を価値に変えることにあります。

ここでは、独自のアイデアでSDGsを経営の武器に変えた3社の事例を紹介します。

廃棄物を「会社の顔」に変えるアップサイクル(山陽製紙株式会社)

大阪府の製紙メーカー、山陽製紙株式会社は、不要になったコピー用紙を単にリサイクルするのではなく、価値あるオフィス用品に生まれ変わらせる「PELP!(ペルプ)」というサービスを展開しています。

機密文書などの古紙は溶解処理されて終わりですが、同社はこれを回収し、デザイン性の高い封筒やノートとして会員企業に還元する仕組みを構築しました。

「つくる責任 つかう責任(ゴール12)」をビジネスモデルそのものに組み込み、価格競争になりがちな製紙業界で独自のポジションを築いた例です。

参照:サステナビリティへの取組み|山陽製紙株式会社 

「CO2ゼロ」を顧客への付加価値として提供(株式会社大川印刷)

横浜市の大川印刷は、印刷業界初の「ゼロカーボンプリント」を推進し、顧客のCO2間接排出量(Scope3)削減を支援しています。環境意識の高い大手企業にとって、同社への発注は自社のSDGs達成に直結するため、価格競争からの脱却と新規取引の拡大に成功しました 。

気候変動対策(ゴール13)をビジネスチャンスに変えた事例です。

参照:SDGs達成を通じた取組(PDF)|株式会社大川印刷 

地域住民と共に「里山」を守る(石井造園株式会社)

横浜市の造園業、石井造園は、深刻化する「ナラ枯れ」から里山を守るため、地域住民や親子を巻き込んだ自然観察会や保全活動を行っています 。 単なる造園作業にとどまらず、市民に地元の自然の豊かさを再発見してもらう場を提供することで、環境保全(ゴール15)と住み続けられるまちづくり(ゴール11)を実践しています 。地域に必要とされる企業としての信頼構築につながっています。

参照:石井造園株式会社|ヨコハマSDGsデザインセンター 

中小企業や個人ができる取り組みとは?

SDGsは中小企業こそ取り組むメリットが大きく、実践している企業も増えています。帝国データバンクが発表した「SDGsに関する企業の意識調査」によると、国内企業の5割以上がすでにSDGsに積極的に取り組んでいる、または意欲があるというデータがあります。

特に企業が力を入れている目標の上位は以下の通りです。

  1. 目標8:働きがいも経済成長も
  2. 目標12:つくる責任 つかう責任
  3. 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに

日常の業務改善の延長にあるものがほとんどです。

参照:SDGsに関する企業の意識調査(2025年)|帝国データバンク

コスト削減と環境対策(ペーパーレス・省エネ)

業務の効率化は、そのまま環境負荷の低減(SDGs)になります。

  • ペーパーレス化: 請求書や会議資料をデジタル化することで、紙代・印刷代・保管コストを削減し、森林資源を守ります。
  • 省エネ対策: LED照明への切り替えや空調管理の徹底は、CO2排出削減と電気代の節約に直結します。

働きがいと人材活用(ダイバーシティ)

人手不足が深刻な今、「選ばれる企業」になるための取り組みです。

  • 多様な働き方の推進:
    テレワークや時差出勤を導入し、育児・介護中でも働きやすい環境を整えます。
  • ハラスメント防止と公平性:
    性別や国籍に関わらず評価される仕組みを作ることで、離職率を下げ、優秀な人材の確保につなげます。

家庭でできる小さなSDGs

SDGsは個人の行動の積み重ねでもあります。家庭で今日からできるSDGsを紹介します。

  • 食品ロスを減らす(目標12): 食材を買いすぎない、賞味期限が近いものから使う(てまえどり)。
  • マイボトル・マイバッグを持つ(目標14): プラスチックごみを減らし、海の汚染を防ぐ。
  • 認証マークの商品を選ぶ(目標15): FSC認証(森林を守る紙)やMSC認証(海を守る水産物)がついた商品を選ぶことで、環境に配慮した企業を応援する。
  • 節電・節水を心がける(目標13): こまめに電気を消す、水を出しっぱなしにしない。

SDGsの取り組みで持続可能な未来に

「持続可能な開発目標」であるSDGsは2015年に採択されて以降、17の目標と169のターゲットに基づき、各国で積極的な取り組みが行われています。

地球環境や経済、人々の暮らしなど世界のさまざまな課題を解決し、誰一人取り残さずに豊かな未来を実現するための取り組みです。すべての人が尊厳を持って生きることができる世界を目指しています。

SDGsへの積極的な取り組みを始める企業は多く、今後も2030年に向けた目標の実現は加速していくでしょう。

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