マイナンバー制度で扶養控除等申告書の取り扱いはどう変わる?

マイナンバー制度で扶養控除等申告書の取り扱いはどう変わる?

マイナンバー制度で扶養控除等申告書の取り扱いはどう変わる?

年末調整の際に事業者が従業員に対して配る2種類の書類のうちの1つ「扶養控除等申告書」。マイナンバー制度が導入されると、この書類に関してもいくつか注意すべきポイントが発生します。

ここでは扶養控除等申告書がそもそもどういう性質の書類なのかというところから、マイナンバー制度における取り扱いについてまでを解説します。

年末調整と扶養控除等申告書

年末調整とは何のためにするのか?

扶養控除等申告書について説明する前に、まずは年末調整自体について理解しておきましょう。

会社は従業員に給料を支払う前に「源泉徴収」といって、もとの給料から所得税と復興特別所得税を天引きしてから、給料を支給します。しかしこの給料から天引きした税金の額(源泉徴収額)とその年の所得金額から計算される本来の税金の額が一致しないという事態が起こることがあります。その場合に両者の差を埋める手続きが年末調整です。

扶養控除等申告書は何のためにあるのか?

ここで登場するのが「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」という2枚の書類です。

これらの書類に必要事項を記載して提出すると、それをもとにその年に納めるべき税額が計算し直されます。その時に給料から天引きされた税金の額(源泉徴収額)が、納めるべき税金の額よりも多かった場合はその差額分が戻ってきますし、少なければ差額分を追加で徴収されるというわけです。

扶養控除等申告書とマイナンバー制度の関係

マイナンバーは税制においても利用されます。そのためマイナンバー制度が導入されれば、所得税と深い関係にある扶養控除等申告書に変更があります。
端的に言えば書類の各所にマイナンバーの記入欄が追加されるだけです。

「え?それだけ?」と思うほど些細な変更かもしれません。しかしこの変更に伴って気をつけなければならないことがいくつか出てきます。以下ではその注意点について説明しましょう。

マイナンバー制度導入後の扶養控除等申告書の取り扱い

ここではマイナンバー導入後の扶養控除等申告書の取り扱いについて、3つのポイントに絞って紹介していきます。

扶養控除等申告書に書かれている個人番号の取り扱い

先ほど見たように、マイナンバー導入後の扶養控除等申告書にはマイナンバーの記入欄が設けられます。このマイナンバーは年末調整のために従業員本人とその扶養親族から取得したものですが、例えばこれを源泉徴収票を作成する業務に利用することはできるのでしょうか。

見方によっては「マイナンバーの流用」と取ることもできそうです。しかし年末調整と源泉徴収票作成は冒頭でも見たように、とても深い関係にあります。したがって年末調整のために扶養控除等申告書に記載されたマイナンバーを源泉徴収票作成に利用することは、「利用目的の範囲内」とみなされるため、「マイナンバーの流用」にはなりません。(参考: Q&A(回答)|特定個人情報保護委員会

個人番号の利用目的は事業者が扶養親族に通知するべきか

事業者はマイナンバーの利用目的について、従業員の扶養親族に対して何らかの形で通知しておく義務があります。ひょっとすると「従業員が自分の扶養親族に説明しているだろう」と考えてしまっても無理はないかもしれません。

しかし個人情報法第18条に基づくと、個人情報を取り扱う場合には事業者は「その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない」のです。これはマイナンバーについても同様で、あくまで「本人」に通知しなくてはいけないという点に注意しましょう。
(参考:個人情報の保護に関する法律|法令データ提供システム

事業者は扶養親族のマイナンバーの番号確認ができるか

事業者は従業員から扶養親族のマイナンバーが記載された扶養控除等申告書を受け取った際に、そのマイナンバーが正しいかどうかを確認するはずです。もし間違っていたらそのあとのマイナンバー関連事務に問題が発生するからです。

ただしこの場合に確認すべきなのは「番号が間違っていないか」だけ。したがって扶養親族の通知カードやマイナンバーカードのコピーなどを従業員から受け取り、番号確認をすることは可能です。ただし身元確認の必要はないため、免許証や保険証の提示はしなくても問題ありません

まとめ

年末調整業務は税制と深く関わっているため、年末調整の書類の1つである扶養控除等申告書とマイナンバー制度には深い関わりがあります。

書類の書き方や様式が大きく変わるわけではありませんが、マイナンバーを従業員や事業者、年末調整の担当者が扱うことには変わりありません。マイナンバーの漏えいなどが起きないように保守面などに事業者・従業員ともに最新の注意を払うようにしましょう。

photo by Pierre

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