- 作成日 : 2026年2月16日
デイサービスが儲かる仕組みとは?収益構造から利益を最大化する経営のコツまで解説
稼働率90%以上の維持と加算の取得、ICT活用による人件費率50〜60%への抑制にあります。
- 損益分岐点は稼働率70〜80%が目安
- 加算取得と特化型モデルで客単価を向上
- 送迎エリアの限定により隠れた経費を削減
経営者の年収は、1拠点経営で600万〜1,000万円が一般的です。利益率15〜25%を達成するには、現場の業務効率化と送迎コストの最適化が不可欠です。
デイサービスが儲かる仕組みは、介護保険制度に基づく安定した報酬体系を活用し、高い稼働率と適切な加算取得を組み合わせることにあります。介護保険制度に基づく通所介護事業は、売上の上限がある程度決まっているからこそ、収益性を高めるための緻密な設計が欠かせません。
本記事では、デイサービスへの参入を検討している方や、現状の収益改善を目指す経営者向けに、利益が出る構造と具体的な運営手順を紹介します。
目次
デイサービスが儲かる仕組みとは?
デイサービスの主な収入源は、利用者が支払う1〜3割の自己負担金と、介護保険制度に基づき、保険者(市町村等)から国民健康保険団体連合会(国保連)を通じて支払われる介護報酬で構成されています。
サービスの提供時間や利用者の要介護度に応じて基本報酬が設定されており、一度利用が定着すれば毎月安定した収益が見込めるのが特徴です。この公定価格制度により、一般的な飲食店のような急激な価格競争に巻き込まれにくいというメリットがあります。
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デイサービスの経営者の年収目安は?
デイサービス経営者の年収は、運営規模や形態によりますが、1拠点経営の場合で600万〜1,000万円程度が平均的な目安となります。
1拠点あたりの収支シミュレーション
一般的な規模のデイサービス(定員25名、稼働率80%)収支例は、以下の通りです。
| 項目 | 月間の目安額 | 備考 |
|---|---|---|
| 売上(介護報酬+自己負担) | 400万〜500万円 | 稼働率80%、平均要介護度を想定 |
| 人件費(最大の固定費) | 200万〜250万円 | 売上の50〜60%が理想 |
| 家賃・車両・光熱費 | 50万〜80万円 | 拠点の立地や規模により変動 |
| その他(給食費・消耗品) | 30万〜50万円 | 変動費として管理 |
| 営業利益(手残り) | 70万〜120万円 | 利益率15〜25%程度 |
損益分岐点は稼働率70〜80%
デイサービス経営において、黒字化の損益分岐点は稼働率70%〜80%とされています。定員20名の事業所であれば、1日平均14〜16名の利用者がいて初めて固定費を賄える計算になります。赤字事業所は全体の約3〜4割に達しており、手堅い運営ができれば10%前後の利益率を目指せます。
理想的な人件費率は売上の60%〜65%
デイサービス経営における最大のコストは人件費であり、売上の50〜60%を占めることが一般的です。売上の70%を超えると赤字リスクが高まります。法定の配置基準を守りつつ、無駄な残業の削減や、利用者数に応じた柔軟なシフト調整を行うことが重要です。
デイサービスの収益を最大化するポイントは?
儲かっているデイサービスは、稼働率の維持だけでなく、加算の徹底取得やサービスモデルの差別化に注力しています。
稼働率を90%以上に維持する
デイサービスで利益を出すための第一条件は、定員に対する稼働率を常に90%以上に保つことです。
そのためには、地域のケアマネジャー(介護支援専門員)との強固な信頼関係構築が不可欠です。あそこのデイなら安心して任せられるという評価を得るために、日々の報告・連絡・相談を徹底し、見学時の成約率を高めるプログラムの魅力付けが必要となります。
加算の取得による客単価の向上
基本報酬に上乗せされる加算を漏れなく取得することが、利益率を改善します。
例えば、理学療法士などを配置して行う個別機能訓練加算や、入浴サービスを提供する入浴介助加算など、ニーズの高い加算を組み合わせることで、一人あたりの売上を数千円単位で底上げ可能です。
| 加算名 | 主な要件 | 収益への影響 |
|---|---|---|
| 個別機能訓練加算 | 専従の機能訓練指導員を配置し計画策定 | 高 (単価が大幅に向上) |
| 入浴介助加算 | 適切な設備と介助体制の整備 | 中 (利用者ニーズが非常に高い) |
| 科学的介護推進体制加算 | LIFEへのデータ提出 | 低〜中 (今後の制度改正で重要) |
| 処遇改善加算 | 介護職員の賃金改善・キャリアアップ支援 | 高 (人件費の補填として必須) |
収益源の多様化と差別化
介護保険だけに頼らず、保険外サービス(自主事業)を組み合わせることでリスクを分散できます。
- 保険外サービス:「お泊りデイ」や「自費リハビリ」などの導入がおすすめです。
- 特化型モデル:リハビリ特化型や認知症専門型など、特定のニーズに特化することで競合と差別化し、高い稼働率を維持しやすくなります。
ICT活用による業務効率化
介護記録の電子化や送迎ルートの自動作成ソフトを導入し、現場スタッフが直接的な介護に専念できる環境を作ることが重要です。
事務作業に費やす時間を削減することで、残業代を抑制し、少ない人数でも質の高いサービスを提供できる高生産性モデルへと転換できます。
儲かるデイサービスを開設・運営する手順は?
デイサービスをゼロから立ち上げ、収益化の軌道に乗せるまでの手順をステップごとに解説します。
1. 市場調査と独自コンセプトの設計
まずは開業予定エリアの高齢者人口と競合事業所の状況を分析し、自社の売りを明確にします。
リハビリ特化型認知症対応型豪華な食事・内装重視型など、周辺施設と差別化できるコンセプトを固めることで、ケアマネジャーからの紹介を得やすくなります。
2. 指定申請と人員・設備基準のクリア
通所介護事業を行うには、都道府県または市区町村からの指定(許可)を受ける必要があります。
管理者、生活相談員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員の配置基準を満たし、必要な床面積を確保した物件を準備します。この際、初期投資を抑えるために居抜き物件を活用するのも一つの戦略です。
3. ケアマネジャーへの徹底した営業活動
指定が下りる前から、近隣の居宅介護支援事業所へ挨拶回りを行い、自社の特徴を伝えます。
チラシやパンフレット(リーフレット)を持参し、どのような利用者であれば貢献できるかを具体的に提案することが、早期の満床につながります。
4. 続的なモニタリングと加算管理
運営開始後は、毎月の稼働率と利益率を厳密にチェックし、計画との乖離を確認します。
特に介護報酬改定(通常3年ごと)のタイミングでは、加算の算定要件が変わることが多いため、最新の情報を収集し、常に収益を最大化できる体制にアップデートし続けることが重要です。
デイサービスの経営に失敗しないためのポイントは?
「デイサービスの経営が厳しい」と言われる原因の多くは、「人件費の高騰」と「稼働率の低下」にあります。
スタッフの離職防止と採用コストの抑制
介護業界は慢性的な人手不足であり、採用コストの高騰が利益を圧迫する要因となります。
働きやすい職場環境を整え、離職率を下げることは、採用費の削減だけでなく、サービスの質(利用者満足度)の維持にも直結します。処遇改善加算を最大限に活用し、給与面での優位性を確保することも大切です。
送迎業務の効率化
見落とされがちなのが、送迎エリアの広がりによるコストロスです。遠方の利用者をたった1人のために送迎すると、スタッフの拘束時間とガソリン代が増大します。効率化のため、「事業所から半径3km以内」など送迎エリアを限定する決断も、利益率向上には有効です。
介護報酬改定への対応
介護保険制度は数年おきに見直され、基本報酬の引き下げや加算要件の厳格化が行われることがあります。
常に厚生労働省の最新発表を確認し、制度の変化を先読みした経営判断を行うことが、安定収益を維持するコツです。
デイサービスを持続的に経営するために
デイサービスで儲かる仕組みを構築するには、介護報酬制度を深く理解した上で、稼働率の最大化と加算取得の徹底、そしてICT活用によるコスト削減を同時に進めることが重要です。地域ニーズに応える魅力的なコンセプトを掲げ、スタッフが活き活きと働ける環境を整えることが、結果として高い利益率と持続可能な経営につながります。
通所介護事業は社会貢献性が高く、高齢化が進む日本において今後も需要が見込まれる分野です。今回ご紹介した収益構造のポイントを押さえ、着実な事業運営を目指しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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