- 作成日 : 2026年1月14日
マルシェ主催者は儲かる?収益の仕組み・個人で利益を出すコツを解説
マルシェの主催に興味があるけれど、「本当に儲かるのか?」「赤字になるリスクはないのか?」と不安を感じていませんか?
本記事では、マルシェ主催者のリアルな収益事情から、利益を最大化する仕組み、必要な許可や確定申告の知識までを網羅的に解説します。マルシェ主催を趣味の延長ではなく、事業として成功させるためのポイントを押さえましょう。
目次
マルシェ主催者は本当に儲かる?
マルシェ主催というビジネスは、戦略なしに開催するだけでは利益が出にくい構造といえます。
多くのマルシェ主催者が直面するのは、準備にかかる膨大な労力に対して、手元に残るお金が少ないという厳しい現実です。しかし、ビジネスモデルを正しく設計すれば、継続的な収益を生む事業へと成長させることは不可能ではありません。
ここでは、マルシェ主催のリアルな収益事情と、なぜ利益を出すのが難しいとされるのか、その構造的な理由を解説します。
結論:マルシェはただ開催するだけでは儲からない
マルシェの主催だけで簡単に大金を稼ぐことは、現実的には非常に難しいです。
出店料を集めて会場費などの経費を支払うと、手元に残る金額はごくわずか、あるいは赤字になるケースが珍しくないからです。とくに初回の開催では、知名度が低く集客にコストがかかるため、収支をプラスにするハードルは高くなります。
一方で、地域活性化や本業への送客など、金銭以外のメリットを含めて長期的な視点で運営しているマルシェ主催者も少なくありません。儲かる状態にするには、単なるイベント運営ではなく、収益構造を多角化させるビジネス視点が欠かせないでしょう。
出店料だけでは大きく稼げない理由
マルシェの主催者が出店料だけで大きく稼げないのは、物理的な制約により利益の上限が決まってしまうからです。
会場の広さによって出店数は制限され、出店料を高く設定しすぎると出店者が集まらないというジレンマが発生します。
例えば、出店料3,000円で20店舗募集した場合、売上の上限は6万円です。ここから会場費や広告宣伝費を差し引くと、マルシェ主催者の人件費すら出ないことが容易に想像できるはずです。大きく稼ぐためには、出店数を数百規模にするか、出店料以外の収入源を確保しなければなりません。
規模別に見るマルシェ主催者の収益シミュレーション(小規模・大規模)
マルシェ主催者の収益は、開催規模が大きくなるほどリスクと共に利益額も増加する傾向にあります。
小規模開催と中規模開催の一般的な収支例を比較すると、規模拡大に伴う収支構造の変化がよくわかります。以下の表は、それぞれの収支イメージをまとめたものです。
| 項目 | 小規模開催(20店舗) | 中規模開催(50店舗) |
|---|---|---|
| 収入(出店料) | 60,000円(@3,000円) | 250,000円(@5,000円) |
| 支出(会場・広告宣伝費) | 40,000円 | 150,000円 |
| 利益 | 20,000円 | 100,000円 |
このように、小規模ではお小遣い程度の利益にとどまることが多いです。事業として成り立たせるには、一定以上の規模を目指すか、高単価な出店料に見合う集客力が求められます。
イベント業としての利益率の相場
一般的なイベント業の利益率は、売上の10%から20%程度が相場とされています。
飲食業や物販業と比較しても決して高い数字ではありません。これは、イベント業が天候や集客状況に左右されやすい不安定なビジネスモデルだからです。
安定して高い利益率を維持するには、会場費の交渉やボランティアスタッフの活用など、徹底したコスト管理が必要です。また、リピーターを増やして広告宣伝費を削減していくことが、利益率改善の鍵となるでしょう。
マルシェ主催で利益を上げる仕組み・コツとは?
マルシェ主催者がしっかりと利益を出すには、出店料以外の収入源を複数確保することが欠かせません。
単に場所を貸すだけでなく、主催者自身が価値を提供したり、外部資金を活用したりすることで、収益構造は劇的に改善します。
ここでは、個人主催者でも実践できる、収益を最大化するための具体的なアイデアと仕組み作りについて解説します。
出店料以外の「第2の収益源」を作る(協賛金・物販)
収益の柱として最も効果的なのは、主催者自身による物販や飲食ブースの出店です。
マルシェ主催本部としてドリンク販売やオリジナルグッズの販売を行えば、出店料とは別の収入が得られます。また、企業協賛を募るのも良い手段です。
地元の工務店や保険代理店などに、チラシへの広告掲載やブース出店を条件に協賛金を依頼します。個人主催であっても、地域密着型のマルシェであれば、広告媒体としての価値を感じてもらえるケースは少なくありません。
補助金や助成金を活用して経費を抑える
自治体の補助金や助成金を活用することは、経費削減の確実な手段となります。
地域活性化や商店街振興を目的としたイベントには、会場費や広告宣伝費の一部を補助する自治体の制度が存在するからです。
これらの資金を活用できれば、支出を大幅に削減し、黒字化へのハードルを下げられるでしょう。開催地の自治体ホームページや広報誌をチェックし、企画段階から相談に行くのもよい方法です。
独自の付加価値で出店料の相場を上げる
出店料の単価を上げるには、集客力やブランディング支援といった「出店するメリット」を強化しましょう。
有力なインフルエンサーを呼ぶ、プロのフォトグラファーによる商品撮影サービスをつけるなど、他にはない特典を用意します。
出店者が「高くても出たい」と感じる付加価値があれば、相場より高い出店料でもブースは埋まります。単なる場所貸しから脱却し、出店者のブランディング支援という視点を持つことが大切です。
マルシェ開催にかかる経費・コスト削減策とは?
マルシェ運営において最もコストがかかる項目は、会場費と広告宣伝費の2つです。
これに備品代など細々とした出費が積み重なると、あっという間に予算オーバーになってしまいます。何にどれくらいのお金がかかるのかを正確に把握し、削れるコストと削ってはいけないコストを見極めることが肝心です。
ここでは、マルシェ運営にかかる主な経費の内訳と、賢い節約術を紹介します。
会場費・設備費・広告宣伝費の平均的な内訳
経費全体の内訳を見ると、会場費が約30〜50%、広告宣伝費が約20〜30%を占めるのが一般的です。
以下の表は、一般的なマルシェ開催における経費配分の目安となります。
| 項目 | 費用の目安と内容 |
|---|---|
| 会場費 | 総経費の30〜50%。公園、広場、レンタルスペースの使用料 |
| 広告宣伝費 | 総経費の20〜30%。チラシ印刷、SNS広告、ポスター制作費 |
| 設備・備品費 | 総経費の10〜20%。テント、机、イスのレンタルや音響機材 |
これらを予算内に収めるための計画が必要です。公共施設を利用すれば会場費は抑えられますが、予約の抽選倍率が高い場合もあるため注意しましょう。
保険料や警備費など見落としがちな出費
予算計画で見落としがちなのが、万が一の事故に備えるイベント保険料や警備スタッフの人件費です。
来場者が転倒して怪我をした場合や、テントが風で飛んで車を傷つけた場合などに備え、イベント賠償責任保険への加入は不可欠といえます。
また、規模によっては駐車場整理のための人員も必要です。これらの費用を当初の予算に入れておかないと、開催直前になって資金不足に陥る可能性があります。安全管理にかかるコストは削らず、必要経費として計上しましょう。
ボランティアやSNS活用でコストを抑える方法
人件費や広告宣伝費を抑えるには、ボランティアの協力やSNSでの拡散といった「お金をかけない工夫」が有効です。
運営スタッフをボランティアで募集し、代わりにまかないやオリジナルTシャツを提供するなど、金銭以外のお礼を用意します。
広告については、InstagramやFacebookなどのSNSをフル活用しましょう。出店者にも告知画像を作成して配布し、各自のフォロワーに向けて拡散してもらうことで、チラシの印刷枚数を減らしながら広範囲への宣伝が可能になります。
マルシェ主催者が注意すべきリスクと失敗例は?
マルシェ主催者が警戒すべき最大のリスクは、集客不足による赤字や出店者からの信用失墜です。
金銭的な損失だけでなく、運営上のトラブルや天候など、さまざまな落とし穴が存在します。これらを事前に想定し、対策を講じておかなければ、一度の失敗で次回の開催が困難になることもあります。
ここでは、マルシェ主催者が直面しやすいトラブル事例と、それを回避するためのリスク管理について解説します。
集客失敗による赤字リスク
集客の失敗は、そのまま次回開催の存続危機に直結する深刻な問題となります。
出店者は売上を期待して参加しているため、閑散としたマルシェは次回から敬遠されてしまうからです。
対策として、開催日の数カ月前からSNSでの発信を強化し、近隣店舗へのチラシ配布を徹底します。また、雨天時の集客減を見越し、屋根のある会場を選ぶか、雨天時限定の特典を用意するなど、天候に左右されない工夫も検討しましょう。
出店者とのトラブルや金銭管理
金銭トラブルや運営上の揉め事を防ぐ鍵は、事前のルール作りと同意確認の徹底にあります。
搬入搬出のルール違反、ブース配置への不満、出店料の未払いなどは、認識のズレから生じることが多いためです。
これらを防ぐために、募集要項や出店規約を詳細に作成し、事前に同意を得ることが重要です。出店料は事前振込を原則とし、キャンセル規定も明確にしておきましょう。ルールを明文化することで、主催者と出店者双方を守れます。
天候による中止リスクと開催判断
悪天候の際の屋外開催の可否判断は、明確な基準値を設けて前日までに決定・周知する必要があります。
当日の朝になって中止を決めると、出店者が仕込んだ食材が無駄になったり、連絡が行き届かずに来場者が来てしまったりと混乱を招くからです。
開催判断の基準(例:前日正午の時点で降水確率〇%以上なら中止)をあらかじめ決めておき、出店者と共有しましょう。また、中止の場合の出店料返金ルールについても、全額返金か繰り越し対応かを定めておく必要があります。
マルシェ主催にはどんな許可・届出が必要?
マルシェの開催には、使用する場所や提供する内容に応じて警察や保健所への許可申請が義務付けられています。
無許可で開催すると、イベントが中止になるだけでなく、法的な罰則を受ける可能性もあります。とくに公共の場所を使用する場合や、食品を扱う場合は手続きが複雑になりがちです。
ここでは、マルシェ主催者が必ず確認すべき許可や届出の種類について解説します。
公園や道路を使用する場合の許可(警察・自治体)
公共の場を使用する場合、公園なら自治体へ、道路なら警察署への申請手続きを行いましょう。
公園の場合は自治体の公園緑地課などへ「公園内行為許可申請」を、道路の場合は管轄の警察署へ「道路使用許可申請」を提出します。
申請から許可が下りるまでには数週間かかることが一般的です。企画が固まった段階で早めに窓口へ相談に行き、必要な書類や使用料を確認しましょう。
食品やアルコール提供に必要な保健所の許可
食品の調理販売を行う際は、管轄の保健所から「臨時営業許可」を取得しなければなりません。
取り扱う食品の種類や調理方法によって必要な設備(手洗い場、冷蔵設備など)が異なるため、事前の相談が必須となります。
また、キッチンカーを呼ぶ場合は、各車両がその地域での営業許可を持っているかを確認します。マルシェ主催者が代表して届け出るケースと、各店舗が個別に届け出るケースがあるため、地域のルールに従って手続きを進めましょう。
火気使用時の消防署への届出
会場内で火気を使用する場合、消防署への届出と消火器の設置が必須条件となります。
ガスコンロや発電機などの火気器具を使用する際は、「火気使用届出書」とともに、消火器の設置計画や会場レイアウト図を提出してください。
福知山花火大会の事故以降、イベントにおける火気管理は非常に厳しくなっています。安全な運営を行うためにも、消火器の適切な配置とスタッフへの使用方法の周知を徹底しましょう。
マルシェ主催者の収入は確定申告が必要?
マルシェ主催で得た利益が一定額を超えた場合、税務署への確定申告が必要になります。
「趣味の延長だから大丈夫」と考えていると、後から税務署の指摘を受け、延滞税などのペナルティを課される可能性があります。どのような場合に申告が必要になるのか、また何を経費として計上できるのかを正しく理解しておきましょう。
ここでは、マルシェの個人主催者が知っておくべき税金の知識を解説します。
副業でも年間20万円を超えたら申告が必要
会社員の副業であっても、給与以外の年間の所得が20万円を超えれば確定申告の義務が発生します。
ここでいう所得とは、出店料などの総収入から、会場費などの必要経費を差し引いた金額のことです。
専業主婦や個人事業主として行っている場合は、年間の所得が95万円(基礎控除額)を超えると申告が必要です。自身の立場によって基準額が異なるため、国税庁のホームページなどで確認しましょう。
個人事業主として経費にできるもの・できないもの
事業に関連する出費は経費にできますが、プライベートな支出とは明確に区分する必要があります。
会場費、チラシ印刷代、当日の弁当代などはもちろん、下見のための交通費や打ち合わせのカフェ代も経費として認められます。
一方で、プライベートな飲食費や、事業とは無関係な物品購入費は経費にできません。領収書やレシートは必ず保管し、何のために使った費用なのかをメモしておくと、申告時の集計作業がスムーズになります。
赤字の場合でも確定申告をするメリット
赤字であっても青色申告を行うことで、損失を翌年以降に繰り越して節税できるメリットがあります。青色申告の届出を出している個人事業主であれば、翌年以降3年間、その年の赤字分を将来の黒字と相殺(損益通算)して税金を減らすことが可能です。
事業として長く続けていくつもりなら、開業届と青色申告承認申請書を提出し、赤字のときからしっかりと帳簿をつけておくことをおすすめします。
マルシェを成功させ、利益を出し続けよう
マルシェ主催者として安定した収益を生み出す最短のルートは、継続開催によってファンを育て、信頼を積み重ねることです。
回を重ねるごとに運営ノウハウが蓄積され、効率化によって経費が下がると同時に、地域のファンが増えて集客コストも下がっていきます。最初は小さな利益でも、地道な活動を続けることで、やがて地域になくてはならない大きなビジネスへと成長するでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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