- 作成日 : 2026年1月14日
結婚相談所の開業は儲からない?失敗する理由と年収・廃業率について解説
結婚相談所の開業は、店舗や在庫を持たずに始められるため、リスクの少ないビジネスとして注目されています。しかし、実際には「会員が集まらない」「思ったように儲からない」と悩み、短期間で廃業を選択する経営者も少なくありません。
この記事では、結婚相談所の開業が儲からないと言われる根本的な理由、実際の収益モデルや年収の目安、失敗を避けて安定した経営を行うための手順についてわかりやすく解説します。
目次
結婚相談所の開業は本当に儲からない?
結婚相談所の開業ビジネスは、楽に稼げると思って始めると間違いなく儲かりませんが、正しい戦略を持って取り組めば高い利益率を出せるモデルです。
多くの人が「儲からない」と感じてしまうのは、開業直後に立ちはだかる「集客」と「成婚」という2つの高い壁を乗り越えられず、黒字化する前に資金や気力が尽きてしまうからに他なりません。結婚相談所は典型的な労働集約型のビジネスであり、信頼を積み重ねて軌道に乗るまでには一定の時間がかかります。
しかし、一度軌道に乗れば、在庫リスクがなく粗利(売上総利益)が90%を超えることも珍しくありません。初期の苦しい時期を耐え抜き、成婚実績を積み上げた事業者は、安定した高収益を実現しています。つまり「儲からない」のではなく、「儲かるようになるまでの道のりが意外と険しい」というのが正確な実態といえるでしょう。
結婚相談所の開業は儲からないと言われる理由は?
結婚相談所の開業が儲からないと言われる最大の理由は、ビジネスモデルの優秀さに反して、実際の運営難易度が非常に高い点にあります。 入会希望者を集めるマーケティング能力と、会員を成婚へ導くカウンセリング能力の両方が求められるため、未経験者が安易に参入すると苦戦を強いられます。
ここでは、多くの開業者が直面する具体的な壁について解説します。
会員が集まらない(集客の壁)
結婚相談所の開業において最も高いハードルとなるのは、見込み客となる会員を集める集客活動の難しさです。 大手結婚相談所がテレビCMやWeb広告に多額の予算を投じているなか、知名度のない個人が開業しても、待っているだけでは問い合わせは来ません。ブログやSNSで情報発信を続けても、信頼を獲得して入会につなげるまでには高度なライティングスキルやマーケティング知識が必要です。
集客ができなければ売上はゼロのままであり、経費だけが出ていく状態が続きます。この「集客の壁」を突破できずに、開業から1年も経たずに「儲からない」と判断して撤退するケースが後を絶ちません。
会員を成婚させられない(スキルの壁)
会員が入会しても、お見合いが組めなかったり交際が続かなかったりして成婚に至らない状況は、結婚相談所としての評判を下げ、儲からない原因になります。 結婚相談所の主な収益源のひとつは「成婚料」ですが、これは会員を成婚退会へ導いて初めて発生する成果報酬です。会員の悩みを聞き出し、適切なアドバイスやお相手紹介をするには、高いコミュニケーション能力と仲人としての経験値が求められます。
成婚実績が出なければ、新しい会員へのアピール材料も乏しくなり、負のループに陥ってしまいます。会員の不満がたまれば中途退会につながり、月会費収入さえも途絶えてしまうリスクがあるのです。
フランチャイズや連盟の加盟金・月会費の負担
結婚相談所を開業する際に加盟する連盟組織やフランチャイズの費用負担が重くのしかかり、利益を圧迫することも儲からない要因のひとつです。 連盟に加盟することで数万人規模の会員データベースを利用できるメリットはありますが、加盟金として数十万円から百万円以上かかる場合があり、さらに毎月のシステム利用料やロイヤリティが発生します。
会員が少ない開業当初は、売上よりも連盟への支払いが上回る赤字状態が続くことも珍しくありません。固定費の負担を軽く見て資金計画を立てると、運転資金が早期にショートし「儲からない」という現実に直面することになります。
競合他社や大手結婚相談所との差別化不足
競合他社や大手結婚相談所との違いを明確に打ち出せず、価格競争に巻き込まれてしまうと、個人の結婚相談所の開業は儲からない結果に終わります。 現在、結婚相談所の数は全国で4,000社以上とも言われており、単に「親身にサポートします」というだけでは選ばれません。大手はブランド力と広告宣伝費で圧倒的な集客を行っています。
個人が開業する場合、「再婚専門」「オタク趣味専門」「医師・弁護士限定」など、特定のターゲットに絞ったコンセプトが必要です。差別化ができていない結婚相談所は、入会金を安くして集客するしかなくなり、手間ばかりかかって利益が残らない薄利多売の経営に陥ってしまうでしょう。
結婚相談所の経営は実際にどれくらい稼げる?
結婚相談所の経営で得られる収益は、会員数と成婚数に正比例するため、個人の経営努力次第で大きく変動するという特徴があります。 「ぼろ儲け」という噂ほど簡単ではありませんが、個人開業でも年収1,000万円を超える成功例がある一方で、年収100万円未満にとどまるケースもあります。ここでは、結婚相談所の具体的な収益構造と、開業スタイル別の年収イメージについて解説します。
結婚相談所の収益モデル(入会金・月会費・成婚料)
結婚相談所の売上は、主に入会金、登録料、月会費、お見合い料、成婚料という5つの柱から成り立っています。 入会金と登録料は入会時に一時的に入る収入で、あわせて3万円から10万円程度が相場です。経営の基盤となるのが月会費で、会員1名につき1万円前後の収入が毎月発生します。さらに、会員が結婚を決めた際に支払われる成婚料は20万円から30万円と高額で、これが大きな利益の柱となります。
このほかに、お見合い1回につき5,000円から1万円のお見合い料を設定する場合もあります。成婚料は高額ですが不安定なため、まずは月会費で固定費をまかない、成婚料で利益を積み上げるのが理想的な収益モデルといえるでしょう。
個人開業した場合の年収シミュレーション
個人が自宅で開業し、会員数20名で運営した場合の年収目安は、およそ300万円から400万円程度となります。 例えば、会員20名から月会費1万円を得れば月20万円、年間で240万円の固定収入になります。そこに年間5名の成婚(成婚料20万円)が出れば100万円が加算され、合計売上は340万円です。ここから連盟へのシステム利用料や通信費などの経費を引いた額が手取り年収となります。
会員数が30名、40名と増えれば、年収は500万円、700万円と比例して伸びていきます。家賃や人件費をかけない自宅開業であれば、売上の多くを利益として残せるため、高収益体質を目指せるのが魅力です。
副業から始めた場合の月収目安
本業を持ちながら副業で結婚相談所を始めた場合、まずは月収5万円から10万円程度を目指すのが現実的なスタートラインといえます。 副業では対応できる会員数に限りがあるため、まずは5名程度の少人数を丁寧にサポートすることから始めましょう。会員5名で月会費収入が5万円、年に数回の成婚料が入れば、年間で100万円近い副収入になります。
土日や平日の夜を活用して活動できるため、リスクを抑えながら経験を積むことが可能です。副業で固定客をつかみ、安定して月収20万円を超えられるようになった段階で本業へ切り替えるというステップを踏む人が増えているようです。
結婚相談所の開業で失敗・廃業する人の特徴は?
結婚相談所の開業で失敗し、廃業に追い込まれる人には、資金管理の甘さや日々の行動習慣において共通する特徴が見られます。 「人と話すのが好きだから」という理由だけで開業しても、経営者としての視点が欠けていれば事業を継続することはできません。
ここでは、結婚相談所の廃業率を高めてしまう具体的な失敗要因について解説します。
開業資金をかけすぎて運転資金がショートする
開業時に立派なオフィスや高額なホームページ制作に資金を使いすぎることは、売上が立つ前の運転資金不足を招き、失敗の直接的な原因となります。 結婚相談所は信頼が重要だと考え、一等地の事務所や豪華な内装にこだわってしまう人がいますが、初期の集客はオンラインやカフェでの面談が中心となるため、最初から箱モノにお金をかける必要はありません。
集客が軌道に乗るまでの数カ月から半年間は、無収入でも生活できるだけの資金を残しておく必要があります。見栄を張って固定費を高めてしまうと、会員獲得を焦って強引な勧誘をしてしまい、かえって評判を落とす結果になるでしょう。
ブログやSNSの更新など地道な作業が続かない
集客のためのブログ更新やSNS発信といった地道な作業を継続できない人は、露出が増えず、結婚相談所の開業で失敗する傾向にあります。 Web集客は効果が出るまでに時間がかかりますが、多くの人は数週間から数カ月で「反応がない」と諦めて更新を止めてしまいます。
毎日コツコツと情報を発信し、ユーザーとの接点を作り続けられる忍耐力がなければ、認知度は上がらず会員は集まりません。
ターゲット設定が曖昧(「誰でもいい」は失敗する)
「結婚したい人なら誰でも歓迎」という曖昧なターゲット設定をしていると、誰の心にも響かず集客に失敗してしまいます。 結婚相談所を利用する層は、年齢、年収、初婚・再婚など、それぞれ異なる悩みや希望を持っています。例えば「20代の婚活」と「50代の再婚」では、必要なアドバイスもアピールすべきポイントもまったく異なるでしょう。
ターゲットを絞り込むことは勇気がいりますが、特定の層に特化した専門性を示すことで、「私のための相談所だ」と感じてもらえるようになります。八方美人の戦略は、特徴のない埋没した相談所を作り出す原因となるのです。
結婚相談所の開業を成功させるためのステップは?
結婚相談所の開業を成功させるための鉄則は、入念な準備と、リスクを最小限に抑えたスモールスタートで進めることです。 いきなり大規模に展開するのではなく、段階を経て事業を拡大していくことで、失敗の確率を大幅に下げられます。ここでは、結婚相談所の開業から事業を軌道に乗せるまでの具体的な4つのステップを解説します。
自分に合った連盟・フランチャイズを選ぶ
最初のステップとして行うべきは、自分の開業スタイルや予算に合った結婚相談所連盟やフランチャイズを選ぶことです。 日本には日本結婚相談所連盟(IBJ)や日本仲人協会、全国結婚相談事業者連盟など、複数の主要な連盟が存在します。それぞれの連盟によって、加盟金の額、使用できるシステム、会員数、加盟店同士のルールの厳しさなどが異なります。
説明会に参加し、資料を比較して、「サポートの手厚さ」をとるか「初期費用の安さ」をとるかを見極めます。自分がターゲットとする会員層がその連盟に多く登録しているかどうかも、重要な判断基準になるでしょう。
開業届の提出と助成金・補助金の活用
事業を開始する際は、税務署へ開業届を提出するとともに、国や自治体の助成金・補助金が活用できないか必ず確認しましょう。 結婚相談所の開業には、「小規模事業者持続化補助金」などが使える場合があります。これは販路開拓(チラシ作成やWebサイト制作など)にかかる経費の一部を補助してくれる制度で、資金の少ない開業初期には大きな助けとなるはずです。
また、創業融資を受ける際にも、しっかりとした事業計画書と開業届の控えが必要になります。資金面での不安を減らすためにも、使える公的制度は漏れなく活用する準備をしておきましょう。
なお、制度改正により2025年1月から、税務署に提出した開業届を含む各種書類の控えに受付印の押印がされないこととなりました。助成金や補助金、創業融資その他の申し込みの際に開業届の控えが必要な場合、どのような書類を用意したらよいのかは提出先ごとに運用が異なっているため、提出の必要がある場合は事前に必要書類の対応について、提出先に確認をしてください。
参考:小規模事業者持続化補助金|小規模事業者持続化補助金事務局
まずは副業・週末起業からスモールスタートする
リスクを最小限にするには、本業を辞めずに、まずは週末や平日夜間だけ活動する副業スタイルでスモールスタートするとよいでしょう。 固定給という安全網を持ったまま開業することで、精神的な余裕を持って会員のサポートにあたれます。生活費を稼ぐ焦りがないため、無理な勧誘をする必要もなく、結果として会員からの信頼を得やすくなるでしょう。
自宅を事務所として登録し、お見合いや面談はホテルのラウンジやオンラインで行えば、固定費はほとんどかかりません。副業で経験を積み、会員数が増えて手狭になってから本業にするのが、最も失敗の少ないルートです。
独自の集客ルート(ブログ・SNS・紹介)を確立する
連盟のシステムに頼るだけでなく、自社サイト、ブログ、SNS、知人の紹介など、独自の集客ルートを早期に確立することが成功のカギとなります。 とくにSNSは、仲人の人柄や価値観をダイレクトに伝えられるため、相性の良い会員を集めるのに効果的です。「この人に相談したい」と思ってもらえれば、価格競争に巻き込まれることなく入会につながります。
また、成婚した元会員からの紹介は、成約率が非常に高い有力なルートです。目の前の会員を大切にし、成婚実績を作ることで、口コミによる自然な集客サイクルを生み出せるようになります。
結婚相談所のフランチャイズ選びで失敗しないコツは?
結婚相談所の開業において、パートナーとなるフランチャイズ(連盟)選びは事業の命運を分ける重要な決断といえます。 表面的なコストだけで選んでしまうと、開業後に必要なサポートが得られず、孤立して廃業することになりかねません。ここでは、長く付き合える信頼できる連盟を選ぶためのポイントを解説します。
加盟金やロイヤリティの安さだけで選ばない
初期費用を抑えたいからといって、加盟金や月々のロイヤリティの安さだけで連盟を選ぶのは避けるべきです。 費用が極端に安い連盟は、会員データベースの使い勝手が悪かったり、会員数自体が少なかったりする可能性があります。どれほど経費が安くても、紹介できる会員がいなければ結婚相談所としての機能は果たせません。
また、安さを売りにする連盟は、加盟店への指導やトラブル時のサポートが手薄な場合もあります。コストとサービスのバランスを見て、長期的に収益を生み出せる環境かどうかを判断しましょう。
会員データベースの数とシステムの使いやすさを確認
自社会員にお見合い相手を紹介するための「会員データベース」の登録数と、そのシステムの使いやすさを確認することは必須事項です。 会員数が数万人規模であっても、自分の活動エリア(都道府県)に会員が少なければ、実際のお見合いは組めません。地方で開業する場合は、その地域での会員シェアが高い連盟を選ぶ必要があります。
また、会員自身がスマホで簡単にお相手検索やお見合い申し込みができるシステムかどうかも重要です。システムが古く使いにくいと、会員の活動意欲が下がり、成婚のチャンスを逃す原因になってしまいます。
開業後のサポート体制の有無
開業前の研修だけでなく、開業後に直面するトラブルや集客の悩みに対して、継続的なサポートがあるかどうかを確認します。 未経験での開業は、会員とのトラブル対応や法律面の知識など、わからないことの連続です。定例の勉強会や先輩仲人との交流会、担当アドバイザーによる個別相談などが充実している連盟であれば、安心して経営を続けられます。
「開業させたら終わり」ではなく、加盟店の成功を本気で支援してくれる本部かどうか、説明会で担当者の熱意や既存加盟店の声をチェックすることが大切です。
結婚相談所の開業は「儲からないリスク」を理解して挑もう
結婚相談所の開業ビジネスは、世間で噂されるような「誰でも簡単にぼろ儲けできる」ものではありませんが、適切な戦略があれば利益を生み出せる仕事です。 集客の難しさや成婚サポートの責任の重さといったリスクを正しく理解し、覚悟を持って挑めば、在庫リスクなく高い利益率を実現できる魅力的な事業となるでしょう。
「儲からない」と嘆いて廃業する人の多くは、準備不足や楽観的な見通しでスタートしています。まずは自分に合った連盟の資料請求や説明会に参加し、複数の選択肢を比較検討することから始めてみてください。小さく始めて着実に信頼を積み重ねることが、結婚相談所ビジネスで成功するための最短ルートです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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