- 更新日 : 2025年12月29日
【テンプレ付】退職証明書と離職票について違いや記載項目を解説
退職証明書は、退職者が会社から退職していることの証明用として発行してもらう書類です。離職票と異なり公的な書類ではありませんが、退職者が自分で作成することはできません。この記事では会社の労務担当者と従業員の双方を対象に、退職証明書と離職票の概要や使い道、もらえない場合の対処法などを紹介します。
目次
退職証明書とは?
退職証明書とは、会社を辞めた元従業員が「この会社を退職した」と証明するために使用する書類のことです。退職者から発行してほしいという申請を受けて、労務部門で発行します。決まった様式はないものの、注意すべきポイントは複数あるため、適切な形の退職証明書を作成できるようにしましょう。この章では退職証明書の概要について解説します。
退職証明書が必要になるとき
退職した後の元従業員は、退職証明書が複数の状況下で必要になります。
主な状況として以下2種類のシーンが挙げられます。
- 国民健康保険や国民年金の手続きをする
退職者が国民健康保険・国民年金への加入手続きをする際に使用します。これらの加入には基本的に「離職票」書類の提出が求められますが、離職票の発行には退職からある程度の時間がかかります。離職票が手元にない期間でも申請できるように、退職証明書を手続きに利用できるよう認められているのです。
- 転職先に提出する
退職者が転職すると、新しい職場から退職証明書を提出するように指示される場合があります。履歴書・職務経歴書の記載内容に誤りがないことや退職理由の確認が主な目的です。必ずしも提出を求められるとは限りませんが、創立から年月が経っている会社や採用関連でのトラブルを経験した会社などは、退職証明書を求めやすくなる傾向があります。
労務担当者が退職証明書の発行において行う手続き
退職者からの退職証明書発行申請が来たら、労務担当者が発行手続きを行います。退職証明書に決まった様式はなく、必要な内容をわかりやすく記載すれば問題はありません。
まずは退職証明書に記載する項目を決めます。退職証明書で証明できる内容は退職者が指定したものに限るため、退職者からの希望がなかった内容を記載してはいけません。なお、記載内容の指定を行うタイミングは会社により異なります。退職証明書の発行申請が行われた際に電話口で方法や、メール・郵送などの手段を用いる方法などが多く利用されています。
退職証明書の発行時には「期間」「発行回数」「タイミング」という複数のポイントに気をつけましょう。
- 期間
退職証明書の発行義務は退職から2年までと定められており、2年以上経過した場合は発行義務がなくなります。
- 回数
発行の回数に制限は設けられていません。退職者からの申請があれば、回数を問わず発行する必要があります。
- タイミング
退職証明書の発行タイミングは法律上「退職の場合において」と定められており、退職前の段階では発行できません。
各ポイントに注意しつつ、必要事項をまとめて退職証明書を作成しましょう。
退職証明書に記載する項目
退職証明書への記載項目に規定はありませんが、退職者から「証明してほしい」との希望があった内容だけを記載します。申請を受けた段階で退職者に必要な項目を確認して、適切に記載しましょう。転職に伴い提出を求められている場合や、転職先の会社から必要な項目を指定されている場合もあります。退職証明書への主な記載項目は以下のものです。
- 勤務していた期間
退職者が自社に勤めていた期間を記します。年月日を詳細に記載しましょう。
- 務めていた業務の種類
退職者の業務を記します。「事務職」「営業職」など職種での記載が有効です。
- 担当事業内での地位
退職者の最終的な地位を記します。部署と役職を記載しておきましょう。
- 支給されていた賃金
退職者に支払っていた給与額を記します。一般的には基本給や年収などが該当します。
- 退職事由
退職者が退職した理由について記します。「自己都合」「解雇」などが挙げられます。
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退職証明書と離職票の違い
退職証明書とは、会社から退職者宛に発行される公的ではない書類を指します。一方、離職票は、従業員が離職状態だと証明できる公的な書類のことです。主に失業手当の受給を申請する際に必要な書類で、発行・提出の過程にはハローワークを介する必要があります。離職票の概要を以下で詳しく解説します。
離職票とは
退職証明書と近いジャンルの書類に「離職票」があります。離職票は自分が離職状態だと証明できる公的に認められた書類で、正式には「雇用保険被保険者離職票」という名前です。離職・失業状態になっている退職者が、失業手当の申請時にハローワークまで提出します。提出そのものは離職者が自分で行いますが、前段階である離職票発行は元勤務先の会社が実施しなければなりません。この離職票の内容によって、失業手当を受ける資格の有無や受給期間などが変化します。
離職票が必要になるとき
離職票は退職者による失業手当受給の申請において要求されます。退職した元従業員が失業手当の申請を行うために、会社とハローワークを利用して交付してもらいます。必要事項を記入してから本人の手で離職票をハローワーク宛に提出して、失業認定を受けてから適当な金額・期間の失業手当が受給開始されます。退職者の大半が必要とする書類のため、発生したすべての退職者に離職票を発行する会社もみられます。
労務担当者が離職票の発行において行う手続き
会社が退職者による離職票交付申請を受けたときは、社内の労務担当者により必要な手続きを実施して離職票を渡します。
まずハローワーク宛に会社から「離職証明書」を送ります。離職者本人の署名・捺印付きの書類を提出して、ハローワーク側で書類確認が実施されます。問題がないことを確認したのちハローワークから会社に対して離職票が送られてくるため、受け取った離職票を退職者に渡します。郵送が一般的ですが、ほかのケースとして退職者に会社まで来てもらうこともあるようです。
離職票は2枚組になっているため、忘れずに2枚とも渡しましょう。ハローワークへの提出期限も設けられており、退職日の翌日から数えて10日以内に提出しなくてはなりません。
離職票に記載する項目
離職票への記載項目は大部分がハローワーク側で記載を済まされています。一方で退職者自身が記載すべき項目も存在するため、ハローワークから受け取った時点では一部に空欄が残されています。退職者が記載する主な項目は以下のものです。
機密保持のために、ハローワークの窓口に到着してから退職者が自分で記載します。
- 金融機関の指定
手当を振り込んでもらう口座を記載します。窓口以外でも記載可能です。
- 離職理由
選択肢のなかから該当する1つに〇をつけます。隣に事業主記入欄も記載されています。
- 具体的事情
「自己都合」「会社都合」など退職に至った理由を記載します。すぐ上に設けられている事業主用の欄と同じであれば「同上」と記します。
- 離職者本人の判断
事業主が〇をつけている離職理由への異議がある場合は「有り」に〇をつけます。逆に離職理由が正しければ「無し」をチェックします。
- 署名・捺印
内容の誤りがないことを確かめたうえで退職者自身が記します。
「具体的事情」「離職者本人の判断」の欄で事業主と離職者の意見が食い違っている場合、ハローワークが会社宛に事実確認を行うための連絡をします。資料をより多く集めて調査して、どちらが正しいか判断します。
退職証明書のテンプレート(ワード)
以下のリンクから、退職証明書のテンプレートを無料でダウンロードできます。
実務でも活用できるような形式になっておりますので、業務に合わせて適宜変更し、活用してみてください。
▶ 退職証明書のダウンロードはこちらから(ダウンロード用のフォーム入力画面に遷移します)
従業員向け – 退職証明書と離職票について
会社を辞めて失業保険を利用する場合、「退職証明書」「離職票」という2種類の書類が必要になります。会社からの直接発行を受けたりハローワークを介したりして、適宜必要になる書類を発行してもらわなくてはなりません。この章では会社の従業員を対象に退職証明書・離職票の紹介・もらい方と、万が一書類をもらえない場合の対応方法について解説します。
退職証明書と離職票が必要な理由
退職証明書・離職票は、どちらも退職者に対して会社から支給される書類です。離職票は退職者が扱う書類で、失業手当を受け取るために提出しなくてはなりません。一方、退職証明書は離職票を受け取るまでの間に国民健康保険・国民年金などへの加入手続きを行うために使用されます。
どちらの書類も会社での働きぶりや退職理由などの内容を記すもので、「自分がどのように働いてきてなぜ辞めたか」をわかりやすく伝えられます。特に失業手当は年齢や退職理由などによって支給金額が異なるため、正しい情報を伝えないと手当の受給時に損をするかもしれません。
退職証明書と離職票のもらい方
退職証明書・離職票は、どちらも退職した会社に要請して発行してもらいます。退職証明書は直接会社から、離職票はハローワークの仲介を挟んで発行されます。それぞれの大まかな流れは以下のとおりです。
- 退職証明書
退職日以降に会社へと退職証明書の発行を要請します。勤務期間・業務の種類・退職事由などのうちで証明を希望する項目を選び、会社に発行要請を出しましょう。会社側で選択された項目をまとめた退職証明書を作成・発行してくれます。
- 離職票
会社に対して離職票発行を要請すると、まずハローワーク宛に会社が提出する「離職証明書」への署名・捺印を行います。その後会社から離職証明書を送って、書類確認作業がハローワーク内で行われます。確認後にハローワークが会社宛に離職票を送り、退職者に対して会社が離職票を渡します。受け取った時点での離職票は一部項目が空欄になっているため、退職者が自分で記載したうえでハローワークに行って提出しましょう。
もらえない場合、自分で作成できる?
会社によっては退職証明書や離職票を発行してもらえず、自分での作成を考えるケースもありえます。しかし、両書類は会社により発行されます。そのため、退職者が個人で作成・発行することは認められていません。どちらの書類も法律により退職者の要請に従って発行することが義務付けられています。発行してもらえない場合、会社側に発行の拒否は違法である旨を伝えて発行してもらう形になるでしょう。
退職証明書と離職票は発行が不可欠
会社の労務担当者と従業員の双方を対象に、退職証明書と離職票の概要や発行方法、記載する内容などを紹介しました。退職証明書・離職票ともに、退職者の希望に応じた発行が義務付けられています。必要事項を過不足なく記載して、退職者が問題なく使用できる書類を発行しましょう。
両書類は退職者が退職後生活して再就職を目指すうえで必要不可欠なものです。元従業員が問題なく社会復帰できるように、会社から提供できる最後のサービスとして書類発行に取り組みましょう。
よくある質問
退職証明書とは何ですか?
会社から退職した人物が退職状態であると証明できる書類で、発行の際には会社に申請します。国民健康保険・国民年金の申請や転職先からの提出指示などで必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。
退職証明書と離職票の違いについて教えてください
退職証明書は公的ではない書類であり、離職票は逆に公的に認められる書類です。離職票の作成には決まった様式の用紙を使用して、途中でハローワークを介さなくてはなりません。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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