- 更新日 : 2026年1月20日
【テンプレ付】健康保険資格喪失証明書は自分で書くことはできる?
退職後の国民健康保険への切り替え手続きにおいて、会社に発行を依頼してもなかなか書類が届かなかったり、手続きを急ぐあまり自分で作成してしまいたいと考えたりすることもあるでしょう。健康保険資格喪失証明書は、様式の準備や記入までは自分で行えますが、最終的に事業主(会社)の署名や押印がなければ無効となってしまいます。
本記事では、退職者が自分で作成できる範囲と、会社印をもらって有効な証明書にするための手順、どうしても会社が対応してくれない場合の対処法についても解説します。
目次
そもそも健康保険資格喪失証明書とは?
健康保険資格喪失証明書は、職場の健康保険から脱退したことを証明するための重要な書類です。離職票や退職証明書とは目的が異なるため、混同しないよう注意が必要です。
国民健康保険への切り替えに不可欠
日本では国民皆保険制度により、すべての人が何らかの公的医療保険に加入しなければなりません。退職して職場の保険を抜けた場合、速やかに(原則14日以内)国民健康保険への加入手続きか、家族の健康保険の扶養に入る手続きを行う必要があります。
市区町村の役所では、自己申告だけで国民健康保険への加入手続きをすることはできません。「いつ職場の保険が切れたのか」を客観的に証明するこの書類があって初めて、加入手続きが可能になります。
離職票との違い
よくある勘違いとして、「離職票があれば国保に入れる」というものがありますが、これは誤りです。
- 健康保険資格喪失証明書: 国民健康保険の加入に必要。会社(または年金事務所)が発行。
- 離職票: 失業手当(雇用保険)の受給に必要。ハローワークが発行。
両者は全く別の書類であり、記載されている内容も異なります。離職票でも手続き可能な自治体は一部ありますが、原則としては資格喪失証明書の提出が求められます。
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健康保険資格喪失証明書は自分で書くことはできる?
健康保険資格喪失証明書は、用紙の準備や必要事項の記入までは自分でできますが、事業主(会社)の署名や押印がなければ公的な書類として認められません。
用紙の作成や記入は自分で行っても問題ない
健康保険資格喪失証明書には、法令で定められた様式が存在しません。そのため、会社が専用のフォーマットを用意していない場合などは、退職者自身がウェブサイトなどからテンプレートをダウンロードして使用できます。
自分で様式を入手し、氏名や生年月日などの基本情報をあらかじめパソコンで入力したり、手書きで記入したりすること自体は問題ありません。
会社の証明印(社判)がないものは無効
退職者が自分で記入できるのは、氏名・生年月日・住所といった情報の記載までです。この書類が公的な証明書としての効力を持つためには、記載された内容が真実であることを証明する事業主(会社)の署名や押印が必要です。
会社の押印をもらわずに自分の印鑑を押したり、印鑑部分を空欄のまま提出したりしても、役所の窓口では受理されません。
健康保険資格喪失証明書の最終的な発行権限はあくまで会社にあることを理解しておく必要があります。
自分だけで作成した書類は私文書扱いとなる
会社に連絡を取るのが面倒だからといって、自分で会社の印鑑に似せたものを押したり、勝手に作成したりすることは避けましょう。
ご自身で記入・作成しただけの書類は私的な文書とみなされ、国民健康保険への加入手続きなどの公的な手続きには使用できません。虚偽の作成となれば法的な問題に発展するリスクもあるので、必ず正規の手順で会社の証明を受ける必要があります。
健康保険資格喪失証明書の様式ダウンロード
健康保険資格喪失証明書の基本情報を自分で書くためには、まず適切な様式を入手し、記入に必要な情報を手元に揃える必要があります。特定の指定用紙はないため、必要な項目が網羅されたテンプレートを使用するのが一般的です。
マネーフォワード クラウドでは、下記よりひな形を無料でダウンロードいただけます。
健康保険資格喪失証明書を自分で書く際の記入方法
健康保険資格喪失証明書を自分で書く際は、消せるボールペン(フリクション等)は使用せず、必ず黒のボールペンを使用してください。訂正が必要になると手続きが遅れる原因となるため、正確な情報を手元に揃えてから書き始めましょう。
記入に必要な情報を準備する
スムーズに記入するために、あらかじめ以下の書類や情報を準備しておきましょう。
- 基礎年金番号がわかるもの:
年金手帳、ねんきん定期便などを用意します。 - 退職日がわかるもの:
退職届の控え、離職票などで日付を確認します。 - 健康保険証の記号・番号:
必須ではありませんが、退職前の保険証のコピーやメモがあれば、保険者番号などをスムーズに記入できます。 - 会社の情報:
会社の正式名称、所在地、代表者名を記入します。会社のホームページなどで正確な漢字や名称を確認しましょう。 - 返信用封筒(郵送の場合):
記入した書類を会社に郵送して押印を依頼する場合は、切手を貼り、返送先の住所(自宅)と宛名を記載した返信用封筒を同封しましょう。担当者の手間が省け、返送が早まる可能性があります。
自分で書く際に重要になるのが、正確な情報の記載です。特に日付に関する項目は間違いやすく、訂正が必要になると手続きが遅れる原因となります。必要な情報が網羅されていることが重要です。
1. 被保険者(自分)の情報の書き方
まず、対象者となる自分自身の情報を記入します。
- 氏名: 戸籍上の氏名を正確に記入します。
- 生年月日: 和暦(昭和・平成など)または西暦で記入します。
- 住所: 現住所を記入します。
- 基礎年金番号: 年金手帳やねんきん定期便などで確認して記入します。不明な場合は空欄にしておき、会社に確認してもらいましょう。
2. 「資格喪失年月日」の書き方
「資格喪失年月日」は、「退職日の翌日」の日付を記入しなければなりません。
- 記入例:3月31日に退職した場合、資格喪失年月日は「4月1日」となります。
法律上、会社に在籍している最後の日(退職日)までは健康保険の資格があり、その翌日に資格を喪失するという扱いになります。ここを退職日と同じ日付にしてしまうと、書類の不備となり、国民健康保険への加入日がずれてしまい、役所で訂正を求められるため注意が必要です
3. 被扶養者(家族)がいる場合の書き方
在職中、配偶者や子供などを社会保険の扶養に入れていた場合は、その家族も同時に資格を喪失します。国民健康保険には扶養という概念がなく、家族全員が加入者となるため、家族分の証明も必要になります。被扶養者の欄に、対象となる家族全員の氏名、生年月日、続柄、そして自分と同じ「資格喪失年月日」を記入してください。
4. 事業所(会社)情報の書き方
証明者となる事業所の欄、「事業所の所在地(住所)」「事業所の名称(会社名)」「事業主の氏名(代表取締役名など)」は、会社が記入するため空欄で構いません。
会社に様式がない場合に自分で書いて依頼するには?
会社に健康保険資格喪失証明書の発行を依頼する際、自分で記入した用紙を渡して「内容を確認して押印してください」と依頼すると、発行までの時間を短縮できる場合があります。
依頼時の送付状の書き方例
郵送で依頼する場合は、用紙を送るだけでなく、丁寧な添え状を同封しましょう。
送付状の文例
株式会社〇〇 総務部 御中
前略 先日は大変お世話になりました。〇月〇日に退職いたしました(氏名)です。 国民健康保険への切り替え手続きのため、健康保険資格喪失証明書が必要となりました。
つきましては、同封の用紙に必要事項を記入いたしましたので、ご確認の上、事業主印を押印いただきご返送くださいますようお願い申し上げます。
お手数をおかけしますが、役所での手続き期限が迫っておりますので、〇月〇日頃までにご返送いただけますと幸いです。
返信用封筒を同封いたしましたので、ご利用ください。
草々
事前のメールや電話での連絡も効果的
事前にメールや電話で「国民健康保険の手続きを急いでいるため、こちらで記入した用紙を送りますので、押印をお願いできますでしょうか」と一言断りを入れておくと、スムーズに対応してもらえるでしょう。退職する前にも、会社に手続きについて確認しておくのもおすすめです。
健康保険資格喪失証明書に会社が押印してくれないときは?
会社が倒産してしまったり、依頼してもなかなか発行してくれなかったりして、会社の印鑑をもらえないケースもあります。そのような場合は、無理に自分で作成しようとせず、公的機関を通じた手続きに切り替える必要があります。
年金事務所で資格喪失等確認請求を行う
会社からの発行が見込めない場合、管轄の年金事務所(または広域事務センター)の窓口で、自分自身で発行を申請できます。 これを「健康保険・厚生年金保険 資格取得(喪失)等確認請求」といいます。これは、「会社が手続きをしてくれないので、年金事務所の方で資格喪失の事実を確認して証明書を出してください」という申し立てです。
年金事務所での手続きの流れ
この手続きを行う場合、以下のものを準備して最寄りの年金事務所へ行きましょう。
- 本人確認書類: マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなど。
- 退職の事実が確認できる書類: 離職票、退職証明書、解雇通知書、雇用保険受給資格者証など。
窓口で事情を説明し「健康保険・厚生年金保険 資格取得(喪失)等確認請求書」を記入して提出します。年金事務所にて資格喪失の記録が確認できれば、多くの場合その場で証明書が発行されます。
協会けんぽ以外の「組合健保」の場合
勤務先が協会けんぽではなく、独自の健康保険組合(〇〇健康保険組合など)に加入していた場合は、年金事務所ではなく、その健康保険組合に直接相談する必要があります。組合によって手続き方法が異なるため、まずは電話で「会社が証明書を出してくれない」旨を相談してください。
健康保険資格喪失証明書を自分で書く際のよくある質問
健康保険資格喪失証明書を自分で書く際や、準備する際によくある疑問点をまとめました。
Q. 手書きではなくパソコンで作成してもいいですか?
A. はい、問題ありません。 氏名や住所などをWordやExcelで入力して印刷したものでも、有効な書類として扱われます。ただし、事業主の署名欄に関しては、会社によっては自筆署名を行う場合もありますが、記名押印(ゴム印+社判)であればパソコン作成でも問題ありません。
Q. マイナンバーカードがあれば証明書は不要ですか?
A. 自治体によりますが、持参した方が確実です。 マイナンバー連携により、役所で資格喪失情報を照会できるケースが増えていますが、情報反映にタイムラグがあります。退職直後はデータが未反映であることが多く、紙の証明書を求められることもあります。二度手間を防ぐためにも、証明書を持参することをおすすめします。
Q. アルバイトやパートの退職でも必要ですか?
A. 社会保険に加入していた場合は必要です。 正社員かどうかに関わらず、勤務先で健康保険料が給与から引かれていた場合は、資格喪失証明書が必要です。逆に、もともと親の扶養に入っていた場合や、自分で国保に入ったまま働いていた場合は不要です。
健康保険資格喪失証明書の会社印は必ず依頼を
健康保険資格喪失証明書は、国民健康保険への切り替えをスムーズに行うための書類です。自分でできる範囲の準備を進めることで、手続きを早められます。
- 自分でできること: テンプレートの入手、必要事項(氏名、生年月日、資格喪失日など)の記入。
- 会社に依頼すること: 内容の確認と、事業主印(社判)の押印。
- 会社が対応しない場合: 年金事務所で自分で申請手続きを行う。
特に資格喪失年月日を退職日の翌日と正しく記入することは、自分で作成する上で重要なポイントです。正しい知識を持って準備し、会社と連携して速やかに書類を入手しましょう。手続きが遅れると、医療費がいったん全額自己負担になるなどのデメリットもありますので、早めの行動を心がけてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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