- 更新日 : 2025年8月21日
女性起業家が利用できる創業支援制度まとめ!助成金や相談窓口も紹介
女性起業家向け創業支援制度には、経済産業省による支援制度をはじめ、地方自治体や一般社団法人による支援制度などがあります。では、実際にどのような支援内容の制度があるのでしょうか。この記事では、女性起業家向けの創業融資や創業支援について紹介します。
目次
経済産業省が行う女性の創業支援
経済産業省では、創業を目指す女性向けに支援を行っています。総務省の「令和4年就業構造基本調査」によると、全国の女性起業家は約104万人でした。年齢構成をみると35歳以上が全体の9割を占め、中でも「45~49歳」「50~54歳」「55~59歳」「75歳以上」は、それぞれ11%を超えています。
また、開業者に占める女性の割合は年々上昇しており、1990年代前半の10%台前半から、2023年には約25%にまで増加しています。
女性の起業家が増えた背景にあるのが、国による女性起業家を対象とした支援が整備されてきたことが挙げられます。ここでは、「ユニコーン創出支援事業(女性アントレプレナーのための地域密着型支援事業)」と「わたしの企業応援団」の2つを紹介しましょう。
ユニコーン創出支援事業
「ユニコーン創出支援事業(女性アントレプレナーのための地域密着型支援事業)」とは、女性起業家と支援者がともに学んで成長するプロセスを重視した活動です。
各エリアでの女性起業家支援ネットワークの構築や、ネットワーキングイベント、ビジネスプラン発表会が開催されています。全国の4都市で開催されるビジネスプラン発表会は、2025年1月に開催予定です。
わたしの起業応援団
「わたしの起業応援団」は、2020年12月に経済産業省が立ち上げた全国ネットワークです。起業を志す女性向けに以下のコンテンツを提供しているほか、企業を応援したい方向けのコンテンツも提供しています。
- 起業について
- セミナー・イベント情報
- 応援者検索(エリア別)
- 応援者検索(スキル別)
- 応援者検索(応援事例別)
女性起業家が利用しやすい創業支援策
ここでは、女性起業家が利用しやすい主な創業支援を4つ取り上げます。
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金
日本政策金融公庫には、「新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)」という制度があります。新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方のうち、女性または35歳未満か55歳以上の方が対象です。
融資の上限は7,200万円(このうち運転資金4,800万円)で、創業のためにまとまった資金が必要な場合に活用できます。また、日本政策金融公庫の「経営者保障免除特例制度」、「創業支援貸付利率特例制度」、「設備資金貸付利率特例制度(東日本版)」、「賃上げ貸付利率特例制度」との併用が可能です。
なお、融資を受けるには、創業計画書の提出を行い、審査に通過する必要があります。
融資限度 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) | |
---|---|---|
返済期間 | 設備資金 | 20年以内(据置期間5年以内) |
運転資金 | 10年以内(据置期間5年以内) ※廃業歴などがあり、創業に再度チャレンジする方は、前事業にかかる債務の返済を目的とした必要な資金も適用、運転資金は15年以内(据置期間5年以内)で利用可能 |
参考:新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)|日本政策金融公庫
女性・若者・シニア創業サポート2.0(東京都)
「女性・若者・シニア創業サポート2.0」は、東京都内で地域密着型の創業を目指す女性や若者、シニアをサポートする事業です。信用金庫や信用組合などと連携して実現した低金利融資のほか、事業計画アドバイスや創業後の経営支援により創業者をサポートします。
女性向け長期セミナー、事業計画書作成支援セミナー、業種別セミナー、販路開拓セミナーなども行われており、創業に必要な知識も習得可能です。
女性の融資限度 | 2,000万円(うち運転資金1,000万円) |
---|---|
返済期間 | 10年以内(据置期間3年以内) |
女性・若者・障害者創業支援融資(茨城県)
「女性・若者・障害者創業支援融資」は、新規で創業する人のうち、女性、融資を申込みする時点で35歳未満の若者、障害者手帳を所持した障がい者を対象にした茨城県の融資制度です。
茨城県内に住む対象者が、1カ月以内に個人事業を開始する場合や、2カ月以内に法人を設立する場合、あるいは事業を開始してから5年以内の場合に申請可能です。商工会議所や信用保証協会などと連携することで実現した制度であり、年率1.2%~1.5%で事業資金を借りられます。
融資限度 | 3,500万円 | |
---|---|---|
返済期間 | 設備資金 | 10年以内(据置期間1年以内) |
運転資金(設備資金との併用も含む) | 7年以内(据置期間1年以内) |
参考:女性・若者・障害者創業支援融資|茨城県 をもとに作成
日本起業アイディア実現プロジェクト
「日本起業アイディア実現プロジェクト」は、一般社団法人が運営する女性の起業家育成を支援する事業です。支援策として、女性起業チャレンジ大賞を開催しています。
18歳以上の起業を目指す、新たなビジネスアイデアにより事業を拡大しようとする女性が対象です。応募者はビジネスアイデアを提出し、選考を得て最大5名がグランプリに選ばれます。なお、支援金として200万円、特別優秀賞には50万円がいずれも無償で支給されます(※過去の受賞者は再度の応募不可)。
シングルマザー向けの創業支援
シングルマザーが活用できる主な創業支援を紹介します。
両立支援等助成金
両立支援等助成金は、仕事と育児、または仕事と介護の両立を支援する助成金です。以下、6つのコースが設けられています。
- 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
- 介護離職防止支援コース
- 育児休業等支援コース
- 育休中等業務代替支援コース
- 柔軟な働き方選択制度等支援コース
- 不妊治療両立支援コース
労働者の仕事と育児・介護との両立を支援する企業をサポートする助成金です。女性起業家が働きやすい環境を構築するための支援としては、柔軟な働き方選択制度等支援コースなどの活用が考えられます。フレックスタイム制、短時間勤務制度、テレワークなど、柔軟な働き方の選択制度を2つ以上導入した場合に、20万~25万円の助成金が受けられます。
一般社団法人 日本シングルマザー支援協会
一般社団法人日本シングルマザー支援協会は、自分らしく生きるシングルマザーの自立を支援する一般社団法人です。シングルマザー向けに、以下のような多様な支援を行っています。
- 伴走型の就職支援
- 人材育成
- 求人情報の提供
- 親子移住の支援
- お部屋探しの支援
- 法律相談
- 副業紹介
- セミナーの開催 など
起業を目指すシングルマザー向けには、「すまいるアカデミーきぎょう塾」を開催しています。起業に必要なマインドなどを育むプログラムです。
創業時の融資審査を通過するポイント
女性が創業を目指す際に活用できる支援制度をいくつか紹介してきました。中には、日本政策金融公庫の融資制度をはじめとした融資による支援も行われています。開業する業種によっては高額な設備投資が必要になる可能性もあるため、起業時の創業融資を受けられるかどうかは、創業を左右することになるでしょう。創業審査を通過するにはどこに注意すべきか、意識すべきポイントを3つ紹介します。
自己資金を用意する
創業融資の審査に通過するには、自己資金はできるだけ用意しておきましょう。事業がうまくいかず経営が悪化した場合、融資した金額を金融機関が取り戻せない可能性があるため、一定の自己資金が確保しておくと融資の返済能力が示され、金融機関の信頼を得やすくなります。
また、自己資金の用意をしておくことは、起業に向けた積極的な姿勢を示す証にもなります。このような理由から、審査に通過しやすくするためには、融資にあまり依存せず、一定の自己資金を用意しておくことが大切です。
事業計画書の中身を充実させる
事業を開始していない法人や個人事業の返済可能性は、創業融資の段階ではわかりません。そのため、開業後の事業の見通しや資金調達方法などを示す事業計画書の詳細内容が判断材料の一つになります。
創業融資で審査に通過するには、事業計画書を入念に作成することが重要です。ただし、事業計画書に記載する内容が、実現できないものでは返済可能性を見込めません。内容を充実させるとともに、実現可能な内容にまとめることが重要です。
経営や返済シミュレーションに説得性を持たせる
事業計画書には、経営の見通しや返済に関する項目を記載する欄があります。経営の見通しや返済計画については面談の際にも聞かれる可能性がある部分のため、現実的な数値を使って説得力のある内容に仕上げましょう。
例えば、返済シミュレーションであれば、毎月の客数や売上予想から固定費や変動費などを差し引いて、どのくらいの額を返済できそうか計算し、返済計画を立てるようにします。
女性向けの創業支援をうまく活用しよう
女性の起業家が年々増えている背景に、女性向けの創業支援が整備され、充実しています。例えば、経済産業省のユニコーン創出支援事業やわたしの起業応援団などの支援や、日本政策金融公庫の融資など、女性を対象に優遇措置を設けている事業もあるため、事業を安定させるために、うまく活用を検討してみましょう。
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