- 更新日 : 2023年10月23日
経営法務とは?中小企業診断士の学習法・経営法務人材のスキルマップ
経営にまつわる法務を専門的に担うのが経営法務です。経営法務の専門家として中小企業診断士の資格を取得できれば、キャリアの幅が広がります。本記事では、経営法務に焦点を当ててご紹介します。経営法務人材のスキルマップについても説明しますので、立場によってどのようなスキルやマインドが必要とされるのか参考にしてください。
目次
中小企業診断士の試験科目の「経営法務」とは
難関国家試験として知られる中小企業診断士ですが、試験科目のひとつが経営法務です。ここでは、試験科目の経営法務について解説します。
経営法務の試験内容・試験時間・配点
中小企業診断士の経営法務は、経営に関する法律から出題されます。出題領域は、次の通りです。
- 知的財産
- 会社法
- 民法
- その他の法律知識
4つの領域の中でも、知的財産と会社法からの出題が中心です。試験時間は60分のマークシート形式で、問題数は18〜23問と年度によって異なります。
経営法務の難易度
中小企業診断士の試験は非常に難しく、1次試験と2次試験をストレートで合格するのは4〜7%前後です。経営法務の科目だけ見てみると、2022年度の受験者数は16,642人で、そのうち合格者が4,470人のため、合格率は26.9%となります。
経営法務の学習のポイント
上述したように、経営法務の出題領域は4つですが、出題される領域に偏りがあります。知的財産と会社法からの出題が多く、この2つの分野からの出題率は全体の約60%です。時間があまり取れない場合は、これらの分野を重点的に学習してもよいでしょう。
経営法務にかかわらず、まずは法律用語をきちんと理解することが大切です。また条文をそのまま覚えるのではなく、法律の意図を理解しながら覚えましょう。難しい問題が多い経営法務ですが、基本的な問題を取りこぼさず点数を取ることも大事です。
法律改正への対策も必須です。特に、試験の1〜2年前に改正された内容はしっかりと押さえておきます。古い過去問や参考書ではなく、最新の問題集などを利用して学習しましょう。
毎回、出題されるのが英文問題です。問題内容はワンパターンな傾向にあるため、準備をし加点できるようにしておきましょう。
ビジネス用語の「経営法務」とは
ここでは、ビジネス上で使われる経営法務について解説します。通常の法務との違いも理解しておきましょう。
通常の法務との違い
企業は、法律を遵守しながらビジネスを成長させなければなりません。法務とは、法的問題に対する一般的な実務を指します。例えば、契約書の作成や知的財産の保護対策、労働法にまつわる問題への対処などが挙げられます。
一方、経営法務は経営にまつわる法律が中心です。法的な観点から、企業が適切な経営戦略を実行できるようにサポートするのが役目です。法的問題だけでなく、ビジネス展望などについて、経営者の相談役を果たすこともあります。
中小企業診断士として経営法務の知識を活かせれば、キャリアアップにつながります。より重要度の高い業務を任せてもらえるようになるでしょう。
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経営法務人材のスキルマップ
経営法務人材のスキルマップとは、経営法務分野で働く人材が持つべきスキルやマインドを体系化し、わかりやすく整理したものです。ここでは、3つのレベルにわけて解説します。
法務業務
経営法務の中でも法務業務は、基本的な実務を担当するスタッフと法務担当者として高度な専門性を持つ専門職にわけられます。スタッフのほうは、上司の指示に従って基本的な対応ができるレベルです。もちろん実務上必要な法律や政省令、通知、業界ルールなどの理解は必要です。
法務業務の専門職は、より高度な法律問題に対処します。法的な問題に対して、法的観点からビジネスモデルを再設計し提案できるレベルです。法務業務のチームがあれば、チームリーダーの役目を果たす場合が多いでしょう。
訴訟問題が生じた場合は、最適な弁護士を雇い、紛争解決の主導的役割を担います。社外の対応だけでなく、社内に違反行為が起こった場合は、適切な調査や事実確認、分析を行い、最小限のダメージで収まるように努めます。
管理業務
管理業務を担当するのは、いわゆる管理職です。法務部の運営を担当する法務部長などがこれに当てはまります。法務の専門家としてだけでなく、マネジメント能力を必要とし、組織の効率的な運営まで期待されます。
法務部門の管理業務では、人材の能力が十分に発揮できるように、組織力を高めなければなりません。効果的な人材育成プランや活用プラン、評価システムを設計し、適材適所へ人材を配置します。
ほかにも、重要な戦略決定において法的観点からリスクの指摘や対応、提案を行います。問題が生じた場合は、経営陣へ是正を求めることも必要です。企業全体あるいはグループ全体のコンプライアンスを設計・構築し、浸透を図り、起こりうるリスク回避に努めます。
社内における違反行為に対しては、適切なリスクコントロールを行いながら、対外的なステークホルダーへの説明責任を果たします。
経営
経営法務の中でも経営に携わるのは、GC(General Counsell)やCLO(Chief Legal Officer)と呼ばれる最高法務責任者です。弁護士資格を有していることが多く、CEO直轄の役員として経営の中核を担います。CEO(Chief Executive Officer)はいわゆる社長のことで、法務出身の社長もこれに該当します。
企業の経営を担う者として、企業が長期的に成長できるように責任を果たさなければなりません。社内での議論やステークホルダーとの対話から、最適な経営判断を行います。
また関係事業部と連携しながら、新たなビジネスモデルを創出し、最適な体制を構築できます。新たなビジネスモデルのために、関係省庁と折衝を行い、ルール変更や法的枠組み構築を促すことも必要です。
何らかの問題が生じた場合、経営陣を含め、関係者の問題行動をあらゆる手段を尽くして制止に努めます。場合によっては、職責を問われることもあるでしょう。
経営法務の最高責任者として、グループ全体におけるコンプライアンスの徹底、および体制の強化、モニタリングを行います。経営危機に陥るような問題が生じた場合、適切な対応策を提案し実行することで、企業存続を図ります。
適切な企業経営のために経営法務は重要!
企業が適切な経済活動をするために経営法務は欠かせません。企業の中でも法務分野をメインに働きたい場合は、中小企業診断士の資格が役に立ちます。難易度の高い資格ですが、ポイントを押さえて学習することで取得することが可能です。
経営法務は、立場によって求められるスキルやマインドは異なります。まずは資格を取得し、資格取得後はスキルマップを参考にキャリアアップを目指してみてはいかがでしょうか。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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