• 作成日 : 2026年2月16日

登記事項証明書とは?登記簿謄本との違いや種類、オンラインでの取り方、手数料などを解説

Point登記事項証明書とは?

登記事項証明書とは、法務局が管理する不動産や法人の登録情報を公的に証明する書類で、かつての「登記簿謄本」がデジタル化された現在の正式名称です。

  • 権利関係を証明: 所有者や代表権などの重要情報を客観的に示す。
  • オンライン請求が最安: 窓口より100円安く、郵送で受け取り可能。
  • 原本還付で費用節約: 手続き後に原本を返却してもらい、他へ併用できる。

登記情報提供サービスのPDFは公印(法務局の印)がないため、銀行や官公庁への提出書類としては原則認められません。必ず「登記事項証明書」の原本を用意しましょう。

登記事項証明書とは、法務局に登録されている不動産や法人の情報を公的に証明する書類のことです。かつて「登記簿謄本」と呼ばれていたものがデジタル化され、現在の名称になりました。

この記事では、証明書の種類や取得方法、手数料、さらには登記情報提供サービスとの違いまで、専門家がわかりやすく解説します。

登記事項証明書とは?

登記事項証明書とは、法務局に登録されている不動産や法人の情報を登記官が公式に証明した書面のことです。

対象となる不動産の所有権や会社の代表権といった重要な権利関係を、第三者に対して客観的に示す役割を果たします。銀行での融資契約や不動産の売買、法人の設立届や口座開設など、取引の安全性を担保する必要があるあらゆる場面で使用されます。

誰でも自由に取得・閲覧が可能

登記事項証明書は、プライバシーに関わる一部の情報を除き、手数料を支払えば誰でも自由に取得できます。所有者や代表者の承諾は不要です。

これは、不動産や法人の情報を公開(公示)することで、取引の安全を確保し、予期せぬトラブルを未然に防ぐという登記制度の理念に基づいています。

登記情報提供サービスはあくまで確認用

登記情報提供サービスは、PDF形式で登記内容を画面上で閲覧できるサービスですが、法務局の公印がないため、官公庁や銀行への提出書類としては原則認められません。提出が必要な場合は、必ず「登記事項証明書」を取得しましょう。

参考:登記情報提供サービス

登記事項証明書の記載内容は?

登記事項証明書には、対象が不動産か会社かによって異なる詳細な情報が記載されています。

不動産(土地・建物)の場合
  • 所在・面積:どこにどのくらいの広さがあるか
  • 地目:土地の種類(宅地、畑など)
  • 所有者の氏名・住所:誰が所有しているか
  • 抵当権:住宅ローンの担保など、権利の制限があるか
法人の場合
  • 商号・本店所在地:社名と住所
  • 事業目的:どのような事業を行っているか
  • 資本金会社の規模を示す金額
  • 役員の氏名・住所:代表取締役などの情報
  • 設立年月日:会社がいつできたか

登記事項証明書と登記簿謄本の違いは?

登記事項証明書と登記簿謄本は、証明する内容自体は同じものですが、発行形式が異なります。

紙からデータ管理への移行に伴う名称変更

「登記簿謄本」は以前の紙の登記簿をコピー(謄写)したものを指し、「登記事項証明書」はコンピュータでデータ管理された内容を専用紙に印刷したものを指します。

現在、日本のほとんどの法務局ではデジタル化が完了しているため、正式名称は「登記事項証明書」ですが、慣習的に今でも「登記簿謄本」と呼ばれることが多くあります。

内容の正確性と最新性の担保

名称は異なりますが、どちらも法務局の印影(公印)が押されており、公的な証明力に差はありません。現在のシステムでは、変更登記が完了した内容がデータに反映されるため、登記完了時点における最新の情報を確認できる証明書として機能します。

登記事項証明書の主な種類と特徴は?

登記事項証明書には、記載される情報の範囲に応じて複数の種類が存在します。

1. 履歴事項全部証明書

履歴事項全部証明書は、現在の登記情報に加え、請求日の3年前の1月1日から現在までの変更履歴(役員交代や増資、住所移転など)を記載した書類です。法人の実在証明として最も一般的に利用される形式であり、銀行の口座開設や重要な契約締結時に求められるのは、通常この「履歴事項全部証明書」となります。

2. 現在事項全部証明書

現在事項全部証明書は、現時点で効力がある事項のみが記載された証明書であり、過去の変更履歴は一切載っていません。創業から長期間経過し、商号変更や役員変更を頻繁に繰り返している会社の場合、履歴事項では枚数が膨大になることがあります。そのような場合に、現在の役員構成や資本金だけをシンプルに証明したいという意図で使用されます。

3. 閉鎖事項全部証明書

閉鎖事項全部証明書は、過去に閉鎖された(効力を失った)登記情報が記載された証明書です。履歴事項証明書で確認できる期間(過去約3年分)よりもさらに前の情報が必要な場合に使用されます。具体的には、すでに解散した会社の情報を確認する場合や、5年以上前に退任した役員の在籍確認が必要な訴訟・年金手続きなどの場面で必要になります。

4. 代表者事項証明書

代表者事項証明書は、会社の代表者の資格に関する事項(氏名、住所、会社名、本店所在地など)のみが記載された証明書です。資本金や目的、他の役員情報は省略されます。代表者としての権限があることだけを証明すれば足りる簡易的な場面で使われ、小規模な契約手続きや、法務局での印鑑証明書取得時の本人確認代わりなどに利用されますが、実務での頻度は低めです。

登記事項証明書の取得方法は?

登記事項証明書は、取得方法によって手数料が異なります。

取得方法手数料(1通あたり)特徴・備考
オンライン請求(郵送受取)500円最も安価。ネットバンキング等で納付可能。
法務局窓口での請求600円収入印紙で納付。その場で受け取れる。
郵送での請求600円申請書と印紙、返信用封筒を郵送する。

1. オンライン請求

登記・供託オンライン申請システム」を使って請求し、指定した住所へ郵送してもらう方法です。手数料が最も安く、窓口に行く時間も交通費も節約できます。

  • 手数料:1通 500円(※窓口より100円安い)
  • 送料:無料(手数料に含まれる)
  • 所要日数:請求から2〜3日程度(速達オプション等はなし)
  • 支払い方法:インターネットバンキング、Pay-easy(ATM等)

この方法のメリットは、わざわざ法務局に行かなくて良い点と、普通郵便の送料が込みで500円というコストパフォーマンスの良さです。急ぎでない場合は、この方法一択と言っても過言ではありません。

参考:登記・供託オンライン申請システム

2. 法務局窓口での取得

最寄りの法務局(登記所)に行き、申請書を書いてその場で受け取る方法です。会社の本店所在地を管轄する法務局でなくても、全国どこの法務局からでも取得可能です。

  • 手数料:1通 600円
  • 所要時間:混雑具合によるが、通常15〜30分程度

「今日中に契約書を発送しなければならない」といった緊急時には、窓口での取得が確実です。ただし、窓口の受付時間は平日の8時30分から17時15分までに限られる点に注意してください。

参考:法務局の窓口対応時間について

3. 郵送での請求

申請書と手数料分の収入印紙、返信用封筒を同封して、法務局へ郵送する方法です。インターネット環境がない場合や、操作に不安がある場合に利用されます。

  • 手数料:1通 600円(収入印紙で購入)
  • コスト:往復の切手代が別途必要
  • 所要日数:往復の郵送期間 + 処理時間で1週間弱かかることも

オンライン請求に比べて手数料が高く、時間もかかるため、実務でのメリットは少ないと言えます。

登記事項証明書をオンライン請求する具体的な手順は?

初めてオンライン請求を利用する方のために、簡単なステップを紹介します。

  • 事前準備:登記・供託オンライン申請システム」で申請者IDを登録する
  • ログイン:「かんたん証明書請求」メニューを選択
  • 会社検索:取得したい会社を検索(商号や法人番号で検索可能)
  • 請求情報の入力:必要な証明書の種類(履歴事項全部証明書など)と通数を選択
  • 手数料を納付:インターネットバンキングなどで手数料を納付
  • 完了:数日後にポストに投函される

注意点として、システムの稼働時間は「平日8時30分から21時まで」です。24時間いつでも申請できるわけではないので、夜間に作業する場合は時間に気をつけましょう。

登記事項証明書の提出時の注意点は?

最後に、登記事項証明書の提出時の注意点を紹介します。

発行から3ヶ月以内のルール

登記事項証明書の有効期限は、一般的に発行から3ヶ月以内が目安とされていますが、これは法律で厳格に決まっているわけではありません。

企業の登記情報は日々更新される可能性があるため、提出先が「現在の状況を正確に反映しているか」を確認するために設けている独自のルールです。特に銀行や金融機関の審査では、1ヶ月以内のものを求められることもあります。

原本還付を活用したコスト削減

複数の提出先に書類を出す場合、全ての宛先分を取得すると費用がかさみます。これを防ぐために「原本還付」という手続きを活用しましょう。

原本とそのコピーをセットで提出し、コピーの余白に「原本と相違ありません」と記載・押印することで、窓口で確認後に原本を返却してもらえます。返ってきた原本は、期限内であれば別の手続きに使い回すことができるため、通数を節約できます。

提出形式の事前確認

最近では、Webサービスの契約や簡易的な審査において、必ずしも原本ではなく「PDFデータ」や「スキャンしたコピー」で良いケースも増えています。また、法務局が提供する「登記情報提供サービス」のPDF(手数料332円)で事足りる場合もあります。無駄な取得コストや郵送の手間を省くためにも、事前に相手方へ必要な形式を確認する習慣をつけましょう。

登記簿謄本の確認をスムーズに進めるために

登記事項証明書(登記簿謄本)は、不動産取引や企業活動において欠かせない信頼の基盤です。現在ではオンライン申請が普及し、法務局へ足を運ばずとも低コストで取得できるようになりました。

重要な契約や手続きを控えている場合は、以下のポイントを再確認しましょう。

  • 全部事項か履歴事項か、必要書類の種類を確認する
  • 不動産の場合は、あらかじめ地番・家屋番号を調べておく
  • 発行から3ヶ月以内のものを準備する

ご自身での取得が難しい場合や、複雑な権利関係の調査が必要な場合は、司法書士などの専門家に相談することも検討しましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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