- 作成日 : 2026年1月14日
買取専門店は儲からない?失敗する理由や利益が出る仕組み、将来性を解説
買取専門店が「儲からない」と言われる最大の理由は、参入障壁が低いために準備不足で開業し、集客や資金繰りでつまずくケースが後を絶たないからです。しかし、在庫リスクの低さや人件費の低さといったビジネスモデルそのものは優秀で、正しい戦略を持てば十分に収益化できます。
この記事では、買取専門店が失敗する具体的な原因から、利益を出すための仕組み、2025年12月現在の市場動向をふまえた将来性までをわかりやすく解説します。
目次
買取専門店は本当に儲からないのか?
買取専門店は、適切な経営戦略と資金計画があれば十分に利益を出せるビジネスモデルです。
「儲からない」という噂も耳にしますが、それはビジネスの仕組み自体に欠陥があるわけではありません。実際には、在庫リスクが低く、1人からでも開業できるため人件費を抑えられる優秀な収益構造を持っています。失敗するケースの多くは、安易な参入による準備不足やノウハウの欠如によるものです。
正しい知識を持って運営すれば、インフレにも強く、しっかりと収益を出していける商売だといえるでしょう。
買取専門店はなぜ「儲からない」「やめとけ」と言われる?
買取専門店が「儲からない」と言われる主な要因は、ビジネスモデルの欠陥ではなく、開業する側の準備不足などです。
検索エンジンで「やめとけ」といった言葉が目につくのは、安易に参入して失敗する人が多いことの裏返しでもあります。多くの人がビジネスでつまずいてしまう理由を2つに絞って解説します。これらの原因を事前に知っておくことは、同じ轍を踏まないための重要な対策になるはずです。
参入障壁が低く、安易に始めて撤退する人が多い
撤退率が高くなる原因は、参入障壁が低いために「簡単に稼げる」と誤解して参入する人が後を絶たないことです。買取専門店は、特別な資格が「古物商許可」程度で済み、設備投資も少なくて済むため、異業種から軽い気持ちで始めやすいという特徴があります。
しかし、実際には相場観や目利き力、高度な接客スキルが求められます。十分なノウハウを持たずに開業した結果、利益を出せずに短期間で廃業するケースが多く、これが「儲からない」という評判につながっているのです。
初期の運転資金不足が原因で継続困難に陥りやすい
買取経営における失敗の典型例は、現金化までのタイムラグに耐えられず手元の資金が枯渇してしまうパターンです。
このビジネスは、商品を買い取る際にお客様へ即座に現金を支払いますが、その商品を売却して現金化するまでには一定の時間がかかります。開業直後は売上が安定しないため、十分な買取資金(運転資金)を用意しておかないと、優良な商品が持ち込まれても買い取れません。利益が出ていても資金が枯渇して倒産することを「黒字倒産」と呼びますが、資金計画の甘さが原因で事業継続が困難になるケースは多いといえます。およそ半年分程度の運転資金は確保しておきたいところです。
買取専門店のビジネスモデルと利益率は?
買取専門店のビジネスモデルが持つ最大の魅力は、在庫リスクや人件費を抑えられる点にあります。
在庫を持たずに利益を生み出せる仕組みは、他の小売業にはない強みです。ここでは、買取専門店がどのようにして利益を生み出しているのか、その基本的なビジネスモデルと、一般的な小売業と比較した際の利益率の違いについて解説します。仕組みを正しく理解すれば、勝機がどこにあるのかが見えてくるでしょう。
安く仕入れて高く売るシンプルな仕組み
買取ビジネスの基本構造は、お客様から不用品を買い取り、需要のある場所へ売却して差額を得るというシンプルなものです。
例えば、お客様からブランドバッグを5万円で買い取り、業者間オークションなどで8万円で売却すれば、差額の3万円が粗利益となります。
この仕組みの特徴は、自社で商品を製造する必要がない点です。市場価値のあるものを流すことで利益が生まれるため、商売の基本サイクルを回しやすいといえます。
買取専門店の利益率
平均的な利益率は、一般的な中古品買取店では10%~20%、高級ブランド品買取店で20%~30%です。
ブランド品や家電、アパレルやホビーなど買取品によって利益率が変動します。また、とくに家電は季節や相場による利益率の変動幅が大きいです。
買取専門店が儲からない・失敗する主な理由は?
買取専門店が失敗してしまう背景には、集客や鑑定、コスト管理など、経営に関わるミスが存在します。これらの重要ポイントを軽視すると失敗する可能性が高くなります。
ここでは、買取専門店経営において陥りやすい失敗パターンを詳しく解説します。これらのリスクを事前に把握し、対策を講じることで、成功率は大幅に向上するでしょう。
集客ができず客が来ない状態になる
客が来ない状態に陥る原因は、認知されるまでの期間を甘く見積もり、能動的な集客活動を怠ってしまう点にあります。
お客様が来店しなければ、どんなに良い店舗でも買取は成立しません。開業さえすれば自然にお客様が来るというケースはあまりないでしょう。とくに買取専門店は日常的に頻繁に利用する店ではないため、地域での認知度を高めるまでに時間がかかります。
また、家賃を抑えるために空中店舗(ビルの2階以上)を選んだ場合、視認性が悪く、飛び込み客が来る可能性が減少します。チラシ配布やWebマーケティングなどを行わずに待っているだけの店舗は、早い段階で行き詰まることになります。
真贋(しんがん)判定ができず偽物を買い取ってしまう
経営を揺るがす大きなリスクとして、真贋判定の知識不足によりコピー品(偽物)を誤って買い取ってしまうケースが挙げられます。
近年、スーパーコピーと呼ばれる精巧な偽物が増えており、プロでも見極めが難しいことがあります。もし偽物を高額で買い取れば、その仕入れ金はすべて損失となり、赤字に直結しかねません。さらに、偽物を再販市場に流してしまうと、取引先からの信用を失い、最悪の場合は古物商許可を取り消される可能性もあります。経験不足による真贋判定のミスは、店舗の存続に関わる重大な問題です。
固定費やフランチャイズのロイヤリティが高い
店舗経営を圧迫する要因として、収益に見合わない高額な家賃や、フランチャイズ本部へ支払う固定ロイヤリティの負担が挙げられます。毎月の固定費が高すぎると、損益分岐点が上がり、利益を残すのが難しくなります。とくに駅前の一等地などは家賃が高額になりがちですが、目的来店型の買取専門店は必ずしも好立地である必要はありません。
また、フランチャイズに加盟している場合、売上に関わらず定額のロイヤリティが発生する契約だと、売上が低い月は赤字幅が拡大してしまいます。収益性を無視した固定費設定は、失敗の大きな要因となるのです。
独自の売り先を確保できていない
利益を最大化できない理由として、買い取った商品を高く売るための「出口戦略(販路)」が確立されていないことが挙げられます。例えば、すべての商品を近隣のリサイクルショップに持ち込んだり、特定のFC本部にしか売却できなかったりする場合、買い叩かれて利益が薄くなることがあります。独自の販路を持たない店舗は、相場変動の影響も受けやすくなるでしょう。
高く売れるルートを知らないということは、それだけ安く買い取らざるを得ないことになり、結果としてお客様への買取金額も低くなり、集客にも悪影響を及ぼすという悪循環に陥ります。
競合他社との差別化ができていない
競合に負けてしまう店舗の特徴は、大手チェーンの近隣に出店しながら、「何でも買う」以外の独自の強みを打ち出せていないことが挙げられます。
大手は圧倒的な広告費を使って知名度を高めているため、同じようなサービス内容では埋もれてしまいます。「なんでも買い取ります」という曖昧なコンセプトではなく、「カメラに強い」「遺品整理に対応している」といった独自の強みが必要です。他店との違いをお客様に伝えられなければ、選ばれる理由がなく、価格競争に巻き込まれて疲弊してしまいます。差別化は生存戦略において欠かせません。
買取専門店で利益が出る仕組みは?
多くの店舗が利益を上げ続けている理由は、買取ビジネス特有の在庫リスクが低く、人件費負担を抑えられる構造を最大限に活かしていることが挙げられます。失敗する理由がある一方で、成功している店舗は着実に利益を積み上げています。
ここでは、買取専門店がなぜ儲かるのか、その構造的なメリットを3つの視点から解説します。これらのメリットを活かした経営を行うことが、安定した収益確保への近道となるでしょう。
在庫リスクが低い
買取専門店が安定経営できる要因は、売れる見込みのある商品のみを扱い、売れ残りリスクを低く抑えられる点です。アパレルや食品のように流行や賞味期限に左右されることが少なく、金やプラチナ、ブランド品などは資産価値が安定しているため、不良在庫になりにくいといえます。
また、買い取った商品をすぐに業者間オークションなどで現金化できるのであれば、買い取ってから販売して入金されるまでのリードタイムが短くできるのも特徴です。在庫を長期間抱える必要がなく、資金の回転率を高められるため、効率良く利益を積み上げられます。
小規模・少人数で運営できる
買取専門店が高収益を実現できる理由の1つとして、数坪のスペースと少人数のスタッフで運営でき、固定費を大幅に圧縮できることにあります。
買取専門店は商品を陳列するスペースが不要なため、カウンターとバックヤードさえあれば営業が可能で、家賃や光熱費を最小限に抑えられます。また、基本的にはお客様と1対1の接客となるため、オーナー1人、あるいは少数のスタッフで運営可能です。人件費という大きなコストを抑制できる点は、利益率を高める上で非常に有利に働きます。ローコストオペレーションの徹底が、高収益体質を作ります。
リユース業界の特性で不況に強い
買取ビジネスが長期的に生き残れる理由は、不景気になるほど「現金化」の需要が高まり、商品を買い取ってほしいという需要も活性化するという業界特有の強みがあるからです。
景気が良いときは資産形成のために現金を資産に変える一方、不景気になると現金を得るために手持ちの品を売るという動きが活発になります。また、物価高が続く2025年12月現在のような状況下では、新品よりも安価な中古品を求める消費者が増えるため、販売面でも追い風となるでしょう。このように、経済状況の変化に柔軟に対応できる点が、リユース業界の強みであり、安定経営につながる要素です。
買取専門店で儲けるためのコツ・対策は?
買取専門店で確実に利益を出すための対策は、現代的な集客手法を取り入れつつ、販路拡大と接客品質の向上を徹底することです。ただ店を開けて待っているだけでは、競合他社に勝つことはできません。
ここでは、これから買取専門店を始める、あるいは立て直すために実践すべき具体的なアクションプランを紹介します。これらを実行することで、収益性は確実に向上するはずです。
Webを活用した集客を行う(MEO・SNS)
現代の集客において重要となるのは、「地域名+買取」でのMEO対策です。また、SNS運用を行い、来店前の不安をWeb上で解消することも有効です。
スマートフォンの普及により、多くのお客様は来店前にネットでお店を検索します。「地域名+買取」で検索した際に上位に表示されるよう、MEO対策(Googleマップなどの地図検索対策)を行うことは欠かせません。Googleビジネスプロフィールに登録し、店舗情報を充実させましょう。
また、InstagramやX(旧Twitter)などで買取事例を発信することも効果的です。店内の様子やスタッフの顔が見えることで、お客様の「入りにくい」といった心理的ハードルを下げられます。
利益を最大化する売り先を複数持つ
利益率を高めるコツは、一つの売却先に依存せず、商品のジャンルごとに最も高く売れる販路を使い分けることです。
高く売れるルートをどれだけ多く持っているかが、最終的な利益の大きさを決めます。例えば、ブランド品は国内のオークション、古いカメラは海外のバイヤーへ、といった具合に最適な売り先を選定することが重要です。とくに円安の影響で、日本の中古ブランド品は海外からの需要が高まっています。複数の古物市場に参加したり、越境ECを活用したりして、常に高値で売却できるルートを確保しておきましょう。
リピーターを増やす接客スキルを磨く
安定した売上を作るための最重要課題は、丁寧な説明と信頼関係の構築によって「また売りたい」と思わせる接客スキルを磨くことです。
買取専門店にとって、リピーターの獲得は広告費のかからない効率のいい集客手段といえます。単に金額を提示するだけでなく、なぜその金額になるのかを丁寧に説明したり、雑談を通じて信頼関係を築いたりすることが大切です。信頼できるスタッフがいる店には、お客様がまた別の商品を売りたくなり、さらには知人を紹介してくれるようにもなります。Webで高評価の口コミをしてくれることにもつながり、新規の集客にもなるでしょう。接客品質の向上は、確実に売上へ貢献します。
買取ビジネスの今後の将来性は?
今後も買取ビジネスが有望である根拠は、SDGsへの関心や物価高を背景に、リユース市場全体が拡大トレンドにあるためです。
「今から買取店を始めても遅いのではないか」と不安に思う方もいるかもしれませんが、社会的な背景を見ても、産業としての成長余地は大きいといえます。ここでは、2025年12月時点での最新の市場動向と、これからの時代に生き残っていく買取専門店の特徴について解説します。市場の追い風を利用できるかどうかがポイントです。
リユース市場は今後も拡大傾向
リユース市場が拡大を続ける背景には、消費者の「捨てる」から「売る」への意識変化と、生活防衛による中古品需要の増加があります。SDGs(持続可能な開発目標)への関心の高まりにより、リユースという価値観が定着してきました。
さらに、物価上昇による生活防衛意識の高まりも、中古品市場を後押ししています。新品が高くて買えない層が、質の良い中古品を求めるようになり、買取と販売の両面で需要が底上げされているのです。このトレンドは一時的なものではなく、今後も長期的に続くと予想されます。
ジャンル特化や利便性が生き残りのコツ
これからの時代に生き残る店舗の条件は、「何でも屋」から脱却し、特定ジャンルへの特化や出張・宅配などの利便性を追求することが挙げられます。市場は拡大していますが、すべての店舗が生き残れるわけではありません。今後は、「総合買取」よりも「専門特化」した店舗が強さを発揮すると予想されます。「お酒買取専門店」や「楽器専門」など、特定のジャンルに深い知識を持つ店が選ばれる傾向にあります。
また、店舗での買取だけでなく、高齢化社会に対応した「出張買取」や、スマホだけで完結する「宅配買取」など、お客様の利便性を高めるサービスを強化できるかどうかも重要です。時代のニーズに合わせて変化できる店舗だけが生き残るでしょう。
資金力と経験値で儲かる買取専門店を目指しましょう
買取ビジネスの成功確率は、自分の資金力や経験値に合わせて、フランチャイズ加盟か個人開業かの最適なスタイルを選ぶことで高まります。「儲からない」という噂は、主に準備不足や戦略ミスによるものが大半です。ビジネスモデル自体は在庫リスクや人件費を低く抑えられる、儲けを十分に出せる商売といえます。成功するためには、フランチャイズに加盟してノウハウを得るか、個人で開業してコストを極限まで抑えるか、自分に合った方法を見極めることが大切です。
まずは実際の店舗を見学したり、複数のFC本部の資料を比較したりして、具体的な収支シミュレーションを行うことから始めてみましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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