- 更新日 : 2026年3月17日
出張鍼灸師に開業届は不要?出張施術業務開始届の書き方も解説!
出張専門の鍼灸師であっても、事業として継続するなら税務署への開業届提出は必須で、加えて保健所への届出も求められます。
- 税務署:事業所得となるため開業届が必要
- 保健所:店舗なしなら「開設届」は不要
- 注意点:従業員を雇う場合は開設届が必要
Q:保健所には何を提出すればいい?
A:業務開始後10日以内に、住民票のある住所を管轄する保健所へ「出張施術業務開始届」を提出します。
お客様のところに出張し、鍼灸による治療を行う「出張鍼灸師」により収入を得ている方のなかには、税務署に「開業届」を提出すべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。
出張専門であっても継続的に事業を行う場合は税務署への開業届が必要です。また、保健所には開設届ではなく出張施術業務開始届を提出します。
今回は出張鍼灸師に必要な届出の手順と書き方について解説します。
目次
出張鍼灸師に開業届は必要?
鍼灸師は国家資格であることから治療を希望する方も多く、店舗を構えて施術するケースはもちろん、お客様のところに赴き出張で鍼灸治療を行うケースもあります。
出張により鍼灸治療を行う場合であっても、税務署への開業届の提出は必要です。店舗(施術所)の有無にかかわらず、事業として行う以上は手続きが求められます。
そもそも開業届とは?
開業届は、個人事業主が税務署に提出する届出書の1つです。個人で事業を開始するにあたり、所轄の税務署長に対して開業する場所や屋号、具体的な業務内容などを報告します。ここでいう「事業」とは、「対価を得て継続的に行う事業」を指します(所得税法施行令第63条)。
自宅や店舗、出張など、鍼灸治療の形態は様々ですが、鍼灸師として反復継続して事業を行うのであれば、それによって得られる収入は原則として事業所得となります。そのため、開業届を提出する必要があります。
開業届の提出期限は?
開業届は、事業を開始した日(開業日)から1カ月以内に、事業所を管轄する税務署へ提出します。
提出方法は窓口への持参や郵送のほか、現在はスマートフォンやパソコンを使った「e-Tax(電子申請)」での提出も一般的です。
開業日といっても個人事業主の場合は、事業を始めた日があいまいなこともあるでしょう。この点については決まったルールがあるわけではなく、本人が「開業した」と考える日が開業日となります。
したがって、法律上は1か月以内とされていますが、提出が遅れたこと自体に直ちに直接の罰則はありません。しかしながら、提出することは法律上求められているため、開業後はできる限り速やかに提出するようにしましょう。
出張専門の鍼灸師は開設届の提出が不要
出張専門で鍼灸治療を継続して行う場合、所得税法上の開業届は提出しなければなりませんが、保健所に提出する開設届は不要です。
開設届とは、自宅や店舗など、施術する場所を構えて開業する際、保健所に対して提出する書類であり、店舗を持たない出張専門の場合は対象外となるためです。
従業員を雇用せず、自身1人で出張による治療を行うのであれば、自分で用意した施術所は不要のため、開設届を提出して保健所の審査を受ける必要はありません。
出典:あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律 | e-Gov 法令検索
出張鍼灸師の開業に必要な出張施術業務開始届とは?
出張鍼灸師は、施術所の開設届の代わりに「出張施術業務開始届(出張届)」の提出が必須です。
提出期限は業務開始後10日以内で、提出先は住所地を管轄する保健所となります。
出張専門で鍼灸治療をする場合に提出義務がある
施術所がある場合は開設届を提出し、施術所としての要件を満たしているか等、保健所の審査を受けなければなりません。その点、出張専門の鍼灸治療には施術所がないため、それに替わる手続きとして出張施術業務開始届の提出が求められます。保健所の審査がない分、開設届より手続きが簡単であるメリットがあります。
施術所がある方の出張鍼灸は届出不要
すでに施術所があり開設届を提出済みの方が、新たに出張鍼灸のサービスを開始する場合、改めて出張施術業務開始届を提出する必要はありません。提出済みの開設届で届け出た事業所から、お客様のところに出張し施術することができます。
従業員を雇用する場合は開設届が必要
事業主1人で鍼灸の事業を行う場合は、出張施術業務開始届の提出だけで済みます。ただし、従業員を雇用し鍼灸治療を行うことになると、新たに開設届の提出が必要です。将来的に事業拡大を検討している方は注意しましょう。
出張施術業務開始届の書き方は?
出張施術業務開始届は、住民票のある住所を拠点として記入します。様式は保健所により異なるため、必ず管轄のルールを確認した上で記載しましょう。
住民票の所在地が事業の拠点となる
出張施術業務開始届に記入する住所は、住民票がある住所地となります。施術を行わない事務所を借りているようなケースでは注意が必要です。なお、届出書を提出する際には住民票を添付書類として一緒に提出することになります。
業務実施場所に記入した地域以外の出張鍼灸も可能
出張施術業務開始届には、鍼灸治療を実施する具体的な場所を記入する欄があります。出張鍼灸を行う地域名を記入することになりますが、記入した地域以外に出張してはいけないということではありません。出張することが多いメインの地域を記入しましょう。
提出する保健所によって届出様式が異なる
出張施術業務開始届は、提出する保健所によって少しずつ様式が異なります。記入する項目も保健所によって変わるため、提出する前に必ず添付必須の書類などを確認するようにしましょう。
開業届をネットで簡単に作成する方法
マネーフォワード クラウド開業届(サービス利用料0円)の場合、ソフトのインストールなどは一切必要なく、オンライン上でいくつかの質問に答えるだけで簡単に開業届の作成・提出ができます。
\電子申告でラクに開業届を提出/
e-Taxソフトで開業届を作成する際は、e-Taxソフトのインストールなどが必要です。
ソフトのインストールが不要でオンライン上で利用できる、マネーフォワード クラウド開業届のような開業届作成サービスは、デザインや使いやすさが初心者向けに設計されているのが特徴です。
開業届はスマホで電子申請・提出がラク!
開業届を提出するには、スマホで電子申告(e-Tax)・インターネット(e-Tax)・郵送・税務署の窓口に持参の4つの方法があります。
完全無料で使える「マネーフォワード クラウド開業届」で、フォームに沿って必要な情報を入力したのち、スマホから電子申告(e-Tax)が簡単にできます。
インターネットで完結するので、個人事業主やフリーランスの方など、非常に多くの方にご利用いただいております。
\スマホで簡単に開業届を提出/
開業届作成に関する実態とよくある悩み
株式会社マネーフォワードでは、開業届を自分で作成した経験がある方などを対象に、開業届に関する調査を実施しました。
開業届の手続き全体を通して、最も面倒・ハードルが高いと感じた点について尋ねたところ、最も多かったのは青色申告などの関連書類の理解(必要性や違いの判断)で、21.4%でした。次いで、記入内容の判断(職業欄の書き方、開業日の設定、屋号など)で、20.2%でした。書類の作成や入力作業そのものよりも、何をどのように記載して手続きを進めればよいかという判断の部分に悩む人が多いことがわかります。
ツールを活用してスムーズに手続きを進めるには
出張鍼灸師として開業する際も、職業欄の適切な記載方法や屋号の有無など、開業届の記入内容に迷うことがあるかもしれません。
同調査にて、開業届作成時の利用ツールを尋ねたところ、最も利用されているのは国税庁サイトからダウンロードしたPDF、または税務署の紙様式で、41.1%でした。紙やPDFでの作成は手軽に始められる反面、自分自身で記入内容の正解を判断する必要があります。
記入時の迷いや青色申告の漏れを防ぐためには、画面の案内に従って質問に答えるだけで正しい内容が自動作成される、民間の開業届作成サービスを利用するのも一つの方法です。出張鍼灸師としての事業をスムーズに開始できるよう、ご自身に合った作成方法を選択してみてください。
出典:マネーフォワード クラウド、手続きで「面倒・ハードルが高い」と感じた点および開業届作成時の利用ツール【開業届に関する調査】(回答者:812名、集計期間:2026年1月実施)
出張鍼灸師の開業手続きは税務署と保健所のセットで進めよう
出張専門の鍼灸師として適正に開業するためには、以下の2点を確実に実行しましょう。
税務署へ:開業日から1ヶ月以内に開業届(+青色申告承認申請書)を提出し、個人事業主としての地位を確立する。
保健所へ:業務開始後10日以内に「出張施術業務開始届」を提出し、あはき法に基づく届出義務を果たす。
これらは法律で定められた義務であるだけでなく、社会的信用を得て、安定した経営を行うための第一歩です。まずはご自身の住所地を管轄する保健所のホームページで、指定の様式を確認することから始めましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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