- 作成日 : 2024年10月28日
グループウェアとは?各種機能やメリット、導入時のポイントを解説
グループウェアは組織内のメンバーのコミュニケーションを円滑化するためのツールです。1つのインターフェースでメールの送受信やスケジュール管理などの基本的な機能や、業務効率化のための機能までを網羅できることから、多くの企業で導入されています。
本記事では、グループウェアの概要や利用するメリット、導入時の選定ポイントについて解説します。
目次
グループウェアとは
はじめに、グループウェアの概要や目的について解説します。
グループウェアの定義
グループウェアとは、企業などの組織内におけるメンバー同士のコミュニケーションを円滑化させるためのツールです。
メールの送受信、スケジュール管理、ファイル共有、チャットなどの機能を備えており、スケジュール、ワークフローなどの情報の一元管理による業務効率化も期待できます。
さらに自社の業務に合わせた案件管理システムなど、独自のシステムを作成できるものも存在します。
グループウェア導入の目的
グループウェアの導入は、1つのソフト・インターフェースでさまざまな機能を利用できるようにすることで、情報共有を効率化したり、生産性を向上させたりすることを目的に行われます。
組織内で使用するメールやカレンダーアプリ、ファイル共有や会議室予約などの機能を1か所に集約できるため、アプリケーションを複数利用することによる煩雑さを回避することが可能です。
グループウェアの機能
ここでは、グループウェアの機能について、以下の4つを解説します。
- コミュニケーションツール
- プロジェクト管理
- ドキュメント管理と情報共有
- モバイル対応とリモートワークのサポート
コミュニケーションツール
チャットやグループ機能を活用し、迅速かつ手軽に情報共有を行うことができます。
リアルタイムでのやり取りに適していて、従業員同士のコミュニケーションを円滑化できるほか、案件やプロジェクトごとに紐づいたやり取りを履歴に残せるため、見落とし防止やノウハウの蓄積にも役立ちます。
プロジェクト管理
プロジェクトメンバーに割り振ったタスク管理や、メンバー同士での進捗状況の共有・報告が可能です。モバイル端末も利用する場合は、リモートワーク中や外出中に状況を把握することもできます。
またスケジューラや掲示板、回覧板なども活用すれば、多くの関係者を巻き込んだ業務を一元管理することもできるでしょう。
ドキュメント管理と情報共有
所属チームやプロジェクトメンバー間でファイルを共有・管理するための機能です。細かな権限設定も可能なため、セキュリティ面で求められる要件にも柔軟に対応できるでしょう。グループウェア上にドキュメント、画像や動画などのファイルをアップロードすることも可能です。
モバイル対応とリモートワークのサポート
1つのアプリケーションでオンライン会議、スケジューラ機能、文字起こしによる議事録作成など、リモート会議に必要な機能を網羅することができます。
モバイル端末からワークフローの申請承認を行える機能もあり、外出先での作業にも対応しています。
グループウェアのメリット
本章では、グループウェアを利用するメリットを2点解説します。
生産性の向上
従業員同士のコミュニケーションが円滑になり、互いの連携や認識のズレを最小限に抑えられるため、生産性が向上します。
Web会議機能によってリモートでの円滑なコミュニケーションも可能になるため、従業員同士が場所や時間の制限なく連携でき、さまざまな働き方に柔軟に対応できます。また、メンバーの業務進捗を一覧で確認できることにより、迅速なフォローも可能になるでしょう。
情報の一元管理による業務効率化
スケジュールやタスク、業務資料、ナレッジなどの情報を一元管理できる上、共有もスムーズに行えるため、業務効率が向上します。
1つのツールでWeb会議、議事録作成、ファイル共有、スケジュール調整など一連の業務を網羅できるので、複数のツールを利用することによる無駄を省くことも可能です。またワークフロー機能の活用によって、経費精算や勤怠などの申請業務も手軽に行えます。
グループウェア導入の課題
グループウェアの導入に際してはいくつかの課題が存在します。自社で運用する場合はシステム環境を構築する必要があるため、そうでない場合と比べてよりコストがかかります。
導入に伴って既存システムとの統合が必要になる場合もあり、連携が円滑に進まないと、業務負担を増加させる原因になるでしょう。また、新しいシステム導入に伴うユーザー教育も必須になるため、研修のための予算や体制を整える必要もあります。
グループウェア選定のヒント
本章では、グループウェアを選定する際のポイントとして、以下の点を解説します。
- 導入目的に沿う機能の有無
- モバイル端末での利用可否
- コストやセキュリティ面
- 既存システムとの連携可否
- 操作性
導入目的に沿う機能の有無
導入するグループウェアが自社の導入目的に合致した機能を有しているかに着目しましょう。コミュニケーションやファイル共有などの標準機能はどのツールでも搭載されていますが、ワークフロー、案件管理など業務効率化のための機能も搭載されているかはシステムによって異なります。
多数のプロジェクトを管理する必要がある企業は、プロジェクト管理や進捗報告機能が豊富なシステムを導入するのが望ましいでしょう。
モバイル端末での利用可否
グループウェアは、モバイル端末からの利用も多いシステムです。社外で利用するシーンが多い場合は、働く場所を問わず、社内外とのスムーズなやり取りが可能になるでしょう。
モバイル専用アプリがあるグループウェアならスマートフォンのプッシュ通知や位置情報も利用できます。また、視認性や操作性の面でもブラウザより優れています。
コストやセキュリティ面
グループウェアの利用には導入費用とライセンス料金が発生します。ライセンス料金は一般的に、ユーザー数による従量課金制の場合が多いです。
導入費用はオンプレミス型とクラウド型で大きく異なり、自社でサーバを設置するオンプレミス型は導入や運用にかかる費用が割高になる反面、自社仕様のセキュリティ要件を実装できます。
一方でクラウド型はサービス提供者のサーバーを利用するため、自社向けのカスタマイズはできない反面、導入・運用コストを比較的安価に抑えることが可能です。また、サービス提供者が運用・保守も担うため、そこに自社のリソースを割く必要がありません。
既存システムとの連携可否
既存のシステムで自社にとって不可欠なシステムがある場合、そのシステムとグループウェアとの連携可否を事前に確認しておくことが望ましいです。
連携がスムーズでない場合は業務の進行に支障を来すことも考えられるため、導入前にグループウェアと連携したいシステムを洗い出し、連携可能なシステムのみを導入の選択肢とするのも良いでしょう。
操作性
グループウェアは従業員が毎日使用することになるため、操作性も非常に重要なポイントです。ユーザーが操作を複雑に感じてしまうと使おうとする気が失せ、生産性の低下につながってしまいます。
導入前にデモ画面や無料トライアルを利用できるサービスの場合は、積極的に活用することで導入後のミスマッチを防止できるでしょう。
まとめ
グループウェアはコミュニケーション、ファイル共有などの基本的な機能からプロジェクト管理などの幅広い機能を備えているものが多く、導入によって生産性向上や業務効率化を図ることができます。
ただし機能が多ければ良いというわけではなく、自社に必要な機能は何かという点から選定していくことが重要になります。無料トライアルやデモ利用、フリープランが利用可能なサービスを積極的に活用し、十分な検討を行うことで、自社に最適なグループウェアを導入しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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