- 更新日 : 2026年3月27日
商品の欠陥を理由とする契約解除とは?ひな形をもとに書き方や注意点を解説
商品の欠陥を理由とする契約解除とは、購入した商品に不具合があった際に売買契約を解除することです。この際に買主は売主に対して契約解除をする旨を通知します。
この記事では商品の欠陥を理由とする契約解除の意味や通知書の書き方についてご説明します。また、購入した商品に不具合があった際に買主がとれる措置についてもご紹介します。
<関連記事>
▶契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!
<サービス資料>
▶マネーフォワード クラウド契約の詳細はこちら
▶マネーフォワード クラウドAI契約書レビューの詳細はこちら
商品の欠陥を理由とする契約解除とは
商品の欠陥を理由とする契約解除とは購入した商品に欠陥があったときに、その売買契約を解除することです。
契約解除をすればその契約ははじめからなかったことになります。そのため、買主が負う代金支払義務も消滅し、仮に代金を支払った後であれば返金を受けることが可能です。
【無料】お役立ち資料
▶16項目 契約書レビューのチェックポイント(合計12ページ)
▶電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選(合計10ページ)
▶契約書の作り方 書き方の教科書(合計21ページ)
▶電子契約サービス比較マニュアル(合計12ページ)
商品の欠陥を理由とする契約解除を行うケース
商品の欠陥を理由とする契約解除を行うケースは購入した商品に欠陥が見つかって返金を求める際が挙げられます。
例えば、注文した商品が破損している、品質不良が発生している、注文した数量と違っている場合、注文した商品と異なる商品が納品されたといったケースで契約解除を求めることができます。
なお、契約の解除は口頭でも可能です。しかし、口約束では後から「言った・言わない」のトラブルに発展するおそれもあるため、極力書面を作成して契約解除の意思を示しましょう。
商品の欠陥を理由とする契約解除のひな形
商品の欠陥を理由とする契約解除の意思を示す場合は書面をもって相手に意思を表示することが重要となります。しかし、どのように書けばいいのか戸惑われる方もいらっしゃるかと思います。当サイトではひな形をご用意しましたので、こちらを参考に作成してみましょう。
商品の欠陥を理由とする契約解除の書類に記載すべき内容
ここからは商品の欠陥を理由とする契約解除の書面の書き方や記載すべき内容についてご紹介します。
表題
まずは書面のタイトルを記載します。大きめのフォントで「商品の欠陥を理由とする契約解除」というように記載しましょう。
取引の事実
まずはどの取引に関して契約解除を求めるのかを明らかにします。以下のような情報を盛り込みましょう。
- 商品売買契約を締結した日付
- 取引があった日付(代金の支払いと引渡しを受けた日付)
- 商品の代金
- 商品名や品番など
欠陥の内容
次に商品にどのような欠陥があったのかを説明しましょう。「引渡しの翌日に当社が上記製品を使用したところ、製品の中枢である○○部分が全く稼働しないという重大な欠陥があることが判明しました」というように不具合が発生している箇所や状態などを極力具体的に記載します。
解除事由となる根拠
商品売買契約を締結する際には契約解除に関する取り決めがなされているケースも多いです。「これは上記売買契約第〇条に記載する解除事由にあたるものです」というように記載することで、売買契約書の契約解除条項に基づいて契約解除を求めていることがわかります。
契約解除と返金を請求する意思表明
最後に契約解除と返金を請求する旨を記載しましょう。「本書面をもって貴社との上記売買契約を解除いたしますので、支払済みの商品代金○○円をご返金いただきますようお願いいたします」というように、どのタイミングで契約解除をし、いくら返金を求めるのかを明らかにします。
宛先
商品を販売した会社や店舗(売主)の住所と会社名・店舗名、代表者の氏名を記載します。また、書面を作成した日付も記載しましょう。
差出人
商品の購入者(買主)の住所や会社名、氏名を記載し、押印します。
商品の欠陥を理由とする契約解除の書類を作成する際の注意点
商品の欠陥を理由とする契約解除の書類を作成する際には以下のような点に注意しましょう。
対象となる商品売買契約や取引を明確にする
相手方に契約解除に応じてもらうためにはまず対象となる商品売買契約や取引を明確する必要があります。特に売主と複数回取引を行っている場合は、どの取引において商品の欠陥が発生したか特定がしづらいためです。
伝票番号や注文番号、商品売買契約を締結した日付、取引があった日付、商品の代金の金額、商品名や品番などの情報を可能な限り記載しましょう。また、領収書やレシート、納品書なども添付するのが望ましいです。
どのような欠陥があったのかを明らかにする
欠陥の内容についても極力具体的に記しましょう。例えば、商品が間違っていた場合は「●●を発注したところ○○が届きました」、商品に不具合が発生していた場合は「○○部分が全く動きません」「○○部が欠損していました」というように内容を明らかにすることで、スムーズに対応してくれる可能性が高まります。
意思をはっきりとさせる
以下で詳しくご紹介しますが、商品に欠陥があった場合、買主は契約解除や返金を求めることができるほか、代金の減額や追完、損害賠償も請求する権利が発生します。相手側にどのような対応をしてほしいのか、意思をしっかりと表明しましょう。
商品に欠陥があった場合に請求できる内容
民法562条では「引き渡された目的物が種類、品質または数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡しまたは不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる」と定められています。
これを契約不適合責任といいます。
参考:民法|e-GOV法令検索
商品が破損していた、不良や故障が発生している、数量が足らなかったといった欠陥も契約不適合に該当し、買主は売主に対して以下のような措置を求めることができます。
追完請求
買主が売主に対して商品の補修や不足分の商品や代替物の引渡しを求めることができる権利です。例えば、商品が故障していた場合、買主は他の商品に取り替えてもらう、修理してもらうなどの措置を求めることができます。
損害賠償請求
損害賠償とは商品の欠陥によって発生した損害を補償してもらうことです。例えば、工場で使う部品を購入したものの欠陥があってラインがストップしてしまった場合、それによって発生した損失を補填してもらうことができます。届いた商品に欠陥があって怪我や健康被害が発生した場合、治療費や慰謝料を請求することが可能です。
代金減額請求
商品に欠陥があった場合、その商品を受け取る代わりに代金を通常よりも安くしてもらうよう請求することも可能です。商品の追完を請求し、代替品の引渡しや補修などの措置を受けられない場合に、代金減額請求を行うことができます。
契約解除
契約解除とはその商品売買契約をなかったことにする措置です。商品売買契約を解除すれば、買主が負っている「代金を支払う」という債務が消滅します。そのため、支払った代金の返還を求めることができるようになるのです。
なお、契約不適合による契約解除についてはこのように民法で定められている事項となります。仮に商品売買契約書に契約解除に関する記載がなかったとしても、商品が契約不適合状態(=欠陥がある状態)であった場合、契約解除を求めることは可能です。また、同様に追完請求や損害賠償請求、代金減額請求もできるということになります。
契約不適合責任の行使期限
引渡しを受けた商品に欠陥があった場合、買主は売主に対して上記のような措置を求めることができると民法で定められていますが、これには期限が決まっています。
民法566条では買主は不具合を知ってから1年以内(会社間取引の場合は商品引渡し後6か月以内)に売主に通知しないと、契約不適合責任を問えないと定められていますので注意しましょう。
参考:民法|e-GOV法令検索
例えば、5年前に商品を購入して当時から不具合があることを知っていて契約解除を求めたとしても、売主はそれに応じる必要がありません。
商品の欠陥を理由とする契約解除は必ず書面で請求しましょう
商品の欠陥を理由とした契約解除は口頭や電話でも求めることが可能です。しかし、確かな証拠がないと後々トラブルに発展したり契約解除に応じてもらえなかったりするリスクもあります。
商品の欠陥を理由とする契約解除を求める際には必ず書面で詳細を明らかにし、意思をしっかりと表明しましょう。また、領収書やレシートなどを添付することで、よりスムーズに応じてもらえる可能性が高まります。
契約関連のおすすめコンテンツ
契約・電子契約関連記事
▶契約とは?民法における成立要件や契約書の種類などを簡単にわかりやすく解説
▶電子契約のメリット・デメリットは?導入が進まない理由や関連する法律もわかりやすく解説
▶電子契約システムとは?導入メリットや注意点を種類別に解説
▶電子契約とは?仕組みやメリット、法的有効性について解説
▶電子契約の導入の流れは?サービスの導入から契約締結までの進め方を解説
契約書関連記事
▶契約書とは?注意すべきポイントを簡単に解説
▶契約書の書き方をテンプレート・例を用いて解説!
▶雇用契約書とは?法的な必要性や項目、作り方をひな形付きで紹介
▶業務委託契約書とは?書き方や個人事業主の注意点を解説
▶印紙が必要な契約書の種類と金額まとめ
おすすめお役立ち資料
▶電子契約にも使える!契約書ひな形まとめ45選(合計10ページ)
▶16項目 契約書レビューのチェックポイント(合計12ページ)
▶契約書の作り方 書き方の教科書(合計21ページ)
▶マネーフォワード クラウド契約サービス資料
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
契約の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
-
# 契約書の種類・書き方
請負契約とは?委任契約の違いやメリット、収入印紙などをわかりやすく解説
請負契約とはどんな契約ですか? 請負契約は、仕事の完成を約束し、その成果に対して報酬を支払う契約です。 完成が報酬条件 民法632条が根拠 委任契約と目的が異なる 2020年の民法…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
創業株主間契約書とは?ひな形をもとに書き方やチェック時の注意点を解説
複数人が共同で起業して株主になる場合は、創業株主間契約書を作成して締結します。これはどのような契約書なのでしょうか。なぜ締結する必要があるのでしょうか。 今回は創業株主間契約書を結…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
広告掲載承諾書とは?ひな形をもとに書き方や例文、注意点を解説
広告掲載承諾書とは、広告主が掲載先のメディアなどを運営する事業者に提出する、広告掲載を承諾する旨の文書です。広告主とのトラブルを防ぐため、広告掲載承諾書を確実に取得しましょう。本記…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
不動産コンサルティング業務委託契約書とは?ひな形や書き方を解説
不動産コンサルティング業務委託契約書とは、不動産に関するコンサルティングを第三者に依頼する際に締結する契約書です。不動産コンサルタントには不動産に関する調査や分析、助言などの業務を…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
一般条項とは?契約書に含まれる内容についても解説
契約書に盛り込む条項は各取引の実態に合わせて最適化することが大切で、同じ契約類型だからといって他の契約書と全く同じ内容になるわけではありません。しかし、契約のたびにすべての条項を一…
詳しくみる -
# 契約書の種類・書き方
契約書の訂正印はどう押す?正しい書き方や捨印との違い、電子契約の修正法
契約書の正しい訂正方法 契約書の訂正は二重線で修正し、当事者双方の訂正印を押すのが法的ルールです。 修正液は禁止、元の文字が見えるように 「〇字削除 〇字加入」と正確に記載 電子契…
詳しくみる
