- 作成日 : 2024年8月9日
IT導入補助金のITツールとは?社内導入するメリット・デメリット
IT導入補助金は、中小企業が業務効率化や生産性向上を図るために利用できる支援制度です。IT導入補助金の対象となる「ITツール」は、業務をオンライン化・自動化することで、業務の効率化やコスト削減を実現するシステムやサービスを指します。
当記事では、IT導入補助金の対象となるITツールの種類や機能、導入するメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
IT導入補助金の対象となる「ITツール」とは?
IT導入補助金の対象となる「ITツール」とは、業務効率化を目的として新たに社内導入されるオンライン上のシステムのことです。ソフトウェア製品やクラウドサービスそのものにかかる費用はもちろん、システム導入に関するサポート費用や設定費用などもIT導入補助金対象となります。
従来、紙や電話・メールなどで実施していたものをITツールに移行すれば、業務効率化が促進され業務時間短縮や工数削減も可能になります。結果として、企業全体の生産性の向上にもつながるでしょう。
出典:経済産業省「ミラサポPlus」
ITツールの種類・機能
IT導入補助金の対象となるITツールは、以下の5つに大分類されます。
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上記の5つの項目は、それぞれ細かい種類(カテゴリー)に分類されます。IT導入補助金を利用してITツールを導入したい場合は、使いたいITツールが対象のカテゴリーに該当するかを事前に必ず確認しましょう。
出典:J-Net21「IT導入補助金の対象となる「ITツール」について教えてください。」
以下は、実際にIT導入補助金の対象となっているITツールの代表例です。
(ITツールの例)
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例えば、マネーフォワード クラウドは、会計業務をはじめとするバックオフィス業務全般の効率化に役立つクラウドサービスの総称です。ただし、同じマネーフォワード クラウドに含まれる製品でも、導入する種類によって申請できるIT導入補助金の項目が異なる場合があるため、注意が必要です。
ITツールを社内導入するメリット・デメリット
手作業での業務が多い企業では、ITツールの社内導入を検討しているケースも多いでしょう。しかし、ITツールの社内導入にはメリットだけではなく、注意すべきデメリットもいくつかあります。ITツールを社内導入する際には、メリットとデメリットの両方を知り、総合的に判断することが大切です。
ITツールを社内導入するメリット・デメリットを詳しく紹介するので、参考にしてください。
ITツールのメリット
ITツールの社内導入には、以下のようなメリットがあります。
ITツールを導入すれば、それまで人間が手作業で行ってきた業務の自動化が可能です。業務自動化は業務効率化や作業時間の削減につながり、結果として企業全体の生産性向上が期待できる点が大きなメリットとなっています。生産性が向上すれば、企業の売上や利益アップにもつながるでしょう。
アナログ手法でデータ管理を行っている場合、必要な情報を探すのに時間がかかり、複数人で共有しにくいというデメリットがあります。一方、ITツールを導入すれば、場所や時間を問わずデータを管理でき、いつでも迅速に情報共有できる点がメリットの1つです。
最近では、コロナ禍や育児・介護と仕事を両立する方への配慮といった理由から、企業規模に関係なくテレワークを導入する会社が増えています。また、オフィス以外でも働ける環境があればより快適に仕事ができるというケースも少なくありません。ITツールの導入によって、自宅や外出先など、場所の制限を受けずに自由な働き方が可能となります。
DX化とは、デジタル技術の活用によって、サービスやビジネスモデルだけではなく、組織そのものや業務プロセス、風土や文化に至るまでを変革させることです。ITツールの導入によってさまざまな業務を自動化・効率化できれば、削減できた時間をコア業務に振り分けられます。また、ITツールを使うことが当たり前の企業文化になれば、社内での意識や認識にこれまでにない変化が起きるようにもなるでしょう。 |
上記のように、ITツールの社内導入には多くのメリットがあるため、導入を進める企業も増えています。
ITツールのデメリット
ITツールの社内導入には以下のようなデメリットもあるので、メリットと合わせて確認しておきましょう。
ITツールをよく考えずに導入すると、自社の課題や業務内容と合わず、適切に活用できない可能性があります。ITツール導入の準備段階として自社の課題を洗い出した上で、課題を解決できる機能や仕組みを持ったITツールを選択することが大切です。
ITツールは、導入後に社内に定着すれば、業務効率が大幅に向上する可能性があります。ただし、既存業務のIT化には、業務フローの洗い出しや業務の標準化、シミュレーションが必要で、初期段階では時間がかかります。また、新規ITツールに慣れるまでは、従来のアナログ方法よりもかえって手間取るケースも少なくありません。さらに、導入するITツールによっては、初期費用として数百万~数千万円かかる場合もあります。
ITツールの効果的な活用に加えて、情報セキュリティの安全性を確保するためには、導入の前段階から必要な知識を持った人材を確保することが必要です。社内での人材確保が難しい場合は、アウトソーシングを視野に入れるとよいでしょう。 |
すでに社内でITツールを活用している場合、既存のITツールと連携できるかを確認するのも大切です。適切なITツールを導入しても、社内のシステムと相性が悪かった場合、余計な業務が増えるなどの問題が生じる可能性があります。
また、市販のITツールはカスタマイズに制限があるのが難点です。自社に完璧にマッチしたITツールを導入したい場合は、フルスクラッチ開発を検討するとよいでしょう。
ITツールを社内導入する際の注意点・ポイント
ITツール選びを誤ると、業務効率化につながらず、導入にかけた時間やコストが無駄になる可能性があるので注意が必要です。ここでは、ITツールの社内導入に際して、失敗を防ぐための注意点やポイントを3つ紹介します。
自社の課題を把握する
ITツールは、自社の課題解決に必要な機能を備えたものを選ぶことが大切です。そのためには、まず自社の課題を把握する必要があります。
課題を把握するための方法として、プロセスマッピングがおすすめです。プロセスマッピングは業務プロセスを視覚的に把握する手法で、業務全体の流れや関係する人材、使用するデータや情報を明確化できます。プロセスマッピングは1人で行うよりも、担当者に各業務の要点などを確認しながら進めるとよいでしょう。
課題解決につながる機能が備わっているか確認する
人事や総務、営業といった個別業務に適したITツールは多くあります。しかし、基本的な機能は同じでも、細かい部分についてはITツールごとに異なるケースがほとんどです。そのため、複数のITツールを比較して自社が解決したい課題と照らし合わせ、より適切なITツールを選び取ることが重要になります。
また、ITツールにはハイスペックな機能を備えた商品もあるものの、必ずしも自社に必要な機能が備わっているとは限りません。オーバースペックのITツールを選べば無駄なコストの発生にもつながるため、搭載されている機能が本当に必要かを確認することも大切です。
無料トライアル期間があるツールを選ぶ
ITツールを導入する際には、無料トライアル期間があるものを選ぶのがおすすめです。多くのITツールは本格的に導入すると初期費用や月額費用が発生するため、導入後に解約すると損失が生じてしまいます。一方、無料トライアルを利用できれば、実際に製品を使って確認できるほか、担当者の意見・感想を聞いてから導入を考えられる点が大きなメリットです。
ただし、一般的に無料トライアルには期間制限があります。複数のITツールを同時に試すと期間内に十分検証できない可能性があるため、無料トライアルは計画的に利用しましょう。
IT導入補助金対象のITツールを導入して生産性向上を実現しよう
IT導入補助金を活用して適切なITツールを導入することは、企業の業務効率化や生産性向上に大きく貢献します。ITツールにはさまざまな種類と機能があり、自社の課題に応じた選択が重要です。
また、メリットとデメリットを理解した上で、導入前の準備や無料トライアルの活用もポイントとなります。最適なITツールを導入し、企業の競争力を高めていきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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