- 更新日 : 2025年2月12日
業務マニュアルの作り方とは?ツールの選び方や効率的に作成するコツを解説
業務品質の担保や社員教育などで必要とされる業務マニュアル。社内共通のマニュアルは作成したのちに随時更新しつつ最新情報を網羅していることが求められます。
この記事では、作成ツールの選び方や効率的に作成するコツを解説します。業務マニュアル作成を検討している方は参考にしてみてください。
目次
業務マニュアルとは?
業務マニュアルは特定の仕事やタスクを効率的かつ一貫した方法で遂行するために、従うべき手順やガイドラインを文書化したものです。内容は組織内の特定の業務プロセス、手順、基準などが含まれます。新入社員のトレーニング、作業の品質の維持、作業プロセスの効率化、および組織全体でのベストプラクティスの共有が主な目的です。
手順書との違い
業務マニュアルと類似する書類に手順書が挙げられます。業務マニュアルはより広範囲にわたる情報を共有し、組織の特定の部門や職務に関連する全体的なガイドラインとなるものです。一方、手順書には作業を実行するための具体的な手順を記載や特定の活動や操作を行う際に従うべき詳細な指示が記載されます。
業務マニュアルと手順書の違いを理解し、目的に沿った内容を記載することが大切です。
業務マニュアルを作成する理由
仕事上、業務マニュアルを作成する理由にはどんなものがあるでしょうか?ここでは一般的な企業の業務マニュアルの重要性を踏まえて解説します。
業務の効率化を図るため
業務の効率化を図るためには、業務マニュアルの作成および運用は不可欠です。マニュアルを作成することで、従業員の業務負担や不要な作業を行っている実態などが可視化されるでしょう。現状の業務を把握し、業務の生産性を高めていくために、マニュアルは大いに価値を発揮します。
業務の属人化を防ぐため
業務の属人性が高まると、業務の引継ぎ時に困ったり、担当者の不在時の対応ができなかったりします。個人依存を防ぐために、マニュアルを作成し業務を可視化する必要があります。
業務品質を向上させるため
業務品質を向上させるためには、マニュアルを整備することも重要です。例えば製造業の場合、アウトプットが一律同じであることが多いため、アウトプットの品質を維持し、向上させていくことが求められます。
業務マニュアルを作成するだけでなく、随時アップデートを加えながら業務に活かしていくことが大切です。
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業務マニュアルの作り方
業務マニュアルの作成手順を紹介します。初めて業務マニュアルの作成に着手する方は参考にしてみてください。
目的や範囲を明確にする
最初に業務マニュアルの作成目的や範囲を明確にしましょう。目的は、業務プロセスの標準化、新入社員の教育、品質管理の向上、業務効率の最適化などが考えられます。
そして、マニュアルでカバーする業務の範囲について、特定の職務、プロセス、または部門だけに限定するか、あるいは企業全体の方針と手順を含めるかを決定します。範囲を適切に設定し、マニュアルが冗長になることを避けましょう。
スケジュールを決定する
作成や運用におけるスケジュールを決めておくことも、業務マニュアルの作成時に重要なステップです。具体的には、マニュアルの計画、作成、レビュー、修正、および最終的な承認を含む全工程のタイムラインを設定します。
スケジュールが明確になることで、マニュアル作成やマニュアルの運用対象となる社員から信頼を得られるでしょう。
作業内容や手順を整理する
スケジュールを決めた後に、作成作業の内容と作成手順を整理しておきましょう。計画を立てずに作成を始めると、作成スケジュールが遅延してしまう可能性があるため、関係各位と議論し合いながら進めていくことが重要です。
課題の洗い出しを行う
業務の課題を事前に洗い出しておくと、作成目的に見合う業務マニュアルを作成できます。マニュアルを実際に運用する社員からの意見も積極的に聞き入れるようにしましょう。
マニュアルの構成を決める
マニュアルの構成を決める段階では、マニュアルの目的に基づき、内容をどのように分類し、提示するかを決定します。目次には、マニュアルに含まれる主要なセクションや章をリストアップし、読者が必要な情報を素早く見つけられるように工夫をしましょう。
そして、各セクションや章がどのような内容を扱うかを定義します。一般的には、以下のような構成です。
- はじめに
- 目的と範囲
- 用語解説
- 基本的な操作手順
- 高度な機能
- トラブルシューティング
- FAQ
マニュアルを作成する
構成に応じた内容を作成していく際には、わかりやすい表現や読みやすい文体を意識しましょう。また、作成している中で、情報に過不足があれば随時修正することも大切です。
マニュアル作成の担当者が複数いる場合は、担当箇所を分担し、効率よく作成を進めましょう。
関係者に確認する
マニュアルが完成したのちに、関係者に共有し、フィードバックをもらう機会を設けましょう。上司や同僚をはじめ、業務経験の長い社員など職位の異なる社員にも確認をとるようにします。
わかりやすい業務マニュアルを作成するポイント
業務マニュアルをわかりやすく作成するポイントをいくつか紹介します。業務マニュアルをすでに作成している場合にも、更新する際に役立ててください。
直感的な理解を促進する工夫をする
誰もが一目見て理解できるようなマニュアル作成を心がけましょう。複雑なプロセスや手順を図表、フローチャート、イラストで示すことで、テキストだけで説明するよりも理解が早まります。
また、ソフトウェアやアプリケーションの操作手順を示す際には、スクリーンショットを活用するのがおすすめです。どのボタンを押すかなど、具体的な操作を視覚的に示すことで、読み手の理解が深まります。
その他、色付けや箇条書きなど視覚的に見やすくする工夫も積極的に取り入れましょう。
5W1Hを明確化する
業務マニュアルを作成する際には、5W1Hを明確にすることが重要です。
- 誰が使うか(マニュアルを使用する対象)
- いつ・どこで使用するか(マニュアルの使用シーン)
- 何についてのマニュアルか(マニュアルの範囲)
- なぜ作成するか(マニュアル作成の目的)
- どのように使用するか(マニュアルの運用方法)
上記を意識することで、業務の流れが整理でき、より読み手に伝わりやすいマニュアルが作成できるでしょう。
業務マニュアルに適したOfficeツールは?
Officeの中で業務マニュアルの作成に適したツールを紹介します。各ツールの概要から業務マニュアル作成におすすめな理由もあわせて解説します。
パワーポイント
パワーポイントは視覚的に情報を共有する際におすすめのツールです。テキスト、画像、図表、グラフ、さらには動画やアニメーションを簡単に組み込めるため、複雑な情報や手順を直感的かつ魅力的に伝えられます。
またテンプレートの種類も豊富で、自由にカスタマイズも可能。自社にあった資料を作成する上でおすすめといえるでしょう。
エクセル
業務マニュアルの作成にエクセルを活用するのもおすすめです。エクセルは大量のデータを整理し、共有することに優れているため、業務に関するデータおよびタスクレベルの内容をまとめやすいでしょう。パワーポイントやワードと組み合わせて使用するのも有効です。
ワード
文書の作成といえばワードを思い浮かべる人も多いでしょう。箇条書き、色分け、表の作成など、読みやすさを向上させるさまざまな機能が備わっています。文章ベースでマニュアルを作成する場合は、ワードを軸としたマニュアルがおすすめです。
情報量の多い内容や複雑な業務のマニュアルを作成する場合は、他ツールと組み合わせるとよいでしょう。
業務マニュアルを運用するコツ
業務マニュアルは作成するだけでなく効果的に運用することが大切です。運用面におけるポイントを紹介します。
定期的に見直しをする
業務マニュアルは業務自体の変更に応じて定期的に見直していく必要があります。組織の業務プロセス、使用するツール、市場環境の変化に伴い、常に最新の情報に更新されたマニュアルにしておくことが求められます。
また、業務の効率化、ミスの削減、品質の一貫性など改善すべき点が見つかった際にも、周囲の意見を取り入れながらアップデートしていきましょう。
変更内容を共有する
業務マニュアルを変更した際には、再度内容を共有する必要があります。変更箇所がわかるようにマークアップしたり、図示したりするのもよいでしょう。
また共有した際に、フィードバックがあれば反映し、同意を得た上で運用していくことも重要です。
担当者を一人にしない
マニュアルの運用担当者は複数人であるとよいでしょう。担当者が一人だとマニュアルの内容が偏ってしまったり、属人化してしまったりするリスクがあります。複数の担当者で分担し、効率よく運用していきましょう。
更新・共有しやすいツールを利用する
効率的な運用を実現するには、ツールを活用することをおすすめします。Google ドライブ、Microsoft OneDrive、Dropboxなどのクラウドベースのドキュメント管理システムを利用することで、マニュアルの更新作業や共有を容易にできるでしょう。
業務マニュアルを効率的に作成するコツ
業務マニュアルを効率的に作成するコツを押さえることで、作成にかかる工数を削減できます。3つのコツを紹介します。
テンプレートを活用する
業務マニュアル作成時には、テンプレートがないか探してみることをおすすめします。テンプレートを使用することで、ゼロから文書を作成する手間を省けます。テンプレートにはあらかじめ必要なセクションや項目が設定されているため、短時間でわかりやすいマニュアルが作成できるでしょう。
マニュアル作成ツールを使用する
より効率的にマニュアル作成をするなら、マニュアル作成ツールの利用もおすすめです。テンプレートやレイアウトが準備されているため、項目を埋めるだけで簡単にマニュアルが完成します。実際の作業を行うだけでキャプチャや手順の説明文を取得できるツールや、撮影した動画に自動で字幕や翻訳を付けられるツールもあります。
検索機能やナビゲーション機能が優れているツールもあるため、マニュアルの活用促進にも役立つでしょう。予算や自社の状況に合ったツールの導入を検討してみてください。
アウトソーシングを利用する
業務マニュアルの作成を外部の専門家にアウトソーシングするのも一つの方法です。費用はかかりますが、自社の社員が本業に注力できるメリットがあります。また、業務マニュアル作成の実績やノウハウをもった業者に依頼できるため、高品質なマニュアルが期待できるでしょう。
業務マニュアルで仕事のしやすい環境作りを!
わかりやすい業務マニュアルを作成・運用することで、業務効率は大幅に向上します。マニュアル作成の目的を明確化し、課題を丁寧に洗い出すことで、読み手にとってわかりやすいマニュアルが作成できます。
マニュアル作成の工数を削減したい場合には、マニュアル作成ツールやアウトソーシング業者の利用も検討するとよいでしょう。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選【部署別紹介】
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※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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