- 更新日 : 2025年11月20日
振替休日とは?労働基準法上の代休との違いも解説!
振替休日とは、あらかじめ休日と決められていた日に働き、代わりに他の労働日を休日とする制度です。労働日と休日を振り替える制度であるため、休日に働いても休日労働に該当せずに割増賃金も支払われません。
一方、代休の場合は休日労働として扱われ、割増賃金が支給されます。
この記事では、振替休日の概要と代休との違いを紹介しましょう。
目次
振替休日とは?
振替休日とは、労働基準法で定められた休日に働き、代わりに他の労働日の労働を免除する制度です。振替休暇と呼ばれる場合もあります。
そもそも、従業員を雇用している使用者は、労働者に対し少なくとも週に1回もしくは4週間に4回の休日を付与しなければなりません。労働基準法第35条に規定され、使用者が労働者に付与することが義務付けられた休日のことを「法定休日」といいます。
一方、週休2日制などを採用している場合、労使間合意に基づき就業規則等に規定された休日が「所定休日」です。法定休日に労働を課した場合は、労働基準法第37条に従い休日労働割増賃金を支払わなければなりません。
例えば、週休2日制の会社で土曜日を所定休日、日曜日を法定休日と定めていたとします。日曜日に労働した場合は、休日労働に該当するため割増賃金の支給対象です。しかし、土曜日に働いたとしても、労働基準法で定められた法定休日ではないため休日労働には該当せず、休日労働割増賃金も支払われません。ただし、土曜日に勤務することによって週40時間を超える場合は時間外割増(25%)の支払いは必要となります。
何曜日を法定休日とするかは業務形態等に応じて自由に定義することが許されていますが、法定休日と所定休日では意味が全く異なるということを覚えておきましょう。
労働基準法における休日の定義をおさらいしたところで、ここからは振替休日の定義と代休との違いを紹介します。
参考:労働基準法(第三十五条) | e-Gov法令検索
参考:労働基準法(第三十七条) | e-Gov法令検索
休みのタイミング
冒頭でも解説したとおり、振替休日とは法定休日に労働を課した代わりに、特定の労働日における労働を免除する制度です。例えば、法定休日として定められている日曜日に労働を課さなければならないことが事前に分かっている場合、水曜日の労働を免除し振替休日とするケースなどが該当します。
↓ 休日労働 | ↓ 振替休日 | 労働日 |
なお、振替休日を付与するタイミングについては労使間合意に基づき自由に設定することが可能です。例えば、日曜日に休日労働を課す場合、前週の水曜日に前もって振替休日を取得させることもできます。
↓ 振替休日 | ||||||
↓ 休日労働 |
振替休日は事前振替も可能だということを覚えておきましょう。なお、今回は週跨ぎで振替休日を付与するケースを紹介しましたが、月跨ぎでの付与も可能です。労使間で事前に協議し、双方都合の良い労働日を振替休日とすることが認められています。
給与計算の方法
振替休日は法定休日と労働日を振り替える制度であるため、法定休日に働いたとしても割増賃金は支払われません。労働基準法では、休日労働を課した場合に使用者は労働者に対して35%以上の割増賃金を支払わなければならないと規定されています。しかし、事前に労使間で協議し振替休日を付与した場合、休日労働の代償として特定の労働日における労働を免除したことになため、休日労働には該当せず割増賃金も支払われません。
なお、労働基準法には労働時間の上限についても規定されています。時間外労働ならびに休日労働も厳しく制限されていますが、振替休日を付与した場合は通常の労働日と全く同等の扱いです。休日労働割増賃金は支払われませんが、1日の上限8時間・週の上限40時間を超過した場合は時間外労働として25%以上の割増賃金が支払われます。週を跨いで振替休日を付与し、当該上限を超過した場合は時間外労働割増賃金を支払わなければならないため気をつけましょう。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選
続いてこちらのセクションでは、この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを簡単に紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
労働時間管理の基本ルール【社労士解説】
多様な働き方を選択できる「働き方改革」が世の中に広まりつつありますが、その実現には適切な労働時間管理が欠かせません。
労働時間に関する用語の定義や休憩・休日のルールなど、労働時間管理の基本ルールを社労士が解説します。
有給休暇管理の基本ルール
年5日の有給休暇の取得が義務化され、企業には正確な休暇管理が求められています。
本資料では、有給休暇に関する基本ルールをはじめ、よくあるトラブルへの対処方法を社労士がわかりやすく解説しています。
年次有給休暇管理帳(ワード)
従業員の年次有給休暇の管理は、適切に行えていますでしょうか。
本資料は、すぐにご利用いただけるWord形式の年次有給休暇管理帳です。ぜひダウンロードいただき、従業員の適切な休暇管理にご活用ください。
休日・休暇の基本ルール
休日・休暇の管理は労務管理の中でも重要な業務です。本資料では、法令に準拠した基本のルールをはじめ、よくあるトラブルと対処法について紹介します。
休日・休暇管理に関する就業規則のチェックリスト付き。
時間外労働の管理 労基法違反から守る10のルール
年5日の有給休暇の取得が義務化され、企業には正確な休暇管理が求められています。
本資料では、有給休暇に関する基本ルールをはじめ、よくあるトラブルへの対処方法を社労士がわかりやすく解説しています。
振替休日と代休の違い
代休とは、労働基準法で定められた法定休日に労働を課した場合、その代償として以後の特定の労働日を休日とする制度です。休日労働の代わりに特定の労働日における労働を免除するという点では振替休日と同様ですが、振替休日は事前に労働日と休日を振り替えるのに対し、代休は事後に休日労働の代償として休日を付与するという点が異なります。
休日を振り替えるタイミングが事前か事後かという違いがあるため、混同しないように気をつけましょう。振替休日と代休では給与計算も異なるため、次章で詳しく解説します。
代休の場合は割増賃金の支給対象
急な業務量の増加やトラブル対応など、突発的な事由により休日労働を課した場合、使用者は労働者に対し35%以上の割増賃金を支払わなければなりません。事前に労使間で協議し代わりの休日を定める振替休日とは給与計算の方法が異なるため、注意が必要です。
なお、休日労働には労働基準法に定められた労働時間の上限規定も適用されます。具体的には、時間外労働を課す場合に労使間で締結し労働基準監督署に提出しなければならない、いわゆる「36(サブロク)協定」と、事前に予見できない突発的な事由により上限規定を超えて時間外労働を課す場合に追加で締結することが義務付けられている「特別条項」の範囲内でなければなりません。
特別条項付き36協定において「月100時間未満(法定休日労働含む)」かつ「2・3・4・5・6ヶ月の平均が80時間以内(法定休日労働含む)」と規定されているため、休日労働を課す場合は十分気をつけましょう。
36協定の限度時間
- 年360時間
- 月45時間
特別条項付き36協定の限度時間
- 年720時間以内(法定休日労働除く)
- 月100時間未満(法定休日労働含む)
- 2ヶ月ないし6ヶ月の平均が80時間以内(法定休日労働含む)
- 特別条項付き36協定を締結できるのは年6回まで
参考:36協定で定める時間外労働及び休日労働 について留意すべき事項に関する指針 (労働基準法第三十六条第一項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針)|厚生労働省
振替休日の取得に関する注意点
前章では、振替休日と代休の違いを解説しました。改めて違いを整理すると、下記のとおりです。
※時間外労働を伴う場合は36協定を締結し時間外労働割増賃金を支払う必要があります。
これらの違いは、振替休日を付与した場合は休日に働いても休日労働に該当しないということに起因します。ここでは、振替休日を取得する上での注意点を紹介しましょう。
事後の振替は代休扱い
振替休日を付与する場合は事前に労使間で協議し、代わりの休日をいつにするのかを定めなければなりません。事後になってしまった場合は代休として扱われ、休日出勤割増賃金を支払わなければならないため注意が必要です。
振替休日と代休では給与計算の方法も異なるため、混同せずに明確に区別して扱ってください。事前に代わりの休日を定めた場合は振替休日、突発的な事由によって休日労働を課し、その代償として事後に休日を付与した場合は代休ということを覚えておきましょう。
再度の振替ができるかどうか
前述の通り、振替休日を取得するタイミングは労使間の協議によって自由に決定することができます。何らかの事由によって当初定めていた日程に振替休日を取得できなかった場合は、法定休日に関する規定である1週1休または4週4休の範囲内であれば再度振り替えることも可能です。
なお、労働基準法第24条には「賃金は(中略)その全額を支払わなければならない」と規定されています。締め日を跨いで振替休日を付与する場合は、賃金全額払いの原則に従い一旦全額支払い、次の給与から振替休日の分を差し引くようにしましょう。
就業規則への記載
振替休日は、就業規則などに定められた規定に従い付与しなければなりません。就業規則には法定休日や所定休日などについて規定されますが、「休日を他の労働日に振り替えることがある」旨を合わせて明記しておきましょう。ただし、就業規則等に規定がない場合でも、労使協定を締結することで個別に振替休日を付与することも可能です。
なお、代休を付与する場合は休日労働を課すための36協定を締結する必要があり、就業規則等に規定する必要はありません。しかし、法定休日を確実に確保するには振替休日と合わせて代休についてもルールを規定しておく必要があるでしょう。労働基準法に則って取得条件・取得期限・賃金の取り扱いなどについて規定してください。
振替休日に関して理解を深め、適切に勤怠管理を行いましょう!
この記事では、振替休日について紹介しました。振替休日とは、労働基準法で定められた法定休日に労働を課す代わりに、他の労働日を休日とする制度です。似たような制度に代休がありますが、振替休日は事前に労使間の協議によって代わりの休日を定めるのに対し、代休は休日労働を課した代償として事後に休日を付与します。振替休日では休日と労働日を振り替えるため、休日に働いても割増賃金は支払われません。
一方、代休の場合は休日労働の対価として割増賃金が支払われます。給与計算の方法が異なるため、振替休日と代休を混同しないように気をつけましょう。なお、振替休日を付与するに就業規則等に根拠規定を定めておく必要があります。代休については、休日労働を課すため36協定の締結が必要です。振替休日と代休の違いを理解し、適切に勤怠管理を行いましょう。
よくある質問
振替休日とは何ですか?
振替休日とは、労働基準法で定められた法定休日に労働を課す代わりに、他の労働日を休日とする制度です。詳しくはこちらをご覧ください。
振替休日と代休の違いは何ですか?
振替休日は事前に労使間協議の上代わりの休日を定めるのに対し、代休は休日労働を課した代償として事後に休日を付与します。代休は休日労働割増賃金が支払われますが、振替休日は支払われないため気をつけましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
バイトは何連勤までOK?法律上の上限や7連勤以上でも違法にならないケースなどを解説
アルバイトで連勤が続くと、「これって普通なの?」「法律的に大丈夫?」と不安になりますよね。特に掛け持ちをしていたり、初めてのアルバイトだったりすると、何連勤まで働けるのか、はっきり…
詳しくみる36協定と副業の関係は?合算ルールや注意点を解説
36協定とは、企業が労働者に時間外労働や休日労働をさせるために必要な労使間の協定のことで、労働基準法によって定められています。 近年、副業を解禁する企業が増え、個人でも自由に働ける…
詳しくみる長時間労働とは?原因はなに?基準や対策方法を解説
長時間労働は大きな社会問題ですが、2019年の働き方改革関連法施行を契機に是正の動きが進んでいます。 この記事では、長時間労働の定義や基準、労働災害との関係、長時間労働の原因と発生…
詳しくみる【早見表】月177時間は法定労働時間の範囲内!違法になるケースや有給取得時の対応を紹介
「月177時間の労働時間は違法なのか?」と疑問に思う方も多いでしょう。月177時間が適法かどうかは、勤務形態や36協定の有無によって異なります。 本記事では、月177時間の法定労働…
詳しくみる勤怠管理の時間短縮方法5選。失敗しない選び方を知って業務を効率化しよう
勤怠管理の集計や給与計算への連携に、多くの時間を費やしていませんか? 勤怠管理業務の時間短縮は、コスト削減はもちろん、法改正への対応や生産性向上にも繋がる重要な経営課題です。この記…
詳しくみる【テンプレ付】時差出勤とは?勤怠・給与・残業計算方法や申請書の書き方、フレックスタイム制との違い
働き方改革が進む中、時差出勤制度への注目が高まっています。通勤ラッシュの緩和や従業員のワークライフバランスの向上に効果的なこの制度ですが、導入にあたっては十分な理解と適切な運用が欠…
詳しくみる


-e1761054979433.png)

