- 更新日 : 2026年1月29日
スーパークールビズの導入ガイドラインと服装規定とは?
スーパークールビズは、環境配慮と業務効率を両立するため、企業が主体的に服装と期間を定めて運用する制度です。
- クールビズより軽装を許容
- 実施期間は企業が自主判断
- TPOを前提に規定整備が必須
Q. 導入時に最も重要な点は?
A. 2021年以降は国の一律期間が廃止され、自社業務に即した明確な服装ルール作りが成功の鍵です。
近年、夏季の気温上昇に伴い、多くの企業で「スーパークールビズ」の導入が進んでいます。しかし、どこまで軽装を許容すべきか、顧客への印象をどう管理するかなど、人事担当者が検討すべき課題は少なくありません。本記事では、スーパークールビズの定義や環境省の指針、導入時の詳細なポイントについて解説します。適切な運用によって、快適な職場環境と企業のイメージアップを両立させましょう。
目次
スーパークールビズとはどのような取り組みか?
スーパークールビズは、従来のクールビズよりもさらに一歩進んだ軽装化を推進する取り組みです。単なる暑さ対策にとどまらず、働き方改革や企業の環境配慮への姿勢を示す施策として位置づけられています。その背景と定義について確認していきましょう。
環境省が推進した更なる軽装化キャンペーン
環境省は2005年から「クールビズ」を提唱し、夏場でも28度程度の室温でも快適に過ごせるライフスタイルを推進してきました。その後、東日本大震災に伴う節電要請をきっかけに、2011年より従来のクールビズよりもさらに軽装を認める「スーパークールビズ」が開始されました。この取り組みは、冷房の使用を極力抑えながらも業務に支障をきたさないよう、服装の制限を大幅に緩和することを主眼としています。地球温暖化対策の一環として、企業や家庭における節電意識の定着を目指した動きといえます。
参考: クールビズで、「働き方」を快適に!(令和7年度)|環境省
通常のクールビズとの違いと定義
一般的なクールビズが「ノーネクタイ・ノージャケット」を基本とするのに対し、スーパークールビズでは「ポロシャツ・アロハシャツ・スニーカー」といった、よりカジュアルなアイテムの着用が例として挙げられています。環境省のガイドラインでは、TPO(時・場所・場合)に応じた節度ある着用を前提としつつも、従来のビジネスウェアの常識にとらわれない柔軟なスタイルを認めています。 なお、現在環境省は「スーパークールビズ」という個別の名称での公式キャンペーンは行っておらず、「クールビズ」に統合して呼びかけていますが、当時策定された明確な基準は、多くの企業で実務上の運用モデルとして定着しています。
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スーパークールビズの実施期間はいつからいつまでか?
制度を導入する際、最も判断に迷うのが実施期間の設定です。かつては国による一律の期間指定がありましたが、現在は運用が変わっています。自社に最適な期間を決定するために、最新の動向を把握しておきましょう。
2021年度から企業が自主的に期間を決定する方針になった
以前、環境省はスーパークールビズの実施期間として「6月1日から9月30日まで」を目安に呼びかけていました。しかし、気候変動による気温上昇や地域ごとの気候差、ビジネス環境の多様化を受け、2021年度からは全国一律の期間設定を行わない方針へと転換しました。現在は、それぞれの企業や行政機関が、現地の気候や業務実態に合わせて自主的に判断することが推奨されています。国からの号令を待つのではなく、主体的に期間を決める姿勢へと変化しています。
企業ごとの柔軟な期間設定の裁量
これに伴い、多くの企業では5月から10月までを広義のクールビズ期間とし、その中で最も暑さが厳しい6月から9月を「スーパークールビズ期間」として、さらに軽装を許可する運用が一般的になっています。また、一部の企業では「通年ノーネクタイ」を導入し、夏季のみポロシャツを解禁するなど、独自のルールを設けるケースも増えています。人事は、気象情報や社内の空調環境、社員の要望などを総合的に考慮し、柔軟かつ明確な期間を設定することが望ましいでしょう。
環境省のガイドラインにおける服装の基準とは?
「何を着ても良い」となると、職場の秩序が乱れる懸念があります。そこで参考になるのが、環境省が公表している服装ガイドラインです。これをベースに、自社の文化に合わせた許容範囲を定めることが成功の鍵となります。
ポロシャツやアロハシャツなどの着用可否
環境省のガイドラインでは、スーパークールビズ期間において「ポロシャツ」や「アロハシャツ(かりゆしウェア含む)」の着用を認めています。これらは襟があり、比較的きちんとした印象を与えやすいため、多くの企業で導入のハードルが低いアイテムです。色や柄に関しては、白や淡いブルー、ネイビーなどのベーシックなものが好まれる傾向にありますが、企業風土によっては明るい色を取り入れ、職場の雰囲気を明るくする効果を狙う場合もあります。
スニーカーやサンダル勤務の許容範囲
足元に関しては、「スニーカー」の着用は広く認められつつあり、歩きやすく健康面でもプラスに働くと評価されています。一方で「サンダル」については、安全面や対外的な印象の観点から慎重な判断が必要です。バックストラップ付きのものであれば可とするケースや、執務室内のみでの履き替えを認め、通勤や来客対応時は不可とするなどの制限を設けるのが一般的です。つま先が露出するデザインは、怪我のリスクもあるため、業種によっては禁止とすることも検討すべきでしょう。TPOへの配慮から、執務室内のみでの使用を認め、ビーチサンダルは不可とするなどの制限を設けるのが一般的です。
ジーンズやTシャツに関する一般的な解釈
「Tシャツ」や「ジーンズ」については、環境省内でも「TPOに応じた節度ある着用」を条件に一部許容されていますが、一般企業においては「カジュアルすぎる」と判断され、禁止または制限付きの許可となるケースが目立ちます。もし許可する場合でも、「ダメージジーンズは禁止」「無地のTシャツにジャケットを羽織る場合に限る」といった条件を付けることが適切です。大切になるのは「相手に不快感を与えない清潔感」であり、ビジネスにふさわしくない服装については明確にNGラインを引いておく必要があります。
企業がスーパークールビズを導入するメリットは何か?
スーパークールビズの導入は、社員が涼しく過ごせるという点以外にも、経営的なメリットをもたらします。コスト削減や生産性向上といった観点から、その効果を理解し、社内への説明材料として活用しましょう。
空調コストの削減と省エネルギー効果
最大のメリットの一つは、空調にかかるエネルギーコストの削減です。軽装を徹底することで、室温設定を28度程度に設定しても快適に過ごせるようになり、夏季の電気代を大幅に抑制できます。これは経費削減に直結するだけでなく、企業のCO2排出量削減にも寄与します。環境問題への配慮は企業価値を高める要素であり、SDGs(持続可能な開発目標)への具体的な取り組みとして、投資家や顧客に対外的にアピールすることも可能です。
業務効率の向上と職場環境の改善
また、堅苦しいスーツやネクタイから解放されることで、社員のストレスが軽減され、集中力が増す効果も期待できます。体感温度が下がることで熱中症のリスクも低減し、健康経営の推進にもつながります。さらに、自由な服装は柔軟な発想を促し、職場内のコミュニケーションを活性化させる側面もあります。このように、スーパークールビズは単なる「軽装」を超え、組織全体のパフォーマンス向上に寄与する施策となり得るのです。
人事が導入時に注意すべきマナーと運用ポイントは何か?
制度を導入したものの、トラブルが発生しては本末転倒です。スムーズな運用のためには、事前のルール作りと社員教育が欠かせません。人事担当者が押さえておくべき運用の勘所について解説します。
顧客や取引先への配慮と接客時の対応
導入にあたり最も懸念されるのが、顧客や取引先からの反応です。来客対応や他社訪問の際は、原則としてジャケットやネクタイを着用するか、相手企業の規定に合わせる配慮が不可欠です。営業職など外部との接触が多い部署については、「社内業務時はポロシャツ可だが、外出時はビジネスウェアに着替える」「オフィスに置きジャケットを用意する」といった実践的な運用ルールを定めておくと、現場の混乱を防げます。
社内規定の明確化と社員への周知徹底
また、社内規定においては「襟付きシャツは可、丸首Tシャツは不可」「過度な露出は禁止」など、OKとNGの境界線を詳細に明文化し、写真やイラストを用いたガイドラインを作成して周知することをお勧めします。言葉だけの説明では解釈に個人差が生じやすいため、視覚的な基準を示すことが効果的です。イントラネットへの掲示やメールでの通知だけでなく、全社ミーティング等でトップからメッセージを発信することも、制度の浸透には有効です。
TPOに合わせた服装選びの指導方法
さらに、新入社員や若手社員に対しては、単にルールを伝えるだけでなく、「なぜその服装がビジネスにおいて適切(または不適切)なのか」というTPOの考え方を教育することも、人事の役割として大切です。「相手に敬意を表す服装とは何か」を考える機会を提供することで、ビジネスマナーの向上につなげられます。自由化と規律のバランスを保ちながら、社員自身が自律的に服装を選べるようサポートしていくことが望ましいでしょう。
快適な職場環境作りと企業のイメージ向上
スーパークールビズは、適切に運用すれば、社員の働きやすさと企業のコスト削減、さらには環境貢献を同時に実現できる有効な施策です。成功のポイントは、環境省の指針を参考にしつつ、自社の業種や企業文化に合った独自のルールを策定し、それを社員全員が納得して実践できる環境を整えることにあります。人事担当者の皆様には、本記事で紹介したガイドラインや運用ポイントを参考に、自社にとって最適な「夏の働き方」をデザインしていただきたいと存じます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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