• 更新日 : 2026年1月14日

コア業務とは?ノンコア業務との違いや具体例、効率化するコツを解説

企業が成果を伸ばすためには、限られた時間や人材を「本当に重要な業務」に集中させることが欠かせません。その判断軸となるのが、コア業務とノンコア業務の切り分けです。

しかし、日々の業務に追われるなかで、どれがコア業務なのか判断できていない企業もあるでしょう。

本記事では、コア業務の意味やノンコア業務との違い、具体例、効率化するコツを解説します。業務の優先順位を見直したい方は、ぜひ参考にしてみてください。

コア業務とは?

コア業務とは「企業の価値や利益を生み出す中心となる業務」です。日々の業務を見直すうえで、まずはコア業務の考え方を正しく理解する必要があります。

コア業務の定義

コア業務とは、企業の利益や業績向上に直接関わる中核的な業務を指します。営業活動やマーケティング、商品・サービスの企画や開発など、顧客に価値を提供し、競争力を生み出す仕事が代表例です。

これらの業務は非定型なケースが多く、状況に応じた判断や専門的な知識、経験が求められます。そのため、マニュアル化が難しく、属人化しやすい点も特徴です。

基本的には、自社の社員が担うべき「本業」にあたる領域といえます。ただし、どこまでをコア業務とするかは、企業のビジネスモデルや事業内容によって異なります。

自社にとって「価値創出の源泉となる業務が何か」を見極めることがポイントです。

ノンコア業務との違い

ノンコア業務とは、事業を支える役割をもつ間接的・補助的な業務のことです。代表例は、下記のとおりです。

  • 総務
  • 経理
  • 労務管理
  • データ入力
  • 書類整理

企業運営に欠かせないものの、業務自体が直接利益を生むわけではありません。定型的な作業が多く、標準化やルール化がしやすい点が特徴です。

コア業務が高度で判断力を要する非定型業務であるのに対し、ノンコア業務は比較的単純で再現性の高い業務が中心です。ノンコア業務は外注やIT化、自動化との相性がよい領域といえます。

コア業務とノンコア業務の線引きは、企業ごとに異なる点も押さえておく必要があります。

ノンコア業務がコア業務に与える影響

ノンコア業務が増えすぎると、コア業務に割ける時間が減り、生産性の低下を招きます。具体的な影響は、下記のとおりです。

  • 事務作業や調整業務に追われ、重要な業務が後回しになる
  • 繁忙期にノンコア業務が膨らみ、コア業務を圧迫する
  • ノンコア業務が属人化し、担当者不在や引き継ぎ不足で業務が停滞する
  • コア業務の品質やスピードにも悪影響が及ぶ

ノンコア業務が効率化されていない状態が続くと、月次・年次業務の負荷が徐々に積み重なります。その結果、経営判断に必要な情報が遅れやすくなり、営業や開発といった重要業務に十分な時間を割けなくなります。

コア業務の成果を最大化するためには、ノンコア業務を適切に整理し、効率化する視点が欠かせません。

コア業務・ノンコア業務の具体例

コア業務とノンコア業務の違いを正しく理解するには、具体的な業務内容を見比べるのが近道です。ここでは、一般的な企業でよく見られる業務を「コア業務」と「ノンコア業務」に分類します。

コア業務の具体例

企業ごとに内容は異なりますが、共通しているのは「事業の成果を左右する役割を担っている点」です。

一般的なコア業務の例は、次のとおりです。

職種・領域主な業務内容
経営・経営企画事業戦略の立案、中長期計画の策定
企画・開発製品・サービスの企画、設計、開発
営業商談、提案、顧客との関係構築
マーケティング販売促進、マーケティング施策の立案

これらの業務は、企業の方向性や競争優位を左右する判断が含まれる点が特徴です。一方で、社員一人ひとりのスキルや経験が成果に直結しやすい業務でもあります。

なお、コア業務は特定の職種に限られるものではありません。人事であれば採用計画や人材戦略、営業であれば提案設計や顧客フォローなど、各職種の中にもコア業務が存在します。

コア業務は企業の方向性や成長を左右する重要な領域です。限られた人的リソースは、優先的にコア業務へ投下することが求められます。

ノンコア業務の具体例

ノンコア業務は日常的に発生する業務が多く、定型的・繰り返し作業が中心です。

一般的なノンコア業務の例は、次のとおりです。

職種・領域ノンコア業務の例
事務・バックオフィス資料作成、請求書作成、データ入力
管理業務受発注管理、経費精算、各種事務処理
総務・庶務備品管理、社内手続き、清掃
対応業務電話・メール対応、問い合わせ対応
人事・労務勤怠管理、入社手続き、面接日程の調整

これらの業務は日常的に発生するため、気づかないうちに工数が膨らみやすい点が特徴です。とくに繁忙期に業務量が増えると、コア業務に使える時間を圧迫する原因にもなりかねません。

職種別に見ても、営業の資料作成や日程調整、人事の勤怠管理や手続き業務など、多くのノンコア業務が存在します。

ノンコア業務は事業運営を支える重要な役割を担います。同時に、進め方を見直すことで、コア業務へリソースを振り向けやすい領域でもあるでしょう。

コア業務に集中するメリット

ここでは、コア業務に集中することで得られる代表的なメリットを解説します。

1. 業務効率化につながる

コア業務に集中すると、まず実感しやすいのが「ムダな作業が減る」ことです。見積書作成や資料修正、事務処理に追われている状態では、本来注力すべき業務に手が回りません。

コア業務とノンコア業務を切り分け、定型作業を外部委託や自動化に任せることで、業務の進め方そのものが変わります。作業に追われる時間が減り、優先順位が整理され、業務の流れもシンプルになります。

その結果、ワークフローの見直しや改善にも手を付けやすくなり、ムダの少ない業務体制へと自然に移行していくでしょう。

以下の記事では、業務効率化について詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

2. 生産性が向上する

コア業務に人材と時間を集中させることで、組織全体の生産性が向上します。生産性は、どれだけ忙しいかではなく「限られた時間で、どれだけ成果を出せているか」で決まります。

ノンコア業務に時間を取られている状態では、判断や工夫が必要な仕事に十分なリソースを割けません。結果として、作業はこなしているものの、成果につながりにくい状況に陥りがちです。

一方、コア業務に人材と時間を集中させると、働き方そのものが変わります。具体的には、下記のような効果が期待できます。

  • 判断が早くなる
  • アウトプットの質が上がる
  • 1人あたりの成果が見えやすくなる

このような状態が積み重なることで、製品やサービスの完成度が高まり、組織全体の生産性が安定的に向上していくでしょう。

以下の記事では、職場環境を改善することで生産性を高める方法を詳しく解説しています。具体的なアイデアや手順を知りたい方は、あわせてご覧ください。

3. 利益率の改善につながる

生産性が高まると、「売上を増やさないと利益が出ない」状態から抜け出しやすくなります。コア業務に集中することで、付加価値の高い仕事に時間を使えるようになるためです。

品質が向上し顧客満足度が高まれば、価格競争に巻き込まれにくくなります。ノンコア業務にかかっていた人件費や間接コストを抑えられる点も、利益率改善の大きな要因です。

空いたリソースを新規企画や改善活動に回すことで、収益を生み出す力そのものが強化されていきます。

4. 事業の成長スピードが加速する

業務効率化と生産性向上が進むと、事業の成長スピードも変わります。目の前の作業に追われず、先を見据えた取り組みに時間を使えるようになるためです。

戦略立案に腰を据えて向き合えたり、市場分析や改善施策を継続的に実行できたりと、成長につながる行動に注力しやすくなります。研究開発や新しい挑戦にも着手しやすくなるでしょう。

こうした取り組みが積み重なることで、売上や競争力が伸び、企業としての成長基盤が強化されていきます。

コア業務に集中するための手順

コア業務に集中するには、「何を減らすか」よりも「何に集中するか」を先に決めることが重要です。ここでは、コア業務に集中できる体制を作るために、実務で取り入れやすい手順を解説します。

STEP1. 既存業務をすべて洗い出す

最初に行うべきは、コア業務かノンコア業務かを判断する前に、現在行っている業務をすべて可視化することです。対象となる部署や業務範囲をあらかじめ決めたうえで、抜け漏れなく洗い出します。

業務を整理する際のポイントは、下記のとおりです。

  • 業務内容
  • 難易度
  • 必要なスキル
  • 発生頻度
  • 担当者

部署や担当者ごとにやり方が異なる業務は、この段階で課題が見えやすくなります。業務を言語化・構造化することで、「どこが標準化できるか」「どこが効率化の余地があるか」を判断しやすくなるでしょう。

STEP2. 理想の状態を設定し、ギャップを把握する

自社が目指す姿や事業方針をもとに、あるべき業務の状態(To-Be)を設定します。理想の姿を明確にすることで、価値創出に直結する業務と見直しが必要な業務を整理しやすくなります。

理想の状態(To-Be)を考える際に意識したいポイントは、下記のとおりです。

  • どの業務が売上や顧客価値に直結しているか
  • 今後強化したい事業領域はどこか
  • 人や時間を優先的に投下すべき業務は何か

これらを整理することで、現状(As-Is)とのギャップが具体化し、改善の優先順位を判断しやすくなります。

STEP3. コア業務とノンコア業務に分類する

洗い出した業務は、価値との関係性を軸に分類していきます。判断基準となる主な視点は、下記のとおりです。

  • 利益や顧客価値に直結しているか
  • 高度な判断力や専門性が求められるか
  • 標準化・ルール化しやすいか
  • 外注やIT化が可能か

これらの視点で整理すると、「自社で抱えるべき業務」と「切り離せる業務」が明確になります。

判断に迷う場合は、業務の性質に着目すると整理しやすくなります。代表的な分類は、下記のとおりです。

業務タイプ特徴分類の目安
感覚型状況ごとに判断が変わり、経験や専門性が成果に直結するコア業務
選択型一定のルールや条件にもとづき、手順を選択して進めるノンコア業務
単純型手順が明確で、繰り返し作業が中心であるノンコア業務

このように分類することで、外注や効率化を進めるべき業務の方向性が自然と見えてくるでしょう。

STEP4. 優先順位を決めてリソースを再配分する

最後に、分類した結果をもとにリソースを見直します。人材・時間・予算を整理し、コア業務に重点的に配分します。

一方、ノンコア業務は社内で抱え込まず、外注化やIT化、RPAなどによる自動化などの方法を検討しましょう。

これらを取り入れることで、社内の工数を抑え、コア業務に集中できる体制が整います。

なお、業務内容や組織環境は常に変化するため、定期的に業務を見直し、必要に応じて調整を続けましょう。その積み重ねが、重要な仕事に時間を使える組織作りにつながります。

洗い出したノンコア業務を効率化する方法

ノンコア業務は「外に任せる」「仕組みで減らす」「やり方をそろえる」ことで効率化できます。重要なのは、業務を抱え込まず、コア業務に時間を使える状態を作ることです。

ここでは、洗い出したノンコア業務を、効率よく減らすための代表的な方法を解説します。

1. アウトソーシングを活用する

ノンコア業務の効率化で、もっとも効果が出やすいのがアウトソーシングです。重要度の低い定型業務を外部に任せることで、社内の人材や時間をコア業務に集中させられます。

代表例は、バックオフィス業務や在庫管理、配送・データ入力などです。

アウトソーシングには、下記のように目的に応じた使い分けがあります。

  • PUSH OUT型:業務を丸ごと委託し、社内から切り離す
  • ADD ON型:一部業務を任せ、スピードや品質を高める
  • BUY IN型:外部の専門性を取り込み、コア業務の強化につなげる

「何を強化したいのか」を基準に外注範囲を決めることで、ムダのない効率化を実現できます。

アウトソーシングについて、以下の記事でも詳しく解説していますので、理解を深めたい方はあわせてご覧ください。

2. ITシステム・自動化ツールを導入する

手作業で行っていた業務をITシステムに置き換えると、ミスの削減と作業スピードの向上が期待できます。とくに、繰り返し発生する業務はIT化との相性がよい分野です。

代表的な対象業務は、下記のとおりです。

  • 勤怠管理
  • 経費処理
  • 顧客管理(CRM)
  • 請求書発行・帳簿入力

また、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を活用すれば、データ転記や集計といった作業を自動化できます。

さらにクラウドツールを使えば、在宅勤務や拠点間の情報共有もスムーズになるでしょう。IT化が進むほど、社員は判断力が求められるコア業務に時間を使えるようになります。

以下の記事では、RPAについて詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

3. 業務をマニュアル化・標準化する

ノンコア業務を効率化する際は、まず現状の業務を整理・可視化することが重要です。業務の担当者・頻度・必要なスキルなどを明確にすることで、マニュアル化や標準化をスムーズに進められます。その結果、誰が担当しても一定の品質で作業できる体制を構築できます。

とくに効果が出やすいのは、下記のようなケースです。

  • 人によってやり方が異なる業務
  • 引き継ぎに時間がかかる業務
  • ミスや手戻りが発生しやすい業務

マニュアル化は、アウトソーシングやIT化を進める前提としても有効です。業務内容が整理されることで、外部に任せられる範囲や自動化できる工程を判断しやすくなります。

以下の記事では、マニュアル化・業務標準化について詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。

4. 業務フローを定期的に見直す

業務改善は、一度行って終わりではありません。業務内容や組織規模、使用するツールが変われば、最適な業務フローも変化します。

見直しの際は、「ムダな工程が増えていないか」「ボトルネックが発生していないか」といった視点で確認しましょう。

定期的に棚卸しを行い、改善を重ねることで、効率化の効果を維持できます。現状(As-Is)と理想の状態(To-Be)を照らしあわせながら調整を続けることが、コア業務に集中できる体制作りにつながります。


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