- 更新日 : 2025年12月5日
100年企業とは?長寿企業に共通する5つの点を分かりやすく解説
企業の平均寿命は30年と言われる現代において、市場環境の変化や人材不足、後継者問題など、企業を取り巻く環境は年々厳しさを増しています。
一方、日本には創業100年以上の企業が4万社以上存在しており、今もなお成長しているのも事実です。
本記事では、100年企業に共通する5つの特徴と明日から実践できる経営のヒントをわかりやすく解説します。
100年企業とは何か?
100年企業とは、100年以上存続するだけでなく、時代の変化に対応しながら独自の経営理念を軸に成長し続けられる企業のことを指します。
長く続く企業には、変化に柔軟に向き合いながらも、核となる価値観や使命を守り抜く姿勢が共通しています。
景気の変動や市場環境の変化、経営者の交代といった大きな転換点があっても、企業としての軸が揺らがないため、社員や顧客、地域から長期的な信頼を築き続けることができます。
このように、変わらない強さを持った企業こそ、100年企業として存在していくのです。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
この記事をお読みの方によく活用いただいている人気の資料・ガイドを紹介します。すべて無料ですので、ぜひお気軽にご活用ください。
※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
人事・労務の年間業務カレンダー
毎年大人気!人事労務の年間業務を月別にまとめ、提出や納付が必要な手続きを一覧化しました。
法改正やシーズン業務の対応ポイントについて解説するコラムも掲載していますので、毎月の業務にお役立てください。
人的資本経営スタートガイド
大企業を対象に義務化された「人的資本の情報開示」は、段階的に対象企業が拡大することが予想されます。
この資料では人的資本経営の第一歩として、企業内に蓄積されたデータを用いた情報開示の進め方や、データの活用方法をご紹介します。
従業員情報の一元管理を実現する方法
従業員情報の収集や転記、複数システムの情報更新など「従業員情報の管理」が複雑になっていませんか?
この資料では、従業員情報の管理でよくあるお悩みとマネーフォワード クラウド人事管理を活用した業務改善方法を紹介します。
【テンプレート】育成計画書(エクセル)
従業員の育成計画書の準備は進んでおりますでしょうか。
本資料は、すぐにお使いいただける育成計画書のExcelフォーマットです。ぜひダウンロードいただき、貴社の人材育成にご活用ください。
日本には100年企業が何社存在する?
日本には創業から100年以上続く企業が、約45,000社存在すると言われています。
これは世界各国と比較しても非常に高い水準です。
長寿企業が多い理由として、日本独自の価値観や文化が大きく影響していると考えられます。
例えば、「お客様は神様です」という顧客を第一に考え大切にする姿勢や、地域社会との強い結びつきは、長い年月をかけて信頼を積み重ねる基盤となってきました。
また、日本は陸続きで古くから物流が発達しやすかったことも、安定した商取引を支える要因となっています。
こうした文化的、地理的背景が組み合わさることで、日本には長期的に事業を継続できる企業が多く生まれているのです。
100年企業に共通する5つの特徴
100年以上にわたり事業を継続してきた長寿企業には、いくつかの共通した特徴があります。
その中でも特に重要とされているのが、「経営理念の浸透」「人財育成」「変化への柔軟性」「堅実な経営」「地域との信頼関係」の5つです。
これらは、短期的な利益よりも長期的な視点で企業価値を高め、関わる人々と持続的な信頼関係を築く姿勢から生まれています。
長寿企業は一貫した理念のもとで社員や顧客を大切にし、時代の変化に対応しながら、地域社会とともに成長し続けてきた点が大きな特徴です。
① 経営理念が明文化され、社員全員に浸透している
100年以上続く企業に共通してみられるのが、自社が何のために存在するのかということを明確に定義している点です。
経営理念が不明確では、経営者が変わったり市場が変化したりした際に、経営が不安定になってしまいます。
長寿企業では、創業当初から受け継がれてきた経営理念を文書化して明確にし、社員全員が共通の価値観として理解するように日々浸透させています。そのためには、朝礼や社内広報などを活用し、さまざまな場面で経営理念に触れる機会を設けるのが効果的です。
こうした取り組みにより、世代交代や市場の変化があっても組織の価値観が変わらず、一貫性のある意思決定が可能になります。
結果として、外部環境の変化に左右されにくい、安定した企業運営が実現するのです。
② 社員を「人財」として育てる文化がある
長寿企業ほど、社員を単なる人ではなく会社の財産と考え、大切に育てる文化を持っています。
短期的な成果よりも、社員一人一人の成長や幸福を重視しているため、新人教育や社内での人間関係づくりに投資を行っているのが特徴です。新人教育に時間をかけることはもちろん、現場での学びを重視したOJTの仕組み、キャリア形成を支援する制度など、長期的に社員が力を発揮できる環境を整えています。
また、人間関係づくりにも力を入れているため、社内の風通しの良さやコミュニケーション育成が離職防止に大きく影響しているのです。
社員が安心して働き続けられる環境が整っており、幸福度が高い企業ほど、定着率が高い傾向にあり、結果として企業の組織力や知識の蓄積にもつながります。
こうした人を育てる姿勢が、長期的に企業を支える基盤となっているのです。
③ 変化に合わせて事業や仕組みを柔軟に見直している
長寿企業と聞くと、「昔からの事業や仕組みをそのまま引き継いでいるのでは?」と思っている方も多いでしょう。
しかし、実際にはその逆で、長寿企業であるからこそ移り変わる時代に柔軟に対応しています。顧客のニーズや社会環境の変化を的確に捉え、新規事業へ挑戦したり、ビジネスモデルの転換したりと、変化を恐れず積極的にチャレンジしているのが特徴です。
また、変化に対応する際、企業の軸となる経営理念は守りつつ、実行する戦略や仕組みを時代に合わせて刷新するという姿勢を持っています。
経営理念は変えず、戦略は柔軟に変更していくという考え方が、長期的な企業存続を支える大きな力となっているのです。その結果、市場が大きく変わる時代であっても、安定した経営を保ち、100年以上続く企業へと成長していきます。
④ 堅実な投資判断で安定した財務基盤を維持している
長寿企業であればあるほど、急成長して利益を出すよりも、安定した経営を重視する傾向にあります。
なぜなら、無理な投資や過剰な借入は一時的に利益を生む可能性はあるものの、長期的には大きなリスクを抱えることになるからです。
そのため長寿企業は、投資判断を慎重に行い、自社の規模や状況に見合った堅実な運営を心がけています。また、自己資本比率を高め、健全な財務体質を維持することで、景気変動が起こっても揺らがない安定した経営基盤を築いています。
こうした無理のない経営姿勢があるからこそ、次の世代へ事業を安心して引き継ぐことができ、代々続く組織としての信頼や価値を高めていくことが可能になるのです。
⑤ 地域や取引先と信頼関係を築き続けている
地元住民や取引先との長期的な信頼関係を大切にしていることも、100年企業を支える大切な要素です。
長く続く企業ほど、自社だけが利益を得るのではなく、周囲の人々や地域と共に栄えるという姿勢を持っています。
古くから受け継がれてきた地域の風習や文化に敬意を払い、地域行事や清掃活動、寄付や教育支援などの社会貢献活動にも取り組むことで、地域住民からの厚い信頼も得られるのです。取引先に対しても誠実な対応を心がけ、長年にわたり安定した関係を築くことで、経営環境が変化しても揺らぎにくい支えを得ることができます。
地域との繋がりを大切にする姿勢こそが、企業が世代を超えて存続するための大きな原動力となっているのです。
100年企業チェックリスト
100年続く企業には、いくつかの共通点があります。
このチェックリストでは、共通していることの中でも特に重要とされている5つの要素をまとめました。
経営理念の浸透、市場や環境の変化への対応、人材育成の仕組み、顧客との信頼関係の構築、健全な財務基盤など、自社の現状とチェックリストを照らし合わせることで、長期的に成長し続けるための課題や強みが見えてきます。
① 経営理念が明確で、全社員に浸透している
長く続く企業に共通しているのは、経営理念が分かりやすく、組織全体の判断基準となっている点です。
経営理念が社員全員に浸透している企業は、経営者と社員が同じ方向を向き進むため、行動に一貫性が生まれます。
その結果、企業が安定し世代を超えて価値観が継承されやすくなります。
経営判断が理念に基づいて行われているかどうか、日々の業務や意思決定に反映されているかを確認することが、100年続く企業を目指す第一歩になります。
② 社長不在でも機能する持続可能な組織体制がある
100年企業の特徴として、経営のトップに依存しすぎない組織運営が挙げられます。
権限委譲が適切に行われ、現場で経営判断できる仕組みが整っている企業は、経営者が不在の状況でも安定して業務を継続できます。
さらに、後継者育成を計画的に行うことで、突然の世代交代となった場合でも、混乱が生じません。
業務が特定の個人のスキルや経験に依存していない組織体制は、長期的に企業を存続させるうえで欠かせない要素であり、持続可能な経営を支える基盤になります。
③ 人材が育ち、長く働き続けられる環境が整っている
長寿企業の多くは、社員が安心して働ける環境づくりに力を入れており、制度が整っています。
社員の定着率が高く、新人教育や研修制度が充実している企業ほど、社員が自ら学び、挑戦しようとする姿勢が育ちやすく、成長意欲が高まるからです。その結果、従業員は自身の役割に責任を持ち、組織への貢献意欲も向上します。
このような環境により、個人の成長と企業の発展が同時進行し、好循環を生み出すのです。また、長く働ける仕組みが整うことでノウハウや技術も蓄積され、将来の競争力強化にもつながります。
長寿企業が安定して成長を続けられる背景には、人が辞めずに育っていくという仕組みが根付いている点が大きく関係しています。
④ 顧客・地域との関係を大切にし、信頼基盤を築いている
100年続く企業には、顧客や地域との関係を重視しており、信頼関係を築いている企業が多くあります。
単に利益を追求するのではなく、顧客満足や価値提供を優先し、どのような時にも選ばれ続ける存在であることを目指しているためです。どのような状況でも一番に顧客の声を丁寧に汲み取り、その声を商品やサービスの改善に反映させる姿勢が徹底されています。
また、地域や地元住民とのつながりを大切にし、社会貢献活動や地域行事への参加を継続的に行う企業も多い点が特徴です。
このような取り組みが地域との信頼を深め、企業が長く愛されるブランドへ成長する基盤を形成しています。
⑤ 変化に対応できる柔軟性と安定的な経営基盤を持っている
環境変化に柔軟に対応しながらも、安定した経営を維持する高いバランス感覚を備えている企業が多いことも、100年続く企業のポイントです。
新しい技術や市場の変化を前向きに取り入れることで、移り変わる時代の流れに取り残されず、常に進化を続けています。
一方で、無理に事業を拡大したりリスクの大きい投資をしたりすることは避け、健全な財務状態を維持する姿勢も徹底されています。
定期的に財務の見直しを図り、社内の規定や内部体制の改善に取り組むことで、外部の環境が不安定な状況でも経営が揺らぎません。
時代の変化を恐れず攻めと守りを両立させる姿勢こそ、長寿企業を支える大きな強みです。
100年企業を目指すために今すぐできる3つの行動
ここまで、100年続く企業の特徴を確認してきましたが、これらを実際の経営に落とし込むには、日々の小さな取り組みを積み重ねることが欠かせません。
これから紹介する3つの行動は、今から実践でき、長期的に会社の基盤を強化する効果があります。
短期的な成果だけでなく、未来の企業価値に焦点を当て進めていくことで、100年企業へ向けた大きな一歩を踏み出せます。
理念を再定義する
自社がなぜ存在するのか、何を追求しどのような価値を社会に提供していくのか、全社員が分かるよう明確に言語化することは、100年企業を目指すための重要なステップです。
経営者自身が経営理念を今一度整理し、言葉として社員に共有していくことで、組織全体が同じ方向へ進めるようになります。
経営理念が明確な企業は、判断基準にも一貫性が生まれるため、経営に対するぶれが少なくなります。さらに、新しい社員にも価値観が継承されやすく、企業文化が長期的に維持される点も大きなメリットです。
理念の再定義は、長く続く企業へ成長するための基盤づくりといえます。
変えないものと変えるものを仕分ける
100年続く企業には、経営理念や価値観のように絶対に変えないものと事業戦略や商品構成のように時代に合わせて変えるものを明確に区別する力があります。
何を守り、何を柔軟に更新するのかを整理することで、外部環境が変化しても企業としての軸がぶれません。
細かいレベルまで仕分けができている企業ほど、時代の変化に対応しやすく、組織としての持続性が高まります。
変化への柔軟性と一貫した価値観を両立する姿勢こそが、100年企業の強さを支える重要な要素です。
次世代リーダーを育てる
企業が長く繁栄し続けるために欠かせない取り組みに、企業の後継者や幹部候補を早い段階から育成することが挙げられます。
経営者交代のタイミングで事業が停滞する企業は多くあります。しかし、計画的な育成が進んでいる企業は、新しい世代へスムーズにバトンを渡すことができます。
次世代リーダーを育てることは、経営の継続性を高めるだけでなく、新たな視点やアイデアを企業に取り込む大きな機会になります。
多様な意見が生まれることで組織は進化し、経営者交代の時期を終わりではなく、新しい始まりへと転換できます。だからこそ、未来を担う人材を計画的に育成することは重要なのです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
人事労務の知識をさらに深めるなら
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
関連記事
さとり世代とは?ゆとり世代やつくし世代との違いや特徴を解説!
さとり世代とは、「物欲が少なく消費行動よりも安定した生活を好む」若者気質を指した言葉です。1980年代後半から2000年代前半に生まれた人々を指します。「インドアを好む」「合理的」…
詳しくみる【キャリアデザインシート付】キャリアパスとは?作成するメリットや人材育成に活用するポイント
キャリアパスは、組織内の昇進・昇格のルートを指し、企業が成長していくうえで重要な要素です。従業員にキャリアパスを提示し、長期的なキャリアを築くために自己成長してもらうことで、企業の…
詳しくみる人材育成マネジメントを成功させるには?目的・流れ・業界別の手法を解説
近年、多くの企業が「人材育成マネジメント」の重要性を再認識しています。急速に変化する市場環境の中で、従業員一人ひとりの成長が組織の競争力を左右する時代となり、計画的・戦略的に人材を…
詳しくみるデジタルネイティブとは?年齢や世代の特徴、指導方法、次の世代を解説
デジタルネイティブとは、物心ついたときからインターネットが普及していて、使えるのが当たり前の世代を指します。情報検索に優れ、SNSを活用してつながりを作るのが得意な一方、なかには対…
詳しくみるミッションとは?意味やビジョン・バリューとの違い、企業事例を解説
ミッションとは企業に与えられた使命のことで、「存在意義」という意味でも用いられます。社会における企業のあり方や進むべき方向を示すために設定され、バリュー・ビジョンとともに「MVV」…
詳しくみる中途採用者の離職率はどれくらい?離職理由や定着に向けた対策を解説
昇給や新たな職種への挑戦、環境の変化などを求めて、転職する人が増えています。しかし、こうした人々を即戦力として中途採用しても、なかなか定着しないケースもあるようです。 中途採用者の…
詳しくみる


-e1761040031323.png)