• 更新日 : 2025年7月14日

離職票をハローワークへ提出する期限は?届かない場合の対処法も

離職票をハローワークへ提出する期限は、明確に定められていません。ただ、失業手当を受給できる期間は原則として1年間と決められており、1年を過ぎると受給できなくなります。

実際に失業手当の受給を考えている人の中には「手当を満額受給できるまでにどのくらいかかる?」「いつぐらいまでに申し込めばいい?」などと気になっている人もいるでしょう。

そこで本記事では、離職票をハローワークへ提出する目安の期限や申し込みから受給までの流れを中心に解説します。

離職票はいつ届く?

離職票は、通常であれば10~14日ほどで届きます。会社での手続きだけで離職票が発行されるわけではなく、以下のようにハローワークとのやり取りを経て発行されます。

  1. 退職の意向を伝える際に離職票の発行を依頼
  2. 前職が離職証明書を作成してハローワークへ提出(退職日の翌々日から10日以内)
  3. ハローワークが離職票を発行し(即日~5日ほど)
  4. 前職が退職者の自宅へ離職票を郵送やメールで送付(1~3日ほど)

上記のように、それぞれの手続きに日数を要するため、2~3週間ほどは届くのを待ちましょう。

また、ハローワークの繁忙期や連休と被ると、通常より手続きに時間がかかる可能性があります。被ってしまった場合は、3~4週間ほど待ちましょう。

離職票をハローワークへ提出する期限はいつまで?

離職票の提出期限は明確には定められていません。

決まっているのは、失業手当を受給できる期間が退職日の翌日から1年間であることです。もし失業手当を満額受給できていないとしても、1年を過ぎた日から受給できなくなってしまいます。

よって、7日間の待期期間や給付制限期間も含めて、1年以内に手当を満額受給できる日を逆算する必要があります。

満額を受給するまでにかかる期間は所定給付日数によって異なりますが、約4ヶ月~13ヶ月で満額を受給可能です。

所定給付日数満額を受給
できるまでの期間
90日
(自己都合退職し、雇用保険の加入期間が10年未満の人など)
約4ヶ月
120日
(自己都合退職し、雇用保険の加入期間が10年以上20年未満の人など)
約5ヶ月
150日
(自己都合退職し、雇用保険の加入期間が20年以上の人など)
約6ヶ月
180日
(解雇や倒産により離職し、雇用保険の加入期間が5年以上10年未満かつ30歳以上45歳未満の人など)
約7ヶ月
210日
(雇止めにより離職し、雇用保険の加入期間が10年以上20年未満かつ30歳以上35歳未満の人など)
約8ヶ月
240日
(解雇や倒産により離職し、雇用保険の加入期間が10年以上20年未満かつ35歳以上45歳未満の人など)
約9ヶ月
270日
(解雇や倒産により離職し、雇用保険の加入期間が10年以上20年未満かつ45歳以上65歳未満の人など)
約10ヶ月
300日
(障害者手帳を持っており、雇用保険の加入期間が1年以上かつ45歳未満の人)
約11ヶ月
330日
(雇止めにより離職し、雇用保険の加入期間が20年以上かつ45歳以上60歳未満の人)
約12ヶ月
360日
(障害者手帳を持っており、雇用保険の加入期間が1年以上かつ45歳以上65歳未満の人)
約13ヶ月

参考:基本手当の所定給付日数|ハローワークインターネットサービス

失業手当を受給できる期間は原則として1年ですが、所定給付日数が330日の人は1年と30日、360日の人は1年と60日となります。

申し込んでから7日の待期期間と1ヶ月〜3ヶ月の給付制限期間が発生する場合もあるため、退職後はなるべく早めにハローワークにて手続きをしましょう。

失業手当の申し込みから受給までの流れ

失業手当を申請してから受給できるまでの流れについて、以下より詳しく紹介します。

参考:雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス

1. 失業手当の受給資格決定手続きを行う

会社を退職したら、ハローワークへ離職票と必要書類を持参して受給資格決定の手続きを行ってください。手続きに必要な書類は以下の通りです。

  • 離職票
  • 顔写真(マイナンバーカードを提示する場合は不要)
  • 個人番号確認書類(マイナンバーカード、個人番号がある住民票の写しなど)
  • 身元確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
  • 個人名義の通帳・キャッシュカード

また、受給資格の決定手続きと同時に求職の申し込みも行ってください。

受給資格の決定と求職の申し込みまで完了したら、説明会と初回の認定日について案内してもらえます。初回の認定日に関しては、7日間の待期期間が経過した後、受給資格の決定手続きの日から28日以内に設定されます。

2. 雇用保険受給者初回説明会に参加する

受給資格の決定手続きのときに指定された日時に、雇用保険受給者初回説明会を受けてください。説明会には「雇用保険受給資格者のしおり」と筆記用具を持参しましょう。

説明会では「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」の2つの書類について説明を受けます。失業の認定を受ける際に必要な書類であるため、注意しながら説明を聞きましょう。

3. 初回認定日にハローワークに出頭して失業の認定を受ける

受給資格の決定手続きで指定された初回の認定日に、ハローワークへ出頭しましょう。

説明会で配布された「失業認定申告書」に求職活動の状況を記入して「雇用保険受給資格者証」と一緒に提出して失業の認定を受けてください。

なお、認定を受けるまでに求職活動を原則として2回以上行う必要があります。ただし、初回の認定日のみ、求職活動は1回で問題ありません。

求職活動に該当するのは、求人への応募、許可・届出のある民間機関への職業相談などです。詳しくは、ハローワークの公式サイトをご確認ください。

4. 失業手当が振り込まれる

失業の認定を受けた日から、約5営業日以内に失業手当が口座に振り込まれます。

ただ、1回の認定で全額が振り込まれるわけではありません。受給期間の満了日までの期間かつ所定給付日数を限度として、原則として28日分ずつが口座に振り込まれます。

よって、求職活動と失業の認定を数回にわたって繰り返さなければなりません。認定は4週間ごとで、認定を受けた際に次回の認定日について案内されます。もし、祝日や年末年始のハローワーク閉庁日に認定日が来る場合は、本来の認定日の前後に設定されます。

なお、給付制限がある場合は給付制限の期間中に初回の認定日が来るため、初回の認定については手当を受給できません。給付制限の期間が明けた後に認定を受けることで、初めて手当を受給できます。

離職票が届かない場合の対処法

数週間待っても離職票が届かない場合は、まず前職に連絡してみましょう。離職票の発行手続きがどのくらい進んでいるのか、いつぐらいに離職票が届きそうか、など確認してみてください。

もし、前職に連絡するのに抵抗があったり、前職が発行手続きを行ってくれなかったりする場合は、ハローワークにて相談してみましょう。

ハローワークでも、発行手続きの状況を確認してもらえます。また、前職が手続きを怠っているときは、相談すればハローワーク側から催促してもらえる場合もあります。

離職票がなくてもハローワークにて仮手続きができる

失業手当の申請には原則として離職票が必要ですが、離職票がなくても仮手続きを行ってもらえる場合があります。

ただし、退職後の本人と会社のやり取りや離職票発行を催促した有無により、仮手続きに対応してくれるかどうかはケースバイケースです。よって、まずはハローワークへ相談してみてください。

もし仮手続きを行ってもらえることになった場合は、退職日の翌日から12日目以降に仮手続きができるようになります。たとえば、7月9日が退職日の場合、7月21日から仮手続きが可能です。

なお、予定通り失業手当を受給するためには、初回の認定日までに離職票を用意しなければなりません。初回の認定日は、受給資格の決定手続きの日から遅くとも28日後までに設定されるため、設定された日までに用意しておくのが望ましいです。

給付制限がない場合は、初回の認定日まであまり猶予がありません。もし離職票を初回の認定日までに提出できなかった場合は、発行された離職票をハローワークに提出した後に手当を受給できます。初回の認定日までに離職票を提出できなくても手当を受給できないわけではなく、振込予定日のみ後ろ倒しになります。

一方、給付制限がある場合は、初回の認定日に認定を受けても手当は支給されません。従って、給付制限が終わった後に来る認定日までに離職票を提出すれば、予定通りのスケジュールで手当が振り込まれます。

参考:雇用保険給付窓口からのお知らせ|三重労働局

仮手続きの手順

ハローワークの仮手続きは、以下の流れで行えます。

  1. ハローワークへ行って失業手当の受給資格決定手続きを行う
  2. 雇用保険受給者初回説明会に出席する
  3. 失業の認定を受ける
  4. 求職活動と認定を繰り返しながら失業手当を受給する

ハローワークへ行く際は、前述の必要書類のうち離職票以外を持参すれば問題ありません。

離職票が届いたら、なるべく最初に失業の認定を受ける日までに提出しましょう。初回の認定までに離職票がないと初回の手当がスケジュール通りに振り込まれず、後ろ倒しになるため注意してください。

離職票の提出に関するよくある質問

最後に、離職票の提出に関するよくある質問を紹介します。

離職票が届いてからハローワークに行く期限は決まっている?

離職票が届いてからハローワークへ行く期限や、退職後にハローワークへ行く期限は明確に定められていません。明確に決まっているのは、失業手当を受給できるのが退職日の翌日から原則として1年間であることです。

よって、7日間の待期期間や給付制限期間も含め1年以内に手当を満額受給できる日を逆算する必要があります。満額受給できる日までに申し込むなら、ハローワークへいつ行っても問題ありません。

心身の状態や家庭の事情などを考慮して、都合の良いタイミングで失業手当に申し込むという選択も可能です。

なお、自身のけがや体調不良の療養、親族の介護への専念など、30日以上就職できない状態が続く場合は、就職できない期間分だけ受給期間を延長できます。詳しくは、本記事の「失業手当の受給期間は延長できる?」という見出しをご参照ください。

離職票をハローワークに提出しないとどうなる?

離職票をハローワークに提出しなければ、失業手当を受給できません。

離職票がない場合でも申し込み自体は仮手続きという形で可能です。ただ、初回の認定日に給付が発生するケースにおいて、予定通り手当を受給するためには初回の認定日までに離職票を用意する必要があります。

なお、しばらく待っても離職票が届かない場合は、前職へ連絡するかハローワークにて相談することをおすすめします。

失業手当の受給期間は延長できる?

失業手当を受給できる期間は退職した日の翌日から原則として1年間ですが、一部の人は申し出をすれば受給期間を延長できます。

たとえば、妊娠・出産・病気・ボランティア活動などで働けない日が30日以上ある人は、離職日の翌日から最長4年以内まで受給期間を延長可能です。延長を希望する場合は、就労できない日が30日を超えた日から早めに延長を申請しましょう。

また、定年退職した人のうち、退職後に一定期間は求職の申し込みをしないことを希望する人は、最長2年まで受給期間を延長可能です。

定年退職後に延長を希望する場合は、離職した日の翌日から2ヶ月以内に申請する必要があります。そして、必ず受給資格の決定前に申請の手続きをしなければならない点にも注意してください。

参考:妊娠、出産、病気、けが等の場合には”受給期間の延長”ができます|厚生労働省


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事