• 作成日 : 2026年1月14日

竹は儲かる?具体的なビジネスモデルや買取価格、起業の注意点を解説

竹ビジネスは、素材をそのまま売るだけでは大きな利益を見込めませんが、パウダー化やメンマ加工といった付加価値をつけることで収益化が可能です。

この記事では、竹を活用した具体的なビジネスモデルから、実際の買取価格の相場、起業に必要な手順と注意点までをわかりやすく解説します。

竹ビジネスは本当に儲かる?

竹ビジネスで利益を出すことは不可能ではありませんが、単に切り出して売るだけでは収益化が難しいのが現実です。素材としての単価が安いため、事業として成立させるには「加工」や「仕組み作り」といった工夫が求められます。

ここでは、なぜそのままでは稼げないのかという理由と、利益を生み出すための基本的な考え方について解説します。

結論:そのまま売るだけでは稼げない

切り出した竹をそのまま業者に売っても、大きな利益を得るのは困難です。その理由は、多くの買取店や発電所における竹の買取単価が、重量ベースで極めて低く設定されている点にあります。

具体的には、1kgあたり数円、あるいは1トン単位でも数千円にしかならないケースがほとんどです。労力をかけて伐採しトラックで運搬しても、そこにかかる燃料代や人件費を差し引けば、手元に残る利益はわずかでしょう。未加工の竹を右から左へ流すだけのモデルは、ビジネスとして非常に厳しいと言わざるを得ません。

参考:発電に向けた竹の活用のために 取得した知見|農林水産省林野庁 

加工や付加価値をつければ利益が出る

竹はそのまま売るのではなく、加工して製品化したりサービスとして提供したりすることで利益を出せるようになります。原価がほぼタダに近い竹でも、手間を加えて価値を高めれば、その分だけ利益率が向上するからです。

例えば、粉砕して「竹パウダー」にすれば土壌改良材として販売できますし、幼竹を「メンマ」に加工すれば食品として高い単価がつきます。また、竹林整備そのものを「代行サービス」として請け負えば、作業料という形で収益を得ることも可能です。工夫次第で、厄介者扱いされる竹を貴重な収益源に変えられるでしょう。

竹の買取価格の相場はいくら?

これから竹ビジネスを始める際、もっとも気になるのは「竹が具体的にいくらで売れるのか」という金額面ではないでしょうか。実は竹の買取価格は、加工の有無や竹の種類、さらには地域によって大きく変動します。

ここでは、未加工の竹の単価や希少な品種の価格など、実際の相場観について解説します。

未加工の竹の買取単価は安い

山から切り出したばかりの未加工の竹は、驚くほど安い価格でしか買い取ってもらえないのが一般的です。バイオマス発電用などの燃料チップ向けとして売る場合、相場は1トンあたり数千円から1万円程度にとどまります。

例えば山口県の事例を見ると、発電用の竹の買取価格は1トンあたり約8,000円です。ここから伐採労賃や運搬にかかるガソリン代などの経費を差し引くと、手元に残る利益はわずかになってしまいます。未加工のまま売る場合は、よほど効率的に大量出荷できる体制がない限り、ビジネスとして成立させるのは厳しいと言えるでしょう。

参考:発電に向けた竹の活用のために 取得した知見|農林水産省林野庁

根曲がり竹など希少な種類の相場

一般的な孟宗竹(モウソウチク)とは異なり、「根曲がり竹(ネマガリダケ)」などの希少な種類は高値で取引されます。これらは建材や燃料ではなく主に食用(山菜)として扱われ、旬の時期には1kgあたり数千円の値がつくことも珍しくありません。

根曲がり竹は東北地方や信越地方の山間部に自生しており、採取には危険も伴いますが、その味の良さから料亭や個人の愛好家に人気があります。一般的な竹材ビジネスとは性質が異なりますが、特定の地域や種類に目を向ければ、高単価な商材になり得る良い例です。

地域によって買取価格は変わる

竹の買取価格は、その地域にバイオマス発電所や竹加工工場などの「出口」があるかどうかで大きく変わります。買取先が近くにあるエリアでは、輸送コストが抑えられるため、比較的高値で買い取ってもらえる傾向があるのです。

竹資源が豊富な山口県や宮城県、大阪府の一部などでは、自治体や企業が独自に買取制度を設けているケースも見られます。逆に、買取先がない地域では、そもそも値段がつかないこともあり得ます。ビジネスを始める前には、自分の住む地域に買取拠点があるか、またその価格設定はどうなっているかを必ずリサーチしましょう。

竹がお金になるビジネスモデルとは?

竹を活用してお金を稼ぐ方法には、大きく分けて5つのビジネスモデルが存在します。それぞれ必要となる設備や期待できる収益性が異なるため、自分の予算や環境に合った手法を選ぶことが成功への近道です。

ここでは、竹パウダーやメンマ販売をはじめとする、代表的なマネタイズ手法について詳しく解説します。

① 竹パウダー・竹炭(農業・土壌改良)

竹パウダーや竹炭の製造販売は、竹を粉砕または焼成し、農業や園芸用の資材として販売するビジネスモデルです。乳酸発酵させた竹パウダーなどは、土壌改良材や家畜の飼料として近年注目を集めています。

農家やガーデニング愛好家への直販ルートを確保できれば、安定した収益が見込めるでしょう。粉砕機などの導入コストはかかりますが、原材料費がほとんどかからないため、一度軌道に乗れば高い利益率を維持できます。地域の農業課題を解決しながら収益を得られる、将来性のある事業です。

② メンマ・タケノコ販売(食品加工)

メンマやタケノコの販売は、竹を食品として加工し、飲食店や一般消費者へ届けるビジネスモデルです。とくに国産メンマは市場での希少価値が高く、ラーメン店やこだわり食材を求める層から強い需要があります。

放置竹林で伸びすぎたタケノコ(若竹)を収穫し、茹でて発酵・乾燥させることでメンマを作ります。これまで廃棄されていた資源を有効活用できるため、仕入れコストは低く抑えられるでしょう。加工の手間はかかりますが、ブランド化に成功すれば高単価での販売も夢ではありません。

③ 竹チップ・バイオマス発電(エネルギー)

竹チップの製造は、竹を細かく破砕してチップ化し、バイオマス発電所の燃料として供給するビジネスモデルです。再生可能エネルギーへの関心が高まる中、地域によっては発電所が燃料用チップを積極的に買い取っています。

大量の竹を一度に処理できるため、広範囲の竹林整備とセットで取り組む事業として適しています。ただし、発電所への運搬費やチップ化のコストがかさむため、どうしても薄利多売になりがちです。自治体の補助金制度などをうまく活用し、採算ラインを確保する工夫が求められます。

④ 竹細工・建材(クラフト・資材)

竹細工や建材としての利用は、竹本来の美しさや強度を活かして製品を製作・販売するビジネスモデルです。伝統的なカゴやザルに限らず、最近では竹あかり(照明)や内装材、フェンスなど、現代の暮らしに合わせた利用も増えています。

製作には技術やデザインセンスが必要ですが、オリジナリティのある商品は高値で取引される傾向にあります。また、製品販売だけでなくワークショップを開催して「体験」を売ることも可能です。大量生産には向きませんが、個人や小規模チームでも始めやすく、ファンがつけば長く続けられる仕事と言えます。

⑤ 竹林整備・代行サービス(役務提供)

竹林整備・代行サービスは、竹という「モノ」ではなく、伐採や管理という「作業」そのものを売るビジネスモデルです。竹林の所有者に代わって草刈りや間伐を行い、対価として作業料を受け取ります。

所有者の高齢化により管理不全の竹林が増えているため、整備の依頼ニーズは年々高まっています。さらに、伐採した竹をチップやパウダーに加工して販売すれば、作業料と販売益のダブルで収益を得ることも可能です。地域の困りごとを解決しながら稼げるため、社会貢献性の高い事業としてやりがいを感じられるでしょう。

竹パウダービジネスは儲かる?

数ある竹ビジネスの中でも、比較的取り組みやすく需要も伸びているのが竹パウダーの製造販売です。農業利用への関心が高まっており、個人でも参入しやすい分野として注目されています。

ここでは、竹パウダービジネスの収益性や、始めるにあたって押さえておくべきポイントについて解説します。

竹パウダーの需要と販売価格

竹パウダーは、土壌改良材や生ゴミ処理機の基材として一定の需要があり、販売価格も安定しています。インターネット通販やオークションサイトを確認すると、容量や品質にもよりますが、10リットルあたり1,000円〜2,000円前後で販売されているケースが多いです。

単なる粉砕物ではなく、乳酸菌を加えて発酵させた「発酵竹パウダー」にすることで、より高付加価値な商品として販売できます。農業法人や家庭菜園を楽しむ個人客をターゲットに設定し、定期購入してもらえる仕組みを作れば、継続的かつ安定した売上を確保できるようになります。

粉砕機の導入コストと採算ライン

竹パウダービジネスを始めるには、竹を細かく粉砕する専用の機械(チッパー・シュレッダー)が不可欠です。家庭用の小型機であれば数万円から購入できますが、商品として販売できるレベルの微粉末を作る業務用となると、数十万円から数百万円の初期投資がかかります。

採算を合わせるためには、機械の償却期間を考慮しつつ、どれだけの量を製造・販売すれば元が取れるかを事前に計算しなければなりません。最初は小型の中古機械からスモールスタートし、売上の増加に合わせて大型機へ切り替えるなど、段階的な投資を行うのがリスクを抑えるコツです。

販売ルートの確保が成功のカギ

どれほど品質の良い竹パウダーを作っても、売り先が確保できていなければ在庫を抱えるだけになってしまいます。ビジネスとして成功させるためには、製造技術の向上と同じくらい「販売ルートの開拓」に力を入れなければなりません。

地元の道の駅や農産物直売所に置いてもらう交渉をしたり、ネットショップを開設したりと、地道な営業活動が必要です。地域の農家にサンプルを配って実際に使ってもらい、「野菜が美味しくなった」といった口コミを集めることも有効でしょう。利用者の声を宣伝材料にすることで、徐々に販路を広げていけます。

放置竹林を活用して起業するには?

放置竹林を単なる荒地ではなくビジネスチャンスと捉え、本格的に起業を目指す人も増えています。しかし、他人の土地にある竹を扱う以上、法律や権利関係のトラブルには十分な注意が必要です。

ここでは、放置竹林を活用する際に必ず守るべきルールと、起業に向けてとるべき行動について解説します。

登記簿で所有者を確認する

放置されているように見えても、勝手に竹林に入って竹を切ると「森林窃盗罪」に問われる可能性があります。日本の山林は、必ず誰か(個人、国、自治体など)の所有物であり、無断での伐採や持ち出しは法律で固く禁止されているからです。

事業を始める前には、法務局で登記簿を確認し、必ず竹林の所有者を見つけて許可を得てください。「無料で整備します」「竹を譲ってください」と誠意を持って交渉すれば、管理に困っている所有者から感謝されることも少なくありません。口約束ではなく契約書や覚書を交わし、後々のトラブルを防ぐ準備を整えましょう。

自治体や企業の買取パートナーを探す

個人で竹を売り歩くのには限界があるため、継続的に竹を買い取ってくれるパートナーを見つけることが重要です。地元の森林組合や製紙会社、あるいはバイオマス発電事業者などに問い合わせて、受入条件や買取価格を確認してみましょう。

「国産メンマプロジェクト」のように、地域の企業やNPOが連携して竹の活用に取り組んでいる事例も増えてきました。こうした既存のネットワークに参加することで、ノウハウを学べるだけでなく、販売先の確保もしやすくなります。孤立せず、地域のリソースをうまく活用することが事業継続のポイントです。

加工や付加価値を味方につけて竹ビジネスを始めましょう

竹ビジネスを成功させるカギは、素材を売るだけでなく、知恵と工夫で新たな価値をプラスすることにあります。そのままでは利益が出にくい竹も、パウダーやメンマへの加工、あるいは体験サービスの提供によって、魅力的な収益源へと生まれ変わります。

また、放置竹林の活用は、ビジネスとしての側面に加え、地域の環境保全にも貢献できる社会的意義の大きな取り組みです。まずは身近な竹林のリサーチや、小規模なテスト販売から始めてみてはいかがでしょうか。自分に合ったモデルを見つけ、着実な第一歩を踏み出しましょう。


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