- 更新日 : 2025年3月31日
会社設立にかかる登録免許税とは?費用はいくらかかるの?
登録免許税は、特定分野の登記や登録に課せられる税金です。不動産や会社の登記、特定国家資格の登録が対象。会社に関しては、設立時からあらゆる項目が課税対象とされます。
この記事では、会社設立時にどの程度の登録免許税がかかるのか、会社設立で登録免許税を軽減する方法はあるのか、どのように納付すればよいかなど、会社設立に関連する登録免許税について解説していきます。
目次
会社設立にかかる登録免許税とは
法人の設立・存続には、あらゆる種類の登記が必要です。これらの登記手続きは登録免許税の課税対象であり、株式会社・持株会社など設立時の商業登記、一般社団法人など設立時の法人登記を行うときにも、登録免許税を納税する必要があります。
会社設立時には、資本金(または出資金)の準備、創業にかかる資金の準備など、会社の運営に必要な資金も確保しておく必要がありますが、登録免許税も会社設立に必要な費用として念頭に置いておかなくてはなりません。
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登録免許税の計算方法
登録免許税は、どの種類の会社・法人を設立するかで計算方法が変わってきます。以下の表は、主な法人格設立時の登録免許税の税率・税額を示したものです。
| 資本金の額の1000分の7 (計算結果が15万円未満のときは1件につき15万円) | |
| 資本金の額の1000分の7 (計算結果が6万円未満のときは1件につき6万円) | |
合資会社 一般社団法人 | 1件につき6万円 |
参考:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁
参考:登録免許税法|e-gov
株式会社では少なくとも15万円、合同会社や合資会社、一般社団法人などでは少なくとも6万円の登録免許税が課税されます。ちなみに、株式会社で登録免許税が15万円を超えるのは資本金が約2,145万円、合同会社で登録免許税が6万円を超えるのは資本金が約860万円のときです。
登録免許税の計算において100円未満の端数が出たときは、100円未満の金額は切り捨てて登録免許税とします。
登録免許税の納付方法
登録免許税の納付方法には、収入印紙での納付、現金での納付、電子納付(インターネットバンキングやATMからの納付)があります。以下、それぞれの納付方法について詳しく解説していきます。
収入印紙で納付
登録免許税を収入印紙で納付する場合は、登録免許税額分の印紙を購入し、印紙を「登録免許税納付用台紙」に貼り付けて税務署へ納付します。この際の契印には、申請書で使用した印鑑を用いる必要があります。
現金で納付
登録免許税を金融機関で納付することを現金納付といいます。
現金納付は、金融機関の窓口に登録免許税納付用の納付書を提出し、記載した額の入金を行います。入金が済んだら領収書が発行されますので、領収書を「登録免許税納付用台紙」に貼り付け、税務署へ提出します。
インターネットバンキング・ATMで納付
商業登記・法人登記をオンラインで行った場合は、インターネットバンキングやATMから登録免許税を納付できます。
ただし、インターネットバンキングは金融機関との手続きが済んでいないと利用できないこともありますし、ATMは納付に対応したものでないと利用できません。インターネットバンキングを利用するときは、利用したい金融機関の契約状況を確認しておきましょう。ATMから納付する場合は、「ペイジー」のマークがあるかどうかで納付に対応しているか判断できますので、利用前にこちらも確認しておくと安心です。
なお、インターネットバンキングやATMで納付する場合は、オンライン申請のソフトで電子納付画面の情報を取得しておく必要がありますので、合わせて確認しておきましょう。
登録免許税を半額に軽減するには
株式会社の会社設立時の登録免許税は、少なくとも15万円、合同会社なら少なくとも6万円かかると説明しました。しかし、特定創業支援事業の「会社設立時の登録免許税の減免の特例」を活用すれば、以下の表のように登録免許税を半額に軽減することが可能です。
【会社設立時の登録免許税減免後の税額】
| 資本金の額の1000分の3.5 | ||
| 資本金の額の1000分の3.5 | ||
合資会社 | 1件につき3万円 |
参考:千代田区創業支援事業~千代田区内で創業する方を応援します~|千代田区
特定創業支援事業とは、これから会社を創業する人などを支援するための取り組みで、創業や起業の促進、地域の産業活性化を目的とした事業です。国が行っている事業ではなく、市町村が創業支援等事業者(創業を支援する事業者)と連携して行っている取り組みです。令和3年6月時点で、1,453の全国の市町村が認定されています。
特定創業支援事業を受ける事業者はさまざまな優遇措置が受けられるようになっており、会社設立時の登録免許税の減免措置もその優遇措置のひとつです。
各市町村の要件に該当する事業者で、特定のセミナーなどを受講し、「特定創業支援事業により支援を受けたことの証明書」を発行してもらうことで、登録免許税を軽減してもらう資格を得られます。あとは、会社設立の登記時に証明書を添付して、減額された分を納付すれば完了です。
なお、前述したように、特定創業支援事業の認定を受けた市町村でないと、会社設立時の登録免許税の減免は受けられません。市町村によっては事業を行っていないこともありますので、会社設立前にどの市町村で設立するか、設立したい場所で事業は行われているか、確認しておくことをおすすめします。
また、一般社団法人・一般財団法人は減免措置の対象外です。
登録免許税納付時の注意事項
登録免許税の納付で注意したいポイントを3つ紹介します。
印紙は収入印紙
国が発行している印紙は収入印紙のほかに、特許印紙、登録印紙、健康保険印紙、自動車検査登録印紙などがあります。登録免許税を印紙で納付する場合は、収入印紙での納付になりますので、ほかの印紙を誤って用意しないように注意しましょう。
また、収入印紙に似た名前で「収入証紙」と呼ばれるものもあります。収入証紙は、国ではなく都道府県が発行しているものです。収入証紙では登録免許税を納付できませんので、こちらも間違えないように気を付けましょう。
登録免許税の納付に必要な収入印紙は、郵便局などで購入できます。
割印はしない
請求書など、印紙税の課税対象になる文書は、収入印紙を貼り付けた上で、割印か署名により消印しなければなりません。これは、印紙の使いまわしを防ぐ目的で行われるものです。
一方、登録免許税の納付では割印は不要です。登録免許税の申請は、割印ではなく台紙への契印だけですので、誤って割印しないように注意しましょう。
印紙等の再度貼り付けは不受理の恐れあり
誤って貼り付けてしまったなどの理由で、印紙などを一度はがして再度貼り付けてしまうと、登記の申請が却下されてしまうこともあります。少々貼り付けに失敗しても、貼り直しはしないようにしましょう。なお、却下や取り下げのあった登録免許税については、還付請求を行うことで、還付を受けることが可能です。
会社設立で必要な登録免許税は要件が揃えば半額に軽減できる
会社設立の登記にあたっては、登録免許税の納税が必要です。株式会社なら少なくとも15万円、合同会社なら少なくとも6万円の登録免許税がかかります。登録免許税を抑えて会社を設立したいなら、特定創業支援事業の「会社設立時の登録免許税の減免」を活用しましょう。特定創業支援事業の対象として市町村から証明書の交付を受ければ、会社設立時の登録免許税を半額に軽減できます。
よくある質問
会社設立にかかる登録免許税とは?
会社設立時には商業登記を行う必要があるため、登記や登録を受ける者に課税される登録免許税が課されます。詳しくはこちらをご覧ください。
会社設立の登録免許税を軽減するには?
市町村の特定創業支援事業でセミナーなどを受講し、交付された「特定創業支援事業により支援を受けたことの証明書」を登記時に添付する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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