- 作成日 : 2026年3月3日
法人登記簿謄本をオンラインで取得するには?閲覧やPDF保存を解説
利用目的に応じて、法務局からの「郵送請求(原本)」と、データでの「PDF閲覧」を使い分けるのが基本です。
- 提出用(原本): 「登記・供託オンライン申請システム」を利用します。1通520円で郵送され、銀行や役所への提出に使えます。
- 確認用(データ): 「登記情報提供サービス」を利用します。1件331円で即時閲覧できますが、法的効力はありません。
無料で詳細情報を閲覧することはできませんが、商号や所在地などの基本情報に限り「国税庁法人番号公表サイト」で確認可能です。
法人登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得するには、法務局の専用システムを利用する方法と、データ閲覧サービスを利用する方法の2種類があります。
わざわざ法務局の窓口へ出向かなくても、インターネット環境さえあれば会社や自宅から手続きが可能です。しかし、「原本が郵送される申請」と「画面で見るだけの閲覧」にはシステムの違いがあり、目的に応じて正しく使い分ける必要があります。
この記事では、法務局のオンラインシステムを使った郵送請求の手順と、PDFデータをすぐにダウンロードする閲覧の手順を解説します。
スマホでの操作可否や手数料の違い、無料で利用できるかといった疑問にも詳しく答えていますので、効率的な取得にお役立てください。
目次
法人登記簿謄本をオンラインで取得する方法は?
法人登記簿謄本をオンラインで取得する方法は、「登記・供託オンライン申請システム」による原本請求か、「登記情報提供サービス」によるデータ閲覧の2パターンです。
どちらもネット経由の手続きですが、成果物や法的効力が異なるため、利用するウェブサイトも別々になっています。
ここでは、それぞれの特徴と使い分けのポイント、および利用に必要な環境について解説します。
提出用は「郵送請求」、確認用は「PDF閲覧」と使い分ける
法的な手続きや契約のために書類が必要な場合は郵送請求を、内容確認だけであればPDF閲覧を選んでください。
郵送請求で取得できるのは、法務局の公印が押された「登記事項証明書」の原本であり、公的な証明力が求められる場面で必要です。
一方、PDF閲覧で取得できるのは「登記情報」というデータのみで、公印はありません。社内での調査や契約書作成時の情報確認には適していますが、正式な提出書類としては認められないケースが大半です。提出先の要望を事前に確認しましょう。
参考:登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です|法務局
取得に必要な環境は「PC・スマホ」と「ネットバンキング」
手続きを行うには、インターネットに接続されたパソコンまたはスマートフォンと、手数料を支払うための決済手段を用意しなければなりません。
法務局のシステムはGoogle Chromeなどの一般的ブラウザやスマホでも利用可能です。
次に必要なのが支払い手段です。郵送請求を行う「登記・供託オンライン申請システム」では、ネットバンキングやPay-easy対応ATMでの電子納付が必要です。逆に、PDF閲覧を行う「登記情報提供サービス」では個人の場合クレジットカード決済が基本となるため、あらかじめ準備しておくとスムーズです。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
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※記事の内容は、この後のセクションでも続きますのでぜひ併せてご覧ください。
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法人登記簿謄本の原本をオンライン請求するには?
公的な提出書類として使える「登記事項証明書(原本)」をオンラインで請求するには、法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム(通称:登記ねっと)」を利用します。
このシステムを使えば、平日の8時30分から21時まで申請が可能で、手数料も窓口より安くなる点がメリットです。申請には専用ソフトを使う方法とブラウザで完結する方法がありますが、証明書の請求だけであればブラウザ版でも問題ありません。
ここでは、初めて利用する人に向けて、利用者登録から手数料の納付までの具体的な手順について解説します。
「登記・供託オンライン申請システム」に利用者登録する
オンライン請求を始めるには、まず「登記・供託オンライン申請システム」の公式サイトにアクセスし、申請者情報の登録を行ってください。
トップページにある「申請者情報登録」ボタンから、利用規約に同意したうえで氏名、住所、メールアドレスなどの必須項目を入力します。IDとパスワードはログイン時に必ず必要になるため管理が必要です。
登録完了後の通知が届けば、すぐにシステムを利用できます。この利用者登録は無料で行え、一度登録すれば次回以降はログインするだけで請求手続きに入ることが可能です。
ブラウザ上の「かんたん証明書請求」で会社情報を入力する
ログイン後、メニューの中から登記事項証明書の交付請求を選択しましょう。
証明書請求のみならソフトのインストールは不要です。請求画面へ進み、会社名や法人番号などを入力して検索すると、候補となる法人の一覧が表示されます。
対象の法人を見つけたら、通常は「履歴事項全部証明書」を選択すれば間違いありません。必要な通数と、交付方法として「郵送」を選択します。送付先は登録住所以外も指定可能です。入力内容を確認し、「請求」ボタンを押してデータを送信してください。
参考: かんたん証明書請求による請求方法 | 登記・供託オンライン申請システム
ネットバンキングやATMで手数料を電子納付する
請求データを送信後、処理状況が「到達」などに変わると「納付」ボタンがクリックできるようになります。
ボタンを押して表示される「収納機関番号」「納付番号」「確認番号」といった支払いに必要な情報を控えるか、画面を印刷してください。
支払いは、ネットバンキングの「Pay-easy(ペイジー)」メニューか、街中のPay-easy対応ATMで行います。クレジットカード払いはできないため注意が必要です。納付期限は通常、請求した日の翌日から起算して1日間までとなっているため、速やかに支払い手続きを済ませましょう。
参考:電子納付による手数料等のお支払いについて | 登記・供託オンライン申請システム
登記情報をオンラインでPDF閲覧・保存するには?
原本ではなく、現在の登記情報をすぐに確認したい場合は「登記情報提供サービス」を利用しましょう。
こちらは郵送を待つ必要がなく、その場ですぐにPDFファイルをダウンロードできるのが特徴です。本来は事前の登録手続きが必要ですが、たまにしか使わない人向けに登録不要の「一時利用」という枠組みが用意されています。
急ぎで情報を確認したいビジネスパーソンにとって有用な手段といえるでしょう。
ここでは、一時利用を使ってスピーディーに情報を取得する手順について解説します。
「登記情報提供サービス」の「一時利用」を選択する
「登記情報提供サービス」のトップページにアクセスし、「一時利用」のボタンを選択してください。 通常利用の場合は申込から利用開始まで1週間ほどかかりますが、一時利用ならその場ですぐに使い始めることができます。利用規約の内容を確認し、「同意する」ボタンを押して進みます。
次に、利用者確認のための情報を入力します。メールアドレスなどを入力すると、一時利用専用のログインURLなどが送信されます。一時利用には「初回ログインした当日のみ有効」という制限があるため、必ず利用する直前に手続きを行ってください。
クレジットカード決済を行いPDFデータを保存する
ログイン後、「商業・法人請求」のタブを選び、検索条件を入力して対象の法人を探します。 会社名(商号)や法人番号を入力して検索し、該当する法人が表示されたら取得したい情報の種類を選択します。基本的には「全部事項」を選べば、登記簿謄本に記載されているすべての情報を網羅することが可能です。
必要な情報の横にある「請求」ボタンを押し、クレジットカード決済を完了させると、即座にマイページ上の「照会内容確認」ボタンからPDFファイルが表示できるようになります。
【注意】PDFデータは公的な証明書として提出できない
ダウンロードしたPDFファイルは、あくまで情報の閲覧用データとして扱われます。
画面上には法務局の公印がなく、代わりに照会番号付きの付記がなされています。これは、法的な証明力を持つ書面とは見なされません。
公的機関への届出、不動産の所有権移転登記、銀行融資の申し込みなどで提出を求められた場合に、このPDFを提出しても受理されないことがほとんどです。証明書が必要な場合は、前述した「登記・供託オンライン申請システム」による郵送請求を行うか、法務局の窓口で交付を受けてください。
法人登記簿謄本のオンライン取得にかかる費用は?
オンラインでの取得は、法務局の窓口へ行くよりも手数料が安く設定されており、コスト削減にもつながります。
また、窓口までの交通費や移動時間、待ち時間を考慮すると、オンライン利用のメリットはさらに大きくなります。具体的な料金は、受け取り方法(郵送かPDFか)によって異なります。
ここでは、窓口請求、郵送請求、PDF閲覧それぞれの料金を比較し、利用可能な支払い方法について解説します。
窓口や郵送請求よりもオンライン請求の方が安い
登記事項証明書(履歴事項全部証明書など)を1通取得する場合の手数料は、オンライン請求を利用することで窓口よりも安くなります。
オンラインで請求して郵送してもらう場合、2026年2月現在の手数料は520円で済み、この金額には法務局からの送料も含まれています。自分で返信用封筒を用意する必要もありません。
一方、窓口に行くと600円かかり、さらに交通費も発生することを考えると、オンライン請求(郵送受取)が最も手間とコストのバランスが良い方法といえます。PDF閲覧の場合は331円とさらに安価ですが、証明書としての効力がない点には注意して利用してください。
支払い方法はPay-easy(ペイジー)やクレカに対応
オンライン手続きにおける支払い方法は、利用するシステムによって分かれています。 原本を郵送請求する「登記・供託オンライン申請システム」では、クレジットカードは利用できません。支払いはネットバンキングかPay-easy対応ATMからの振込で行う必要があります。
一方、PDF閲覧を行う「登記情報提供サービス」では、クレジットカード決済が基本となります。このように、目的によって用意すべき決済手段が異なるため、事前に確認してから手続きを開始してください。
参考:電子納付による手数料等のお支払いについて|登記・供託オンライン申請システム
スマホから法人登記簿謄本はオンライン取得できる?
パソコンがない外出先や、移動中に急いで登記情報を確認したい場合、スマートフォンから手続きができると便利です。
結論として、現在のオンラインシステムはスマートフォンにも対応しており、申請も閲覧も可能です。ただし、パソコンでの操作に比べると画面が小さく、一部の操作がしづらいことがあります。また、ファイルの保存方法など、スマホ特有の注意点もいくつか存在します。
ここでは、スマホを使って「かんたん証明書請求」やPDF閲覧を行う際の手順と、気をつけるべきポイントについて解説します。
ブラウザ経由で「かんたん証明書請求」を利用できる
スマートフォンから登記簿謄本を郵送請求する場合も、パソコンと同様に「かんたん証明書請求」を利用します。
専用のアプリは提供されていませんが、iPhoneのSafariやAndroidのChromeといった標準ブラウザから公式サイトにアクセスすることで手続きが可能です。スマホでアクセスした場合、最適化された画面が表示されるため、以前よりも格段に操作しやすくなっています。
ログイン後、会社名の検索や請求通数の入力、送付先の指定といった一連の流れはパソコン版と同じです。
法人登記簿謄本のオンライン取得でよくある質問は?
オンラインでの登記簿謄本取得は非常に便利ですが、初めて利用する際にはさまざまな疑問やトラブルが生じることがあります。
「無料で見られるサイトはないのか」「いつ届くのか」「Macでも大丈夫か」といった点は、よくユーザーが気にするポイントです。
ここでは、オンライン取得に関してよく寄せられる質問とその回答について解説します。
無料で詳細な登記情報を閲覧できる公的サービスはない
登記簿謄本に記載されている詳細な情報(役員の氏名、資本金の額など)を、オンラインで無料で閲覧できる公的なサービスはありません。 法務局が管理する登記情報は、閲覧や証明書発行に手数料がかかるため、どのサイトを利用しても詳細な中身を見るためには必ず費用が発生します。
ただし、会社の「商号(社名)」「本店所在地」「法人番号」という3情報だけであれば、国税庁が運営する「法人番号公表サイト」で無料で検索・閲覧が可能です。登記簿の中身までは見られませんが、会社が実在するかどうかや、正式名称、現住所を確認するだけであれば、この無料サイトで十分なケースもあるでしょう。
申請から到着までは原則として「翌業務日に発送」される
オンラインで郵送請求を行った場合、平日17時15分頃までに申請データの送信と手数料の納付が完了していれば、その日のうちに受付処理が行われ、原則として1~2日後には発送されます。 郵便事情にもよりますが、申請から1週間以内にポストに届くのが一般的です。
もし急いでいる場合は、請求画面で「速達」オプションを選択することも可能です(別途速達料金がかかります)。さらに急ぐ場合は、オンラインで請求手続きと納付だけを済ませておき、受取方法を「窓口受取」に指定することで、最寄りの法務局に行って即座に受け取ることもできます。これなら郵送を待つ時間を短縮できるでしょう。
参考:登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です|法務局
Mac(マック)でも設定を行えば申請・閲覧ともに利用可能
法務局のオンラインシステムはWindowsOSである必要があります。
Macでも「登記情報提供サービス」で取得したPDFを閲覧することはできますが、PDFを表示する際、Mac標準の「プレビュー.app」では正しく表示されないケースが報告されています。PDF閲覧の際は、Adobe Acrobat Reader for Macを使用することが推奨されているため、エラーが出た場合はブラウザのキャッシュをクリアするか、別のブラウザを試してみてください。
領収書は発行されないため「利用明細」等で代用する
会社の経費で登記簿謄本を取得する場合、領収書が必要になりますが、オンラインシステムでは一般的な形式の「領収書」は発行されません。
その代わり、Pay-easyで支払った場合はATMの「ご利用明細票」や、ネットバンキングの「取引明細画面」を保存するか印刷して代用しましょう。「登記情報提供サービス」のクレジットカード決済の場合は、マイページにある「利用明細」画面を保存するか印刷して、経理書類として利用します。どうしても法務局名義の紙の領収書が必要な場合は、窓口で収入印紙を購入して請求する必要があります。
用途に合わせて郵送請求とPDF閲覧を使い分けよう
法人登記簿謄本のオンライン取得で重要なポイントは、取得する目的が「提出」なのか「確認」なのかを明確にすることです。公的な手続きや契約で原本が必要な場合は、「登記・供託オンライン申請システム」から郵送請求を行ってください。窓口に行く手間が省けるだけでなく、手数料も安く済みます。
一方、社内での情報共有や事前の内容確認だけであれば、「登記情報提供サービス」を利用してPDFデータを閲覧するのが、最も早く安価な方法です。
オンライン取得は一度やり方を覚えてしまえば、今後の業務効率を向上させることができます。パソコンはもちろん、スマホからでも手軽に利用できるため、急ぎの場面でも役立ちます。ぜひこの記事を参考に、用途に合った最適な方法で登記簿謄本を取得してください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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