• 更新日 : 2026年1月26日

里親手当で儲かる?制度の仕組み・支給額・費用・税金を解説

Point里親手当で生活が楽になったり、儲けが出たりする?

里親手当は、子どもの養育費を補助する制度であり、儲かる仕組みではありません。

  • 養育費の実費補助
  • 利益目的は不可
  • 融資を意識した構成にする

手当は月15万円前後ありますが、生活費・教育費に充てられ、余剰が出にくいのが実情です。

「里親手当で儲かる」といった言葉に関心を持つ方もいるかもしれませんが、里親制度は本来、家庭での温かな養育を必要とする子どもたちを支援するための福祉制度です。

本記事では、里親手当の支給額や制度の仕組み、実際にかかる費用や税制上の扱いなどを解説します。

里親手当で儲けることはできる?

「里親手当で儲かるのか?」という関心は一部で見られますが、制度の性質を理解すれば、この考え方が現実的ではないことがわかります。里親手当はあくまで子どもの養育に必要な支出を支援する制度であり、金銭的な利益を得ることを目的として設計されてはいません。

利益を得る制度ではなく、養育費を補助するもの

里親手当は、養育里親に対して1人あたり月額9万円程度が支給され、さらに生活費として月5万円前後、教育や医療にかかる費用も一部支援されます。これらは子どもの生活を保障するための補助金であり、自由に使える「報酬」ではありません。支給額は子どもに必要な支出を想定して決められており、実際にそれ以上の支出を負担するケースも多くあります。結果として、節約して余剰金を出すようなことがない限り、金銭的利益は見込めません。

また、里親になるには一定の収入や安定した生活が求められ、生活保護受給者などは原則として対象外です。そもそも金銭的余裕があることが前提であり、経済的なメリットを目的に制度を利用すること自体が趣旨に反しています。

なお、里親手当や生活費の支給額は国の基準に基づいていますが、自治体ごとの運用や子どもの状況によって金額が前後することがあります。詳細は各自治体の案内をご確認ください。

里親手当は報酬ではなく、制度にはボランティア性がある

児童福祉法に基づく里親手当は、労働の対価ではなく、子どもの養育を支える公的な支援の一環です。そのため、里親手当の支給対象は原則として養育里親・専門里親に限られており、養子縁組を前提とした里親や親族が養育する場合には、里親手当が支給されないケースが一般的です。このことからも、制度全体が「利益を得る手段」ではなく、子どもを家庭で健全に育てるという福祉目的に重きを置いていることが明らかです。

登録までには研修や家庭訪問、審査など厳しい過程が設けられており、動機の確認も重視されます。制度としてはボランティア性が高く、金銭的な対価よりも子どもに安定した環境を提供するという社会的使命感が求められます。したがって、「儲ける」ことを目的にする姿勢は制度の根本理念と合致しません。

参考:里親制度|こども家庭庁支援局家庭福祉課

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里親制度の仕組みは?

里親制度は、さまざまな事情で実の親と暮らせない子どもに、安定した家庭環境を提供するための福祉制度です。家庭での養育を必要とする子どもたちが、施設ではなく一般の家庭で生活できるように支援するしくみとして位置づけられています。

家庭で子どもを養育する社会的制度

里親制度は、親による養育が困難な子どもを、一定の条件を満たした一般家庭において養育してもらう制度です。児童福祉法に基づき、自治体(児童相談所など)によって運営されています。子どもが里親の家庭で生活することにより、家庭的な環境での成長や人間関係の形成、心理的な安定を得られることが期待されます。

この制度は単なる一時的な預かりではなく、子どもの権利と生活の質を尊重した育成支援であり、原則として長期的な養育を前提としています(多くの場合は18歳前後までが基本ですが、進学や自立支援の状況に応じて延長されることもあります)。実の親との関係を維持しながら養育されるケースや、将来的に実親に戻ることを見据えたケースもあり、状況に応じた対応が求められます。

4つの里親種別とそれぞれの役割

里親制度には、子どもの状況や目的に応じて4つの区分があります。

  1. 養育里親:虐待や貧困、病気などの事情で家庭で暮らせない子どもを、必要な期間にわたり家庭で養育する、最も一般的な里親です。
  2. 養子縁組里親:特別養子縁組を前提として子どもを迎え入れ、最終的に法律上の親子関係を結ぶことを目的とする里親です。
  3. 専門里親:虐待等により心身に大きな影響を受けた子どもなど、より専門的な支援を必要とする子どもを対象に、専門的なケアを行う里親で、一定の経験や研修が求められます。
  4. 親族里親:親が病気・拘禁・失踪などにより養育できない場合や、その他やむを得ない事情がある場合に、祖父母や叔父・叔母などの親族が養育を担う形態です。

これらはいずれも「子どもの最善の利益」を守ることを第一に考えられており、各種の支援(手当・研修・相談体制)を通じて、安定した養育環境を整える仕組みとなっています。

里親手当の支給額はいくら?金額の内訳は?

里親手当は、里親が子どもを養育する上での経済的負担を軽減する目的で支給される制度です。手当の内容は里親の種別や子どもの年齢によって異なり、生活費や教育・医療費も含めて複数の支援が用意されています。

里親手当の基本支給額

里親に支給される手当は、主に「里親手当」と「生活費(措置費)」に分かれます。里親手当の金額は以下の通りです。

  • 養育里親手当:子ども1人あたり月額90,000円が支給されます。以前は2人目以降の金額が減額されていましたが、現在は1人目と同額が支給されるように見直されています。
  • 専門里親手当:より高い養育スキルや経験を必要とする専門里親には、月額141,000円が支給されます。こちらも子ども1人あたりの金額で、複数人でも同額です。

これらの金額は、令和3年度以降の改定に基づいた国の基準額であり、自治体の運用や加算の有無によって実際の支給額が前後する場合があります。

一般生活費・教育費・医療費などの追加支援

里親手当とは別に、子どもの衣食住や学習にかかる費用をカバーするための「措置費」も支給されます。内訳は次の通りです。

  • 一般生活費:乳児の場合は月額約60,110円、乳児以外は月額約52,130円が支給されます。この費用は食費、衣類、日用品などに充てるためのもので、子どもに直接かかる経費を補う位置づけです。
  • 教育費・医療費:入学準備金、学校教材、給食費、学用品、通院費などが、実費または定額で支給されます。医療費については、保険診療分が公費負担や医療費助成の対象となることが多く、原則として自己負担が生じにくい仕組みです。

これらの費用を合わせると、1人の子どもを養育する里親家庭には月額15万円以上の支援が行われる計算になります。さらに、必要に応じて一時的な支援(入学金や制服代など)を受けられることもあり、経済的な負担は大きく軽減されます。

支援金は子どものために適切に使う必要がある

支給される各種手当は、すべて子どもの生活や学習、健康の維持のために使うことが原則とされています。たとえば、児童手当も里親が受け取ることができますが、多くの自治体では、このお金を子ども名義の口座に貯蓄し、将来の学費などに充てることが望ましいとしています。児童手当は、高校生相当の年齢まで支給対象となる制度に拡充されており、里親家庭でも同様に取り扱われます。

また、これらの支援金は里親個人の自由に使える収入とはみなされておらず、生活費の補填や家計の足しにすることは本来の制度の趣旨から外れます。支援金の使用目的や管理方法については、定期的に児童相談所などから確認が入ることもあります。

里親としてかかる費用や負担は?

里親には国や自治体からさまざまな支援金が支給されますが、すべての費用が賄われるわけではありません。子どもの生活環境をより豊かにするためには、里親自身による追加負担も発生します。また、金銭以外にも時間的・精神的な労力が求められます。

支援でカバーできない出費もある

基本的な生活費、医療費、教育に関する支援は公費で支給されますが、それでもなお、里親の判断で補完的な支出が必要になる場面があります。たとえば、以下のような費用は、原則として里親の自己負担となります。

  • 家族旅行やレジャーなどの娯楽費用
  • 習い事、学習塾、スポーツ教室などの教育関連費用
  • 高校・大学進学に備える貯蓄
  • 学校外活動(部活動・遠足・発表会など)の実費

これらは支援対象外であることが多く、家庭の方針や子どもの希望によっては負担が大きくなることもあります。高校生以上の進学費用については、補助があっても限られているため、早期から準備を始める里親も少なくありません。

里親手当は「平均的な子どもの育成に必要な費用」に基づいて算出されていますが、個別の事情や家庭ごとの価値観によって、実際の支出には差が出てきます。

お金以外の負担も発生する

経済的な支援が整っているとはいえ、里親としての役割には時間的・精神的な労力も含まれます。具体的には、次のような負担があります。

  • 子どもとの信頼関係を築くための時間
  • 日常の世話や通院、学校行事への参加
  • 実親との面会調整や連絡支援
  • 養育に関する記録や報告の提出(行政への対応)

また、子どもによっては過去の体験から精神的に不安定なケースもあり、日常の中で細やかな配慮や見守りが必要となることがあります。これらの関わりは金銭で補えるものではなく、里親自身の心身のゆとりが大きく影響します。

このように、里親制度は経済的援助だけでなく、家庭という環境を提供する社会的な責任が伴う制度です。その意義を理解し、責任を持って取り組めるかどうかが、里親に求められる基本姿勢です。

里親手当と税金の扱いは?

里親制度に関わる金銭的支援は手厚く設計されていますが、その扱いが税制上どうなるのかも重要なポイントです。ここでは、税法上の位置づけや注意点について詳しく解説します。

原則として「雑所得」として課税される

里親に支給される手当(里親手当、生活費等の措置費)は、課税対象となる収入であり、税法上は「雑所得」として扱われます。 これは、里親が提供する養育行為が事業所得給与所得に該当せず、雑所得として整理する方が、必要経費を差し引いて課税所得を計算できるという考え方に基づくものです。

つまり、これらの支援金は課税対象ではあるものの、実際に課税の対象となるのは「収入額から養育にかかった必要経費を差し引いた残額」のみです。そのため、日々の養育に支出した費用が手当額と同等、あるいはそれ以上であれば、課税所得がゼロになり、結果として納税が発生しないケースが多いといえます。

実際の課税リスクは低い

現実的には、支給された手当はほぼすべて子どもの衣食住、学習、医療などに充てられるため、所得として残る金額(利益部分)はほとんどありません。とはいえ、税務署の判断に備えるためには、養育にかかった費用の領収書や記録を保存しておくことが重要です。確定申告の際や、税務調査時に「必要経費」として証明できる資料が求められることがあります。

また、子どもが複数いる場合は、個別の支出記録を整理しておくとさらに信頼性が高まります。

扶養控除の対象となる場合がある

里親に委託されている子どもは、一定の条件を満たすと扶養親族として認定され、扶養控除の対象にできます。これは年末調整や確定申告の際に適用される所得控除の一種で、里親家庭の税負担を軽減できる可能性があります。

ただし、扶養控除の可否は子どもの年齢や所得、生活の実態によって判断されます(所得税では16歳未満は扶養控除の対象外です)。詳細は管轄の税務署または児童相談所に確認すると安心です。

里親になる条件や手続きの流れは?

里親になるには特別な国家資格は必要ありませんが、子どもの福祉を守るという責任ある役割を担うため、一定の条件や研修を満たす必要があります。ここでは、里親として登録されるための応募条件と手続きの流れについて解説します。

【応募条件】安定した生活と家庭環境が求められる

里親になるには、以下のような基本的条件を満たしていることが求められます。これらは児童相談所や自治体の基準に基づいており、地域ごとに運用が異なる場合があります。

  • 安定した収入があること:生活保護を受けていないことが一つの基準とされており、家庭として経済的に自立している必要があります。
  • 心身ともに健康であること:里親は日常的な子育てを担うため、身体的・精神的に養育に支障がない状態であることが必要です。
  • 家族の同意があること:同居する家族全員が里親として子どもを受け入れることに同意していることが条件とされます。
  • 研修の受講が必須:所定の「里親研修」(座学・演習・実習)を修了する必要があります。

なお、年齢制限は厳格には設けられていませんが、概ね25歳以上であること、子どもにとって安全で愛情ある家庭を提供できることが重視されます。また、扶養義務のある子どもがすでにいる場合や、高齢であっても、健康状態や支援体制に問題がなければ応募可能と判断される場合があります。

【手続きの流れ】相談から登録まで数か月かかることも

里親登録までの一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 相談・説明会への参加:最寄りの児童相談所やフォスタリング機関に相談し、制度の説明を受けます。
  2. 里親研修の受講:複数日間にわたる講義やグループワーク、実習を受講します。これは義務付けられており、参加は必須です。
  3. 家庭訪問・面接・調査:児童相談所の職員が家庭を訪問し、住環境や家族の状況を確認します。面談を通じて、養育への理解や受け入れに向けた意欲も確認されます。
  4. 審査・認定・登録:すべての要件を満たすと判断された後、自治体により正式に「里親」として認定され、名簿に登録されます。

手続きや期間は自治体によって異なり、登録完了までには数か月〜1年程度かかることもあります。また、登録されたからといってすぐに子どもが委託されるとは限らず、状況に応じて待機期間があることも一般的です。登録の有効期間は原則5年間で、継続を希望する場合は更新のための研修を受講することが求められます。

里親手当は金銭的利益を目的としない

里親手当は、親元で暮らせない子どもに家庭的な養育環境を提供する里親への公的支援策です。その金銭的支援は子どもの生活費や教育費をまかなうためのものであり、里親が儲けるための「収入」ではありません。里親になるためには安定した収入や十分な養育環境が求められ、経済的に余裕のない世帯では、里親としての委託が認められにくいのが一般的です。これは里親制度が子どもの最善の利益を守るための制度であり、「儲け」を生むビジネスではないことを示しています。

もし里親になることを検討しているのであれば、金銭面だけでなく制度の目的と責任を十分に理解し、子どものために家庭を提供する尊い役割に挑戦してみてください。


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