• 更新日 : 2025年12月24日

人手不足で儲かる仕事とは?業界別おすすめ22選や選び方のポイントを解説

日本国内では現在、人手不足が深刻化しています。これは多くの企業にとっては危機ですが、これから起業や独立を目指す個人にとっては、高単価で受注できる千載一遇のビジネスチャンスとなるでしょう。

本記事では、単なる激務ではなく構造的に稼げる「人手不足で儲かる仕事」を業界別に徹底解説します。建設・インフラ、IT、物流、医療・介護、観光インバウンド、営業、ニッチ産業など、具体的な22の職種を厳選しました。なぜその仕事が儲かるのか、その理由と収益の仕組みを深掘りして説明します。

さらに、AIに代替されにくい仕事の選び方や、参入障壁の見極め方など、失敗しないためのポイントもあわせて紹介します。

目次

人手不足で儲かる仕事とは?

人手不足で儲かるといわれている仕事・業界は存在しますが「人が足りないから誰でも稼げる」というわけではありません。

人手不足には大きく分けて2つの種類があり、ビジネスとして儲かるのは後者です。

不人気による人手不足(低賃金・重労働)

待遇が悪いために人が集まらないケースです。参入障壁は低いものの、構造的に利益が出にくく、参入しても薄利多忙になりがちです(例:単価の安い単純作業、過酷な肉体労働のみで付加価値が低い仕事など)。

構造的・技術的な人手不足(高需要・高スキル)

資格が必要、技術習得が難しい、あるいは需要が急増して供給が追いつかないケースです。 「なり手」が物理的に少ないため市場価値が高まりやすく、ここが「儲かる仕事」の最大の狙い目となります。

これから紹介するのは、後者の「希少価値が高く、単価交渉がしやすい」仕事が中心です。

人手不足で儲かる仕事【建設・インフラ・設備業界】

「2024年問題」による労働時間規制や、ベテラン職人の大量引退により、最も人手不足が深刻かつ単価が急騰しているエリアです。技術継承が途絶えかけている今、若手や新規参入者が技術を身につければ、数年で市場価値の高い人材になれます。

1. 電気工事士

生活インフラに直結するため、不景気でも仕事がなくなりません。近年はEV(電気自動車)充電器の設置や、太陽光パネル、オール電化リフォームなどの需要も急増しています。

特に「第2種電気工事士」を取得して実務経験を積めば独立が容易で、エアコン取付などの季節需要をうまく取り込むことで、夏場だけで数百万円を稼ぐ個人事業主も珍しくありません。さらに「第1種」を取得し、ビルや工場の案件を扱えるようになれば、法人化して年商数億を目指すことも可能です。

2. 建築施工管理技士

いわゆる建設現場の「現場監督」です。工事全体のスケジュール管理、安全管理、品質管理を行う司令塔ですが、有効求人倍率が非常に高く、圧倒的な売り手市場です。

国家資格(1級・2級)を持つ人材は、正社員としての高待遇はもちろん、フリーランスの「派遣技術者」としての働き方でも月収80万〜100万円を超えるケースがあります。体を使う仕事ではなく「管理する仕事」であるため、年齢を重ねても稼ぎ続けられる点が魅力です。

3. 配管工(給排水設備)

「緊急性」が高いため、価格競争に巻き込まれず高単価で受注できるのが最大の特徴です。 

住人にとって「水が出ない」「トイレが詰まった」といったトラブルは一刻を争う事態であり、即座に対応できる技術者には高い対価が支払われます。 リフォーム需要も堅調なため、大手の下請で安定させるか、Web集客で高利益な直案件を狙うか、戦略次第で大きく利益を伸ばせます。

4. クレーンオペレーター(移動式クレーン運転士)

建設現場で重い資材を吊り上げる、特殊技能職です。操作には専門の免許が必要で、かつ熟練の技術が求められるため、代わりが効きません。 一般的な作業員と比較して日当が高く設定されている上に、体への負担が比較的少ないため、長く現役で働ける点もメリットです。大規模な都市開発やインフラ整備が続く限り、仕事にあぶれることはないでしょう。

5. ビルメンテナンス(設備管理)

オフィスビル、商業施設、病院などの電気・空調・ボイラー設備を管理・点検する仕事です。

建設現場のような肉体的な厳しさが少なく、中高年からの再就職や独立でも人気があります。「第2種電気工事士」「ボイラー技士」「危険物取扱者」「冷凍機械責任者」の4点セットなど、複数の資格(ビルメン資格)を組み合わせることで資格手当が積み上がり、安定した高収入を得られます。独立して複数物件の管理を請け負うビジネスモデルも可能です。

人手不足で儲かる仕事【IT・Web・デジタル業界】

IT業界は慢性的な人材不足ですが、単にプログラミングができるだけでなく、特定の「解決困難な課題」に対応できる人材の市場価値が暴騰しています。

6. セキュリティエンジニア

サイバー攻撃のリスクが高まる中、企業にとってセキュリティ対策は「必須の投資」ですが、それに対応できる高度なスキルを持つ人材は極端に不足しています。

セキュリティ診断や事故後のフォレンジック(原因究明)など、代替の効かない専門業務であるため、フリーランスやコンサルタントとして独立すればトップクラスの単価設定が可能です。

7. レガシーシステムエンジニア(COBOL等)

銀行や官公庁の基幹システムなど、数十年前から稼働しているシステム(レガシーシステム)を扱えるベテランエンジニアが引退時期を迎えています(2025年の崖)。

一方で、若いエンジニアはモダンな言語を学ぶため、古い言語(COBOLなど)を扱える人材が枯渇しています。「システムの保守・改修ができる人がいない」という切実な状況により、希少価値による単価高騰が起きています。

8. DXコンサルタント

原価がほぼゼロであり、かつ継続的な手数料(ストック収入)を得られるため、極めて利益率が高い仕事です。

「デジタル化したいが何をしていいか分からない」という中小企業の悩みに対し、高額なシステム開発ではなく、既存のツール(チャットやクラウド会計など)を組み合わせて解決策を提示します。導入支援のコンサルティング料に加え、ツールの代理店報酬も積み上がるため、労働集約型から脱却しやすいビジネスモデルです。

9. AIエンジニア・データサイエンティスト

ChatGPTなどの生成AI活用や、ビッグデータ解析をビジネスに実装する仕事です。世界中で人材の争奪戦が起きており、日本企業も外資系並みの報酬を出して確保に動いています。 技術の進化スピードが速いため常に学習が必要ですが、「AIを使って業務時間を半分にする」「AIで売上予測モデルを作る」といった具体的な成果を出せる人材は、コンサルタントとして独立すれば青天井の報酬が期待できます。

人手不足で儲かる仕事【物流・運輸業界】

EC市場の拡大で荷物量は増え続けていますが、ドライバー不足は深刻です。「運ぶことができる」という機能自体に高い価値がつく時代になりました。

10. 危険物・特殊車両ドライバー

ガソリン、化学薬品などを運ぶタンクローリーや、巨大な重機を運ぶトレーラーの運転手です。大型免許に加え、牽引免許や危険物取扱者などの資格が必要となるため、参入障壁が高く、なり手が限られます。

一般的な宅配ドライバーと異なり、手積み手下ろしの重労働が少ないケースも多く、専門職として高待遇で迎えられます。個人事業主として車両を持ち込み、特定のルートを請け負うことで大きく稼ぐことができます。

11. ラストワンマイル配送(個人事業主)

Amazonや楽天などの荷物を、個人宅へ届ける最終区間の配送です。営業用ナンバー(黒ナンバー)1台あれば開業できるため、参入ハードルは低めです。 稼げる理由は「歩合制」にあります。AIによる配送ルート最適化アプリなどを駆使し、1時間あたりの配達個数を最大化することで、会社員の給与を大きく超える月収50万〜80万円を稼ぎ出す「プロドライバー」が増えています。

人手不足で儲かる仕事【医療・介護・ヘルスケア業界】

需要が絶対に消えない領域ですが、働き方を選ばないと疲弊します。「資格」を武器に、より利益率の高いポジションや独立を目指すのがポイントです。

12. 訪問看護ステーション(経営・独立)

国の方針で「病院から在宅へ」の流れが加速しており、訪問看護の需要は爆発的に伸びています。しかし、サービスを提供するステーションの数はまだ足りていません。 看護師資格を持つ人が独立開業するケースはもちろん、経営者が看護師を雇用してオーナーとして参入するケースも増えています。介護保険・医療保険の両方が適用されるため、報酬単価が高く、経営として軌道に乗れば非常に高い収益性を誇ります。

13. 薬剤師(地方・へき地勤務)

都市部では薬剤師が飽和しつつありますが、地方や離島、へき地では深刻な人手不足です。薬局を開けるには薬剤師の配置が必須であるため、経営者は高額な報酬を出してでも人を確保しようとします。期間限定の派遣や契約社員として、年収800万〜1,000万円クラスの条件提示や、住居費全額負担などの好待遇案件が多数存在します。働く場所を変えるだけで収入が倍増する典型例です。

14. 放射線技師・臨床工学技士(フリーランス・スポット)

MRIやCT、人工透析機などの高度医療機器を扱う専門職です。常勤としての働き方が一般的ですが、近年は健診センターや夜間救急、透析クリニックなどの「スポット(単発)業務」での需要が高まっています。資格とスキルがあれば、フリーランスとして複数の医療機関と契約し、高単価な日当を掛け持ちすることで、組織に縛られずに高収入を得る働き方が可能です。

15. 介護・障がい者グループホーム経営

直接介護を行うのではなく、軽度の障がい者などが共同生活を送る「グループホーム」をオーナーとして運営するビジネスです。

国からの給付金が収益の柱となるため景気変動に強く、入金トラブルもありません。一度入居が決まれば空室が出にくく、長期的に安定したストックビジネスとなります。社会貢献と収益性を両立できる事業です。

人手不足で儲かる仕事【観光・インバウンド・飲食業界】

コロナ禍を経て、インバウンド(訪日外国人)需要が復活・急増しています。ここで狙うべきは「薄利多売」ではなく、円安を背景にした外国人富裕層向けの「高付加価値サービス」です。

16. インバウンド対応コンシェルジュ・通訳ガイド

富裕層の外国人は、団体ツアーではなく、自分たちの興味に合わせたオーダーメイドの体験を求めます。語学力に加え、日本の文化・歴史・食に精通し、特別な体験をアレンジできるガイドは非常に不足しています。

以前は国家資格が必須でしたが、法改正により現在は資格がなくても有償ガイドが可能になりました。高額なガイド料に加え、満足度に応じたチップ収入が期待でき、実力次第で極めて高い年収を実現できます。

17. 出張シェフ・専門料理人

飲食業界は深刻な人手不足ですが、店舗を構えると家賃や人件費の高騰リスクがあります。そこで注目されているのが「店舗を持たない」出張シェフです。 ホームパーティー、別荘、企業のイベントなどに出向き、その場で料理を振る舞います。特に富裕層向けのサービスとして確立すれば、1食数万円〜という高単価設定が可能であり、原価以外の経費を極小化できるため、利益率が非常に高くなります。

人手不足で儲かる仕事【営業・コンサル・販売系】

「良いモノでも、売らなければ売れない」時代において、営業力のある人材は企業から最も求められています。固定給ではなく「成果報酬」を選ぶことで、収入の上限を外すことができます。

18. フルコミッション営業(不動産・保険・M&A)

基本給がない代わりに、売上の数〜数十%を報酬として受け取る完全歩合制の営業です。特に不動産投資やM&A仲介といった取引額が億単位になる商材では、たった1件の成約で数百万円から数千万円の報酬が入ることもあります。

リスクはありますが、営業力に自信がある人にとっては、元手なしで最も手っ取り早く高収入を得られる手段です。個人事業主として企業と業務委託契約を結ぶ形が一般的です。

19. 代理店ビジネス(SaaS・光回線等)

メーカーや通信会社の商品を代理で販売するビジネスです。在庫を持つ必要がなく、初期費用もほとんどかかりません。近年は、一度契約を取れば毎月手数料が入り続ける「ストック型」の商材(業務システム、ウォーターサーバー、電力契約など)が人気です。販売数を積み上げることで、労働時間を減らしながら収入を増やしていくことが可能です。

人手不足で儲かる仕事【特殊サービス・ニッチ産業】

「人が嫌がる」「精神的にきつい」「専門知識が必要」という3重のハードルがある仕事は、参入者が少ないため、常に売り手市場で高単価が維持されています。

20. 特殊清掃員

孤独死、自殺、事件現場などの清掃や、ゴミ屋敷の片付けを行う専門職です。遺体の痕跡を除去し、消臭・消毒を行い、原状回復させるには高度なノウハウが必要です。 精神的・肉体的な負担は大きいですが、依頼者にとっては「いくら払ってでも解決したい緊急の悩み」であるため、相場が高く設定されています。競合他社が参入しづらく、確かな技術があれば仕事が途切れることはありません。

21. 葬儀ディレクター・納棺師

多死社会を迎える日本において、葬儀関連の需要は今後も増加し続けます。中でも、故人の体を清め、死化粧を施して旅立ちの準備をする「納棺師」は、映画などの影響もあり注目されていますが、高度な技術と精神性が求められるため人材は希少です。 AIや機械による自動化が不可能な領域であり、遺族からの感謝が直接報酬に結びつく、やりがいと収益性を兼ね備えた仕事です。

22. 害虫・害獣駆除

シロアリ、ハチ、ネズミ、近年ではトコジラミなどの害虫・害獣を駆除する仕事です。衛生環境への意識の高まりや、空き家問題などを背景に需要が増えています。 現場での駆除作業(スポット収入)だけでなく、飲食店や工場の年間衛生管理契約(定期収入)を獲得することで、経営を安定させやすいのが特徴です。専門的な薬剤知識や、場合によっては狩猟免許が必要となるため、素人が簡単には真似できないビジネスです。

人手不足で儲かる仕事を選ぶポイント

単に人手が足りない業界に飛び込むだけでは、過酷な労働環境に巻き込まれるリスクがあります。以下の4点を基準に選びましょう。

1. 参入障壁があるか(資格・技術・許認可)

誰でも明日からできる仕事(単純労働)の人手不足は、単価が上がりにくい傾向があります。「国家資格が必要」「許認可が必要」「習得に3年かかる」といった他者が簡単に入ってこれない壁がある仕事を選んでください。ライバルが少ない状態が維持されます。

2. 機械やAIに代替されにくいか

「人手不足だから」といって、将来的にロボットやAIに置き換わる仕事を選んでしまうと、数年後に職を失います。「現場での臨機応変な対応(建設・工事)」や「高度な対人コミュニケーション(医療・コンサル)」など、人間ならではの価値が残る領域を見極めましょう。

3. 緊急性または深い悩みを解決するか

水漏れ修理(緊急性)や、相続・ゴミ屋敷(深い悩み)など、顧客が「高くてもいいから今すぐ解決してほしい」と感じる分野は、価格競争に巻き込まれにくく、利益率を高く保つことができます。

4. 労働から事業へ転換できるか

最初は自分が働いて稼ぐとしても、将来的に「人を雇って任せる」「仕組み化する」ことが可能な職種かどうかも重要です。例えば、配送ドライバーから始めて運送会社を作る、電気工事士から始めて施工会社を作るなど、将来の拡張性がある仕事は大きく儲かります。

人手不足を好機に変え、儲かる仕事を見つけよう

「人手不足」というニュースは、多くの企業にとっては経営リスクですが、これから会社設立や独立を目指す個人にとっては、これ以上ない「需要のシグナル」です。

世の中で「人手不足で儲かる仕事」と言われるものには、共通点があります。 それは、「人がやりたがらない」「人ができない(難しい)」「人が足りていない」という3つの要素が重なる領域にあるということです。

多くの人が避ける場所や、参入障壁が高い場所にこそ、大きな利益の源泉が眠っています。 ぜひこの記事を参考に、一時のブームではなく、構造的に勝ち続けられるあなただけの市場を見つけてください。


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