- 作成日 : 2024年7月10日
フォルダを一括作成するには?エクセルを使った方法を解説
ビジネスではプロジェクトの進行などで複数のフォルダが必要になることも多く、エクセルのフォルダ一括作成の機能が便利です。
一つひとつコピー&ペーストしてからフォルダ名を修正するといった手間がありません。
本記事では、エクセルでフォルダを一括作成する手順を紹介するとともに、下の階層にフォルダを作成する場合などを解説します。
目次
フォルダの一括作成が必要なケース
複数のプロジェクトを同時進行しているときや、社員ごとのデータをフォルダ管理するような場合、フォルダを複数作成しなければなりません。年度が変わるタイミングで、月ごとや拠点ごと、社員ごとのフォルダを作成しなければいけなかったり、多数の顧客ごとのフォルダが必要になったりする場合もあるでしょう。
フォルダの作成方法には、コピー&ペーストしてフォルダ名を修正するという方法があります。しかし、大量のフォルダを作成したい場合にひとつずつコピー&ペーストするのは効率が悪く、膨大な時間がかかります。
そのような場合に役立つのが、Excelのリストからフォルダを一括作成する方法です。Excelにフォルダ名のリストを作成するだけで、簡単に複数のフォルダを一括作成できます。
エクセルを利用したフォルダの一括作成
エクセルでは、マクロを使うことなく簡単に複数のフォルダを一括作成する方法があります。ここでは、エクセルでのフォルダを一括作成する手順を紹介します。
新しいブックを作成
まず、エクセルで新しいブックを作成します。ブック作成には起動時に作成する方法と、ブックを開いているときに新しいブックを作成する方法の2種類があります。
それぞれの手順は、以下のとおりです。
(エクセルの起動時にブックを作成する場合)
- Excel を起動する
- 空白のブックをクリックする(あるいはCtrl キーを押しながらNキーを押す)
- 入力を開始する
(ブックを開いているときに新しいブックを作成する)
ブックで作業中に、新しいブックを作成することもできます。
- 「ファイル」→「新規」の順にクリックする
- テンプレートをダブルクリックする
- クリックして入力を開始する
複数のブックを開いた場合、それぞれ別々のウィンドウで表示されます。
作成したいフォルダ名を記載
新しいブックのB列に、作成したいフォルダ名を入力していきます。A列にはこのあとにコマンドを記述するため、何も入力しないでください。
フォルダ名には使用できない文字があるため、注意しましょう。例えば「¥(円記号)」や「/(スラッシュ)」「:(コロン)」「*(アスタリスク」などは使用できません。
一例として、A社、B社という会社別のフォルダを作成するためのリストを作成しました。次の画像のように、作成するすべてのフォルダ名を入力してください。
「md」とコマンドを記述
B列の入力が終わったら、横のA列にすべて半角英字で「md」と入力します。mdは「make directory(メイク・ディレクトリ)」の略で、ディレクトリとはパソコン上でファイルを入れておくためのフォルダのことです。
「md」は、ディレクトリを作成するコマンドという意味になります。「mkdir 」と入力しても問題ありません。
コマンドとは、パソコンに特定の機能の実行を指示する命令のことです。フォルダの一括作成では、B列に記述したフォルダ名のディレクトリを、A列で作成するよう指示を出すために「md」を使用します。
「CSV」形式でファイルを保存
入力が完了したら、「CSV」形式でファイルを保存します。「名前を付けて保存」ダイアログボックスを開き、任意の名前をつけてフォルダを作成する場所に保存しましょう。
なお、CSVファイルとは「Comma Separated Values」の略で、各項目間がカンマ(,)で区切られたデータのことです。互換性が高く、エクセルやGoogleスプレッドシートなど、さまざまなソフトで閲覧・編集できます。データ容量も軽いため、データのやり取りに便利です。
ファイルの形式を変更する
ファイル形式を「CSV」から「BAT」に変更します。BATファイルは「バッチファイル」と読み、Windows環境で実行できるコマンド列を記述したテキストファイルのことです。拡張子が「.bat」のため、BATファイルと呼ばれます。
BATファイルは複数のコマンドが順次実行されるため、上からコマンドを書くことで順番で実行されることになります。一度バッチファイルを登録しておけば、まとめて処理を実行できる点がメリットです。
ファイル形式の変更は、該当フォルダの上で右クリックして「名前の変更」から行えます。拡張子を「.csv」から「.bat」へ変える作業で、「.」以降を手入力することで変更できます。変更すると「ファイルが使用できなくなる可能性がある」というアラートが出ますが、「はい」をクリックして問題ありません。
拡張子が表示されない場合は、「表示」タブで表示・非表示を切り替えましょう。手順は、次のとおりです。
- フォルダ上部の「表示」をクリックする
- 詳細のメニューが出てきたあとも「表示」をクリックする
- 「ファイル名拡張子」が表示されているため、クリックしてチェックを入れる
bat形式のファイルをダブルクリック
最後に、作成したBATファイルをダブルクリックすると、一気に複数のフォルダが作成されます。これで作業は完了です。異なる場所で大量のフォルダを開いてしまわないよう、クリックする前にフォルダの場所が間違いないか確認しておきましょう。
なお、ファイルの変更が面倒という場合、もうひとつの方法もあります。
- A列に入力する「md 」の後ろに半角スペース1文字を入れる
- B列に作りたいフォルダ名を入力する
- C列に数式で「 =A1&B1 」の数式を入れ、下の行にコピペする
- 最後にC列をコピーする
- 保存したいフォルダの中のアドレスバーに「cmd」と入力してEnterキーを押す
- コマンドプロンプトが起動するため、C列のコピーを貼り付ける
これでフォルダが一括作成されます。
下層フォルダまで併せて作成するには?
フォルダに下層フォルダを作成したい場合、「¥」を使用します。B列にフォルダ名を入力する工程で、「¥」に続いて任意のフォルダ名を記載することで、フォルダの下の階層に新たにフォルダが作成されます。
例えば、A社のフォルダに下層フォルダとして「請求書」と「領収書」を作成したい場合、「A社¥請求書¥領収書」と記載してください。
その後は同じ手順で進めていくことで、最後にBATファイルをダブルクリックすると下層フォルダも合わせて表示されます。
スペースを含んだファイル名を作成するには?
これまで説明した一括作成の手順では、フォルダ名に半角を含めることができません。半角を含めたまま作業を進めると、半角の前後でフォルダが分かれて作成されてしまいます。
例えば、「A社(半角スペース)営業部」と入力した場合、「A社」と「営業部」という2つのフォルダになってしまいます。
半角を含めたフォルダ名にしたい場合は、ダブルクオーテーション(“”)で囲ってフォルダ名を入力しましょう。上の例では、「”A社 営業部”」と入力することで、ひとつのフォルダができあがります。
エクセルで簡単にフォルダを一括作成しよう
大量のフォルダを同時に使いたいときは、エクセルで「md」コマンドを使い、一括作成ができます。作り方は簡単で、フォルダのリストを作り、フォルダ名と「md」を入力するだけです。合わせて、下層フォルダも作れます。
CSVファイルとして保存したのち、BATファイルに変更するという手順により、一括作成ができます。短時間で大量のフォルダを作成できるため、ぜひ参考にしてください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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