- 作成日 : 2024年7月24日
SharePointとは?特徴やサイトの作り方、料金、向いている企業を紹介
SharePoint(シェアポイント)は、社内での情報共有や管理に長けており、ポータルサイトも作成できる非常に多機能なサービスです。SharePointを導入するにあたって、料金や使い方をより詳しく知りたいという方もいるでしょう。
この記事では、SharePointにおける社内ポータルサイトの作り方だけでなく、料金プランや向いている企業の特徴について解説します。
目次
SharePoint(シェアポイント)とは、Microsoft社が提供しているソフトウェアであり、社内でファイルや情報の共有が円滑に行えるサービスです。共有されたデータはクラウド上に保存されるため、社外からでもアクセスできます。
また、目的に応じてポータルサイトを作成できるため、全社や部門別など範囲を制限した状態での運用も可能です。
企業向けファイル・情報共有ツール
SharePointは、企業向けに提供されているサービスです。サービス間で共有されたファイルは、複数のメンバーで同時編集を行えます。
また、マルチデバイスに対応しているため、移動中にスマートフォンやタブレットで確認することも可能です。場所を問わず共有されたデータにアクセスできるため、円滑に業務を進められます。
OneDriveとの違い
OneDriveとは、Microsoftが提供しているオンラインストレージサービスです。SharePointとOneDriveを比較した際の違いは、ポータルサイトの作成機能です。
OneDriveの場合、SharePointと同様にファイルの保存は行えますが、ポータルサイトの作成機能はありません。SharePointであればポータルサイトを作成できるため、社内での情報共有がしやすくなります。
また、SharePointはファイルを見つける際に、全文検索で探せます。一方で、OneDriveはファイル名での検索しか行えません。SharePointは複数人での利用を想定している企業向け、OneDriveは個人向けのサービスといえるでしょう。
ここでは、SharePointの機能特徴を解説します。SharePointはデータの共有だけでなく、さまざまな機能を活用することで、業務の効率化につなげられます。
社内ポータルサイト作成
SharePointを活用すれば、社内ポータルサイトの作成が可能です。社内ポータルサイトを用意するメリットは、分散しやすい情報を一元管理できることです。
SharePointではさまざまなテンプレートが用意されているため、通常よりも開発工数をかけずに社内の情報が集約できます。また、部門やプロジェクトごとにサイトを作成できるため、社内の目的に合わせた管理が可能です。
クラウド上での同時作業
SharePointでは、クラウド上で共有されたデータに対して、同時に複数人で作業が行えます。会議中に参加者全員でファイルの編集を行えるため、決定事項をまとめるだけでなく、企画立案のためのアイデア出しなどさまざまな活用が可能です。
以前と比べてテレワークを導入する企業や、オンラインで会議を行う企業が増えてきました。SharePointであれば遠隔で会議に参加している場合でもファイルの同時編集が可能になるため、業務効率の改善が見込めます。
ワークフローがシステム上で完了
SharePointの利用によって、ワークフローがシステム上で完了します。紙媒体を利用すると、印鑑をもらうために声かけが必要であったり、多忙により忘れてしまったりすることもあるでしょう。SharePointでワークフロー機能を活用すれば、システム上で行えるため承認フローを効率化できます。
また、フローを改善させる必要がある場合は、すぐに設定の変更が可能です。スマートフォンからも申請や承認が行えるため、紙媒体によるワークフローと比べて、スムーズに進められます。
アンケート作成
アンケート作成ができる点も、SharePointならではの特徴です。社内アンケートは会議のスケジュール調整を行う際や、特定のテーマに対して意見を募る際に活用できます。
複数の選択肢から選べるようにしたり、字数制限をかけた自由記入欄なども設定できたりするため、用途に合わせてさまざまなアンケートを実施できます。
ドキュメント管理
社内で使用するドキュメントの管理も、SharePointによって行える機能のひとつです。業務に必要なドキュメントは保存場所の管理ができていなければ、さまざまなツールに分散するおそれがあります。保存場所をSharePointに統一すれば、社内のドキュメント管理がスムーズに行えるでしょう。
また、複数人がデータの編集を行えるため、ドキュメントの更新を行う際も容易に対応できる点が魅力です。
Microsoft Officeとの連携
SharePointはMicrosoftが提供しているため、WordやPowerPointなど、企業で使用する機会が多いサービスと連携しやすいことも特徴です。SharePointをMicrosoft製品と連携すれば、各サービス内でファイルの編集を行えます。
Microsoft製品を積極的に活用している企業であれば、SharePointとの相性が良く業務の効率化につなげられます。
SharePointを利用する際は、事前に料金プランの契約が必要です。プランの契約はMicrosoft Office365内にある、SharePointのプランと価格ページの「今すぐ購入」から行えます。
SharePointの契約が済んだあとの手順は、以下のとおりです。
- Microsoft Office365にログインする
- 画面左上のアプリ起動ツールを選択する
- 「SharePoint」を選択する
アプリ起動ツールを選択しても表示されない場合は、検索窓で「SharePoint」と入力してください。
ここでは、SharePointの具体的な使い方を解説します。SharePointの基本となる使い方であるため、初めて利用する方はぜひ参考にしてください。
ファイルの共有
SharePointでファイルの共有を行う際の手順は、以下のとおりです。
- 左側にある「ドキュメント」タブを選択する
- 「ファイルをここにドラッグします」という表示の上で、ドラッグ&ドロップする
上記手順のほかに、ドキュメントを選択したあとで画面上部に表示される「同期」のボタンからも、ファイルの共有が可能です。
ポータルサイトの作成
SharePointでポータルサイト作成を行う際の手順は、以下のとおりです。
- 画面上部にある「サイトの作成」をクリックする
- 「チームサイト」または「コミュニケーションサイト」のどちらかを選択する
- サイトの作成に使用するテンプレートを選択する
- 「テンプレートを使用」 をクリックする
- 「サイト名」と「グループのメールアドレス」を入力する
- サイト情報のプライバシー設定を行う
- 言語を選択する
- 「Create サイト」をクリックする
- 「完了」をクリックする
項目自体は多いものの、手順通り進めていけば簡単にサイトを作成できます。
アンケートの作成
SharePointでアンケートを作成する際の手順は、以下のとおりです。
- 設定ボタンをクリックして、表示される項目のなかから「アプリの追加」をクリックする
- 検索ボックスに「アンケート」と入力する
- 表示された「アンケート」のアイコンをクリックする
- 「名前」にアンケート名を入力して、画面右下の「詳細オプション」をクリックする
- 「説明」にアンケートの概要を入力する
- 2つ設定できるアンケートのオプションをそれぞれ選択して、「次へ」をクリックする
- 「質問」でアンケートの質問内容を入力する
- 質問に対する回答の種類を選択する
- 複数質問を追加したい場合は「次の質問」を選択して、7~8の手順を繰り返す
- 「完了」を選択する
オプションの活用により、質問に対する回答を必須にしたり、テキスト入力欄に対して最大文字数の設定をしたりすることが可能です。
SharePointの料金プランは2つあります。
| プラン名 | SharePoint(プラン 1) | Microsoft 365 Business Standard |
| 料金(1ユーザーあたり) | 月額824円 ※税込み表記 ※年契約の場合 | 月額2,061円 ※税込み表記 ※年契約の場合 |
| 無料利用期間 | なし | 1ヶ月間無料で利用可能 |
※2024年6月14日現在
Microsoft 365 Business Standardは、SharePoint(プラン 1)と比較して、以下の機能が利用できます。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Outlook
- OneNote
- Teams
- Exchange
- Clipchamp
- Loop
- 独自の法人メールアドレス
SharePointを利用する際に、無料プランはありません。しかし、Microsoft 365 Business Standardでは、試用版を1ヶ月無料で利用できます。無料利用期間が終了すると、1年間の有料サブスクリプションに自動で移行されますが、適用日より前にキャンセルすれば課金されません。
また、SharePoint(プラン 1)は年単位の支払いであれば毎月824円で利用できます。
SharePointの導入が向いている企業について解説します。SharePointはファイル共有やサイトの作成に限らず、さまざまな機能を搭載しています。自社で導入しようか迷っている担当者の方は、参考にしてください。
Microsoft製品を既に使用している企業
Microsoft製品をすでに使用している企業であれば、SharePointをより効果的に活用できます。なぜなら、SharePointはさまざまなMicrosoft製品と連携できるからです。
すでにMicrosoft365の法人契約を行っている場合は、追加料金がかからずにSharePointを利用できるケースもあります。新たにポータルサイトや情報共有ツールを導入する際、SharePointであればライセンスの管理がしやすいこともメリットです。
複数の拠点、遠隔地にオフィスがある企業
複数の拠点や遠隔地にオフィスがある企業においても、SharePointの利用がおすすめです。オフィスが離れていても、クラウド上でファイルの共有・編集が行え、ワークフロー機能を活用できるからです。
書類の決裁を申請したり、承認したりするためだけにオフィスへ訪れる必要もありません。
生産性の向上を目指している企業
生産性の向上を目指している企業においても、SharePointは有効なツールとして活用できるはずです。なぜなら、SharePointは社内のデータ管理や共有に長けているからです。
業務の効率化が叫ばれる近年でも、いまだにアナログなフローが残っている企業も多いでしょう。SharePointであればクラウド上にデータを保存したり、社内のドキュメントを一括管理できたりするため、生産性向上につながります。
社内ポータルサイトの運用を考えている企業
社内ポータルサイトの運用を考えている企業であれば、SharePointがおすすめです。SharePointであれば、サイトの作成・運用工数を大幅に削減できるからです。
新たに自社でポータルサイトを作成する場合は、必要な機能を検討する段階から開発工数が発生します。一方で、SharePointはポータルサイト運用に必要な機能がすでに搭載されています。サイトを作成するのに時間がかからず、すぐに運用を開始できる点がSharePointの強みです。
セキュリティが重要な企業
セキュリティ面が不安な企業においても、SharePointは有力な選択肢になります。なぜなら、提供元であるMicrosoft 365ではアップロードするファイルをスキャンする、ウイルス検出エンジンを使用しているからです。
情報漏えいの観点においては、SharePointは権限を設定できる範囲が指定できるため、アップロードしたデータが外部に漏れることはありません。ただし、人為的なミスで外部に権限を付与すると、データの閲覧ができるようになるため注意が必要です。
SharePointを導入する際の注意点は、ある程度自社の運用ルールを決めておく必要があることです。新しいツールを導入しても、ルールが整備されていなければ業務の効率化につながりません。運用目的は企業によって変わるため、事前にルールを決めておきましょう。
操作自体は比較的簡単であるものの、ITに詳しくない方の場合、導入当初は慣れるまでに時間がかかる場合もあります。そのため、社員への周知や導入後にサポートを行える人材の確保や育成が必要です。
また、簡単に社内ポータルサイトを作成できる反面、完全に自由にデザインすることはできません。決められたテンプレートを活用するため、カスタマイズの余地が少ない点はデメリットといえます。
SharePointは、社内でファイルや情報の共有が円滑に行えるサービスです。ポータルサイトの作成もできるため、社内情報の一元化など業務効率の改善につながります。
SharePointにおける社内ポータルサイトの作り方は簡単で、複雑なHTMLを理解する必要がないため開発工数を抑えられます。ワークフローの整備やアンケート作成も行えるため、多機能な社内ポータルサイトの導入を検討している方は、SharePointの活用がおすすめです。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選【部署別紹介】
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