- 更新日 : 2024年4月30日
プレゼンを成功させるコツとは?話し方や構成・資料作成の工夫を紹介
多くの社会人にとってプレゼンの担当者になる機会は頻繁に訪れます。営業担当者が社外の担当者に向けてプレゼンをするのはもちろん、自社内で上司に向けて業務報告をしたり、新人教育をしたりするのはほかの部署でも起こります。事前に成功のコツを知り、適切な準備をすれば、伝わりやすく相手を動かすプレゼンができるでしょう。
当記事では、プレゼンを成功させるコツとして、基本構成や資料作成、話し方、事前準備のコツを紹介します。
プレゼンを成功させるコツとは?
そもそもよいプレゼン(プレゼンテーション)とは、聞き手に最後まで興味を持って聞いてもらい、聞き手の心や行動に変化をもたらすプレゼンのことです。
説得力のあるプレゼンをするコツとしては、以下の3つがあります。
プレゼンの目的を明確にする
まずはプレゼンの目的を明確にしましょう。プレゼンター自身が目的を理解できていなければ、説得力のあるプレゼンにはなりません。
前提として、プレゼンに共通する目的は「聞き手の行動を促す」ことです。どのような行動を促すかはプレゼンごとに異なるため、促したい行動を明確化させる必要があります。
プレゼンで促す行動の例は「取引先に提案を受け入れてもらう」「相手に商品・サービスを購入してもらう」などです。聞き手にとっては興味・検討段階であったテーマを、プレゼンを通して行動段階へと引き上げることで、プレゼンの目的を達成できます。
「聞き手の行動を促す」という目的を理解し、自分のプレゼンで促したい行動の内容を明確化できていれば、説得力を生むプレゼンをしやすくなります。
聞き手を想定する
プレゼンで聞き手の行動を促すには、聞き手が誰なのかを想定してプレゼンを伝えることが大切です。
プレゼンはテーマによって聞き手が異なるだけでなく、同一テーマであっても会場やタイミングで聞き手の属性・人数などは変わります。聞き手に合わせた内容を用意しなければ、聞き手の行動を促すプレゼンはできません。
聞き手を想定する際は、下記のようなポイントで聞き手を明確化します。
- 聞き手の属性を確かめる(個人か法人か、役職や年齢層など)
- 人数の規模を考える
- テーマへの興味・関心の強さを把握する
例として、社内向けの商品開発プレゼンであれば「社内の役職者であり、30~50人程度の規模で、テーマに強い興味・関心と知識がある」聞き手を想定します。
聞き手の想定にもとづき、プレゼンで伝える内容や資料を準備しましょう。
事前の準備をしっかりと行う
プレゼンの成功には事前の準備が欠かせません。事前の準備をしっかりと行うと、プレゼンの段取りをスムーズに進められるようになり、聞き手がプレゼンに集中できます。
プレゼンの事前準備としては、主に下記の内容を行いましょう。
- 事前に練習し、プレゼンの段取りを確認する
- スライド資料や配布資料を作成・修正する
- プレゼン会場を下見する
- 使用する機材を確認する
など
近年は、Web会議ツールなどを使用したオンライン形式のプレゼンも増えています。オンライン形式のプレゼンでは「パソコンの画面共有設定に問題がないか」「聞き手の環境に合わせて資料のファイルサイズを圧縮しているか」なども確認しましょう。
プレゼンの基本構成のコツ
プレゼンの基本構成は「序論」で始まり、「本論」で要点を伝えて、「結論」で締めくくる三段構成です。
それぞれの構成で伝えるべきポイントやコツを紹介します。
1、序論
序論はテーマの説明や、プレゼンを行う理由などを伝える導入パートです。序論で聞き手にテーマへの興味を持ってもらえると、プレゼンを最後まで聞いてもらいやすくなります。
2、本論
本論は、プレゼンを通して最も伝えたいことを話すパートです。序論で説明したテーマについて、資料のデータ・グラフや具体例を用いながら解説します。
さらに解説を根拠として、プレゼンの目的である聞き手に促したい行動を主張しましょう。
本論は説明の展開に矛盾がなく、論理的に一貫していることが重要です。
3、結論
結論は、プレゼンのクロージングを行うパートです。プレゼンのテーマ・理由を繰り返し述べて、本論で展開した主張を改めて聞き手に伝えます。
結論の後に質疑応答の時間を設けることもあります。
序論・本論・結論の基本構成を意識すると、論理的に内容を伝えて聞き手の行動を促すプレゼンができます。
プレゼンの資料作成のコツ
プレゼン資料のスライド作成では、以下のコツを押さえましょう。
スライド1論点に絞る
1枚のスライドに多くの情報を詰め込むと視認性が低くなるため、1スライド1論点に絞ります。
スライドの枚数が増えたとしても、見やすさを重視したほうが聞き手の理解を深められて効果的です。
文字や画像を見やすく配置する
スライドデザインはグルーピングを意識して、文字や画像を見やすく配置しましょう。
グルーピングとは、関連性が高い情報を近づけ、反対に関連性が低い情報は遠ざけて配置するテクニックです。グルーピングを意識したスライドは、聞き手が情報を素早く理解できます。
また、遠い座席の聞き手も見えるように文字を適切な色・フォントサイズにしたり、重要な数字はサイズを大きくしたりすることが大切です。
アニメーション効果は適正な量に絞る
アニメーション効果はデータの要点やグラフの推移を伝える際に役立つものの、使いすぎると動きに注目させる効果が薄れて、聞き手の集中力低下も招きます。
アニメーション効果は適正な量に絞り、プレゼン資料の中で最も効果的なポイントで使用してください。
「まとめ」など終わりのスライドを用意する
結論のパートにも「まとめ」など終わりのスライドを用意しましょう。
終わりのスライドでプレゼンの要点をまとめると、プレゼン内容が聞き手の記憶に定着しやすくなります。聞き手の行動を促す上で、終わりのスライドは欠かせないコツです。
効果的な資料作りができると、内容の説明や論点の整理がしやすくなって、プレゼン成功の可能性を高められます。
プレゼンの話し方のコツ
プレゼンで最も重要なのはプレゼンター自身の話し方です。
説明の段取りが丁寧で、分かりやすい資料が提示されていても、話し方が説得力に欠けていると聞き手の心は動かせません。
プレゼンの話し方のコツとして8つのポイントを紹介します。
話の出だしを大事にする
プレゼンの序論では聞き手の心をつかむよう、話の出だしを大事にしましょう。
登壇したプレゼンターが話し始める「出だし」は、聞き手の集中力が最も高いタイミングです。話の出だしで聞き手の心をつかむと、聞き手の高い集中力を保ったまま本論へと移行できます。
話の出だしで聞き手の心をつかむテクニックは、主に下記の3つです。
- インパクトのある言葉で、聞き手の心を刺激する
- 聞き手が抱きやすい疑問と解決策を提示する
- 聞き手の悩みに寄り添い、共感を抱かせる
いずれの方法が効果的かは聞き手によって異なります。想定した聞き手の目線で考え、適切な出だしを作ることが大切です。
アイスブレイクを入れる
会場の雰囲気が張りつめているときや、自分の緊張を感じられるときは、アイスブレイクを入れます。
アイスブレイクとは、場の雰囲気を和らげるために行う雑談やゲームのことです。
簡単な○×ゲームやじゃんけんは時間をあまり使わず、聞き手全体を巻き込めるアイスブレイクとなります。プレゼンター自身の自己紹介も、聞き手が飽きないようにインパクトのある内容にすればアイスブレイクとして使えます。
プレゼンの出だしにアイスブレイクを入れると、プレゼンターと聞き手の緊張がほぐれ、双方の距離感を縮めることが可能です。
大きな声でゆっくりと話す
プレゼンでは大きな声でゆっくりと話しましょう。声量が小さかったり、話すスピードが速かったりすると、聞き手にプレゼン内容が伝わりません。
プレゼンの声量は、会場の一番後ろにいる聞き手よりも、さらに一列後ろへと届けることを意識してください。一番後ろにいる聞き手を超えられる声量にすると、聞き手全員へと確実に声を届けられます。
話すスピードは、50~60字の文章を10秒で話すくらいを心がけるとよいでしょう。
ボディーランゲージを意識して話す
ボディーランゲージを意識して話すと、プレゼン内容について聞き手により強い印象を与えられます。
ボディーランゲージとは身振り・手振りのことで、言語を使わないコミュニケーション手段です。説明の合間にボディーランゲージを使って、聞き手に視覚的な効果を与えましょう。
「肯定的な内容は大きく頷きながら話す」「否定的な内容では首を左右に振る」「重要なデータを手でなぞって示す」などがプレゼンで使えるボディーランゲージの例です。
専門用語はかんたんな言葉に言い換える
プレゼン内容で専門用語が出てくるときは、なるべくかんたんな言葉に言い換えてください。
聞き手の中には専門用語の意味を知らない方がいます。専門用語が頻発するプレゼンにすると、意味を理解できない聞き手は内容に興味を持てなくなり、「聞き手の行動を促す」目的が達成できません。
プレゼンの原稿を作成した後は、聞き手の立場になって「理解が難しい専門用語はないか」「もっとかんたんな表現はできないか」を検討しましょう。
「ええと」などつなぎ言葉は使わない
プレゼンで話すときは「ええと」「えー」「あのー」などのつなぎ言葉は使わないようにします。
つなぎ言葉は、話の間をつなごうとするときや、言葉を思い出そうとするときに自然と口から出る言葉です。つなぎ言葉を多用すると説明の流れが分断されて、聞き手がプレゼン内容に集中できません。
「プレゼンの練習をする」「原稿を覚えて全体の流れを把握する」といった対策を行うと、つなぎ言葉を使う頻度を減らせます。
原稿はなるべく見ない
プレゼン中は原稿やカンニングペーパー、スライドなどをなるべく見ず、聞き手のほうを向いて話しましょう。
原稿を見ていると聞き手のほうを向けず、聞き手の表情や反応が分かりません。聞き手の理解度はどの程度か、発表内容に興味を持っているかを把握できず、単に原稿をそのまま話すだけとなります。
聞き手側も、原稿から顔を上げないプレゼンターにはよい印象を抱けません。「自信がない」「原稿を棒読みしている」という悪い印象を聞き手が持つようになり、プレゼン失敗につながります。
原稿をなるべく見ないためにはプレゼンの練習をしっかりと行い、原稿を覚えてプレゼンの自信をつけることが大切です。
体験談を盛り込む
プレゼンに体験談を盛り込むと、自分が伝えたいメッセージを具体的に説明できます。
体験談はプレゼンターの身の回りで起きた出来事であり、聞き手にも起こり得る内容です。プレゼンのテーマにかかわる体験談を語ることで、聞き手は体験談への共感を通じてプレゼンのテーマ・メッセージの理解を深められます。
プレゼンに盛り込む体験談は、特別な経験ではなく、普遍的な出来事のほうがおすすめです。誰にでも起こり得る体験談は聞き手の共感を得やすく、理解を深める効果を高められます。
プレゼンの事前準備のコツ
プレゼンを成功させるには事前準備も重要です。事前準備はプレゼンのリハーサルを兼ねていて、準備をしっかりと行うと自信を持ちやすくなります。
以下に挙げるような事前準備をすれば、自信を持ってプレゼン当日に臨めるでしょう。
自分のプレゼンを撮影して確認する
自分のプレゼンをビデオカメラやスマートフォンで撮影して、自分自身で確認する方法です。自分のプレゼンを客観視する機会が作れます。
録画データを確認するときは、自分を聞き手の立場に置いてプレゼンを見ましょう。「プレゼンのテーマをきちんと説明できているか」を中心に、「プレゼン中に手元ばかり見ていないか」「声が徐々に小さくなっていないか」などを確認します。
また、確認をしながらよかったポイント・直すべきポイントも紙に書き出しましょう。書き出したポイントをもとに改善を進めると、プレゼンの上達につながります。
他人にプレゼンを聞いてもらう
家族・友人などにプレゼンを聞いてもらう方法です。他人の前で話すことに慣れておくと、実際のプレゼンで話すときにも緊張しにくくなり、スムーズに話せるようになります。
練習でプレゼンを聞いてもらった後は、「内容が伝わったか」「話し方は分かりやすかったか」などの点でフィードバックを求めましょう。フィードバックから改善点を分析して、プレゼンの上達ができます。
可能であれば、本番の聞き手と近い属性を持つ方や、聞き手の立場を理解できる方を練習相手に選ぶことがおすすめです。本番の聞き手に近い方からフィードバックをもらったほうが、より具体的な改善につなげられます。
プレゼンがうまい人を真似する
プレゼンがうまい人を真似して、自分のプレゼン力向上につながるポイントを探す方法です。
プレゼンを練習する際は、プレゼンがうまい人の声の抑揚や間の取り方、話の進め方などが参考になります。すべては真似できなくても、いくつかのポイントを習得できればプレゼンスキルが向上するでしょう。
プレゼンがうまい人を真似するには、動画サイトで魅力的なプレゼンができている人を探す方法があります。
また、職場の先輩や上司でプレゼンが得意な人がいる場合は、プレゼンのコツを聞いたりアドバイスを求めたりしてもよいでしょう。
よいプレゼンテーションは準備と練習が大切
プレゼンを成功させるコツは、「何を、誰に向けて話し、どのように行動してもらうと成功なのか」を意識し、事前準備と練習を行うことです。話の組み立て方は分かりやすいか、資料は見やすいか、話し方は聞き取りやすくスムーズか、といった点を録画・録音して自分で見直すとよいでしょう。
また、家族や友人、可能であれば本番の聞き手に近い立ち位置の方にプレゼンを聞いてもらい、フィードバックをもらうとプレゼンの上達につながります。ほかにも、プレゼンがうまい人の話し方を参考にするのもおすすめです。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選【部署別紹介】
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