- 作成日 : 2025年5月28日
スマホ文字起こしアプリSpeechy Liteとは?無料版と有料との違い、使い方を解説
会議やインタビュー、日常のアイデアメモなど、音声をテキストに変換したい場面は意外と多くあります。しかし、テキスト入力による手作業での文字起こしは時間がかかり、業務の負担にもなりがちです。Speechy Liteは、そうした負担を減らすために役立つスマートフォン向けの文字起こしアプリです。
この記事では、Speechy Liteの特徴や無料版でできること、有料版や他のアプリと比べたときの違いをわかりやすくご紹介します。
目次
Speechy Liteとは?
Speechy Lite(スピーチーライト)とは、マイクに向かって話すだけで、画面上に文字が表示されていく「リアルタイム文字起こし」や、すでに録音した音声ファイルをアプリに取り込んでテキスト化する機能があるiOS専用のアプリです。
また、文字起こしされたテキストは、アプリ上でそのまま編集したり、他のアプリ(メール、クラウドサービス、メモ帳など)に送ったりと、業務にも応用しやすい仕組みになっています。
Speechy Liteアプリの開発・運営は中国のJihua Zheng氏によって行われており、2025年5月時点で88ヶ国以上の言語に対応し、会議や授業、語学学習など多様なシーンで利用されています。
このアプリは、特に以下のような点で多くのビジネスパーソンに支持されています。
- 直感的に使えるシンプルな操作性
アプリを開いてすぐに録音開始できる、迷わず使える設計がされています。 - スマホ1台で完結する利便性
出先や移動中など、パソコンが手元にない状況でもすぐに録音・文字起こしが可能です。 - 保存・共有機能が充実
文字に起こしたテキストをそのままメール送信したり、別のアプリと連携して共有したりすることもできます。
Speechy Liteは、難しい設定なしにすぐ使える手軽さと、スマホ1台で完結する利便性を兼ね備えており、業務の合間に「すぐメモしたい」「後で議事録にしたい」といった場面で活躍します。
【無料版】Speechy Liteで使える機能と制限
無料版のSpeechy Liteでは、主に以下の機能が利用できます。
- リアルタイム文字起こし
スマートフォンのマイクから拾った音声を、その場でテキストに変換する機能です。会議やプレゼン、講義などの場面で、「聞きながら記録」が可能になります。 - 録音済みファイルの文字起こし
MP3やM4Aなどの形式で保存された音声ファイルを読み込み、文字起こしを実行できます。たとえば、ボイスメモなどで録音した音声ファイルを読み込む場合、アプリ内の「音声ファイルをインポート」ボタンからファイルを選択することで処理が始まります。 - テキストの保存と共有
変換されたテキストはアプリ内に保存できる他、メール、メッセージアプリ、クラウドストレージ(Dropbox、Google Driveなど)と連携して簡単に共有することが可能です。 - 基本的なテキスト編集
自動変換された文字は100%正確とは限らないため、アプリ内でテキストを修正できます。誤字脱字の修正、句読点の追加、段落の整形といった基本的な編集操作が行えます。
Speechy Lite無料版の機能制限
無料版ではいくつかの時間制限や機能の制限があります。以下に、無料版の主な制限事項をまとめます。
- 時間の制限
1回の録音・文字起こし時間には制限があります。そのため、長時間の会議やインタビューなどには不向きです。 - 機能の制限
オフラインモードでの利用、「ひらがな」や「カタカナ」への自由変換機能など、高度な機能は利用できません。 - 広告表示
アプリ使用中に広告が表示されます。頻度や表示方法はバージョンにより異なりますが、業務中に使う場合は少し煩わしく感じるかもしれません。
Speechy Liteの無料版と有料版の違い
Speechy Liteには、「無料版」と、月額料金を支払うことでアップグレードできる「Pro版(有料版)」があります。どちらもスマートフォンひとつで音声をテキストに変換できる点は共通していますが、利用できる時間や機能にいくつか大きな違いがあります。
機能 | 無料版 | 有料版(Pro) |
---|---|---|
利用料金 | 無料 | 月額880円 |
録音・文字起こし時間の制限 | あり | 無制限(長時間の音声も一括変換可能) |
広告の表示 | あり | なし |
テキスト編集機能 | 可能 | 可能 |
話者分離機能(誰が話したかの区別) | 利用可能 | 利用可能 |
オフライン利用 | 不可 | 可能(通信環境が不安定でも使える) |
多言語対応 | あり | あり |
サポート・アップデート優先度 | 標準 | 優先対応あり |
Speechy Liteの基本的な使い方
Speechy Liteの基本的な使い方を紹介します。
リアルタイム録音で音声をその場で文字にする
Speechy Liteを開くと、すぐに録音用のマイクボタンが目に入ります。リアルタイム録音とは、このボタンをタップしてスマートフォンのマイクで音声を拾いながら、その場で文字起こしをしていく機能です。
左上のメニューアイコンをタップすると、Speechy Liteの設定メニューが表示されます。初期設定では「音声認識モード」が、1人用になっていますが、打合せなどの議事録用に使用するような場合は、複数用に変更するのがおすすめです。
また、「音声録音」の設定では、録音時に音声ファイルも同時に保存するかを選べます。初期設定はONですが、テキストのみ保存したい場合はOFFに変更します。
その他にも、「テキストカウント」をONにすると文字数が表示されたり、テキストのフォントサイズや背景色、クリップボードへ自動コピーなどを設定したりすることも可能です。
操作は非常に簡単で、録音用のマイクボタンをタップすると録音が始まり、それと同時に画面上にテキストがリアルタイムで表示されます。まさに「話した内容がすぐ文字になる」感覚で、議事録やアイデアメモ、ちょっとした備忘録などに適しています。
左下のアイコンをタップすると、音声認識を行ったデータがリストとして表示されます。リストから録音した項目をタップ後、再生ボタンを押すと音声が再生できます。また、音声認識で作成されたテキストの内容が誤っていた場合は、テキスト部分をタップすることで修正ができます。
精度を高めるコツ:
- 周囲が静かな場所を選びましょう。空調音や話し声が多い環境では誤変換の原因になります。
- スマートフォンのマイクに口元を近づけ、明瞭にゆっくり話すことで認識が安定します。
- 会話形式(複数人)の録音は、発話が重なると精度が落ちやすいため、1人ずつ話すよう意識するとより良い結果が得られます。
リアルタイム録音は、手軽にすぐ使える反面、音声の品質が仕上がりに大きく影響します。録音が終わったら、変換されたテキストを確認し、必要に応じて修正しましょう。
録音済みの音声ファイルを読み込んで文字起こしする
リアルタイム録音以外にも、あらかじめ録音した音声ファイルを読み込んで文字起こしする方法があります。会議やインタビューをボイスメモや別アプリで録音してある場合に便利です。
アプリ内の「音声ファイルをインポート」ボタンをタップすると、スマートフォンのストレージに保存されている音声ファイルを選択できます。対応する主なファイル形式はMP3、M4A、AACなどです。
音声ファイルを読み込み、「再生」ボタンをタップすると、Speechy Liteが自動的に文字起こしを開始し、テキストが画面に表示されます。「停止」ボタンをタップし、「保存」ボタンをタップすると、テキストデータ込みの音声データが作成されます。音声の長さによっては、変換に少し時間がかかることもありますが、多くの場合は数秒〜数分以内に完了します。
注意点:
- 一部のファイル形式は非対応の可能性があるため、事前に変換しておくと安心です。
- ファイルサイズが大きすぎると読み込みに失敗することがあります。アプリのバージョンにより上限が異なるので注意が必要です。
変換後は、リアルタイム録音と同様に、人名・日付・専門用語の誤変換や、会話の意味が通じているかを確認し、必要があれば編集機能で調整しましょう。
編集・保存・共有の方法
編集する
文字起こしされたテキストは、アプリ上でそのまま編集できます。画面に表示されたテキストエリアをタップすると、スマートフォンのキーボードが表示され、通常のメモアプリのように文字の追加や削除、修正が行えます。
編集でよく行われる操作:
- 誤変換の修正(例:「営業」を「栄養」と誤認識した場合など)
- 句読点の追加や段落分けによる読みやすさの向上
- 発言者の名前を追記(例:「佐藤:この件については…」)
- 余分な言いよどみや「あー、えー」といった音声的な癖の削除
このような微調整を加えることで、より読みやすく、他の人にも伝わりやすいテキストに整えることができます。
保存する
編集が終わったテキストは、アプリ内に保存されます。左下のアイコンをタップすると、ファイルがリストで表示されるため、会議ごと、案件ごとにタイトル名を工夫して付けておくと、後で探しやすくなります。
共有する
文字起こししたテキストは、アプリから直接他のサービスへ送信できます。画面上にある「共有」ボタンをタップすると、利用しているアプリ一覧が表示され、送信先を選ぶことができます。
対応している主な共有先:
- メール(Gmail、Outlook など)
- チャットツール(LINE、Slack、Messenger など)
- メモ・記録アプリ(Evernote、Google Keep、Notion など)
- クラウドサービス(Dropbox、Google Drive)
議事録をチームに共有したり、報告書の下書きとして送信したりと、さまざまな業務用途にスムーズにつなげることができます。
Speechy Liteで上手く文字起こしできない場合の対処方法
Speechy Liteで上手く文字起こしできない、文字起こしの精度が低い場合は下記を試してみましょう。それでも解決しない場合は、公式サポート窓口に問い合わせするなどして、使用環境や不具合の状況を詳しく伝えましょう。
周辺の環境や音声の録り方を確認する
Speechy Liteの文字起こしの精度が低いと思ったら、周辺の環境や話し方も確認してみます。
音声品質を上げるコツ:
- できるだけ静かな場所で録音する
空調の音、キーボードの打鍵音、人の話し声など、余計な音が入るとAIは正しく判断できません。 - マイクの位置を調整する
スマートフォンのマイクは小さいため、なるべく口元に近づけて、明瞭に、はっきりと話すようにしましょう。外部マイクが使える場合は、ピンマイクなど指向性の高いものがおすすめです。 - 話すスピードを意識する
早口で話すと、単語が認識されにくくなります。落ち着いて、一語一語を区切って話すと変換精度が上がります。 - 話者が重ならないようにする
複数人が同時に話すと、どちらの音声も曖昧に処理されてしまいます。1人ずつ順番に話すのが理想です。
アプリが反応しない・操作できないとき
Speechy Liteが起動しない、録音ボタンが押せない、文字起こしが止まってしまう、そんなときは、次のような点を順番に確認してみましょう。
基本的な確認事項:
- アプリの再起動:アプリを一度完全に終了し、再度起動します。
- スマートフォンの再起動:OS側の一時的な不具合を解消できます。
- 最新バージョンへの更新:App StoreでSpeechy Liteの更新がないか確認しましょう。
- OSのアップデート:古いiOSではアプリとの互換性がとれないことがあります。
- マイクのアクセス許可を確認:スマートフォンの設定 → アプリ → Speechy Lite → マイク許可をオンにしましょう。
- ストレージの空き容量を確認:容量不足が原因で録音ができないケースがあります。
- インターネット接続を確認:クラウド処理を行う場合は通信環境も重要です。Wi-Fiやモバイル回線が安定しているか確認しましょう。
専門用語や固有名詞が変換されないときの対策
Speechy Liteをはじめとした音声認識アプリは、日常会話や一般的な単語には強い反面、専門用語や社名、人名などの変換を苦手とする傾向があります。
改善のためにできること:
- 話すときにゆっくり、明確に発音する
特に固有名詞や専門用語は、少し強調して発音するだけでも認識率が変わります。 - 文字起こし後に手動で修正する
Speechy Liteには編集機能があるため、重要な部分だけでも確認して修正を加えることが大切です。
専門的な内容や業務資料に使用する場合には、編集の時間も見込んだうえで使うことをおすすめします。
Speechy Liteと他の文字起こしツールとの違い
Speechy Liteは、多機能なクラウド型サービスと比べると機能面でシンプルですが、その分操作は直感的で、スマホだけで使いたい方にとっては十分な実用性があります。ツールを選ぶ際は、用途や作業スタイルに合わせて、どこに重きを置くかを考えると良いでしょう。
Googleドキュメントの音声入力との違い
Googleドキュメントの音声入力は、パソコンのマイクを使って話した言葉をその場でテキスト化できる便利な機能です。入力精度も比較的高く、Googleアカウントがあればすぐに使える手軽さもあります。ただし、基本的にはブラウザでの利用が前提となっており、スマートフォンでは操作しづらく、あらかじめ録音した音声ファイルを文字起こしすることはできません。
Speechy Liteは、録音と文字変換をスマホ1台で行えるため、パソコンを使わずにメモをとりたいときや外出先で記録を残したいときに便利です。
Nottaとの違い
Nottaは、文字起こしに加えて、キーワードの抽出、翻訳、Webとの連携など、業務の中で幅広く活用できる機能を備えています。スマホアプリに加え、PCブラウザでも操作できるため、データの管理や編集を複数デバイスで行いたい人にとって使いやすい設計です。Speechy Liteはそれに比べて機能はややシンプルですが、登録や初期設定の手間が少なく、すぐに使い始められる点が強みです。文字起こしが初めての人や、頻繁な編集を前提としない短時間の記録に向いています。
Otter.aiとの違い
Otter.aiは、話者ごとの自動識別やタイムスタンプの付与、クラウドベースでの共同編集など、会議や講義の記録を正確かつ効率的に行いたい場面に適しています。特に英語での認識精度が高く、国際的な利用も視野に入れた設計がされています。一方で、日本語に関しては認識のばらつきが見られるケースもあり、やや使いこなしに慣れが必要です。Speechy Liteは、日本語でのシンプルな文字起こしに絞った構成で、スマートフォンからすぐ操作できるため、日々の記録や短い会話の整理に適しています。
Speechy Liteはスマホで手軽に文字起こしができるアプリ
Speechy Liteは、スマートフォンで手軽に文字起こしができるアプリで、無料で試せる点や操作のシンプルさが特徴です。ただし、機能や精度には限りがあり、長時間の録音や高度な処理には向かない場合もあります。他の文字起こしツールと比べながら、用途や使い方に合うかどうかを見極めたうえで検討すると良いでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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