• 更新日 : 2026年1月14日

SMARTフレームワークとは?5つの要素やメリット・使い方を解説

SMARTフレームワークは、Specific・Measurable・Achievable・Related(Relevant)・Time-boundの5要素で構成され、曖昧な目標を達成可能で再現性のある形に変えるための手法です。1981年に提唱されて以来、企業の評価制度から個人のキャリア形成まで幅広い場面で活用されています。

本記事では、SMARTの各要素、活用メリット、注意点、MBO・OKR・KPIツリーなど他フレームワークとの組み合わせ方まで体系的に解説します。

目標設定の質を高め、組織の成果につなげたい方はぜひご覧ください。

SMARTフレームワークとは?

SMARTフレームワークとは、目標を具体的かつ実行可能な形に整理するための目標設定手法です。SMARTは、以下の頭文字を取ったものです。

  1. Specific(具体的)
  2. Measurable(測定可能)
  3. Achievable(達成可能)
  4. Related/Relevant(経営目標に関連している)
  5. Time-bound(期限を明確に)

1981年にジョージ・T・ドラン氏によって提唱され、現在ではビジネスや人事評価、キャリア形成など、さまざまな分野で活用されているフレームワークです。SMARTを用いることで、曖昧になりがちな目標を具体的で実行可能な形に変換でき、成果を可視化しやすくなります。

また、組織の方向性と個人の目標を整合させることで、評価や成長の基準が明確になり、モチベーションを高める効果も期待できます。

SMARTの5つの要素

SMARTの5つの要素は、目標を明確で測定可能かつ実現性のある形に整理するための基準です。それぞれの要素を意識することで、行動につながりやすい目標設定が可能になります。

1. Specific(具体的である)

目標は、誰が見ても同じ意味で理解できるように具体的に設定する必要があります。たとえば売上を伸ばすという表現ではなく、第2四半期で新規顧客を10%増加させるといった形に具体化します。

目標が曖昧なままだと、取るべき行動が明確にならず、成果の測定もできません。言葉を具体化することで、チーム全員が同じ方向を向いて行動できます。

2. Measurable(測定可能である)

成果や進捗を定量的に評価できる指標を設けることが求められます。数値化することで達成度を客観的に確認でき、改善策の立案も容易に可能です。

顧客満足度を5%向上させる、不良品率を3%以下に削減するといった数値目標を設定することで、目標の達成状況が明確になります。測定可能な目標は、PDCAサイクルを円滑に回すための基盤となります。

3. Achievable(達成可能である)

目標は、現実的で努力すれば達成できる水準に設定することが求められます。高すぎる目標は達成困難となり、モチベーションの低下を招きます。

一方で、簡単すぎる目標では成長につながりません。背伸びすれば届くレベルを意識し、必要なリソースやスキル、期間を踏まえて実行可能性を確認することが重要です。

4. Related/Relevant(経営目標に関連している)

個人や部署の目標は、組織全体の方針や経営戦略と関連している必要があります。目標が企業のビジョンと一致していない場合、成果が分散し、組織としての力を発揮しにくくなります。

たとえばオンライン商談比率を75%まで引き上げるといったように、全社方針と連動した目標設定が必要です。関連性のある目標は、組織の一体感と達成意欲を高めます。

5. Time-bound(期限を明確にする)

目標には、いつまでに達成するかという期限を具体的に定めることが不可欠です。期限を設定することで行動の優先順位が明確になり、計画的に取り組めます。

期限が曖昧な場合、行動が後回しになり、成果が出にくくなります。半年以内や今期中にといった形で期限を明確にすることで、進捗確認や修正もしやすくなるでしょう。

SMARTを活用するメリット

SMARTを導入すると、目標の質が高まり、個人・組織のパフォーマンスを最大化しやすくなります。曖昧だった目標を具体化し、達成までの道筋を明確にできるためです。

また、組織のビジョンや戦略と整合させながら目標を設計できることで、全社的な方向性が揃い、実行力も高まります。さらに、定量的かつ期限付きの目標は評価の基準を明確にし、納得感のある人事考課にもつながります。

目標が明確になり、行動計画が立てやすくなる

SMARTを用いることで、曖昧になりがちな目標を具体化でき、日々の業務で取るべきアクションが明確になります。誰が何をいつまでに実行するのかが整理されるため、役割分担や進行管理が容易に可能です。

また、数値や期限を設定することで優先順位をつけやすくなり、PDCAサイクルを回しやすくなります。抽象的な表現を避け、定量的な目標に落とし込むことで、行動計画の精度が高まります。

組織全体の方向性を共有しやすくなる

組織のビジョンや戦略と個人目標を整合させることで、組織全体として一貫性のある行動が可能です。部門ごとにSMARTを用いて目標を設計することで、全社的なベクトルが揃いやすくなります。

チームメンバー間で共通認識を持てるため、協働の質が向上し、目標の整合性が取れることで戦略の実行力も高まります。

公平な評価・人事考課につながる

定量的で期限が明確な目標を設定することで、評価基準が明確になります。何をどの程度達成したかを可視化できるため、主観に偏らない客観的な評価が可能です。

上司と部下の間で評価のすり合わせが行いやすくなり、不満や誤解の発生を抑えられます。SMARTは後ほど紹介するMBOやOKRなどの評価制度とも連動しやすく、人事考課の透明性向上につながります。

モチベーションやチームワークの向上につながる

達成可能だと感じられる目標は、個人のやる気を引き出します。目標達成後の報酬や成長が見えることで、継続的に挑戦しようとする意欲が育つでしょう。

また、共有された明確な目標があることで、チームの一体感や協力体制が強化されます。進捗が見える状態を保つことで達成感を得やすくなり、モチベーションの維持にもつながります。

SMARTを活用するときの注意点

SMARTフレームワークは、目標を具体化し行動につなげやすい有効な手法ですが、運用方法を誤ると期待した効果が得られない場合があります。

評価や認識のズレが生じると、モチベーション低下や不信感につながるため、導入時にはいくつかの注意点を押さえましょう。

ここでは、SMARTを活用する際に意識すべきポイントを解説します。

評価基準を明確にする

SMARTで目標を設定しても、何をもって達成とするのかを定義していなければ、評価が曖昧になってしまいます。定量的な数値目標だけでなく、成果の質や取り組み姿勢などの定性的な評価指標も含めて、事前に明確にしておくことが重要です。

評価基準が不明確なままでは、結果に対する判断が属人的になり、部下の納得感や上司への信頼感を損なう原因になります。客観的に判断できる評価基準を設定することで、人事考課の透明性が高まり、公平な評価につなげられます。

上司・部下・チーム間で認識を合わせる

設定した目標に対する共通理解が不足していると、進捗のズレや業務上の混乱が起きやすくなります。SMARTで定めた目標について、上司の期待と部下の意志を丁寧にすり合わせることで、目標に対する納得感を高められるでしょう。

また、定期的に進捗を確認する機会を設けることで、状況に応じた軌道修正がしやすくなります。認識の不一致を放置すると、業務の方向性がずれたり、評価結果への不満が生じたりするため、関係者間での継続的な共有と対話が欠かせません。

SMARTと組み合わせて使いたい他のフレームワーク

SMARTフレームワークは、目標を具体化し実行可能な形に整理するうえで非常に有効ですが、組織全体との整合性や行動プロセスの設計までを単独で網羅するには限界があります。

SMARTと相性の良い他のフレームワークを組み合わせることで、目標設定の精度を高めるだけでなく、実行力や成果創出力を飛躍的に向上できるでしょう。

ここでは、SMARTと併用することで効果を発揮する代表的なフレームワークを解説します。

MBO(目標管理制度)

MBOはManagement by Objectivesの略称で、上司と部下が共同で目標を設定し、その達成度に基づいて評価を行う制度です。半期や四半期といった一定のタイミングで目標を見直すサイクルを持つため、個人の目標と組織戦略との整合性を保ちやすい特徴があります。

SMARTと組み合わせることで、MBOにおける目標が具体的かつ測定可能になり、進捗確認や評価基準を明確にできます。さらに、組織目標との関連性を意識して目標を設計することで、個々の業務が全体最適化に貢献する形に調整可能です。

評価結果を適切にフィードバックすることで、社員のモチベーション向上や能力開発にもつながります。

OKR(Objectives and Key Results:目標と主要成果)

OKRはObjectives(目標)とKey Results(主要成果)を組み合わせ、目標の達成度合いを数値で測定するフレームワークです。MBOと比べて短期視点で運用され、挑戦的で野心的な目標を掲げる傾向があり、達成率は50~70%程度を想定します。

SMARTを活用することで、OKRのKey Resultsを明確かつ測定可能な指標として設定しやすくなります。人事評価とは連動させず、失敗も許容される文化の中で革新性や自発性を引き出すことを重視する点が特徴です。

そのため、ベンチャー企業や変革を志向する組織で多く導入されています。

KPIツリー

KPIツリーは、最上位の目標であるKGIから逆算し、必要なKPIを階層構造で整理するフレームワークです。目標達成までのプロセスを可視化することで、どの要素が成果に影響しているのかを明確にできます。

SMARTのMeasurableを補完する役割を持ち、チーム単位や個人単位の目標設定にも活用可能です。KPIはアクセス数や問い合わせ件数、商談数などの定量データで構成され、SMARTと併用することで戦略の実行力が高まります。

プロジェクトマネジメントや営業活動の精緻な設計において効果を発揮します。

原田メソッド

原田メソッドは、自分と他者、有形と無形という4つの観点から目標の意味や動機を明確にする、心理学的要素を含む手法です。

SMARTの具体性や関連性と連動させることで、目標の意義や行動計画をより明確にできます。目的を深く掘り下げることで、モチベーションが維持しやすく、継続性の高い目標設計が可能です。

自己成長や内面的な動機づけに強みがあり、個人のキャリア形成にも効果を発揮します。

マンダラチャート

マンダラチャートは、9×9の81マスを用いて目標を視覚的に分解・整理するフレームワークです。

SMARTと併用することで、具体的な行動計画を多角的に設計できます。中心から放射状にアイデアを展開する構造により、検討漏れの少ない計画立案が可能になります。

全体像を俯瞰しやすいため、個人目標だけでなく、組織的なプロジェクト計画にも活用しやすい点が特徴です。

SMARTER(評価・承認を加えた発展型)

SMARTERは、SMARTにEvaluatedとRecognizedの2要素を加えた発展型フレームワークです。

上司や関係者からの適切な評価や承認を受けることで、目標の現実性や妥当性が担保されます。目標設定段階で方向性のすり合わせが可能になり、組織内の一貫性と納得感を生み出します。

さらに、評価や承認を組み込むことで、個人の動機づけや目標達成後の成長戦略にも効果的です。育成型の人事評価や1on1ミーティングとも親和性が高く、マネジメント手法としても適しています。


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