- 更新日 : 2026年3月25日
外国人雇用労務士とは?年収や資格取得のメリット、試験について解説
外国人雇用労務士とは、一般社団法人全国外国人雇用推進機構が認定する、外国人材雇用の実務能力を証明する民間資格です。
- 不法就労リスクの回避や業務効率化に貢献
- 第7回試験の合格率は69.97%と高水準
- 資格維持には2年ごとの更新講習が必須
Q:国家資格ですか?
A:いいえ、受験資格がなく自宅受験(IBT)も可能な民間資格のため、実務知識を習得したい社会人や学生に適しています。
外国人労働者の雇用は今後も増えることが予想されるため、外国人雇用労務士は将来性のある資格だといえるでしょう。
しかし、外国人雇用労務士は比較的新しい資格なため、情報が少なく資格を取得すべきか悩む方もいるでしょう。
この記事では、外国人雇用労務士の年収や資格取得のメリット、活かせる仕事、試験概要などを解説します。
目次
外国人雇用労務士とは?
外国人雇用労務士とは、外国人の雇用に関する包括的な知識や実務スキルがあることを証明できる資格です。外国人雇用労務士について、資格概要や活かせる仕事などを解説します。
外国人雇用労務士は国家資格ではなく民間資格
外国人雇用労務士は国家資格ではなく、一般社団法人全国外国人雇用推進機構が実施する民間資格です。2022年に誕生した比較的新しい資格で、外国⼈雇⽤に関する専門的な知識と実践的な能力があることを証明できます。
日本では少子化による労働人口不足の影響で、外国人を積極的に採用する企業が増加しており、外国人雇用に関する知識のニーズが高まっています。今後も外国人雇用は増えると予想されるため、外国人雇用に関する専門知識を持つ人は、企業にとって貴重な人材です。
そのため、外国人雇用労務士は、外国人雇用に関する課題解決やトラブル防止にも役立つ資格として注目されています。
外国人雇用労務士と外国人雇用管理主任者の違い
外国人雇用労務士に似ている資格として、外国人雇用管理主任者が挙げられます。
外国人雇用管理主任者は、2019年に誕生した民間資格です。どちらも外国人雇用に関する専門知識があることを証明できる資格ですが、認定団体や試験方法などに違いがあります。
外国人雇用労務士と外国人雇用管理主任者の違いは、以下のとおりです。
| 資格 | 外国人雇用労務士 | 外国人雇用管理主任者 |
|---|---|---|
| 認定団体 | 一般社団法人全国外国人雇用推進機構 | 外国人雇用支援センター(運営者:LEC東京リーガルマインド) |
| 試験方式 | IBT方式 (自宅のパソコンで受験) | CBT方式 (全国のテストセンターで受験) |
| 出題形式 | 四肢択一方式/80問 | 四肢択一方式/50問 |
| 更新頻度 | 2年 | 3年 |
参考:外国人雇用労務士(外労士)資格概要|一般社団法人 全国外国人雇用推進機構
参考:外国人雇用管理主任者|外国人雇用支援センター
外国人雇用労務士の資格が活かせる仕事
外国人雇用労務士の資格が活かせる仕事として、以下が挙げられます。
- 人事労務担当者
- キャリアコンサルタントやコーチ
- 人材サービスのスタッフ
- 教育機関や日本語学校の職員や教師
- 自治体や国際交流の促進に携わるNPO職員
- 社会保険労務士
- 行政書士
外国人雇用を行う企業の人事労務担当者が資格を取得すると、履歴書の内容から在留資格や就労可能な業務などを予測できるメリットがあります。専門的な知識により、不法就労や手続き漏れなどのトラブルも防げます。
資格を取得することで、外国人雇用に強い専門性をアピールできるため、キャリアアップにも効果的です。
国際情勢や語学に興味がある大学生や専門学校生も、資格を取得できます。そのため、就職活動で、外国人雇用に関する幅広い知識があることを企業にアピールするためにも役立ちます。
この記事をお読みの方におすすめのガイド4選
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労働条件通知書・雇用契約書の労務トラブル回避メソッド
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外国人雇用労務士の年収は?
外国人雇用労務士は新しい資格なので、年収に関する情報はまだ少ないです。会社によっては資格手当が支給される可能性があります。資格自体による年収の目安は明確ではありませんが、スキルアップによる年収アップが期待できるでしょう。
たとえば、企業の人事担当者が資格を活かすことで、外国人雇用の実務責任者として高評価を得られる可能性があります。フリーランスやコンサルタントとして活動したり、他の専門資格と併用したりすれば、さらに年収アップを図れます。
外国人雇用労務士の資格取得のメリットは?
リスク管理能力の向上、業務効率化、そしてキャリアの差別化が実現できます。
複雑な在留資格・労務管理の手続きがスムーズになる
外国人雇用には、日本人とは異なる労働法令や入管法の知識が必要です。資格学習を通じて体系的な知識が身につくため、都度調べる時間が削減され、書類不備による審査遅延などのロスを最小限に抑えられます。
不法就労助長罪などの法的リスクを回避できる
知識不足による不法就労は、企業にとって致命的なリスク(最大で事業停止など)となります。在留カードの確認方法や雇用制限の範囲を正しく理解することで、企業と外国人材双方を守る「防波堤」としての役割を果たせます。
外国人材に強い専門家として差別化できる
2026年現在、外国人雇用に対応できる社労士や人事コンサルタントはまだ少数派です。名刺やプロフィールに資格を記載することで、競合他社や他の求職者との明確な差別化要因となります。
外国人雇用労務士試験の概要と難易度
合格率は約60〜70%と高めですが、油断せず公認テキストによる対策が必須です。
試験概要
試験は完全オンライン(IBT方式)で行われ、年2回(春・秋)実施されています。
試験合格後に、外国人雇用労務士登録講習を受講することで、外国人雇用労務士の資格が付与されます。
外国人雇用労務士試験の概要は、以下のとおりです。
| 試験概要 | 内容 |
|---|---|
| 試験方式 | IBT方式(自宅で受験可能) |
| 出題形式 | 四肢択一式(80問) |
| 試験時間 | 2時間30分(試験120分・本人認証30分) |
| 受験料 | 8,900円(税込) |
| 試験合格後の登録講習 | 5,000円(税込) |
| 支払方法 | クレジットカード決済 |
参考:外国人雇用労務士(外労士)資格試験|一般社団法人 全国外国人雇用推進機構
試験時間は2時間30分となっていますが、30分は本人認証や動作確認の時間になるため、問題の解答に使えるのは2時間です。
試験に合格し、登録講習を受講すれば、2年間有効の登録証が発行されます。資格を継続して所有するためには、更新講習の受講が必要です。
受験資格
受験に必要な資格や実務経験はないため、特別な学歴や職歴がなくても誰でも受験可能です。実務経験なしでも受験できるので、これから外国人雇用に関わりたい方でもチャレンジできます。
社会人はもちろん、学生や主婦、転職を考える方にも開かれた資格です。ただし、以下に該当する場合は受験ができないため注意しましょう。
- 成年被後見人または、被保佐人
- 禁固以上の刑に処され、刑の執行が完了または刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない方
- 破産者で復権を得ていない方
申し込みから資格認定までの流れ
外国人雇用労務士試験は、申し込みから資格認定まですべてオンラインで行われます。流れは、以下のとおりです。
- 会員登録
- 試験申し込み
- 試験当日(オンライン受験)
- 登録講習(オンライン視聴)
- 資格認定
試験は年2回(春・冬)実施され、試験の日程や申し込み日は公式サイトで公開されます。
試験当日は、公式サイトのマイページから受験が可能で、合格発表は約1ヶ月後です。会員登録したメールアドレスに試験結果の案内が届き、マイページから合否を確認できます。
合格後は、資格認定のための登録講習(オンライン)の受講が必要です。登録講習の受講後、資格が付与され、登録した住所宛に資格証が郵送されます。
試験問題の内容
試験問題は、外国人雇用労務士公認テキストブックに記載されている範囲で出題されます。主な試験の内容は以下のとおりです。
- 外国人雇用総論
- 外国人労働者の人権
- 外国人労働者の採用と入管法
- 外国人労働者の労務・法務
- 人事制度と人事管理
公認テキストブックを中心に試験対策を進めましょう。問題集や過去問は販売されていませんが、2022年11月に実施されたウェビナーでサンプル問題が公開されています。試験実施2週間前から「直前対策講座」が配信されることもあるため、公式サイトを確認することをおすすめします。
難易度と合格率
合格率は約70%と比較的高い水準ですが、専門用語が多く出題されるため専用の対策は必須です。
外国人雇用労務士は、落とすための試験ではなく「実務知識の習得」を確認する試験であるため、しっかりと学習すれば合格しやすい難易度と言えます。
直近で実施された試験結果は以下のとおりです。
- 実施日:2025年11月23日(日)
- 受験者数:323人
- 合格者数:226人
- 合格率:69.97%
参考:第7回外国人雇用労務士試験 受験者データにつきまして|一般社団法人 全国外国人雇用推進機構
合格率は約7割で推移しており、国家資格の社労士や行政書士と比較すると挑戦しやすい試験です。
ただし、受験者数が300名を超えて増加傾向にあり、企業からの注目度が高まっています。油断せず、公認テキストの内容を確実に理解しておくことが合格への近道です。
外国人雇用労務士資格の注意点は?
資格には「2年間の有効期限」があり、試験合格後には「登録講習」の受講が必須です。
せっかく試験に合格しても、手続きや更新を忘れると資格を名乗れなくなるため、以下の2点に注意してください。
外国人雇用労務士資格の有効期限は2年間
資格を維持するには、2年ごとの「更新講習」の受講が必須です。
外国人雇用に関連する入管法や制度(育成就労など)は頻繁に改正されるため、常に最新の知識へアップデートする必要があるからです。 更新講習を受講せずに期限が切れると資格は失効し、「外国人雇用労務士」の名称を使用できなくなります。
- 更新頻度:2年ごと
- 更新費用:5,000円(税込)
試験に合格しただけでは外国人雇用労務士を名乗れない
試験合格後、「登録講習」を受講・修了して初めて資格認定されます。
試験への合格はあくまで「知識レベルの確認」であり、実務家としての登録手続きが別途必要だからです。 合格者にはオンライン登録講習の案内が届くため、必ずマイページから受講してください。
この講習を経て認定証が発行され、正式に履歴書や名刺への記載が可能になります。
外国人雇用労務士の知識で入退社手続きのトラブルを防ぐ
入退社手続きにおけるトラブルの実態
外国人雇用の場面に限らず、企業の人事労務担当者は入退社手続きにおいて様々な課題に直面します。マネーフォワード クラウドが実施した調査によると、入退社手続きでトラブルが発生する主な原因として最も多いのは「本人(入退社する従業員)の対応の遅れ・不備」で、35.3%でした。また、次いで多いのは「人事担当者の知識不足・確認ミス」で、30.8%という結果が出ています。
専門知識の習得が業務の円滑化につながる
調査結果からわかるように、担当者自身の知識不足も手続きにおけるトラブルの大きな要因となっています。特に外国人雇用においては、在留資格の確認や日本人とは異なる労務管理の手続きが必要となるため、より高度な専門知識が求められます。
外国人雇用労務士の資格学習を通じて体系的な知識を身につけることで、担当者の確認ミスを防ぎ、複雑な手続きをスムーズに進めることが可能になります。資格取得は、人事労務担当者の業務負担を軽減し、予期せぬトラブルを回避するための有効な手段といえるでしょう。
出典:マネーフォワード クラウド、トラブルが発生する主な原因【入退社に関する調査データ】(回答者:入退社手続き経験者597名、集計期間:2026年2月実施)
外国人雇用労務士の資格を取得して外国人雇用に役立てよう
外国人雇用労務士は、外国人雇用における実践的な知識やスキルがあることを証明できる資格です。履歴書や名刺にも記載でき、専門性の高い人材としての信頼性を高められます。
業務の幅を広げたい方やキャリアアップを目指す方におすすめの資格です。外国人雇用の専門知識を身に付けて、業務や就職活動に役立てましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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