• 作成日 : 2026年3月25日

働き方改革を成功に導くリモートワークとは?企業が知るべきポイントを解説

Point働き方改革にリモートワークはなぜ必要?

リモートワークは、働き方改革を実現する有効な手段になります。

  • 長時間労働の是正と生産性向上に直結
  • 育児・介護と仕事の両立を支援
  • 非常時の事業継続性(BCP)を強化

リモートワーク導入で企業が得られる効果として、 離職防止・人材確保・コスト削減・企業イメージ向上などがあります。

働き方改革の推進とともに、リモートワーク(テレワーク)は現代の企業にとって重要な選択肢となりました。時間や場所にとらわれずに働けるこのスタイルは、従業員のワークライフバランスを整え、生産性向上や人材確保にもつながります。

本記事では、「働き方改革とリモートワーク」というキーワードを軸に、基本的な意味から導入メリット、直面する課題と解決策、導入手順を解説します。

リモートワークとは?テレワークとの違いはある?

リモートワークとテレワークは、どちらもオフィスに出社せず仕事を行う柔軟な働き方を指す言葉ですが、それぞれに背景や使用される場面に違いがあります。

リモートワークは「離れて働くこと」を表す用語

リモートワークとは、会社のオフィスに出社せず、自宅やコワーキングスペース、カフェなどから業務を行う働き方を意味します。インターネットやクラウドサービスなどICTを活用し、場所にとらわれない働き方を実現する点が特徴です。特にIT業界を中心に広まった用語であり、制度というより実務的なニュアンスが強い言葉です。

テレワークは公的な用語

テレワークは「tele(遠隔)」と「work(働く)」を組み合わせた言葉で、総務省では「ICT(情報通信技術)を活用した時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」と定義されています。テレワークは雇用型と自営型に大別され、雇用型ではさらに「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3形態に分類されます。行政文書やガイドラインでは主にこの用語が使われており、制度設計や助成金申請などでは「テレワーク」と表記するのが一般的です。

参考:テレワークの意義・効果|総務省

意味はほぼ同じだが、使われ方に違いがある

リモートワークとテレワークは、意味としてはほぼ同義ですが、使われる場面に違いがあります。テレワークは制度的・公的文脈で使われる一方、リモートワークは社内の実務やカジュアルな場面でよく用いられます。企業内での説明やルール作成には「テレワーク」を使い、従業員向けの案内など日常的な場面では「リモートワーク」を使うなど、適切に使い分けることができます。

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働き方改革においてリモートワークが重要な理由は?

リモートワークは、政府が進める働き方改革の重要な施策の一つと位置付けられています。長時間労働の是正や多様な人材の活用といった改革の目的に合致しており、企業・社会全体にとって多くの利点があります。

柔軟な働き方がワークライフバランスを改善する

リモートワークの導入により、働く場所や時間に柔軟性が生まれます。通勤時間の削減や生活リズムの調整が可能になることで、仕事と家庭の両立がしやすくなり、従業員のストレス軽減や健康維持にもつながります。特に育児や介護を抱える従業員にとって、離職を回避しながら働き続けられる環境は大きな支援となります。

生産性の向上と人材活用が進む

ICTを活用した業務の効率化により、生産性が高まる効果も期待されています。また、地域やライフスタイルに縛られず人材を採用できるため、多様なスキルや背景を持つ人材を活かすことができます。これは、慢性的な人手不足への対策としても有効です。

社会的課題の解決にも役立つ

リモートワークは、災害や感染症といった緊急時においても事業を継続する手段として有効です。加えて、大都市圏の通勤混雑の緩和や地方への人材還流による地域活性化など、社会全体にも良い影響を与えるとされています。

このように、リモートワークは勤務形態の選択肢にとどまらず、働き方改革を実現するための有力な手段として位置付けられています。

企業がリモートワークを導入するメリットは?

リモートワークの導入は、働く場所を変えるという意味にとどまらず、企業にとってさまざまな経営的・人的資源の利点をもたらします。ここでは、そのメリットを整理します。

離職防止・人材確保につながる柔軟な働き方の実現

リモートワークの最大のメリットの一つは、場所や時間にとらわれない働き方を実現できることです。これにより、育児や介護との両立を希望する人や、地方在住の人材など、通勤困難な状況にある場合でも継続的に働ける環境が整います。結果として、従業員の離職を防ぎつつ、優秀な人材の確保にもつながります。さらに、勤務地に制限がなくなることで、採用範囲が国内外に広がり、多様性のある組織づくりも可能になります。

コスト削減と業務効率の向上が実現できる

リモートワークは、企業の固定費削減にも貢献します。出社率を抑えることでオフィス面積を縮小し、賃料や光熱費などのコストを抑えることができます。また、通勤手当の削減も可能です。加えて、通勤による肉体的・精神的な負担がなくなることで従業員の集中力が高まり、生産性向上にもつながります。さらに、リモートワーク導入を契機として、業務の見直しや評価制度の再設計が行われ、業務の効率化やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進にもつながります。

社会的評価の向上と事業継続性の強化

柔軟な働き方を支援する企業は、従業員思いの先進的な企業として社内外から好印象を得やすく、採用ブランディングや企業イメージの向上にも寄与します。また、リモートワーク体制を整えておくことで、災害や感染症といった非常時にも事業を止めずに運営できる強さが得られます。これは、事業継続計画(BCP)の観点からも重要であり、企業の信頼性や持続可能性の向上に直結します。

リモートワークの導入でありがちな課題と解決策は?

リモートワークは多くのメリットをもたらしますが、同時にさまざまな課題も発生します。代表的なものとして、セキュリティリスク、コミュニケーションの断絶、勤怠管理や評価の難しさが挙げられます。

【セキュリティの不安】技術とルールの策定で対応する

リモート環境では、社外からのアクセスが前提となるため、マルウェア感染、端末の紛失・盗難、通信の傍受、不正アクセスといったリスクが増加します。これに対応するためには、VPNの導入や通信の暗号化といった技術的なセキュリティ対策が必須です。

また、ウイルス対策ソフトの更新やアクセス権限の制御などの基本的な運用管理も重要です。さらに、従業員に対しては、パスワードの適正管理やデータ持ち出しルールの徹底など、セキュリティ意識を高める教育が欠かせません。総務省が発行している「テレワークセキュリティガイドライン」を参考に、企業規模に応じたセキュリティ体制の整備を進めると良いでしょう。

参考:テレワークセキュリティ ガイドライン|総務省

【孤立や情報不足】ICT活用と社内支援が有効

在宅勤務者は物理的に職場から離れているため、対面での雑談や気軽な相談の機会が減り、孤立感を抱くことがあります。加えて、出社しているメンバーとの間で情報格差が生じ、業務に支障をきたすことも少なくありません。

このような課題に対しては、Web会議システムやチャットツール、バーチャルオフィスといったICTツールを活用し、常時連絡が取れる環境を整えることが効果的です。また、オンラインでの定例会議や1on1面談を通じて上司や同僚と接点を持つ機会を増やすことも有効です。さらに、必要に応じてサテライトオフィスやコワーキングスペースの利用支援制度を設けることで、働く場所の選択肢を広げ、心理的・物理的な孤立を軽減することができます。

【勤怠管理や人事評価の難しさ】システムの見直しで制度の安定運用を図る

リモートワークにおける勤怠管理や人事評価の課題は、企業側の不安要素として根強く存在します。特に、勤務実態の把握が難しい、評価が属人的になりやすいといった点が指摘されています。

これに対しては、勤怠管理システムの導入による労働時間の客観的な記録や、業務プロセスの見直しによって成果に基づく評価制度へと移行する取り組みが求められます。また、テレワークに関する就業規則の整備も必要です。勤務開始・終了の報告ルール、時間外労働の取り扱い、費用負担の範囲などを明文化し、従業員と企業双方が安心して運用できる制度設計を行うことが望まれます。

さらに、導入初期には一部の部門や週1日の在宅勤務から試験的に始め、徐々に制度を拡大していく段階的なアプローチが有効です。多くの企業で、試験導入を通じて運用上の課題を確認しつつ本格導入に移行した事例が見られ、最初から完璧を目指すのではなく、試行錯誤を前提とした柔軟な姿勢が成功のポイントです。

働き方改革を意識したリモートワークの導入手順は?

働き方改革の一環としてリモートワークを導入するには、計画的なステップを踏むことが重要です。以下では、企業がリモートワークを円滑に導入し、働き方改革の効果を最大化するための手順を解説します。

① 導入の目的と基本方針を明確にする

まず最初に行うべきは、「なぜリモートワークを導入するのか」という目的の明確化です。人材確保、離職防止、業務効率の向上、BCP(事業継続計画)対策など、企業ごとに導入の狙いは異なります。目的を明確にすることで、制度設計の方向性が定まり、社内の理解と協力も得やすくなります。

あわせて、導入対象となる部門・職種や勤務頻度(例:週2日まで)、対象者の選定基準など、基本的な運用方針を決定します。これらは後の社内制度やルール設計の土台となるため、導入初期の段階で丁寧に整理する必要があります。

② 制度・就業規則を整備する

次に必要となるのが、社内規程の整備です。リモートワーク中の勤務時間の管理方法、通信費や機材費の負担区分、情報セキュリティルールなどを明文化し、就業規則や社内マニュアルに反映させます。

勤怠管理については、オンラインでの打刻や業務報告の方法を定め、時間外労働の扱いや休憩取得ルールも具体的に定めておくことが望まれます。制度面の曖昧さは後のトラブルにつながるため、できる限り詳細に記載し、従業員への周知徹底も行いましょう。

③ ICT環境とセキュリティ対策を構築する

リモートワークにはICT環境の整備が欠かせません。社外から安全にアクセスできるVPNやクラウドストレージ、業務効率化ツール(例:Slack、Zoom、Google Workspaceなど)の導入が必要です。

あわせて、業務端末にはセキュリティ対策ソフトを導入し、アクセス制限や暗号化の設定を行います。また、情報漏えいを防ぐため、従業員へのセキュリティ教育も定期的に実施すると効果的です。

④ 小規模な試行から段階的に展開する

準備が整ったら、まずは特定の部門やチームに限定してリモートワークを試験的に導入します。「週1日の在宅勤務を1か月間試行する」といった形で始めると、現場の反応や運用上の課題を把握しやすくなります。

試行期間中は、対象者へのヒアリングや業務成果の評価を行い、課題を洗い出して制度や運用を改善します。その後、対象部門や実施頻度を徐々に拡大し、最終的には全社的な定着を目指します。こうした段階的な導入は、無理なく制度を根付かせるうえで効果的です。

リモートワーク導入で働き方改革をさらに推進しよう

リモートワーク(テレワーク)の活用は、働き方改革を前進させる強力な原動力となります。場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を自社に根付かせて、従業員の働きがい向上と企業の持続的な成長につなげていきましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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