- 更新日 : 2026年2月19日
育休の申請期限はいつまで?取得条件・延長・給付金の手続きまで解説
育児休業の申請期限は、制度ごとに異なり最短で「休業開始の2週間前」です。
- 通常の育休:1カ月前まで
- 産後パパ育休:2週間前まで
- 延長申請:子の誕生日の2週間前まで
育休の申請が遅れても取得自体は可能ですが、開始日を会社に調整される場合があります。
育児休業(育休)を取得するには、法律で定められた申請期限を守って会社へ申し出る必要があります。とはいえ、育休制度には通常の育児休業だけでなく、「産後パパ育休」や延長申請、育児休業給付金の手続きなど、複数の種類があり、それぞれに異なる期限や申請方法があります。
本記事では、育休の申請期限を軸に、制度の概要・必要な手続き・期限を過ぎた場合の扱いなどを解説します。
目次
育児休業とは?取得できる条件・期間は?
育児休業とは、育児のために一定期間仕事を休むことができる制度で、法律により定められています。男女問わず取得可能であり、条件を満たせば正社員以外でも利用できます。
1歳未満の子を育てるすべての労働者が育休を取得できる
育児休業は、1歳未満の子どもを養育するすべての労働者に認められています。性別にかかわらず取得でき、正社員に限らず、パートや契約社員などの有期雇用者も対象です。有期雇用者の場合、契約が「子が1歳6ヶ月になる日を超えて継続する見込み」があることが必要とされています。また、労使協定によって「勤続1年未満の社員を対象外」とする企業もあるため、勤務先の規定も確認しておくことが大切です。
原則は子が1歳になるまで、条件次第で2歳まで延長可能
育児休業は、原則として子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで取得できます。ただし、保育所に入れないなどの事情がある場合には、1歳6ヶ月、さらに2歳まで延長することが可能です。加えて、2022年から新たに創設された「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、父親が子の出生後8週間以内に最大4週間取得できる制度で、通常の育休とは別に申請することができます。これにより、出産直後のサポートや育児参加の選択肢が広がりました。
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育休の申請期限はいつまで?
育児休業を取得するには、会社に対して事前の申し出が必要です。申し出の期限は制度によって異なり、通常の育休では1ヶ月前、産後パパ育休では2週間前と定められています。ここでは、それぞれの申請期限について詳しく解説します。
【通常の育児休業】休業開始の1ヶ月前まで
原則として、育児休業の取得を希望する場合は、休業開始予定日の1ヶ月前までに会社へ申し出なければなりません。これは育児・介護休業法によって定められている法律上のルールであり、男女ともに共通です。会社に就業規則がなくても、この期限を守って申し出が行われれば、会社は原則として育休を拒否できません。制度利用をスムーズに進めるためにも、妊娠・出産が分かった段階で早めに職場へ相談しておくことが望ましいでしょう。
【産後パパ育休】休業開始の2週間前まで
父親が出生直後に取得できる「産後パパ育休(出生時育児休業)」は、通常の育児休業とは別制度であり、開始予定日の2週間前までの申し出が必要です。2022年の法改正により新設された制度で、子の出生後8週間以内に最大4週間の育休を取得できます。短期間での取得が前提となっているため、申し出期限も短く設定されています。出産予定日に近づくと慌ただしくなるため、事前に取得時期の目安をつけておくことが重要です。
育休を延長する場合の申請期限は?
育児休業は、子どもが1歳を迎えるまでが基本の期間ですが、保育所に入れないなどの事情がある場合には延長が可能です。ただし、延長にも決められた申請期限があり、それを過ぎると希望通りに取得できない恐れもあるため注意が必要です。
【1歳までの育休を1歳6ヶ月まで延長する】1歳の誕生日の2週間前まで
育児休業を1歳から1歳6ヶ月まで延長する場合、子どもが1歳の誕生日を迎える日の2週間前までに、会社に対して延長の申し出を行う必要があります。この延長は、保育所に入れない、やむを得ない家庭の事情があるなどの要件を満たす場合に限って認められるものです。申請期限を過ぎると延長が許可されない可能性があるため、保育所の申込み状況や認可結果が出た段階で、すぐに延長の可否を確認しておくことが重要です。
【1歳6ヶ月までの育休を2歳まで延長する】1歳6ヶ月到達日の2週間前まで
再延長して育休を2歳まで取得する場合は、子どもが1歳6ヶ月を迎える日の2週間前までに申請する必要があります。1回目の延長と同様、認可保育所の不承諾や家庭の事情など、一定の条件を満たすことが求められます。再延長を検討している場合は、育休終了予定日の約1ヶ月前には保育施設の申込結果を確認し、必要書類をそろえたうえで早めに会社へ相談しましょう。育児休業給付金の延長申請もこれと並行して必要になります。
会社ごとに育休の申請期限の違いはある?
育児休業の申請期限は法律で定められていますが、実際の運用は勤務先ごとに異なることがあります。会社独自のルールや申請様式が存在するため、自社の就業規則や社内手続きを事前に確認しておくことが大切です。
法定期限よりも早めの申請を求める企業もある
法律上は育休の申請期限が「原則1ヶ月前(産後パパ育休は2週間前)」と定められていますが、企業によってはこの期限よりも早めの申請を求める場合があります。引き継ぎの調整や人員配置の都合から、2ヶ月前や妊娠中の早い段階で育休の意向を伝えるよう推奨している職場もあります。このような早期申告は義務ではありませんが、円滑な業務運営のために企業が社内規定として設けているケースもあるため、従う姿勢が望まれます。
育休申請が期限に遅れたらどうなる?
育児休業の申し出はやむを得ず申請が遅れた場合でも、育休取得そのものが完全に不可能になるわけではありません。以下では、期限を過ぎた場合の取り扱いや注意点について解説します。
育休の取得自体は可能だが、開始日をずらされる場合がある
育休の申し出が法定の期限(1ヶ月前)を過ぎてしまっても、会社がそれを理由に育児休業の取得を拒否することはできません。法律上、対象となる従業員から申し出があった場合、企業は原則として育休を認めなければならないとされています。ただし、申請が期限より遅れた場合、会社側には「申出日から1ヶ月以内の範囲で休業開始日を指定する権利」が発生します。
たとえば、本来は4月1日から育休に入る予定だったものの、3月15日を過ぎてから申し出を行った場合、会社はその申出日から1ヶ月を経過する日までの任意の日を休業開始日として指定することが可能です。その結果、希望していたタイミングよりも遅れて育休が始まるケースもあり得ます。
希望どおりの時期に育休を開始したいなら、期限内の申請が不可欠
申請期限を守らなかったことにより、会社が休業開始日を調整することで、育休の取得タイミングにズレが生じてしまう可能性があります。業務の引き継ぎや家庭内での予定に影響が出るため、「予定通りに育休を開始したい」という場合は、原則通り開始日の1ヶ月以上前に申し出ることが重要です。
また、延長申請や産後パパ育休など、他の育休関連制度でもそれぞれ異なる期限が定められているため、育休の計画を立てる際には、全体のスケジュールを見通したうえで早めに社内と相談を始めることが望まれます。
育休申請の手続きと必要な書類は?
育児休業を取得するには、勤務先への申し出と所定の手続きが必要です。ここでは基本的な申請フローと必要書類について説明します。
育児休業申請の手順
- 育休の意思を職場に伝える
出産予定日がわかった段階で、早めに上司や人事担当者に育児休業を取得する意思を伝えます。勤務先によっては引き継ぎや配置調整の都合があるため、早期の相談が重要です。 - 会社から申請書類や案内を受け取る
育休制度の概要や、社内で使用する申請様式、提出期限などについて会社から説明を受けます。申請方法が紙か電子かなどもここで確認します。 - 育児休業申出書に必要事項を記入する
休業開始日・終了予定日、子の情報、配偶者の育休取得状況などを記載します。記入ミスや漏れがあると差し戻しになることがあるため、丁寧に記載します。 - 必要書類を添えて人事部門に提出する
会社によっては、母子手帳の写しや戸籍謄本などの添付が求められます。提出期限は原則として「休業開始日の1ヶ月前」ですが、職場によって前倒しを求められることもあるため注意が必要です。 - 会社が社会保険手続きなどを実施
申請書が受理されると、会社は年金事務所やハローワークへの届け出を行い、社会保険料免除や育児休業給付金の準備が進められます。
添付書類には母子手帳の写しなどが必要
育児休業申出書に加え、会社によっては以下のような証明書類の添付を求められることがあります。
- 母子健康手帳の写し(出産予定日の記載ページ)
妊娠の事実および予定日を確認するために使用されます。 - 戸籍謄本または住民票の写し
子どもの親子関係や扶養関係の確認資料として使われることがあります。 - 配偶者の育児休業取得状況を確認できる書類
夫婦双方が育休を取る場合、取得時期や期間を確認する目的で提出を求められることがあります。
これらの添付資料は企業ごとに要否が異なり、準備に時間がかかることもあるため、取得方法や発行時期についても事前に確認しておくと安心です。
育児休業給付金の申請期限・申請方法は?
育児休業中の所得を補う制度として、雇用保険から支給される「育児休業給付金」があります。この給付金を受け取るには、所定の期限内にハローワークを通じて申請を行う必要があります。申請は、本人が行うことも可能ですが、通常は会社が代行します。
育児休業給付金の初回申請は「育児休業開始日から4ヶ月後の月末まで」が期限となっています。この期限を過ぎると、給付金の支給対象外となるため要注意です。たとえば、4月2日に育休を開始した場合、8月末までに申請を完了させる必要があります。申請には「育児休業給付金支給申請書」や「休業期間中の賃金証明書」などをそろえ、勤務先所在地を管轄するハローワークに提出します。なお、育児休業給付金は原則として2ヶ月ごとに申請・支給されるため、初回以降も定期的な申請が必要です。育休を延長する場合には、給付金の延長申請も忘れずに行いましょう。
育児休業給付金の申請が期限に遅れたらどうなる?
育児休業給付金を受け取るためには、所定の申請期限を守ってハローワークに必要書類を提出することが必要です。では、もし期限に遅れてしまった場合、給付金はどうなるのでしょうか。ここでは、期限遅れによる影響や例外について解説します。
初回申請の期限を過ぎると、給付金を受け取れなくなる
育児休業給付金の初回申請期限は、育休開始から4ヶ月後の月末までと定められています。この期限までに申請が完了しなかった場合、その期間に対応する給付金の受給権は失われてしまいます。たとえば、4月2日に育休を開始した場合、8月末までが申請の締切です。この期限を過ぎると、その4ヶ月間に対する給付金は支給されません。
制度上、遡っての申請や延長は原則として認められていません。そのため、「知らなかった」「会社が手続きしてくれると思っていた」という理由であっても、期限を過ぎてしまうと受給の機会を失う可能性が高くなります。
自己申請や確認不足が原因でも原則は救済されない
申請漏れの多くは、「会社が代行してくれると思っていたが、実はしていなかった」「提出書類が不備だった」「ハローワークへの持参を忘れた」といったケースによって起こります。しかし、こうした理由であっても、原則として期限後の申請は認められません。
一部の例外的な状況(災害、重大な事故など)を除き、個人の過失による遅れについては制度上の救済措置はないのが基本です。特に自分で申請する場合には、開始日からのカウントをしっかり把握し、期限内に確実に提出することが求められます。
給付金の受給を確実にするには、会社とハローワークへの早期確認を
育児休業給付金は、育休取得者にとって非常に大きな経済的支援です。そのため、申請漏れを防ぐには「誰が申請を行うのか(会社か本人か)」を事前に確認し、必要書類や期限をあらかじめ整理しておくことが重要です。会社が代行する場合でも、申請の進行状況を自分でも把握しておくと安心です。
育休の申請期限を守ってスムーズに取得しよう
育児休暇(育児休業)を円滑に取得するには、法律で定められた申請期限を守り、早めに会社と調整することが大切です。育休は原則休業開始の1ヶ月前までの申し出が必要で、男性の産後パパ育休は2週間前までと定められています。本記事で解説した手続きの流れや給付金申請方法も参考に、計画的に準備を進めましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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