• 更新日 : 2026年3月31日

エンゲージメントスコアとは?平均スコアや測り方・測定手順も紹介

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エンゲージメントスコアとは、従業員のエンゲージメントの高さをアンケート調査によって数値化したものです。

実際にエンゲージメントスコアを測ろうと検討している人の中には「どうすれば測定できるのか」「スコアの平均値も知っておきたい」などと思っている人もいるでしょう。

そこで本記事では、エンゲージメントスコアの測り方や測定手順を詳しく解説します。また、スコアの平均値やスコアを上げるための施策などもまとめています。

エンゲージメントスコアとは?

エンゲージメントスコアとは、従業員が会社に対して抱いている貢献意欲や愛着心といったエンゲージメントの高さをアンケート調査によって数値化したものです。

数値化することにより、組織の雰囲気や士気など曖昧に語られがちだったものを客観的なデータとして可視化することができます。

また、エンゲージメントスコアを活用すれば、組織や部署のエンゲージメントが低い根本原因も特定可能です。そのほか、エンゲージメントを向上させるための施策を計画するときにも役立てられます。

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エンゲージメントスコアの測り方

エンゲージメントスコアの測定方法を2つ紹介します。

年次サーベイ

年次サーベイとは、年に1回あるいは半年に1回といった長期的なサイクルで実施する測定方法です。

組織全体のエンゲージメントをさまざまな角度から深く掘り下げて総合的に診断できます。質問項目が多く回答に時間はかかりますが、組織全体の根本的な課題を見つけたり長期的な戦略を立てたりするのに適しています。

年次サーベイのメリットは、「人間関係」「仕事の意義」「成長機会」といった、エンゲージメントに影響を与える要因について詳細なデータを収集できることです。ただし、実施頻度が低いためリアルタイムな組織の変化を捉えるのには向いていません。また、従業員の回答負担が大きく、分析にも時間がかかる点にも注意しましょう。

パルスサーベイ

パルスサーベイとは、毎週や毎月といった短期的なサイクルで、1問~15問程度の少ない質問を繰り返し行う調査方法です。パルス(脈)を測るように、こまめに組織の状態をチェックできます。

特に、施策実行後の効果測定や急な組織変更後の従業員の反応を見るのに有効です。

パルスサーベイのメリットは、組織やチームのコンディションの変化をリアルタイムで観測し、問題の早期発見・早期対応に繋げられることです。ただ、質問項目が少ないため、エンゲージメント低下の根本原因を深く掘り下げるのには向いていません。

エンゲージメントスコアを測定する手順

エンゲージメントスコアを測定する手順について詳しく解説します。

1. エンゲージメントスコアを測る目的を整理する

エンゲージメントスコアの測定を始める前に、まず「なぜエンゲージメントスコアを測る必要があるのか」という目的を明確にすることが大切です。

スコアを測定すること自体が目的なわけではなく、測定はあくまでも組織をより良い方向に導くヒントを得るための手段です。経営陣と人事部で測定の目的について言語化しておけば、調査後のアクションや施策もスムーズに進められるでしょう。

たとえば、「若手社員の離職率が3年連続で悪化しているため、その根本原因を特定して定着率を改善したい」というように具体的な経営課題と結びつけられるとなお良いです。

目的が明確であればあるほど、後の設問設計や分析の精度も高まります。また、経営陣に対しても「これは単なるアンケートではなく、経営課題を解決するための戦略的な取り組みです」と説明することもできます。

2. 測定する設問・項目を決める

エンゲージメントスコアを測定する目的が定まったら、その目的を達成するために「何を問うべきか」を丁寧に設計しましょう。

設問を決める方法としては、自社でゼロから作る方法と専門会社に依頼する方法の2通りあります。

なお、自社でゼロから全てを作るのは困難であるため、専門会社に依頼せず自社で調査項目を決めるとしても「Q12」や「UWES」などを参考にすることが推奨されます。これらをベースにしつつ、自社のビジョンやバリューに関する独自の質問項目を加えれば、より自社の状況に即したサーベイを設計できるでしょう。

また、質問数が多すぎると従業員の回答負担が大きくなるため、必要な項目を厳選することも重要です。

3. エンゲージメントサーベイを実施する

設問が決まったら、実際にエンゲージメントサーベイを実施します。

サーベイを実施する前に、経営トップや人事から調査を行う目的や結果の活用方法などを全従業員に伝えましょう。また「回答は完全に匿名で人事評価に影響することはない」ことも一緒に説明しておけば、従業員が本音で回答しやすくなり質の高いデータを集められます。

そして、回答期間中は定期的にリマインドしたり、各部署の管理職に部下への回答を促してもらったりすることも重要です。回答率が低いとデータが偏ってしまい、組織全体の実態を正しく反映できなくなるため注意しましょう。

4. スコアを分析する

エンゲージメントサーベイを実施したら、データを収集してしっかり分析しましょう。

本質的な課題を特定するため、「総合指標」「レベル指標」「ドライバー指標」という3つの指標に基づいて、段階的に掘り下げていくのが効果的です。

総合指標とは、組織全体のエンゲージメントの高さを表す指標です。過去のスコアや同業他社のスコアと比較することで、自社のエンゲージメントを客観的に把握できます。

レベル指標とは、総合指標を部署別、役職別、勤続年数別、年代別などに分解した指標です。「営業部の若手社員だけが極端に低い」というように、エンゲージメントが低い部署や年齢層を特定するのに役立ちます。

ドライバー指標とは、「人間関係」「成長機会」「評価の公正性」といったエンゲージメントの要因を表す指標です。エンゲージメントが低い根本原因を探ることができます。

5. 分析結果をもとに施策を検討・実行する

分析結果をもとに、具体的なアクションプランを策定して実行に移しましょう。

このとき、サーベイによって判明した課題に応じて「全社レベルで取り組むべき施策」と「各部署で取り組むべき施策」に切り分けて計画するのがポイントです。

たとえば「成長機会の欠如」が課題であれば、キャリアパスの見直しを行ったり社外学習や資格取得などの福利厚生を検討したりなど、全社レベルの施策が有効でしょう。

一方、特定の部署で「チームワーク・協力体制の欠如」が課題となっているのであれば、その部署に合った施策を実施するのが効果的です。具体的には、チーム内で特定の業務を一時的に交換したり、個人目標と並行してチーム共通の目標を設定したりなどの施策が考えられます。

6. 再びエンゲージメントサーベイを行う

実行した施策が本当に効果があったのかを検証するため、一定期間後に再度エンゲージメントサーベイを実施します。なお、短期間での変化を観測するには、毎週・毎月実施する「パルスサーベイ」が有効です。

スコアが改善されていれば施策は成功と判断できるため、他の部署へ横展開したりさらにスコアを上げるための別の施策を計画したりなどが次のアクションとして考えられます。もし改善が見られなければ施策が的を外していたと判断できるため、何が良くなかったのか原因を深堀すると良いでしょう。

このようにエンゲージメントサーベイの実施から施策の効果の測定までPDCAを回すことで、エンゲージメントスコアを着実に上げることができます。

エンゲージメントスコアの平均

株式会社アトラエは、エンゲージメント解析ツールである「Wevox」を使用している2,240社以上のエンゲージメントスコアをもとに平均値を公表しています。

2021年度の調査結果によれば、全業界の平均値は70.3点です。なお、2019年度の平均値は68.9点、2020年度の平均値は69.8点であるため、徐々にエンゲージメントスコアが業界全体で伸びていることが分かります。

参考:【Wevox】2021年度 業界別のエンゲージメントスコアの特徴を発表 | 株式会社アトラエのプレスリリース

業界別のエンゲージメントスコアの平均

業界別のエンゲージメントスコアの平均値は以下の通りです。

教育・学習支援 74.74
インターネットサービス 73.53
人材関連サービス 73.34
資源・エネルギー 71.85
食料 70.86
医療・バイオ 70.22
飲食 69.64
金融 69.62
レジャー 69.16
システム開発 68.99
卸業 68.83
建設・不動産 68.66
小売 68.63
機械・電気製品 68.15
素材・素材加工品 67.77

上位を占めているのは、人との関わりやクリエイティブなアウトプットが重視される業界です。このことから、自分の仕事の成果を実感しやすい業界のほうがエンゲージメントスコアも伸びやすいのでしょう。

なお、一部の企業はエンゲージメントスコアを公表しています。たとえば、株式会社三井住友フィナンシャルグループは74点、カゴメ株式会社は70点、KDDI株式会社は72点と、大手企業は70点を超える傾向にあります。※いずれも2022年度のスコアです。

参考:SMBC GROUP REPORT 2025カゴメ株式会社 統合報告書 2023サステナビリティ総合レポート2023

エンゲージメントスコアを向上させるための主な施策

エンゲージメントスコアを向上させるための主な施策について、役員・人事向けと管理職向けに分けて紹介します。

【役員・人事向け】エンゲージメントスコアを向上させるための施策

役員・人事向けの主な施策は以下の通りです。

主な施策 具体的な取り組みやアクション
ビジョン・パーパスの浸透
  • タウンホールミーティングの定例開催
  • ビジョンを体現した社員を社内報で特集
  • 経営会議の議事録を全社員に公開
公正かつ透明性のある人事評価制度の構築
  • 評価基準を明確に言語化して全社員に公開
  • 360度評価の導入
  • バリュー評価の導入
キャリア形成の支援
  • 社内公募制度の整備
  • 資格取得費用や外部セミナーの参加費用を補助
  • メンター制度の導入
コミュニケーションを活性化させる環境整備
  • フリーアドレス制度の導入
  • リフレッシュエリアの設置
  • シャッフルランチの開催
  • サークル活動への費用補助
現代に合った多様な働き方の提供
  • リモートワークやフレックス制度の導入・拡充
  • 時間単位での有給取得を許可
  • 男性社員の育児休暇取得の推進
  • エリア社員制度の導入

上記のような施策を実行するうえで重要なのは、制度を導入して終わりにしないことです。人事部は、定期的に従業員のエンゲージメントや生産性に変動があったかどうかを確認しましょう。

【管理職向け】エンゲージメントスコアを向上させるための施策

管理職向けの主な施策は以下の通りです。

主な施策 具体的な取り組みやアクション
質の高い1on1ミーティング
  • 週に1回程度のミーティングを定例化
  • 部下のキャリアの悩みやプライベートにも傾聴
  • サポートできることや新しい働き方を提案
タイムリーなフィードバック
  • 部下の業務をその場でフィードバック
  • 未来志向の言葉で改善点を指摘
  • チームミーティングでメンバーの貢献を称賛
部下の強みを活かすための仕事配分
  • 一人ひとりの得意なことや熱意を注げる業務を把握
  • 本人の強みを活かせる仕事を意図的に配分
  • 部下のキャリア志向をもとに目標設定
心理的安全性の醸成
  • ミーティングで全員に発言権を付与
  • ミスが起きた際にチーム全体で再発防止策を検討
  • 管理職自身が自分の失敗談もオープンに共有
適切な裁量権の委譲
  • ・マイクロマネジメントの廃止
  • ・備品選定や歓迎会の幹事など小さな意思決定を若手社員に一任
  • ・「責任は上司が取る」と意思表示

管理職は、上記のような施策をこなすだけにならないように注意しましょう。

形だけ施策を行っても従業員のエンゲージメントは向上しません。「以前よりものびのびと仕事ができている」「このような接し方のほうが意見を出しやすそう」などと一人ひとり確認しながら接することが大切です。

エンゲージメントスコアを向上させるうえでの注意点

最後に、エンゲージメントスコアを向上させるうえでの注意点を3つ紹介します。

  • エンゲージメントサーベイをやりっぱなしにしない
  • エンゲージメントスコアが低い部署や従業員を探さない
  • エンゲージメント向上のための施策を人事部に丸投げしない

まずエンゲージメントサーベイをやりっぱなしにするのは避けるべきです。調査だけ実施して満足してしまうと、「何のためのサーベイだったのか」と従業員の不信感を募らせてしまいます。調査を行ったら、結果を公表して具体的な施策まで示すことが重要です。

またエンゲージメントスコアが低い部署や従業員を特定するのもやめましょう。「スコアが低い=悪い」と結びついてしまうと、従業員は自分のスコアを誤魔化そうとしたりサーベイ自体に非協力的になったりする可能性があります。そのため、スコアが低い場合は人事部がサポートするといった姿勢を示すのが望ましいです。

そしてエンゲージメントを向上させるための施策は人事部に丸投げするのも推奨されることではありません。経営陣や管理職の当事者意識が薄いと、せっかく施策を実行しても浸透しない可能性があります。経営陣や管理職も巻き込んで、課題に応じた施策を最後までやり遂げることが大切です。

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