• 作成日 : 2026年1月14日

サフラン栽培は儲かる?年収や買取価格、室内での育て方を解説

サフラン栽培は、初期費用を抑えて利益を出しやすいビジネスとして注目されています。場所を選ばず、土も水も使わない特殊な栽培方法によって、初心者でも高品質なスパイスを収穫できるからです。

この記事では、サフラン栽培の収益性や年収の目安、具体的な育て方から販売ルートまでをわかりやすく解説します。

サフラン栽培は本当に儲かる?

サフラン栽培が本当に儲かるかどうかの答えは、手間を惜しまなければ確実に利益が出る事業である、といえます。大きな設備投資が不要で、ランニングコストがほとんどかからないため、売上の多くがそのまま手元に残る利益率の高いビジネスだからです。リスクを抑えて堅実に稼ぎたいと考える人にとって、条件の良い農業ビジネスといえるでしょう。

ここでは、サフランが高収益を生む構造的な理由と、実際の市場価値について、具体的な数字や背景を交えながら詳しく解説していきます。

結論:コツコツ稼ぐビジネスとして儲かる

サフラン栽培は、一攫千金ではなく着実な収益が見込める堅実な事業です。一般的な農業と異なり、広大な農地や高価なトラクターなどの機械、毎年の肥料代がほとんどかからないため、金銭的なリスクを最小限に抑えて始められます。

ただし、作業はすべて手作業になるため、労働時間をいかに確保できるかが収益化のカギです。自分自身の作業時間をコストと考えず、隙間時間を有効活用できる人にとっては、非常に割の良い事業になるでしょう。まずは小規模からスタートし、作業量と収益のバランスを確認しながら徐々に拡大していくのが成功の秘訣といえます。

儲かる理由1:希少性が高く市場価格が安定しているから

サフランが「赤い金」と称される理由は、1gのスパイスを得るために膨大な花数と手作業を要する希少性にあります。具体的には、わずか1gの乾燥サフランを作るために約150個から160個もの花が必要であり、そのすべてを機械ではなく手作業で収穫しなければなりません。

この希少性の高さゆえに、サフランは金(ゴールド)に匹敵する価値があるとして、古くから高値で取引されてきました。世界的に見ても需要が供給を上回っている状態が続いており、価格崩れが起きにくいのも大きな特徴でしょう。世界一高価なスパイスとしての地位は揺るぎなく、今後も安定した市場価値が続くと予想されています。

儲かる理由2:買取価格が1gあたり1,000円以上と高値だから

国産サフランの取引相場は、その品質の高さと香りの良さから、海外産よりも高値で安定しています。一般的に消費者が購入する小売価格は1gあたり1,000円から2,000円前後で推移しており、生産者が直売所などで直接販売する場合も同等の価格設定が可能です。

一方で、農協や専門業者への卸売り(買取)価格は、販売手数料や流通経費が引かれるため、1gあたり数百円から1,000円程度となります。少しでも利益を増やしたい場合は、フリマアプリなどを活用して個人販売を行えば、より高い利益率を確保できるはずです。販路を工夫することで、同じ収穫量でも手元に残る利益を大きく増やせます。

儲かる理由3:初期費用が安く省スペースで始められるから

サフラン栽培を始める最大のメリットは、栽培スペースを選ばず、極めて低いコストで参入できる点です。日当たりの悪い空き部屋や廊下の棚など、室内のちょっとしたスペースさえあれば十分な収穫が見込めるため、都市部のマンションなどでも問題なく取り組めます。

農地を持たない人でも参入できる点は、他の農業にはない大きな魅力といえるでしょう。必要な資材は球根を入れる浅いカゴやパレットのみで、植物育成ライトや暖房設備も不要です。球根の購入費さえ用意できればすぐにスタートできるため、参入障壁が非常に低い栽培ビジネスといえます。まずは自宅の空いているスペースを活用し、数千円程度の球根代から試験的に始めてみるのもおすすめです。

サフラン農家の年収はどれくらい?

サフラン農家の年収は、栽培規模と販売戦略によって数百万円から一千万円クラスまで大きく異なります。専業として大規模に取り組む場合と、個人規模で小遣い稼ぎとして行う場合では、目指すべき収益構造も変わってくるからです。単にスパイスを売って終わりではなく、球根の増殖も含めたトータルの収支を考えることが大切になります。

ここでは、それぞれの規模感におけるリアルな年収イメージと、多くの人が直面する継続の難しさについて詳しく解説します。

専業農家の場合の年収目安

専業農家としてサフラン栽培だけで年収1,000万円を目指すことは不可能ではありませんが、非常に高いハードルがあります。このレベルを達成するためには、数十万個単位の膨大な球根を管理し、収穫期には多くのパート従業員を雇用して、短期間に集中的に作業を行う必要があるからです。

高収益を上げている成功農家の多くは、スパイス(雌しべ)の販売だけでなく、増えた球根を「種球」として他の農家に販売することで売上を大きく伸ばしています。球根販売とスパイス販売のハイブリッド経営こそが、専業農家として高年収を実現する道といえるでしょう。球根自体の需要も高いため、両輪で収益化するビジネスモデルの構築が不可欠です。

副業・個人規模での収益シミュレーション

個人規模でサフラン栽培を行う場合の収益は、畳1枚分(約1.6平方メートル)のスペース活用で年間数万円程度の売上が目安です。具体的には、畳1枚分のスペースに棚を設置してコンテナを積み重ねれば、約2,000個の球根を管理することが可能です。

2,000個の球根から収穫できるサフランは約10gから15g程度になります。これを1gあたり1,200円で個人販売した場合、売上は約18,000円という計算です。金額は小さく見えますが、翌年には球根が増えて栽培量を倍にできるため、数年かけて利益を雪だるま式に拡大していく楽しみがあるでしょう。まずは小さく始めて、徐々に栽培スペースを広げていくのが賢い方法です。

なぜ儲かるのに辞める人が多いのか?

サフラン栽培から撤退する人が多い主な理由は、収穫時期の作業が想像以上に過酷であるためです。サフランの花は11月の約2週間というごく短い期間に一斉に開花し、その日のうちに摘み取って雌しべを抜き取らなければ、商品価値が著しく落ちてしまいます。

この時期は朝から晩まで、休みなく細かい手作業に追われることになり、相当な根気がないと続きません。「儲かる」という噂や「置いておくだけ」という手軽さだけで始めると、この労働集約的な現実に直面して挫折してしまうケースが後を絶たないのです。単純作業の繰り返しが苦手な人には不向きですが、逆にコツコツとした作業に没頭できる人には非常に適したビジネスといえます。

サフラン栽培の具体的な仕事内容は?

サフラン栽培の具体的な仕事内容は、日本一の産地である大分県竹田市で確立された「竹田式」と呼ばれる手法が基本となります。土を使わずに花を咲かせるこの方法は、天候に左右されず高品質なサフランを作れる画期的な技術です。一般的な農業の「泥まみれ」なイメージとは異なり、室内での清潔な作業が中心となるため、体への負担が少ないのも特徴といえます。

ここでは、サフラン栽培の具体的な作業の流れと、品質を左右する注意点を解説します。

「竹田式」の室内栽培で球根を育てる

竹田式栽培法とは、5月に土から掘り上げた球根を、開花期の11月まで室内で管理する独自の栽培方法のことです。通常の植物とは異なり、花を咲かせるための栄養や水分はすでに球根内に蓄えられているため、開花までの数ヶ月間は土も水も肥料も一切必要ありません。

温度変化の少ない室内に球根を並べておくだけで、秋になると勝手に美しい花を咲かせます。この手軽さがサフラン栽培の大きな特徴であり、忙しい人でも取り組みやすい理由といえるでしょう。土汚れを気にする必要がなく、清潔な環境で作業ができるため、自宅のリビングやマンションの一室などでも問題なく栽培が可能です。

参考:国内生産量、日本一! 百年続く竹田式サフラン|オオイタカテテ 大分県商工観光労働部産業人材政策課

最も大変なのは「花摘み」と「雌しべの選別」

サフラン栽培の工程で最も重要かつ大変なのは、開花した花の収穫と、そこから雌しべを取り出す調製作業です。早朝に開花した花をすぐに摘み取り、花びらの中から3本の赤い雌しべだけをピンセットや指で丁寧に引き抜く精度が、最終的な商品のランクを決定づけます。

このとき、黄色い雄しべが混ざったり、雌しべの下部の白い部分が残ったりすると品質が低下しかねません。選別した雌しべは、その日のうちに炭火や専用の乾燥機で水分率を数パーセントになるまで乾燥させます。この一連の作業をスピーディーかつ丁寧に行う技術が求められるでしょう。鮮やかな赤色と強い香りを残すためには、乾燥時の温度管理も非常に重要になります。

「水耕栽培」や「植えっぱなし」はNG

高品質なスパイス採取を目的とした場合、水耕栽培や植えっぱなしは避けるべき手法です。水耕栽培はクロッカスの観賞用には適していますが、サフランの場合は湿気が多すぎて球根が腐敗する原因になり、良質なスパイスは期待できません。

また、庭への植えっぱなしも日本の高温多湿な気候では病気のリスクが高まるでしょう。高品質なサフランを毎年収穫し続けるためには、少し面倒でも毎年5月に球根を掘り上げ、夏場は風通しの良い室内で休ませるサイクルを守ることが大切です。手間を省こうとして品質を落としてしまっては本末転倒ですので、基本のサイクルを忠実に守りましょう。

サフラン栽培の年間スケジュールは?

サフラン栽培を始める手順は、1年を通したサイクルを理解し、適切な時期に行動することが基本です。適切な時期に球根を入手し、正しい環境で管理することが成功への近道といえます。自然のリズムに合わせて作業を行う必要があるため、事前のスケジュールの把握が欠かせません。

ここでは、初心者でも失敗しないための年間スケジュールと、各工程で押さえておくべきポイントを詳しく解説します。

7月~8月:球根を購入

サフラン栽培を始めるための球根購入時期は、予約が始まる7月から8月頃が最適です。種苗店やネット通販で予約販売が開始されるため、この時期を逃さないようにチェックしておきましょう。人気の産地や優良な農家の球根はすぐに売り切れることもあるため、早めの行動が肝心です。

球根選びで最も重要なポイントは、価格よりもサイズにこだわることです。直径3cmから4cm以上、重さ15g以上の大きな球根を選んでください。小さな球根は安価ですが、花が咲かない可能性が高いため、初期投資として良質な大玉球根を購入することが収益化への第一歩といえます。安物買いの銭失いにならないよう、信頼できる専門店から購入することをおすすめします。

8月~10月:室内(カゴ・棚)で球根管理

8月から10月の管理方法は、入手した球根を平らなカゴやパレットに重ならないように並べ、直射日光の当たらない涼しい室内に置くだけです。特別な世話は必要ありませんが、室温が高くなりすぎないよう注意が欠かせません。湿度が高い場所もカビの原因になるため避けましょう。

25度以上の高温が続くと花芽が傷むことがあるため、猛暑日はエアコンの効いた部屋や風通しの良い北側の部屋に移動させるなどの対策をとります。球根が目覚めるのを静かに待つ期間といえるでしょう。この時期に球根にストレスを与えないことが、秋に良い花を咲かせるための重要なポイントになります。

11月:収穫と乾燥

11月の収穫期に行うべきことは、開花したらすぐに花を摘み取り、雌しべをピンセットや指先で抜き取ることです。10月下旬から11月にかけて花芽が伸び、紫色の花が次々と咲くため、毎朝のチェックを欠かさないようにしましょう。

収穫した雌しべは、キッチンペーパーの上などで速やかに乾燥させます。家庭用のフードドライヤーを使うと便利ですが、ない場合は風通しの良い日陰でパリッとなるまで乾燥させるとよいでしょう。水分が残っていると保存中にカビが生えて商品価値がなくなるため、徹底した乾燥が重要です。乾燥後は密閉容器に入れ、光の当たらない場所で保管して香りを守ります。

11月下旬~12月:翌年に向けた球根育成

収穫後の球根に必要な作業は、11月下旬から12月頃にプランターや畑の土に植え付け、翌年に向けて栄養を蓄えさせることです。花が終わった後の球根は、エネルギーを使い果たしてやせ細っているため、ここからの半年間が翌年の収穫量を左右する重要な育成期間になります。

冬の間、サフランは松のような細い葉を茂らせて光合成を行い、新しい球根に栄養を蓄えます。春まで土の中で育て、葉が枯れ始める翌年の5月頃に再び掘り上げましょう。このサイクルを繰り返すことで、球根は年々増えていきます。肥料を適切に与え、しっかりと太らせることで、翌年も高品質なサフランを収穫できるようになります。

収穫したサフランはどこで売れる?

収穫したサフランを販売する場所は、自分の栽培規模やブランド力に合わせて、最も高く売れるルートを選ぶべきです。苦労して収穫したサフランを現金化するためには、適切な販路の選択が欠かせません。販路の選び方次第で、利益率は大きく変わります。

ここでは、個人でも参入しやすく、かつ利益を確保しやすい主な販路について、それぞれの特徴を具体的に紹介します。

メルカリやMinneなどのフリマアプリ

個人栽培のサフランを販売するのに最も適しているのは、メルカリやMinneなどのフリマアプリやハンドメイドサイトです。0.5gや1gといった少量パックに小分けし、手書きのメッセージや洒落たパッケージにすることで付加価値がつきます。

「無農薬」「国産」「今年収穫したばかり」といったキーワードは強力なアピールポイントになります。写真映えするパッケージングを工夫することで、リピーターを獲得することも可能でしょう。顧客との直接やり取りを通じてファンの獲得につなげやすく、栽培のモチベーションアップにもなるはずです。

直売所や道の駅への出荷

地元の道の駅や農産物直売所への出荷は、地域密着で販売したい生産者にとって有効な手段です。販売手数料として売上の15%から20%程度が引かれますが、地元の飲食店経営者や観光客の目に留まりやすいメリットがあります。

生産者の顔が見える商品として信頼されやすく、定期的に購入してくれる固定客がつくことも珍しくありません。ポップなどを使って、国産サフランの希少性や使い方をアピールするとよいでしょう。地域の名産品として認知されれば、安定した売上を見込めるようになります。地元の特産品コーナーなどに置いてもらう交渉をするのも一つの手です。

加工品(お茶・スパイス)としての販売

サフランの販売単価を上げる方法は、乾燥サフランそのものだけでなく、加工品として商品展開することです。たとえば、ハーブティーのブレンド材料にしたり、岩塩と混ぜてサフランソルトにしたりするアイデアがあります。

ただし、食品を加工して販売する場合は、地域の保健所への届出や営業許可が必要になるケースがあります。本格的に加工品販売を行う際は、必ず事前に管轄の保健所に相談し、法的な要件をクリアしてから行いましょう。ルールを守って展開すれば、競合との差別化が図れる強力な武器になります。オリジナルのレシピカードを添えるなどの工夫も効果的です。

儲かるコツを押さえてサフラン栽培を始めよう

サフラン栽培を成功させるコツは、地味な作業の積み重ねを厭わず、長期的な視点で取り組むことです。派手な儲け話ではありませんが、初期リスクが低く、自分のペースで規模を拡大できる点は大きな魅力といえます。

まずは少量の球根から始めて、栽培のサイクルや収穫の手間を体感してみることから始めてみてはいかがでしょうか。自分で育てた最高級のスパイスを手にする喜びは、何物にも代えがたい経験になるはずです。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事