- 作成日 : 2025年9月16日
創業融資の成功報酬は違法?出資法との関係や税理士・行政書士に依頼する相場も解説
創業融資を確実に受けるため、成功報酬で支援を請け負う専門家の存在が注目されています。しかし、「融資の成功報酬は違法ではないのか?」「特に高額な手数料を請求されないか?」といった不安や疑問を持つ方も少なくありません。
この記事では、創業融資における成功報酬の仕組み、出資法との関係性、そして税理士や行政書士といった専門家へ依頼する際の費用相場について分かりやすく解説します。
目次
創業融資における成功報酬の仕組み
成功報酬とは、創業融資の申請が通り、実際に資金調達が完了した際にのみ専門家へ支払う費用のことです。融資が実行されなければ原則として費用は発生しないため、依頼者側のリスクが低い報酬体系といえます。
一方、着手金は、業務を開始する段階で支払う費用であり、融資の結果にかかわらず返金されないのが一般的です。両方の費用を設定している事務所もあれば、完全成功報酬制を採用している事務所もありますので、契約前に確認が必須です。
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これにより、起業家は煩雑な手続きから解放され、本来の事業準備に集中できるという大きなメリットがあります。専門家の知見を活用することで、自己流で申請するよりも高い確率での資金調達が期待できます。
創業融資の成功報酬と出資法の関係
「創業融資の成功報酬は違法?」という疑問が生じる背景には、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」、通称「出資法」の存在があります。
出資法では、金銭の貸借の媒介手数料の上限を「当該貸借の金額の百分の五に相当する金額」と定めています。つまり、融資の仲介手数料が融資額の5%を超えてはならないと規定されており、これに違反すると罰則の対象となるため、違法性の懸念が生じるのです。
参考:出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律|e-Gov 法令検索
出資法違反に該当する悪質なケース
出資法違反となるのは、着手金、コンサルティング料、成功報酬など、名目を問わず、融資の媒介に関して受け取る手数料の総額が融資額の5%を超える場合です。例えば、着手金10万円と成功報酬が融資額の5%といった契約は、合計で5%を超えるため違法となります。
一部の悪質な融資コンサルタントは、この法律を知らない起業家に対して高額な手数料を請求することがあるため、契約時には報酬総額が融資額の5%の範囲内に収まっているか、細心の注意を払う必要があります。
適法な成功報酬型サービスの条件
専門家が提供する創業融資サポートが適法であるためには、報酬の総額が融資額の5%以内であることが絶対条件です。信頼できる専門家は、この法令を遵守して料金設定を行っています。
業務内容が融資の媒介ではなく、事業計画書作成などのコンサルティングであると主張する業者もいますが、実態として融資の成立を目的としている場合は出資法の規制対象と判断される可能性が高いです。
創業融資の成功報酬の相場
創業融資のサポートを依頼できる専門家は複数存在し、誰に依頼するかによって報酬の相場やサービスの質が異なります。
税理士に依頼する場合
税理士に創業融資を依頼する場合、成功報酬の相場は融資額の2%から5%程度が一般的です。税理士は資金調達の専門知識に加え、税務や会計の視点から精度の高い事業計画書を作成できる強みがあります。また、融資実行後も顧問契約を結ぶことで、継続的な経営サポートが見込めます。多くの税理士事務所では、顧問契約を前提に成功報酬を割引する料金体系を用意していることもあります。
行政書士に依頼する場合
行政書士も創業融資のサポートを行っており、その成功報酬は税理士と同様に融資額の2%から5%の範囲内で設定されることが多いです。行政書士は、許認可申請など、事業開始に必要な各種書類作成の専門家でもあります。そのため、飲食店の営業許可や建設業許可など、特定の許認可が必要な事業を立ち上げる際には、融資支援と合わせて依頼することで手続きを円滑に進められます。ただし、行政書士が税務相談や税務申告の代行を行うことは法律で禁じられています。
コンサルタントに依頼する場合
特定の資格を持たないコンサルタントも資金調達の成功報酬でサービスを提供しています。費用体系は様々ですが、相場はやはり融資額の2%から5%が目安です。しかし、中には出資法の上限を超える高額な手数料を請求する違法な業者も存在するため、依頼する際には特に注意が必要です。資格の有無だけでなく、過去の実績や契約内容を慎重に確認し、信頼性を見極めることが重要になります。
創業融資の成功報酬の違法性を正しく理解しましょう
創業融資における成功報酬での専門家への依頼は、違法性を正しく理解し、信頼できるパートナーを選ぶことで、起業家にとって非常に心強い選択肢となります。重要なのは、手数料の総額が出資法で定められた融資額の5%を超えないことを確認することです。その相場は2%から5%の範囲内が一般的です。
安易に融資コンサルを名乗る業者に頼るのではなく、資格の有無、過去の実績、そして契約内容をしっかりと精査し、納得のいく説明を受けられる専門家を選びましょう。適切な専門家の支援を受けることで、資金調達の成功確率を高め、事業の順調なスタートを切ることができます。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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