- 作成日 : 2024年9月26日
飲食店経営に必要な許認可とは?許可の種類や申請方法、かかる費用まとめ
飲食店を開業するためには、営業許可をはじめとする許認可の申請が必要です。営業許可には種類があり、営業許可のいらない食品もあるため、事前に確認しておきましょう。
本記事では、飲食店の開業に必要な許認可や申請手続きの流れ、必要書類などを解説します。開業に役立つテンプレートも紹介しますので、参考にしてください。
目次
飲食店の許認可とは?許認可一覧
飲食店を開業する際は、次のような届出や許認可が必要です。
| 必要な許認可・届出 | 概要 | 申請先 |
|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 食品衛生責任者を置き、検査をクリアして営業許可証を取得する | 保健所 |
| 防火対象物使用開始届出書 防火対象物工事等計画届出など | 飲食店で使用する建物について使用開始の7日前までに管轄消防署に届け出る | 消防署 |
| 深夜酒類提供飲食店営業開始届 | 深夜営業で酒類を提供する場合に届け出る | 警察署 |
ここでは、飲食店開業に必要な許認可や手続き、申請先を紹介します。
【保健所】飲食店営業許可
一般的な飲食店を開業する場合、飲食店営業許可の取得が必要です。保健所に申請し、検査に合格すると取得できます。
許可の取得には、必要最低限の条件として次の2つを満たす必要があります。
- 食品衛生責任者を置くこと
- 保健所の検査をクリアし、営業許可証を取得していること
食品衛生責任者の要件では、「以前に食品衛生法違反で処分を受けていること」「営業許可を取り消されてから2年以内であること」という欠格事由に該当しないことが必要です。
飲食店営業許可は「場所」や「設備」についての許可であるため、経営者が交代しても届出を出せば許可を引き継げます。
【消防署】防火対象物使用開始届出書など
建物を飲食店や店舗などの用途で使用する場合、使用開始の7日前までに管轄消防署に届け出なければなりません。火災への備えとして、消防法で義務付けられています。
必要になるのは、次の書類です。
- 防火対象物使用開始届出書
- 防火対象物工事等計画届出書
また、火気の使用や店舗の規模(建物全体の収容人数)などの条件によって、次の書類が必要になる場合もあります。
- 火を使用する設備等の設置届出書
- 防火管理者選任届出書
- 消防計画
- 消防用設備等(工事整備対象設備等)着工届
- 消防用設備等設置届出書
飲食店を開業する際は、どの届出が必要かを事前に確認しておきましょう。
【警察署】深夜酒類提供飲食店営業開始届
深夜(午前0時から午前6時まで)に営業し、店内で酒類を提供する場合、営業開始の10日前までに管轄警察署への届出が必要です。
届出が必要かどうかは、メインとして酒類を提供しているのかどうかで判断します。ファミリーレストランなど、主食と認められる食事をメインに提供している飲食店は除外されます。そのため、午前0時以降も営業する場合でも届出は不要です。
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飲食店の営業許可の種類や条件
2018年の食品衛生法の改正に伴い、営業許可が必要な業種が見直されました。見直しとともに、許可の要件である施設の基準も改正されています。2021年6月からは、新たな「営業の許可制度」「営業の届出制度」が開始されました。
ここでは、営業許可の種類と、営業許可の必要がない食品を紹介します。
営業許可の種類
法改正により新たに営業許可の対象となったのは、「飲食店営業」や「調理の機能を有する自動販売機により食品を調理し、調理された食品を販売する営業」など32種です。これまで「飲食店営業」とは別に設けられていた「喫茶店営業」は、「飲食店営業」に統一されました。
法律の改正が行われたのは、許可業種の区分が、近年の食の多様化という流れに合わないためです。また、自治体ごとに独自に定めた業種が存在しており、申請の複雑化や食中毒リスクなどの課題があったことも見直しのきっかけになっています。
営業許可のいらない食品
営業許可の必要がない食品もあります。
許可が必要ない食品には、次の2種類があります。
- 許可・届出のいずれも必要ない
- 営業許可は必要ないが届出が必要
営業許可・届出いずれも必要ない食品とは、届出対象外の業種で取り扱われる食品です。
食品・食品添加物を輸入する場合や、食品・食品添加物の貯蔵・運搬のみを行う場合など食中毒などのリスクが低い業種での取扱いがあげられます。
また、次のような食品を扱う場合は、許可は必要ないものの届出は必要です。
- 包装済みの食肉や魚介類の販売
- 乳を原料とした乳飲料・乳製クリームなどの販売
飲食店の営業許可証取得の流れ、必要書類
飲食店の営業許可を取得する流れと必要書類について、詳しくみていきましょう。
営業許可証取得の流れ
営業許可を取得する一連の流れは、次のとおりです。
- 保健所に事前相談する
- 営業許可の申請を行う
- 検査日程などを調整する
- 保健所の検査
- 営業許可証が交付される
- 営業開始
まず、施設基準に合致しているかなどを事前に確認するため、申請前に保健所へ図面を持参して相談しましょう。
申請してから設計に変更が必要になった場合、着工後の変更には手間や追加コストがかかるためです。設計図面をチェックしてもらい、アドバイスを受けることで、その後の申請や検査がスムーズに進みやすくなります。
検査基準は業態や地域の保健所によって異なる場合もあるため、設備要件などでわからないことがあれば、確認しておくとよいでしょう。
申請方法と必要書類
営業許可の申請には、次の書類が必要です。
- 飲食店営業許可申請書
- 登記事項証明書(法人の場合のみ)
- 水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合のみ)
- 営業設備の大要・配置図
- 内装の配置の平面図
- 場所の見取り図
- 食品衛生責任者の資格を証明する書類(食品衛生責任者手帳等)
すべて揃えたら、施設完成予定日の3週間前を目途に保健所に提出しましょう。
取得にかかる期間
取得にかかる期間は、申請してから手続きが問題なく進み許可が下りた場合で、2〜3週間程度と考えておけばよいでしょう。
各手続きの目安は、次のとおりです。
- 事前相談から申請書類作成まで:3日
- 保健所での申請受付から日程調整まで:10日
- 立入検査から営業許可まで:5日
施設基準に適合しない場合は許可が下りず、不適事項を改善して改めて再検査を受けることになります。期間も長くなるでしょう。
飲食店の営業許可取得にかかる費用
営業許可の申請には、手数料がかかります。金額は飲食店の営業形態や管轄する保健所によって異なり、16,000円〜19,000円程度が目安です。
主要地域の一例は、次のとおりです。
- 東京都:18,300円
- 埼玉県:17,600円
- 神奈川県:16,000円
- 大阪府:16,000円
あらかじめ、地域の自治体の公式サイトで確認しておくとよいでしょう。
飲食店の営業許可以外に必要な許認可の取得方法
飲食店の開業では、保健所への営業許可取得以外に次の許認可・届出が必要です。
- 食品衛生責任者
- 防火管理者の資格取得
- 消防署への届出
- 警察への深夜酒類提供飲食店営業開始届(必要な場合)
食品衛生責任者は、栄養士や調理師などの資格を保有していることが要件です。資格がなくても、食品衛生責任者養成講習会や、知事などが適正と認めた講習会を受講することで取得できます。
防火管理者の資格取得は、収容人数が30名以上の規模の飲食店を開業する場合に必要です。
消防署への各種届出も、忘れないようにしましょう。酒類の供給がメインの深夜営業の場合は、警察署への届出も行ってください。
飲食店の開業に必要な許認可や届出を事前にチェックしておこう
飲食店を開業する際は、保健所への営業許可申請をはじめ、消防署や警察署(必要ある場合)への届出も必要です。食品衛生責任者などの資格も取得しなければなりません。
許認可に際しては、事前に保健所に相談をして、施設基準に合致しているかを確認しておきましょう。申請に必要な書類は複数あるため、開店予定の日程までには時間に余裕をもって準備を行ってください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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