- 作成日 : 2022年11月30日
開業・起業時に固定電話は必要?メリットや契約の流れ、料金を解説!
個人事業主の方が開業する際に、わざわざ費用をかけてまで固定電話回線を契約する必要があるのか?という疑問があります。事業用の連絡先としてスマホを使うケースもありますが、今回は個人事業主が起業するにあたって固定電話を持つメリットについて解説します。
目次
開業・起業時に固定電話は必要?
個人事業者の方が開業する際に固定電話は特には必要ありません。例えば、個人事業主の場合、税務署に「開業届」を提出する必要がありますが、ここに記入する電話番号は固定電話である必要はありません。また、確定申告書に記載する連絡先も「携帯電話」という選択肢があるくらいですので、税務上は固定電話の取得を求められるケースはありません。
現在では、スマホを利用する方の割合が高まっていますので、固定電話しかなかった時代とは少し事情が異なります。携帯電話ひとつあれば事業ができるため、届出や手続きも携帯電話の番号を記入すればよいという流れになっています。
開業・起業時の固定電話のメリットは?
スマホが普及している現在ですが、個人事業主の方でもあえて固定電話を取得することにはメリットがあります。
信頼度が上がる
固定電話を取得する最大のメリットは、取引先からの信頼度が上がる点です。最近では、携帯電話を使った詐欺行為も見受けられるので、事業用の電話番号が携帯電話である場合、相手先が不信感を持つ可能性があります。
その点、固定電話であれば相手の所在がある程度把握できるため、取引先からの信頼度が高まります。固定電話の番号だけ欲しいというケースでは、固定電話から携帯電話に転送すればスマホで事業を行うことも可能でしょう。
プライベートが守られやすい
携帯電話をプライベート用と事業用の2台持てば、取引先に仕事用の電話番号だけ通知しておくだけでプライベート用の通話と事業用の通話を分けることができます。しかし、2台契約すると月々の固定経費がかかるため携帯電話1台で事業用を兼ねているケースが多いのではないでしょうか。
兼用するとプライベートまで電話がかかってくるデメリットがありますが、固定電話を導入すれば仕事とプライベートを分けることができます。
通話が安定している
携帯電話を使用した場合、通信環境によって回線がつながらなかったり、接続が不安定になったりするケースがあります。また、充電が切れてしまう事態も想定されます。
その点、固定電話であれば、携帯電話に比べて安定して通話ができます。特に、アナログ回線を使用している場合には通信環境に左右されにくいので、安定感はさらに増加します。
固定電話の契約や番号取得までの流れは?
固定電話の契約といえば、電話加入権を購入する「NTTの加入電話」しかありませんでした。しかし、最近では電話加入権が不要な「加入電話・ライトプラン」やNTT以外の会社が提供する「直収電話」などのサービスも選択可能です。電話加入権を購入する場合としない場合で若干手続きが変わります。
- 電話加入権の購入
NTTに契約の申し込みをして、電話加入権を購入します。電話加入権は現在36,000円(消費税抜)ですが、この加入権は市場での売買が可能であり中古価額というものも存在します。導入時の初期投資を抑えたい方は、中古の電話加入権を購入するのもひとつの方法です。
なお、電話加入権の購入を要しない「加入電話・ライトプラン」や「直収電話」の場合はこの手続きが省略できます。
- 電話番号の決定
電話加入権の購入後に、取得する電話番号を決定します。他で使用されていなければ、この時点で希望する電話番号を選ぶことも可能です。
- 電話工事
希望する工事日を指定し、NTTの回線と固定電話を設置する場所を繋ぐための電話工事を行います。一般回線やひかり回線など、契約内容によって工事内容は若干異なります。
- 電話機の購入
電話工事が終われば、あとは端末である電話機を購入して回線に接続し、すぐにでも固定電話が利用できます。
開業・起業時の固定電話の料金は?
開業・起業時に固定電話を取得する際にかかる費用は、電話加入権を購入するかどうかで変わってきます。電話加入権はアナログ回線であり、先にも述べた通り一回線36,000円(税抜)を支払って取得します。電話加入権不要の「ライトプラン」「直収電話」も用意されており、この場合には導入時の初期費用を抑えることが可能です。また、アナログ回線は安定して利用できるというメリットもあります。
これに対してインターネット回線を使った固定回線は、通話料が安く抑えられます。県内外を通じて1分あたりの通話料金が一律同額に設定されているものもありますので、特に遠くの取引先との連絡が多いケースではお得になるかもしれません。
固定電話でおすすめの会社は?
かつて固定電話といえば、黒いダイヤル電話といったようなどこかアナログ的なイメージがあったものです。しかし、現在ではインターネット回線を使った高速通信が主流となり、電話機を固定して使用するものを「固定電話」と呼ぶようになりました。固定電話でおすすめの会社をいくつか紹介します。
ドコモ光
代表的な固定回線といえば、NTTが提供するドコモ光が挙げられます。NTTといえば通信網が充実しており、全国のほぼすべてのエリアをカバーしていることが最大のメリットです。また、NTTでスマホを契約している場合には、ドコモ光とセット契約にすれば割引を受けられるメリットもあります。
auひかり
大手通信キャリアのひとつであるauが提供する固定回線サービスです。使用する回線がau独自のものであることから、NTT回線を使用する場合と比べて混雑が少ないというメリットがあります。NTTと同様に、スマホを契約していればセット契約で割引を受けることもできます。
NURO光
NURO光はソニーグループが提供する固定回線です。auひかりと同様に独自回線を使用しますが、他のサービスと比べて通信速度が早いのが大きな特徴です。ソフトバンクと提携しているため、ソフトバンクの携帯を使用している場合にはスマホ料金が割引されるメリットもあります。
固定電話の料金やメリット・デメリットを理解して開業しよう!
商取引を円滑に行うには信用が第一です。固定電話のある企業なら「身元が確かな取引先=信頼のおける取引先」と評価される可能性が高まります。固定電話ひとつで印象は変わるものです。維持管理費はかかっても固定電話を導入されてはいかがでしょうか。
よくある質問
開業時に固定電話は必須か?
届出や手続きをする際に、固定電話の番号を求められることはありません。詳しくはこちらをご覧ください。
固定電話を取得するメリットは?
信頼度が上がる、プライベートが守られる、通話が安定している等が挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
固定電話の取得にかかる費用はどのようなものがある?
電話加入権の取得費用のほか、月額固定料金や通話料がかかります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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