- 更新日 : 2025年11月20日
身元保証書とは?目的や書き方、保証人や提出拒否にかかわる対応を解説
「身元保証書」とは、就活を行って採用が内定した人や新たに入社する予定の人に対して、会社が提出を依頼する書類です。
今回は、身元保証書についての概要や目的、身元証明書との違い、身元保証人になることができる対象者やその人数、身元保証書の書き方や身元保証書に関してよく聞く提出拒否時の対応などについて解説していきます。
目次
身元保証書とは?
「身元保証書」とは、入社を予定している人に対して、身元保証を行うために会社から提出を依頼される書類です。法律上は身元保証書の提出義務はありませんが、会社が必要だと判断した場合、身元保証書を提出するように話をすることは可能です。
身元保証書を提出させる目的
身元保証書は、身元保証人が入社予定の人の身元を保証する証明書類です。身元保証書を提出させる主な目的は、以下のとおりです。
本人の就業に問題がないことを証明する
採用選考を行う際に、会社は履歴書や職務経歴書、面接などによって、応募者の採否を決定します。ただし、これらは自己申告のため、虚偽の内容があったとしても、それを確認することは困難です。身元保証書の提出によって、下記のようなことについて担保します。
- なりすましを防止すること
- 会社に勤務することに問題のない人であること
- 履歴書や職務経歴書に虚偽の記載をしていないこと
責任を自覚してもらうことによる抑止力になる
社員による不正や迷惑行為には、備品や商品の横領、金銭の着服から機密情報の持ち出し、SNSなどへの誹謗中傷など、さまざまなものがあります。身元保証書を提出してもらうことによって、このような会社に損害を与えることを行った場合、自分だけではなく身元保証人にも迷惑がかかることになります。
「身元保証人にも迷惑がかかる」ということを自覚することにより、それが抑止力として働くことになります。
緊急連絡先を確認する
急病や事故、何かのトラブルなどで、急に本人と連絡が取れなくなってしまった場合、急なことなので会社の同僚や担当している得意先に迷惑をかけることがあります。その後、連絡が取れるようになればフォローさせることも可能ですが、どうしても連絡が取れない場合に、身元保証書があれば緊急連絡先を確認することができます。
緊急連絡先に確認して状況が把握できた場合、会社は対応方法を考えることも可能です。そのようなときのために身元保証書を提出してもらっておくことも、危機管理的なことで必要です。
身元証明書との違い
「身元保証書」の他に、類似している名称の「身元証明書」があります。この2つの書類は、名前は似ていますが、内容も目的も異なる書類です。
身元証明書は、証明する対象の人が法律行為を有効に行う意思能力を持っているかどうかを公的機関が証明することを目的とした書類です。ここで言う法律上の行為能力とは、以下のことを指します。
- 禁治産または準禁治産の宣告の通知を受けていない
- 後見の登記通知を受けていない
- 破産の通知を受けていない
身元保証書が必要なケース
身元保証書が必要なケースは、主に入社のタイミングになります。身元保証書を提出してもらうのは次のような理由からです。
- 本人が就業するにあたって問題がないことを証明する
- 責任を自覚させることにより問題行動などを起こす抑止力になる
- 緊急連絡先を確認する
入社予定の人の情報は、書類や1回から数回の面接でしか得ることができません。したがって、その人の情報に虚偽がない、または信頼できる人かどうかを判断できるまでには至りません。そこで、第三者に入社予定の人の身元を保証してもらうことによって、その人が問題のない人であることを担保しておきます。
他にも、外国人の日本の在留資格(ビザ)の取得・在留期間の更新時などの場面で身元保証書が必要になります。
身元保証人の対象者や人数
身元保証人になれる人の条件にはどのようなものがあるのか、また、どのようにして決めているのか、身元保証人の対象にできる人物や人数について見ていきます。
身元保証人の対象者
身元保証人の対象者は会社によって異なります。会社が自由に設定できますが、自分の親や兄弟姉妹、親戚や配偶者といった身内の人が身元保証人になることが多いです。
ただし、損害賠償が発生した際に十分な金銭補償を受けられるように、身元保証人を定期的な収入がある成人に限定する場合もあります。その場合には、年金生活をしている両親や収入のない配偶者は身元保証人から除外される場合がありますので注意してください。
身元保証人の人数
身元保証人は1人、もしくは2人にするのが一般的です。1人の場合には「親族」が、2人の場合には1人は「親族」で、もう1人は「成人で独立して生計をたてている人」と限定されていることも多いです。
身元保証書の書き方
身元保証書は法律でその書式が定められているわけではありません。会社によって異なる書式になります。通常は、会社が準備した身元保証書に本人と身元保証人になる人がそれぞれ署名・押印する流れになります。ここでは、一般的な身元保証書の記載内容について見ていきます。
本人が記入する項目
本人が記入する欄には以下の内容について記載します。
- 身元保証書を提出する日
- 現住所
- 氏名
- 押印
- 生年月日
気をつけること
- 身元保証書の提出日は入社日にしておけば問題ありません
- 現住所は、会社に提出する住民票や履歴書と同じ住所にします
- 押印は認印で構いません
身元保証人が記入する項目
身元保証人が記入する欄には以下の内容について記載します。
- 住所
- 氏名
- 押印
- 本人との関係
- 電話番号
- (職業)
職業欄は、金銭的な補償が発生したときに支払い能力があるかどうかを判断するために設ける会社があります。
身元保証書の無料テンプレート・ひな形
身元保証書をどのように作成すべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。実際に1から作成するのは大変なことです。
マネーフォワードクラウドでは、実務で使用できる、身元保証書のテンプレート(エクセル・ワード)を無料でダウンロードいただけます。
ベースを保ちつつ、自社の様式に応じてカスタマイズすれば使い勝手の良い書類を作成できるでしょう。この機会にぜひご活用ください。
身元保証書についてのよくある質問
身元保証書に関して、よくある質問を紹介します。困ったときの参考にしてください。
身元保証書の提出は拒否できる?
身元保証書は法律で提出の義務を定めてはいません。会社が必要だと判断した場合には身元保証書の提出を求めることは可能ですが、提出したくない場合には拒否することができます。ただし、就業規則や会社の規程で身元保証書の提出を義務付けている場合がありますので、その場合には内定を取消しにする会社もあります。
こうなってしまうと、会社と入社予定者の間に溝ができてしまいますので、そうならないよう話し合って解決することが必要です。
身元保証書を提出しない場合、採用を拒否できる?
前述しましたが、身元保証書は提出を法律で義務付けられている書類ではないため、入社予定の人が提出を拒否することは可能です。ただし、会社が就業規則やその他の規程で提出を義務付けている場合に提出しないのであれば、規程違反で採用を拒否することを考えるかもしれません。
しかし、会社が内定を出した時点で、入社する人との間で雇用契約が成立しているとみなされます。よって、身元保証書を提出しないからといって採用を拒否した場合、不当解雇に該当する可能性があります。
提出を拒否された場合には、入社する人に身元保証書を提出してもらう目的や必要な理由(例:緊急連絡先の確認のため等)を丁寧に説明し、理解を得るようにしてください。
身元保証人を自分で書いてしまった場合は?
身元保証人が遠方にしかいないため、名前を自分で書いても良いのではないかと思う人がいるかもしれませんが、代筆してはいけません。遠方に住んでいる人の場合には、郵送で書類をやり取りしてきちんと記入してもらいましょう。
身元保証人は調べられる?
身元保証書は、入社予定の人の身元保証のために会社に提出する書類ですから、通常は虚偽の記載をしていることはありません。したがって、会社は身元保証人を調べたりはしないと考えられます。
通報は、入社予定の人が損害賠償するようなことを起こしたか、連絡が取れなくなった際に連絡をするだけです。
身元保証人がいない場合どうする?
身元保証人になってくれる人を探しても、身元保証人になってくれる人が見つからなかった場合には、採用先の会社の採用担当者に相談してください。決して身元保証人の欄に自分で署名・押印したりすることはしないでください。
自分一人で考え込まず、早めに採用担当者に相談しましょう。会社がどうするかを検討しますので、判断を委ねるしかありません。
パート・アルバイトでも身元保証人になれる?
身元保証人には、法律上の決まりごとはありません。しかし、損害賠償が発生した際に十分な金銭補償を受けられるように、定期的な収入がある成人に限定している会社が多いです。また、「3親等内の親族に限る」と限定している場合もあります。
パート・アルバイトであっても身元保証人にはなれますが、定期的な収入があり、損害賠償が発生した際に十分な金銭補償ができる人である必要があります。
身元保証書の目的や書き方について再確認しておこう
入社予定の人に身元保証書の提出を求める際に必要なことを再確認して、身元保証書についての問い合わせなどがあった際にも誠実に回答ができるように準備しておきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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