- 更新日 : 2026年1月28日
【テンプレートあり】特性要因図(フィッシュボーン図)とは?書き方や4Mの事例まで徹底解説
問題解決や業務改善の現場で、課題の「真の原因」を突き止めるために使われるのが「特性要因図」です。魚の骨のような形状から「フィッシュボーン図」とも呼ばれます。しかし、「作り方がわからない」「要因(大骨)をどう決めればいいか悩む」「作っても意味がないと言われた」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、特性要因図の基礎知識から、製造業で必須の「4M」を使った書き方、オフィスワークでの事例、さらにエクセルや自動作成ツールの活用法までをわかりやすく解説します。
目次
特性要因図とはどのようなフレームワークか?
特性要因図とは、解決したい「結果(特性)」に対して、それに影響を与えていると思われる「要因」を漏れなく書き出し、体系的に整理した図のことです。
結果と原因の因果関係を視覚化することで、複雑に絡み合った問題の全体像を把握し、解決すべき「真因(根本原因)」を特定するために用いられます。1950年代に石川馨博士によって考案されたため、海外では「イシカワ・ダイアグラム(Ishikawa Diagram)」としても知られています。
この図は、主に以下の3つの要素で構成されています。
- 特性(背骨の頭):現在起きている問題や解決したい結果(例:不良品率が高い)。
- 要因(大骨):特性に影響を与えている要素の大きなカテゴリ(例:人、機械)。
- 原因(小骨・孫骨):要因をさらに掘り下げた具体的な事象(例:経験不足、整備不良)。
特性要因図を作成するメリットは何か?
特性要因図を作成する最大のメリットは、頭の中にあるバラバラな情報を可視化し、チーム全体で問題の認識を共有できることです。
一人で考えると「経験や勘」に頼りがちな原因分析も、この図を用いてチームでブレインストーミングを行うことで、見落としていた要因に気づきやすくなります。
- 全体像の把握:問題の構造が一目でわかるようになる。
- 抜け漏れの防止:カテゴリ(大骨)を設けることで、多角的な視点で分析できる。
- 真因の特定:表面的な事象ではなく、解決すべき根本原因にたどり着ける。
【書き方】要因(大骨)を漏れなく洗い出す「4M」とは?
製造業などで特性要因図を作る際、要因(大骨)の決め方として最も基本となるのが「4M」というフレームワークです。
4Mとは、製造現場における品質管理の4要素である「Man(人)」「Machine(機械)」「Material(材料)」「Method(方法)」の頭文字をとったものです。
これらを大骨に設定することで、要因の抜け漏れを防ぐことができます。
4Mの具体的な内容
- Man(人):作業者のスキル、経験年数、体調、モチベーションなど。
- Machine(機械):設備の新旧、メンテナンス状況、治具の精度など。
- Material(材料):原材料の質、部品のばらつき、保管状態など。
- Method(方法):作業標準書、手順、温度や時間の条件など。
事務・営業職などの非製造業の場合は、4Mの代わりに「4P(Place, Procedure, People, Policy)」や「4S(Surroundings, Suppliers, Systems, Skills)」などが使われることもあります。
特性要因図の具体的な作成手順は?
特性要因図の作成は、「背骨(特性)」を定義し、「大骨(要因)」を設定してから、「小骨・孫骨(原因)」へと深掘りしていく手順で進めます。
ここでは、「製品の不良品率が高い」という問題を例に、4Mを使った具体的な作り方を解説します。
ステップ1:背骨(特性)を決める
まず、解決したい問題を明確にし、図の右端に記入して左から太い矢印(背骨)を引きます。
例:「製品Aの寸法不良が多い」
ステップ2:大骨(要因のカテゴリ)を記入する
背骨に向かって斜めに線を引き、要因の切り口となるカテゴリ(4Mなど)を記入します。
例:「人」「機械」「材料」「方法」
ステップ3:小骨・孫骨(具体的な原因)を掘り下げる
大骨のカテゴリごとに、「なぜその問題が起きるのか?」を問いかけ、具体的な原因を小骨として書き足します。さらに「なぜ?」を繰り返し、孫骨を追加します。
- 例(人):作業ミスが多い(小骨)→ マニュアルが未整備(孫骨)
- 例(機械):精度が安定しない(小骨)→ 定期点検をしていない(孫骨)
このように「なぜ?」を繰り返す(Why-Why分析)ことで、対策可能なレベルまで原因を分解することが重要です。
製造業やビジネス現場での活用例は?
特性要因図は製造業の品質改善だけでなく、オフィスワークの業務効率化や売上改善など、あらゆる場面で活用できます。
ここでは、製造業と営業職それぞれの具体的な事例を紹介します。
製造業の事例:不良品の発生原因分析
- 特性:塗装ムラが発生する
- 人:新人の吹き付け速度が一定でない、疲労による集中力低下。
- 機械:スプレーガンのノズル詰まり、コンプレッサーの圧力が不安定。
- 材料:塗料の粘度が気温によって変化している、シンナーの配合ミス。
- 方法:乾燥時間の基準が曖昧、塗装手順書が古い。
ビジネス(営業)の事例:成約率が伸びない原因分析
- 特性:新規顧客の成約率が低い
- Place(環境):商談スペースが騒がしい、Web会議の通信環境が悪い。
- Procedure(手順):ヒアリングシートがない、クロージングのタイミングが遅い。
- People(人):商品知識不足、身だしなみの乱れ。
- Policy(方針):ターゲット顧客の選定ミス、値引きルールの硬直化。
特性要因図は「意味ない」と言われる理由は?
特性要因図を作っても「意味がない」と言われる主な理由は、原因の掘り下げが浅く、具体的なアクション(対策)に繋がらないからです。
単に思いついた要因を羅列するだけでは、真因にはたどり着けません。
意味のある図にするためのポイント
- 「なぜ?」を5回繰り返す:「担当者がミスをした」で止めず、「なぜミスをしたのか?(注意不足)」→「なぜ注意不足になったのか?(確認工程がない)」と、システムや仕組みの問題に行き着くまで掘り下げる。
- 事実と推測を分ける:挙げられた要因が事実なのか、単なる思い込みなのかをデータ(三現主義)で検証する。
特性要因図のエクセルテンプレートや自動作成ツールはあるか?
特性要因図は手書きで行うのが基本ですが、清書や共有のためにはエクセルテンプレートや、近年登場している生成AIによる自動作成ツールが便利です。
手書きはブレインストーミングに向いていますが、デジタルツールは保存や修正、共有に優れています。
特性要因図の無料テンプレート
特性要因図を作成する際には、テンプレートを活用するのがおすすめです。テンプレートを使用することで、図の構成に迷うことなく、効率的に高品質な特性要因図を作成できます。下記のリンクでは、特性要因図の無料テンプレートをダウンロードできるので、ぜひご活用ください。
特性要因図のテンプレートのダウンロードはこちら
生成AIによる自動作成
ChatGPTなどの生成AIを活用すれば、「『会議が長い』という特性要因図の構成案を4Mで作って」と指示するだけで、要因の候補をリストアップしてくれます。これをマインドマップツールなどに読み込ませることで、図を自動生成することも可能です。
特性要因図で真因を特定し、根本的な問題解決を実現しよう
特性要因図(フィッシュボーン図)は、問題の表面だけでなく、その奥にある根本原因をチーム全員で見つけ出すための強力なツールです。
- 特性(結果)を明確にする
- 4Mなどのフレームワークで要因(大骨)を漏れなく出す
- 「なぜ?」を繰り返して真因(孫骨)を特定する
この手順を守れば、「意味のない図」になることはありません。エクセルテンプレートなども活用しながら、ぜひ日々の業務改善に役立ててください。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選【部署別紹介】
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