- 作成日 : 2025年12月8日
スプレッドシートでアンケート集計を効率化するには?Googleフォームとの連携から分析まで
Googleスプレッドシートを活用したアンケート集計は、Googleフォームとの連携により、データ収集から分析まで一貫して効率的に行えます。リアルタイムでの回答集計、自動グラフ化、高度な分析関数の活用により、アンケート結果から有益なインサイトを素早く抽出できます。
本記事では、Googleフォームでの基本的な集計確認から、スプレッドシートと連携した詳細分析、集計作業を効率化する便利な関数まで、アンケート運用に必要な全ての手順を詳しく解説します。顧客満足度調査、社内アンケート、イベント参加者調査など、様々な場面で活用できる実践的なテクニックをマスターできます。
目次
Googleフォームでアンケート集計を確認する方法は?
Googleフォームには、回答を自動的に集計し、グラフで可視化する機能が標準搭載されています。フォーム作成直後から、リアルタイムで回答状況を確認でき、簡易的な分析には十分な機能を提供します。
参考:フォームの回答を表示、管理する – Google ドキュメント エディタ ヘルプ
回答の概要を確認する手順
- 作成したGoogleフォームを開く
- 上部タブの「回答」をクリック
- 「概要」タブで自動生成されたグラフを確認
- 回答数の推移グラフ
- 質問ごとの回答分布(円グラフ、棒グラフ)
- 回答の要約統計(平均値、中央値など)
個別回答の詳細確認
- 回答者ごとの全回答内容
- 回答日時とタイムスタンプ
- メールアドレス(収集設定時)
フォーム側での基本的な分析機能
- 質問別の回答率
- 選択肢の分布割合
- 自由記述のワードクラウド(一部の質問形式)
しかし、これらの機能では、クロス集計や条件付き分析など、より深い分析には限界があります。そこで、スプレッドシートとの連携が重要になります。
スプレッドシートと連携してアンケートを集計する手順は?
Googleフォームの回答をスプレッドシートに連携することで、高度な集計と分析が可能になります。連携は数クリックで完了し、以降の回答は自動的にスプレッドシートに記録されます。
STEP1:スプレッドシートへの連携設定
- Googleフォームの「回答」タブを開く
- スプレッドシートアイコン(緑色)をクリック
- 「新しいスプレッドシートを作成」または「既存のスプレッドシートを選択」
- 「作成」または「選択」ボタンをクリック
STEP2:連携後のデータ構造確認
自動生成されるシートの構成:
| 列 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| A列 | タイムスタンプ | 2025/10/27 14:30:25 |
| B列以降 | 各質問の回答 | 質問1の回答、質問2の回答… |
STEP3:リアルタイム更新の確認
- 新規回答が自動的に最終行に追加
- 既存データの保護(自動的に保護範囲に設定)
- フォーム編集時の列名自動更新
連携のメリット
- 複数条件でのフィルタリング
- ピボットテーブルでのクロス集計
- カスタム関数での高度な分析
- 外部データとの結合分析
COUNTIF関数でアンケート回答を集計するには?
COUNTIF関数は、特定の条件に合致する回答数を数える最も基本的で重要な集計関数です。単一選択の質問や、特定の回答パターンの集計に威力を発揮します。
基本的なCOUNTIF関数の使用方法
選択肢ごとの回答数を集計:
=COUNTIF(B:B,”満足”)
この数式で、B列内の「満足」という回答数をカウントします。
複数の選択肢を一覧で集計
集計表の作成例:
| 選択肢 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
| 非常に満足 | =COUNTIF(B:B,”非常に満足”) | =E2/COUNTA(B:B)*100 |
| 満足 | =COUNTIF(B:B,”満足”) | =E3/COUNTA(B:B)*100 |
| 普通 | =COUNTIF(B:B,”普通”) | =E4/COUNTA(B:B)*100 |
ワイルドカードを使った柔軟な集計
部分一致での集計:
=COUNTIF(B:B,”*満足*”) // 「満足」を含む全ての回答
否定条件での集計:
=COUNTIF(B:B,”<>未回答”) // 「未回答」以外の全て
COUNTIFS関数で複数条件の集計を行うには?
COUNTIFS関数を使用すると、複数の条件を組み合わせた詳細な集計が可能になります。クロス集計や、セグメント別の分析に不可欠な機能です。
複数条件での回答者数集計
年代別×満足度の集計例:
=COUNTIFS(C:C,”20代”,D:D,”満足”)
日付範囲を含む条件設定
特定期間の回答を集計:
=COUNTIFS(A:A,”>=”&DATE(2025,10,1),A:A,”<=”&DATE(2025,10,31),B:B,”参加する”)
動的な条件設定
セル参照を使った柔軟な集計:
=COUNTIFS($C:$C,G$1,$D:$D,$F2)
この方法により、集計条件を変更しやすい分析表を作成できます。
QUERY関数でより高度な集計分析を実現するには?
QUERY関数は、SQL風の構文でデータを操作できる強力な集計ツールです。複雑な条件での抽出、グループ化、並び替えを一つの関数で実現できます。
基本的なQUERY関数での集計
部署別の平均満足度を算出:
=QUERY(A:E,”SELECT C, AVG(D) WHERE C IS NOT NULL GROUP BY C LABEL AVG(D) ‘平均満足度'”)
複数の集計を同時に実行
総合的な統計情報の取得:
=QUERY(A:E,”SELECT COUNT(A), AVG(D), MAX(D), MIN(D) WHERE A IS NOT NULL LABEL COUNT(A) ‘回答数’, AVG(D) ‘平均’, MAX(D) ‘最大’, MIN(D) ‘最小'”)
条件付きの詳細分析
特定セグメントの抽出と集計:
=QUERY(A:E,”SELECT B, COUNT(B) WHERE C = ‘営業部’ AND D >= 4 GROUP BY B ORDER BY COUNT(B) DESC”)
ピボットテーブルで多角的な集計を行う方法は?
ピボットテーブルは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、多次元のクロス集計を実現します。コーディング不要で、複雑な集計表を素早く作成できます。
ピボットテーブルの作成手順
- アンケート回答データ全体を選択
- 「挿入」→「ピボットテーブル」
- 新しいシートに作成を選択
効果的な配置設定
- 行:主要な分類項目(部署、年代など)
- 列:評価項目(満足度レベルなど)
- 値:COUNT、AVERAGE、SUMなどの集計関数
- フィルタ:期間や特定条件での絞り込み
計算フィールドの追加
カスタム指標の作成:
その他の便利な集計関数とテクニックは?
アンケート集計を更に効率化する関数とテクニックを組み合わせることで、プロフェッショナルな分析が可能になります。以下の関数を状況に応じて活用します。
UNIQUE関数で回答の種類を抽出
重複を除いた選択肢一覧の取得:
=UNIQUE(B2:B)
ARRAYFORMULA関数で一括処理
全行に同じ計算を適用:
=ARRAYFORMULA(IF(B2:B=””,””,VLOOKUP(B2:B,変換表!A:B,2,FALSE)))
FILTER関数で条件抽出
特定条件の回答のみを抽出:
=FILTER(A:E,D:D>=4,C:C=”営業部”)
テキスト分析関数の活用
自由記述の分析:
=LEN(B2)-LEN(SUBSTITUTE(B2,”改善”,””)) // 特定単語の出現回数
集計結果の可視化とレポート作成
アンケート集計の最終段階では、グラフやダッシュボードの作成が重要です。スプレッドシートのグラフ機能を活用し、集計結果を視覚的に表現することで、ステークホルダーへの報告がより効果的になります。
条件付き書式を使った色分け表示や、SPARKLINE関数でのミニグラフ表示など、データの特性に応じた可視化手法を選択することが大切です。また、定期的なアンケートの場合は、テンプレート化により作業時間を大幅に削減できます。
Googleフォームとスプレッドシートでアンケート集計を効率化
Googleフォームとスプレッドシートを連携させるとアンケート集計も可能です。アンケートのデータ収集から分析まで、一つのワークフローでできるため集計を効率化できます。
COUNTIF、COUNTIFS、QUERY関数などの集計関数を使うと、複雑なクロス分析まで、あらゆるニーズに対応できます。特に、リアルタイムでデータを更新したり、チームですぐに共有できるため、次の意思決定までがスムーズです。
この記事をお読みの方におすすめのガイド5選【部署別紹介】
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