• 作成日 : 2025年12月2日

Googleスプレッドシートで昇順・降順に並べ替えるには？データをソートする方法

Googleスプレッドシート（以下、スプレッドシート）を使う際、データを効率良く管理するには「ソート機能」の活用が欠かせません。本記事では、スプレッドシートでデータを並べ替える方法、特に昇順でのソート手法と降順との使い分けについて、初心者向けに解説します。売上データや顧客リストなど、膨大な情報を整理する際に役立つテクニックをご紹介します。

Googleスプレッドシートの並べ替え機能とは

スプレッドシートの並べ替え機能は、データを指定した順序で自動的に整列させる機能です。 昇順（小さい順）や降順（大きい順）、あるいはアルファベット順など、様々な方法でデータを並べ替えられます。この機能を活用することで、データ分析や情報検索がぐんと効率化されます。

スプレッドシートのソート機能には、大きく2つの使用方法があります。ひとつは「シンプルなソート」で、1列を選んで昇順・降順に並べ替える方法です。もうひとつは「データ範囲ソート」で、複数列を指定して、主要な列の値に基づき、関連データをまとめて並べ替える高度なやり方です。どちらも日常の業務効率化に役立ちます。

1列のデータを昇順で並べ替える基本手順

ステップ1：並べ替える列を選択する

まず、スプレッドシートで並べ替えたいデータが入っている列全体を選択します。列番号（A、B、Cなど）をクリックすると、その列全体が選択されます。もしデータが限定的な範囲であれば、その範囲のセルを選択してもかまいません。

重要なポイントは、ヘッダー行をどう扱うかを自分で決めることです。

ヘッダーを動かしたくない場合は、1行目を除いたデータ範囲だけを選択して「範囲を並べ替え」を使うか、「データにヘッダー行が含まれています」にチェックを入れて操作するようにしましょう。

ステップ2：メニューから「並べ替え」オプションを開く

画面上部のメニューバーから「データ」をクリックし、ドロップダウンメニューを表示させます。その中から「範囲を昇順に並べ替え」または「シート全体を昇順に並べ替え」を選択します。スプレッドシートでは、選択範囲に応じてこれらのオプションが自動的に切り替わります。

「シート全体を昇順に並べ替え（A→Z / Z→A）」を選ぶと、ヘッダー行も含めてシート全体が並べ替え対象になります。そのため、ヘッダー行を動かしたくない場合は注意が必要です。

ヘッダーを除外して並べ替えたい場合は、

こうすることで、ヘッダー行は固定されたまま、データ部分だけを昇順・降順に整列させることができます。

ステップ3：並べ替え完了の確認

クリック直後、選択した列のデータが昇順（数値なら小さい順、文字列ならABC順）に自動的に整列します。複数列を含む範囲を選択していた場合、指定した列の値を基準に、すべての関連行が一緒に並べ替わるため、データの関連性が保たれます。

昇順と降順の違いと使い分け

昇順とは何か

昇順とは、データを小さい順または前から後ろへと並べる順序のことです。 具体的には、数値なら1から100へ、アルファベットならAからZへ、日付なら古い日付から新しい日付へと整列させます。スプレッドシートで「昇順に並べ替え」と指定すると、このルールに基づいてデータが並べられます。

昇順でのソートが活躍するシーンは多いです。例えば、売上リストを金額が小さい順に整理して、最小値をすぐに把握したい、あるいは従業員リストを姓の50音順に並べて、特定の名前を探しやすくしたい場合などです。

降順とは何か

降順とは、データを大きい順または後ろから前へと並べる順序のことです。 昇順の逆で、数値なら100から1へ、アルファベットならZからAへ、日付なら新しい日付から古い日付へと整列させます。

降順がよく使われるのは、売上金額が大きい順にランキング表示したい、あるいはアクセス数が多い順に記事を表示したいといった場面です。経営層へのレポートでは、最も重要な数値（最高売上など）を上部に配置することで、視認性が向上します。

昇順と降順の使い分けのコツ

データの「最小値を重視するか、最大値を重視するか」で判断します。例えば、在庫管理では不足している商品を上に表示したいため昇順、売上分析では売上トップ商品を上に表示したいため降順を選ぶといった具合です。また、時系列データの場合、過去から現在へ確認したければ昇順、最新情報から確認したければ降順とします。

複数列を指定してデータを並べ替える方法

複数列ソートが必要な場面

複数列でのソートは、複合的な基準でデータを整理する際に活躍します。 例えば、顧客データベースで「地域ごとに分類した上で、地域内では売上金額の大きい順」という2段階の整理が必要な場合があります。この場合、単純に1列をソートするだけでは不十分で、複数列を組み合わせたソートが必要になります。

複数列ソートの実行手順

まず、並べ替える全体のデータ範囲（複数列を含む）を選択します。選択した状態で、メニューの「データ」から「データ範囲の並べ替え…」を選択すると、「並べ替えの範囲」ダイアログが表示されます。

ダイアログ内で「データに見出しがあります」にチェックを入れ、第1列の欄で主要なソート基準となる列を指定します。例えば「地域」を選ぶと、最初に地域でグループ分けされます。その下の「その他の列」から第2列を指定すると、同じ地域内では指定した基準（例：売上金額）でさらに細かく整列します。

この方法により、3列以上の複合条件でもソートできます。複数の条件を設定することで、ビジネスデータの複雑な整理ニーズにも対応可能です。

日付データを昇順でソートする際の注意点

日付フォーマットの重要性

日付データをスプレッドシートで正しく昇順ソートするには、セルの書式を「日付」として設定することが必須です。 もし日付を単なるテキスト（文字列）として入力していると、スプレッドシートはそれを数値ではなく文字として認識し、正しい時系列順にソートできません。例えば「2024年1月10日」と「2024年2月5日」が、アルファベット順のように「1」「2」の前後で並ぶのではなく、テキスト判定により想定外の順序になる可能性があります。

日付をソートする前の準備

日付を含む列を選択した後、メニューから「表示形式」を選び、「日付」形式を適用します。スプレッドシートが日付として認識した後、通常の昇順ソートを実行すれば、古い日付から新しい日付へと正確に並べ替わります。

ISO形式（YYYY-MM-DD）での入力や、スプレッドシート内で関数を使用した日付生成（例：TODAYやDATE関数）なら、自動的に日付形式として認識されます。

数値データを昇順でソートする際の注意点

数値とテキストの区別

数値をスプレッドシートで昇順ソートする場合、その列が「数値」として認識されていることが重要です。 もし金額や数量が「”100″」のようにテキスト形式で入力されていると、スプレッドシートはそれを文字列と判定し、「1」「10」「100」「2」「20」といったテキスト順でソートしてしまいます。視覚的には正しく並んでいないように見えます。

数値形式への変換方法

数値を正しく昇順ソートするには、「見た目」だけでなく、セルの中身が本当に数値として保存されていることが重要です。

こうして文字列を数値に変換したうえで、昇順ソートを実行すれば、1, 2, 10, 20, 100 といった正しい数値順に並べることができます。

スプレッドシートのソート後に行ったデータを戻す方法

並べ替え前の状態に戻したい場合

誤って並べ替えた場合や、異なる基準で再度ソートしたい場合は、キーボードの「Ctrl+Z」（Macの場合は「Cmd+Z」）を押して、直前の操作を取り消します。スプレッドシートは複数の操作履歴を保持するため、何度かアンドゥすれば元の並び順に戻ります。

ただし、ブラウザやスプレッドシートを一度閉じてしまうと、その後のアンドゥは利用できなくなることがあります。重要なデータの場合は、並べ替え前にシートのコピーを別途保存しておくと安心です。

元の順序を保持したい場合の工夫

並べ替え後も元の順序を参照したい場合は、「行番号」や「ID」といった通し番号の列を別途作成しておくと便利です。この列を基準に昇順ソートすれば、いつでも元の順序に戻せます。

よくあるスプレッドシート並べ替えエラーと対処法

ヘッダー行がデータと一緒に並び替わってしまう

スプレッドシートでソートを実行する際、ヘッダー行が自動的に除外されない場合があります。これは「データに見出しがあります」のチェックボックスがオンになっていないことが原因です。並べ替えダイアログで、このオプションを必ずチェックしてから実行します。

特定の行だけが並べ替わらない

複数列を含むデータで、一部の行が正しくソートされない場合、その部分に空白行や余分なスペースが混在していないか確認しましょう。スプレッドシートは連続したデータ範囲を認識するため、空白行があるとそこでデータが分断されます。

並べ替え後に関連データがバラバラになった

複数列のデータを並べ替える際に、誤った範囲を選択すると、関連する列のデータが一緒に動きません。ソート実行前に、対象となるすべてのデータ列を1つの連続した範囲として選択していることを確認します。

スプレッドシート並べ替え機能の応用テクニック

条件付きソートとカスタムリスト

Googleスプレッドシートでは、標準の昇順・降順だけでなく、カスタムリストを使用した並べ替えも可能です。例えば「優先度」という列が「高・中・低」のテキストで構成されている場合、スプレッドシートのデフォルト設定ではアルファベット順（「高」「中」「低」）になります。しかし「高→中→低」という業務ロジック順にソートしたい場合、標準の昇順・降順だけでは対応できません。対応方法としては、例えば次のようなものがあります。

補助列を使う方法（標準機能だけで実現）

「優先度」列（高・中・低）とは別に、ソート用の補助列を作成し、

=SWITCH(優先度セル,

“高”, 1,

“中”, 2,

“低”, 3,

999)

のように数値化してから、この補助列を基準に昇順ソートします。

フィルタ機能との組み合わせ

スプレッドシートのソート機能と「フィルタ」機能を組み合わせると、さらに強力なデータ管理が可能になります。フィルタで特定の条件に該当するデータのみを表示した上で、昇順や降順でソートすれば、必要な情報が瞬時に整理されます。

スプレッドシート並べ替えで業務効率を高めるコツ

定期的なデータ更新時のルーチン化

営業データや在庫データなど、日々更新されるデータベースを管理している場合、「毎日朝に売上を降順でソート」といった定期的なソート作業をルーチン化すると、チーム全体の情報共有が効率化します。スプレッドシートは複数ユーザーでの同時編集にも対応しているため、ルーチン化されたソートにより、全員が最新の重要情報にアクセスできます。

複雑なソート条件の記録と共有

複数列を使用した複合ソート条件を何度も繰り返す場合は、その条件をドキュメントに記録しておくと、チームメンバー全員が同じ方法を適用できます。スプレッドシートのメモ機能やドキュメント機能を使用して、「このシートは毎月、地域→売上で並べ替え」といった指示を残しておくと良いでしょう。

まとめ

Googleスプレッドシートで効率的にデータを管理するには、昇順・降順の並べ替え機能を使いこなすことが欠かせません。本記事では、シンプルな1列ソートから複数列ソート、日付や数値のデータ型別の注意点、さらにエラー対応まで、スプレッドシートのデータ並べ替え方法を網羅的にご紹介しました。

正しいフォーマット設定と適切なソート基準を選ぶことで、膨大なデータも素早く整理でき、業務効率が飛躍的に向上します。ぜひこれらのテクニックを日々の業務に活用してください。

• 監修：マネーフォワード クラウド

  マネーフォワード クラウド 業務効率化の基礎知識 編集部では、業務効率化や生産性向上のノウハウ、クラウドツールの使い方など、ビジネスシーンで役立つ基礎知識をご紹介しています。