- 更新日 : 2026年1月28日
デジタルデバイドとは?意味を簡単にわかりやすく解説!原因や問題点、解決策まで
スマホやPCを使いこなし、ネットで情報を得られる人と、そうでない人の間に生まれる「格差」のことを「デジタルデバイド」と呼びます。この格差は単に「便利か不便か」だけの問題ではなく、就職、収入、災害時の安全性にまで影響を及ぼす深刻な社会問題となっています。
この記事では、デジタルデバイドの意味を簡単に解説し、その原因や高齢者などの具体例、そして企業や国が取り組むべき解決策までを網羅的に紹介します。
目次
デジタルデバイドとはどのような意味か?
デジタルデバイド(Digital Divide)とは、インターネットやパソコンなどの情報通信技術(ICT)を利用できる人と利用できない人の間に生じる「情報格差」のことです。
「Divide」は「分断」や「分割」を意味し、デジタル技術の恩恵を受けられる層と受けられない層が分断されている状態を指します。この格差は、年齢、地域、所得、身体的特徴など様々な要因によって引き起こされます。
現代社会において情報はライフラインと同等の価値を持つため、デジタルデバイドは「機会の不平等」や「貧困の連鎖」に直結する重大な問題とされています。
もっと簡単に言うとどういうこと?
一言で言えば、「ネットを使える人と使えない人の間に生まれる『損得』の差」のことです。
- 使える人:ネットで安く買い物をし、リモートワークで稼ぎ、災害情報を即座に知る。
- 使えない人:定価でしか買えず、仕事の選択肢が狭まり、避難情報が届かない。
このように、デジタルの力を使えるかどうかで、人生の豊かさや安全性に大きな差がついてしまう現象です。
デジタルデバイドにはどのような種類があるか?
デジタルデバイドは大きく分けて「地域間」「属性(個人・集団)間」「国際間」の3つの種類に分類されます。
それぞれの格差が生まれる背景には、インフラ整備の状況や個人の経済力などが複雑に関係しています。
1. 地域間デジタルデバイド
都市部と地方部(過疎地や離島など)の間で生じる通信環境の格差です。
都市部では光回線や5Gが当たり前に使えますが、山間部などではブロードバンド環境が未整備な地域も存在します。総務省の調査でも、都市部と地方部でのインターネット利用率には依然として開きがあることが報告されています。
2. 個人間・集団間デジタルデバイド
年齢、年収、学歴、障害の有無など、個人の属性によって生じる格差です。
- 年齢:若年層はほぼ100%ネットを利用している一方、高齢層は利用率が下がる。
- 所得:高所得世帯ほどPCやタブレットの保有率が高く、低所得世帯ではスマホのみ、あるいは保有していないケースがある。
- 障害:視覚障害や肢体不自由により、標準的なデバイスの操作が困難な場合がある。
3. 国際間デジタルデバイド
先進国と発展途上国の間で生じる、国レベルでの情報格差です。
先進国では1人1台のスマホが普及していますが、途上国では電力供給すら不安定で、ネットにアクセスできない人々が多く存在します。これが教育格差や経済格差をさらに広げる要因となっています。
デジタルデバイドが生じる主な原因は何か?
デジタルデバイドが生じる原因は、「インフラ(環境)」「エコノミー(経済)」「リテラシー(知識)」の3つの要素に集約されます。
これらは単独で発生するのではなく、複合的に絡み合って格差を広げています。
インフラ整備の遅れと地域格差
人口が少ない地域では、通信事業者が採算を取りにくいため、光ファイバーや5G基地局の整備が後回しにされがちです。
物理的にネットに繋がらない、あるいは通信速度が極端に遅い環境では、どんなにITスキルがあってもデジタル技術を活用することはできません。
経済的な理由(所得格差)
PCやスマホの端末代、月々の通信費は決して安くありません。
経済的に余裕のない世帯では、最新のデバイスを購入したり、高速な回線を契約したりすることが困難です。特に子供がいる家庭では、この経済格差がそのまま教育格差(オンライン授業が受けられない等)に直結します。
ITリテラシーや身体的なハードル
「使い方がわからない」「怖い」といった知識・心理的な壁や、身体機能の低下も原因となります。
- 高齢者:新しい機器への苦手意識、タッチパネルの操作が難しい。
- 障害者:音声読み上げや視線入力などの支援技術が普及していない、あるいは高価で手に入らない。
【具体例】デジタルデバイドによって起きる問題点は?
デジタルデバイドは、就職難、社会的孤立、災害時の逃げ遅れなど、人々の生活や命に関わる深刻な問題を引き起こします。
単に「便利かどうか」の話ではなく、社会生活を送る上での基盤が揺らぐ事態を招きます。
高齢者の社会的孤立と買い物難民
ネットが使えない高齢者は、SNSでのコミュニケーションやオンラインサービスから取り残されがちです。
- 孤立:家族や友人とビデオ通話ができず、疎遠になる。
- 買い物難民:足腰が弱って店舗に行けないが、ネットスーパーも使えないため、生活必需品の入手が困難になる。
- ワクチン予約:コロナ禍では、ネット予約ができず接種が遅れる高齢者が続出した。
就職・収入格差の拡大(貧困の連鎖)
現代の仕事の多くはPCスキルやネットリテラシーを必要とします。
ITスキルがない人は、高収入な職種(エンジニア、データ分析など)に就くことが難しく、低賃金の労働に固定されやすくなります。また、求人情報自体がネットのみで公開されることも多く、仕事を見つける機会さえ奪われる可能性があります。
災害時の情報不足
災害発生時、テレビやラジオよりも早く、詳細な情報がSNSや防災アプリで配信されることが増えています。
デジタル機器を使えない人は、避難指示や給水所の場所などの重要情報をリアルタイムで得られず、逃げ遅れたり支援を受けられなかったりするリスクが高まります。
デジタルデバイドの解消に向けた解決策は?
デジタルデバイドを解消するには、国や自治体によるインフラ整備や教育だけでなく、企業による「誰もが使いやすい製品開発」が必要です。
「誰一人取り残さない(No One Left Behind)」というSDGsの理念に基づき、多角的なアプローチが求められます。
国・自治体による「デジタル活用支援」
総務省や各自治体は、高齢者向けのスマホ教室の開催や、通信インフラの整備を進めています。
- デジタル活用支援推進事業:身近な場所でスマホの使い方を学べる講習会を開催(総務省)。
- GIGAスクール構想:全国の児童・生徒に1人1台の端末と高速ネットワークを整備(文部科学省)。
企業による「アクセシビリティ」の向上
IT企業などは、高齢者や障害者でも使いやすいデザイン(UI/UX)や機能を開発する必要があります。
- ユニバーサルデザイン:直感的に操作できる画面設計、大きな文字表示。
- 支援技術:音声入力、視線操作、画面読み上げ機能の標準搭載。
企業内でのIT教育とリスキリング
企業においては、従業員のITスキル格差を埋めるための教育(リスキリング)が急務です。
- IT研修:基本的なPC操作からセキュリティ、AI活用まで幅広い研修を実施する。
- ツールの導入:誰でも簡単に使えるノーコードツールの導入などで、技術的なハードルを下げる。
デジタルデバイド解消は企業の成長にもつながる
デジタルデバイドとは、現代社会における「持たざる者」を生み出す深刻な格差です。
しかし、この課題に向き合うことは企業にとってもチャンスです。高齢者や障害者を含むすべての人が使えるサービスを開発したり、社内のIT人材を育成したりすることは、市場の拡大や生産性の向上に直結します。
まずは「デジタルの恩恵を受けられていない人はいないか?」という視点を持ち、身近なところからサポートや改善を始めていきましょう。
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