- 更新日 : 2025年12月8日
KPIツリーとは?KGIとの違いや作り方、具体例、活用方法を解説
KPIツリーとは、最終目標であるKGI(重要目標達成指標)を達成するために、指標となるKPI(重要業績評価指標)を使って樹状に可視化したものです。最終目標に到達するために何を実施し、どの程度の業績を上げればよいかが一目でわかるため、行動を具体化しやすくなります。KPIツリーの作り方や事例、活用方法を解説します。
目次
KPIツリーとは?
KPIツリーとは、KPI(重要業績評価指標)を使ってKGI(重要目標達成指標)を達成するための道筋を可視化した図です。KGIを起点として枝分かれした樹状図として表示するため、ツリー(木)と呼ばれています。
KGIは企業が目指すべき最終的な目標であり、単に掲げているだけでは、どのように達成すればよいのか不明瞭になりがちです。例えば、KGIとして「売上高10億円」「業界シェア率30%」を設定したとしても、具体的に何をすれば達成できるのかがわかりません。
不明瞭な最終目標を明確にするときに使うのがKPIツリーです。KGIを具体的なKPIに落とし込み、「年間商談数100」「受注率10%」のように取り組みやすい数値目標として表示し、KPIの達成を積み重ねることでKGIの到達を目指します。
そもそもKPIとは?
KPIとは「Key Performance Indicator」の略語で、重要業績評価指標や重要達成度指標と訳されます。目標達成までのプロセスを数値化して表示し、どの程度まで目標が達成できているのかを判別する際に用いる指標です。
例えば、以下のようなKPIを設定することがあります。
- 受注単価
- 受注件数
- 営業訪問件数
KPIはそれ自体重要な目標ですが、中間目標であり最終目標ではありません。KPIの達成を通して、最終目標であるKGIの達成を目指します。
KPIとKGIの関係性
中間目標であるKPIを達成することで、最終目標であるKGIの達成を実現できます。しかし、KPIを適切に設定できていないときは、KPIを達成してもKGIが達成できないケースや、KGIを達成できたにもかかわらずKPIが未達のケースも起こり得ます。
また、KPIの設定が適切であっても、外部環境が大きく変わったときも、KPIとKGIが正しく連携しない可能性があるでしょう。妥当性のあるKPIを設定するのはもちろんのこと、適時KPI・KGIを見直すことが大切です。
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KPIツリーが使用される場面
KPIツリーは、数値目標の設定が可能な場面ならどこでも使用できます。人事分野であれば採用活動や社員教育など、営業分野なら売上や業界内シェアなど、さまざまな場面でKPIツリーを作成し、最終目標達成までの道筋を可視化することが可能です。
例えば、営業で売上増をKGIと設定したとき、以下のようにKPIツリーを作成できるかもしれません。なお、KPIは複数設定し、各KPI達成に必要とされる小目標も樹状に表記します。

KPIツリーの作り方
KPIツリーは、以下の手順で作成します。
- KGIを設定する
- KGIを起点にKPIを分解していく
- ロジックツリーにより可視化する
KGIを設定する
KPIツリーはKGIを起点とし、KGIの達成を目標として作成する図です。そのため、最初にKGIを設定しなくてはいけません。
到達したい最終的な目標を決め、その目標の実現と同義になる具体的な数値目標をKGIとして設定してください。
KGIを起点にKPIを分解していく
KGIを実現するための成功要因(KSF、Key Success Factor)を書き出します。例えば、「売上10%アップ」をKGIとするなら、KSFとして受注数や顧客単価の増加が挙げられるでしょう。
次にKSFをKPIにさらに分解します。KSFが受注数の増加なら、受注数の増加を左右する商談数や受注率などがKPIとして適しています。「商談数を月に10件増やす」「受注率を30%に高める」といった具体的なKPIをリストアップしていきましょう。
KPIの実現のためにさらに細かな目標が挙げられるときは、下位目標を設定できるかもしれません。例えば、企業訪問件数やテレアポ件数、メルマガ登録数が増えれば、自然と商談数も増えると予想できるときは各数値を下位目標として設定します。
ロジックツリーにより可視化する
各要素をリストアップした後で、ロジックツリーで可視化します。ロジックツリーとは、問題や課題を分解して樹状に表示したものです。
KPIのロジックツリーはKGIを起点とし、KSF、KPIと並べていきます。KPIに下位目標があるときは、KPIを起点として枝分かれした先に下位目標を記載してください。
なお、KPIツリーは一度作成すればよいというものではありません。外的環境が変わることや、異なる指標の存在が判明することもあるため、定期的に見直し、必要に応じて修正しましょう。
KPIツリーの作成ポイント
KPIツリーを作成するときは、以下のポイントに注意が必要です。
- 四則演算できる要素で組み立てる
- 同じ単位に設定する
- 分解する要素を遅行指標から先行指標にする
- 同じ要素を入れないようにする
それぞれのポイントを解説します。
四則演算できる要素で組み立てる
KPIは四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)で求められる要素で組み立てると、KGIの到達を判断しやすくなります。
例えば、売上をKGIとし、商談数・受注率・アップセル率・クロスセル率などをKPIと設定する場合について考えてみましょう。KGIは商談数×受注率+顧客数×アップセル率×単価増加額+顧客数×クロスセル率×単価といった、四則演算で簡単に求められる計算式で表記できます。
同じ単位に設定する
KPIに結びつく数字は同じ単位で設定する必要があります。例えば受注数を構成するものとして、企業訪問件数・テレアポ件数・メルマガ登録数をリストアップする場合、いずれも件数(数)で表記できるため、受注数の割り出しが容易です。
また、数値での表記が難しいKGIを設定するときは、特定の行動をロイヤリティに見立てて、独自にポイント制を作り数値化する方法も検討できます。いずれにしても単位を揃え、KGIの到達が判別しやすい状態にしておきましょう。
分解する要素を遅行指標から先行指標にする
結果よりも遅れて出現する指標を「遅行指標」、結果より先に出現する指標を「先行指標」と呼びます。KSFやKPIなどの要素に分解するときは、遅行指標から先行指標に進んでいるか確認してください。
KPIツリーではKPIなどの下流にある指標の到達を積み重ねることで、上流にあるKGIを達成できます。矛盾なくKPIツリーが成り立つためにも、上流には遅行指標、下流には先行指標を配置しましょう。
同じ要素を入れないようにする
KPIや下位目標などに重複した要素がないかチェックしてください。タスクが重複することになり、効率性が低下するだけでなく、KPIツリーの効果も低下する可能性があります。
ただし、KGIの達成までの過程が複雑なときは、あえて重複する要素を入れることがあります。要素の重複が望ましいか考慮したうえで、柔軟に対応してください。
KPIツリーの事例、具体例
KPIツリーの事例を紹介します。ぜひ参考にして、自社に合うKPIツリーを作成してみてください。
ECサイト
ECサイトでは、売上をKGIとして設定することが一般的です。売上を左右する要素をリストアップし、KGIから枝分かれさせていきましょう。例えば、サイト訪問数や購入率、顧客単価などをリストアップできます。
ただし、ECサイトを開設してすぐの場合や、店舗実績が短い場合は、具体的なKGIを設定するのが難しいかもしれません。金額としての目標が難しいときは、「前期よりも〇%売上増」のように比較した目標にするか、ある程度様子見してからKPIツリーを作成する方法も検討できます。
営業職
営業においても、売上をKGIとして設定することが一般的です。業種や業態によって売上を左右する要素は異なるため、自社に合う要素をリストアップし、樹状にまとめましょう。
例えば、製薬会社の営業職なら、訪問した医療機関数や規模、直接会った医師数などが売上を左右する要素になり得ます。紹介する薬剤の種類数や単価なども踏まえ、簡単にKGIを計算できる状態にしておきましょう。
KPIツリーの活用方法
KPIツリーは企業としての最終目標を達成するために作成しますが、次の目的でも活用できます。
- ボトルネックの早期発見
- KPIの洗い出し
KGIを細かく要素に分けて分析することで、KGIの達成を阻むボトルネックが何かを発見しやすくなります。例えば、アップセル率が低いことが判明した場合、上位モデルが魅力的ではない可能性が想定されます。機能面の充実を図ったり、妥当性の高い価格に見直したりすることで、アップセル率が上昇するかもしれません。
また、KPIツリーを使っていくうちに、リストアップされていないKPIに気付く可能性があります。定期的に見直し、KGI達成に必要な要素を抜け漏れなく洗い出し、それぞれをKPIとして数値化して具体的な目標として設定しましょう。
KPIツリーとロジックツリーの違い
ロジックツリーとは、事象の構成要素を樹状に書き出した図のことです。課題の解決策を検討する際に用いるフレームワークで、複数の要因が絡み合う事象もシンプルに可視化できる点が特徴です。
ロジックツリーには、要素分解ツリーや原因追及ツリー、問題解決ツリーなどがあります。KPIツリーもロジックツリーの一種で、KPIという要素に書き出すことで、KGI達成に必要な道筋を可視化します。
ただし、ロジックツリーによって分析する要素の粒度が異なる点に注意しましょう。起点となる事象の規模や内容によっては要素の粒度が粗くなり、問題を具体的に可視化するためには、枝分かれする部分を何段階にも増やす必要が生じることもあります。
KPIツリーを使って目標と行動を可視化しよう
KPIツリーを使うと、最終目標に到達するまでの道筋を可視化できるだけでなく、中間目標も明確になります。また、中間目標を達成するための具体的な行動も可視化でき、「今、何をすべきか」がわかりやすくなります。
営業や人事管理などのさまざまな場面で、KPIツリーの活用が可能です。ぜひ自社の状況を反映したKPIツリーを作成し、効率的に最終目標の到達を実現していきましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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