- 更新日 : 2025年12月18日
オンライン適性検査とは?やり方や適性検査の種類・対策方法をわかりやすく解説
オンライン適性検査は、多くの企業で採用選考の初期段階にとり入れられており、その実施形態も多様化しています。初めてオンラインで適性検査を受ける方にとっては、「どんな内容なのか」「どう対策すればいいのか」といった不安や疑問が多いのではないでしょうか。無事に選考を進めるためには、オンライン適性検査の基本的な仕組みや種類、適切な対策を知っておくことが欠かせません。
この記事では、オンライン適性検査の概要からSPIとの違い、具体的な対策法、受検時の注意点までをわかりやすく解説します。
目次
オンライン適性検査(WEB適性検査)とは?
オンライン適性検査は、企業の採用活動で応募者の能力や性格を客観的に測るために、インターネット上で実施される試験です。これは、応募者にとっては自宅や学内など、好きな場所から受検できるというメリットがあり、企業側にとっては選考の効率化につながります。
オンライン適性検査の目的
オンライン適性検査は、応募者が企業に出向く必要がない「非対面」の形式がとられ、多くの企業が導入しています。その主な目的は、短時間で応募者の基本的な知的能力(能力検査)と、組織への適応性やストレス耐性(性格検査)を把握することです。
- 選考の効率化
応募者の多い場合でも、手間をかけずに一定の基準でスクリーニングができます。 - 客観的な評価
面接官の主観に頼らず、公平な基準で応募者を評価できます。 - 適材適所の判断
性格検査の結果から、自社の社風や職務に合った人材かどうかを見極めます。
適性検査は、単なる知識を問うテストではなく、仕事で求められる基礎的な能力や人柄を測るものです。
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WEB適性検査とSPIの違い
WEB適性検査とSPIは、混同されがちですが、SPIは「リクルート社が提供する適性検査」という特定のサービス名です。対して、WEB適性検査は「インターネット上で受検する適性検査の総称」を指します。
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オンライン適性検査の受検方法
オンライン適性検査にはいくつかの受検形式があり、企業によって採用する形式が異なります。受検方法を正しく理解し、事前に環境を整えておくことが重要です。
受検方法を知ることで、受検する場所や時間帯を適切に選び、最大限のパフォーマンスを発揮できるようになります。
オンライン適性検査の受検形式は、大きく分けて以下の3種類があります。
| 形式 | 受検場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| Webテスティング | 自宅や大学など、受検者が選ぶ場所 | 最も自由度が高い。替え玉受検などの不正防止のため、カメラ監視型を採用する企業が増えています。 |
| インハウスCBT | 応募先の企業内のPCルーム | 企業の監視下で実施されるため、不正の心配が少ないです。場所の移動が必要です。 |
| テストセンター | 専門のテスト会場 | 厳正な監視のもと、専門会場のPCで受検します。自宅での受検よりも不正のリスクが低くなります。 |
多くの企業が採用しているのは、受検者側の利便性が高い「Webテスティング」です。企業から送られてきたURLから、指定された期間内に受検します。
オンライン適性検査の種類
オンライン適性検査には複数の種類があり、それぞれ出題傾向や時間配分が異なります。自分が受検する検査の種類を知ることは、対策を始めるうえでの第一歩です。オンライン適性検査の種類は、大きく分けて能力検査と性格検査の2つがあり、企業はその結果を総合的に判断します。
現在、多くの企業でとり入れられているオンライン適性検査の種類は以下のとおりです。それぞれの特徴をふまえて対策をたてましょう。
- SPI(エスピーアイ)
- リクルート提供。最も広く採用されており、対策本も充実しています。
- 特徴:問題の難易度は標準的ですが、短時間で多くの問題を解く処理能力が求められます。
- 出題:言語分野、非言語分野、性格検査。
- 玉手箱(たまてばこ)
- 日本エス・エイチ・エル提供。総合職採用などで多く見られます。
- 特徴:出題パターンが限られており、同じパターンの問題を短時間で大量に解く形式です。
- 出題:計数(四則逆算、図表の読み取りなど)、言語(長文読解)、英語(GAB形式)。
- TG-WEB(ティージーウェブ)
- ヒューマネージ提供。難易度の高い問題が出題されることもあり、難関企業で使われる傾向があります。
- 特徴:対策なしでは解きにくいひらめきを要する問題(旧型)や、玉手箱に近い形式(新型)があります。
- 出題:言語、計数、英語、性格検査。
関連資料|3分でわかる! マネーフォワード クラウド適性検査 サービス資料
オンライン適性検査の例題
能力検査では、基礎的な知的能力や、論理的な思考力が測られます。ここでは、SPI形式をベースに、非言語分野(数学的な思考)と言語分野(国語的な思考)の例題を紹介します。
| 分野 | 概要と問われる力 | 例題(出題形式の理解を目的とする) |
|---|---|---|
| 非言語分野 | 論理的な思考力や数的な処理能力。SPIでは、割合・速さ・損益算などの分野が中心です。 | A社とB社の社員の平均年齢は35歳です。A社の社員が20人で平均30歳、B社の社員が30人いるとき、B社の平均年齢は何歳でしょうか? |
| 言語分野 | 文章の理解力、語彙力、表現力。SPIでは、語句の意味、二語の関係、長文読解などが中心です。 | 「〜とは言え」と同じ使い方がされている文章を選びなさい。/次の文章の要旨として適切なものを選びなさい。 |
能力検査の対策は、これらの基礎的な問題形式に慣れることが非常に重要です。
性格検査の内容と評価ポイント
性格検査は、受検者の行動特性や考え方、企業や職務への適応性を測る目的で行われます。この結果は、面接での質問の深掘りや、配属の参考情報として活用されます。
自分自身に関する質問に対して、「あてはまる」「どちらとも言えない」「あてはまらない」などから選択する形式が一般的です。
- 社風への適合性
チームワークを重視するか、個人での裁量を好むか。 - 職務適性
営業職なら外向性、事務職なら正確性など、職種で求められる特性があるか。 - ストレス耐性
困難に直面したときに、どのように対処するか。
性格検査では、一貫性のない回答や、企業に良く見せようとした虚偽の回答は、かえって不自然な結果として判定されることがあります。正直に、自然体で答えることが最も適切です。
オンライン適性検査で落ちる確率を減らす!効果的な対策と注意点
オンライン適性検査は、能力検査で一定のボーダーラインが設定されている場合が多く、この基準に達しないと選考通過は難しいのが実情です。
対策を徹底することで、合格に必要なボーダーラインを超える確率を高められます。
落ちる確率を左右する主な要因
Web適性検査で選考を通過できない主な理由は、能力検査でのボーダーライン未達と、性格検査での一貫性の欠如です。
| 落ちる確率を高める要因 | 詳細 |
|---|---|
| ボーダーライン未達 | 企業が設定した能力検査の合格点に達していないこと。これは圧倒的な対策不足で起こります。 |
| 回答の一貫性がない | 性格検査で、自分を良く見せようとしすぎて、回答内容に矛盾が生じること。企業からの評価が難しくなります。 |
| 検査途中の接続不良 | 受検環境が悪く、テスト中に接続が切断されてしまうこと。再受検が認められない場合、不合格となるリスクがあります。 |
企業は能力検査の結果を足切りとして利用することが多く、まずは問題集でボーダーラインを超える実力をつけることが最優先です。
対策は「慣れ」が重要:問題集や模擬試験を活用しましょう
オンライン適性検査の対策は、短期間での集中的な問題演習が効果的です。多くの問題に触れ、解答のスピードと正確性を高める「慣れ」が重要になります。
種類別の対策を行う
自分が受検する検査(SPI、玉手箱など)の種類を特定し、その専用問題集を購入して繰 り返し解きましょう。出題形式のパターンを知ることが、時間短縮につながります。
時間配分を意識する
能力検査は、制限時間が非常に短いのが特徴です。問題集を解く際は、必ず時間を計り、本番と同じ時間配分で進める訓練をしましょう。
苦手分野を克服する
不正解が続く分野や、時間がかかる分野を洗い出し、集中的に練習しましょう。特に非言語分野(数学)は、公式を理解することで得点が安定しやすい傾向があります。
オンライン適性検査を受けるときの注意点
受検本番で実力を最大限に発揮するためには、直前の準備と当日の体調管理が欠かせません。
- 直前の準備
- 電卓の準備
多くのオンライン適性検査では電卓の使用が認められています。使い慣れた電卓を用意し、スムーズに操作できるように準備しましょう。 - 筆記用具・メモ用紙
計算過程などを素早く書き出せるように、すぐに使える場所に置いておきましょう。
- 電卓の準備
- 当日のコツ
- 万全の体調
睡眠不足や空腹は集中力の大敵です。前日はしっかり睡眠をとり、当日は開始前に軽食をとりましょう。 - 「とりあえず解く」意識
時間が足りなくなりそうな場合は、完璧な回答にこだわらず、空欄を避けてスピード重視で回答を進める意識も必要になります。
- 万全の体調
オンライン適性検査のよくある質問
オンラインで適性検査を受けるときの服装は?
Web適性検査の服装は自由です。基本的には私服で受検して問題ありません。
ただし、カメラで受検中の様子が監視・録画される「カメラ監視型」の場合のみ、清潔感を意識した服装を心がけましょう。カメラ監視型であってもスーツを着る必要はありませんが、あまりにもだらしない格好は避けたほうが無難です。受検中は集中できる、リラックスできる服装で臨みましょう。
オンライン適性検査を受けるときにパソコンがない場合はスマホで受けられる?
Web適性検査は、基本的にパソコンでの受検が推奨されています。
一部の検査(SPIのWebテスティングなど)ではスマートフォンでの受検も可能な場合がありますが、公式の推奨はされていません。
企業からの案内や、利用する適性検査の種類(SPIや玉手箱など)の公式情報で、スマホ受検が可能か、非推奨かを必ず確認しましょう。パソコンが用意できない場合は、大学のパソコンルームや、公共施設のパソコン利用も視野に入れることをおすすめします。
オンライン適性検査で落ちる確率は?
Web適性検査の明確な「落ちる確率」は公表されていません。企業が選考の通過ライン(ボーダーライン)を独自に設定しているため、一概に何パーセントで落ちるとは言えないためです。
オンライン適性検査のカメラ監視型とは?
カメラ監視型は、主にWebテスティング形式(自宅受検)において、不正行為を防ぐ目的で導入されています。
これは、受検中の様子をパソコンの内蔵カメラや外付けカメラで録画・監視し、本人確認や不正行為が行われていないかをチェックする仕組みです。
- 監視内容
受検中の視線の動き、第三者の入室、周囲に参考資料がないかなどが確認されます。 - 対応
開始時に本人確認書類の提示が求められることが多いです。受検中は、極端に視線を外したり、他の画面を立ち上げたりしないよう注意が必要です。
カメラ監視型であっても、過度に緊張する必要はありません。「不正はしない」という姿勢を示し、画面に集中して問題に取り組めば問題ありません。部屋の背景はシンプルな場所を選び、受検中は一人であることを確認しましょう。
オンライン適性検査の対策で自信をもって選考に臨もう
オンライン適性検査は、単なる選考の通過点と考えるべきではありません。その対策を通じて、自身の基礎的な思考力と性格特性を見つめ直すことができます。
能力検査の対策で鍛えられる論理的思考力は、入社後の仕事でも報告書の作成や問題解決に欠かせない力となります。また、性格検査の結果は、自己分析を深めるきっかけにもなり、自分がどのような職務や環境で力を発揮しやすいかを知るヒントにもなるでしょう。
オンライン適性検査を突破するための対策は、決してその場しのぎではありません。入社後の活躍につながる、自身の能力を磨く時間であると前向きにとらえてみましょう。適切な準備と正しい理解をもって臨めば、オンライン適性検査に対する不安を解消し、自信をもって次の選考ステップへ進めるはずです。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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