• 更新日 : 2025年12月5日

1dayインターンとは?内容・メリット・よくある質問まで徹底解説

企業が学生と最初に接点を持つ場として注力しているのが、1dayインターンシップです。

1dayインターンシップは、1日という限られた時間でも、企業の姿勢や仕事の進め方を伝えられるよう、説明に偏らず体験や対話を組み込んだ設計が求められています。

本記事では最新制度における位置づけや1dayインターンの種類、企業・学生それぞれのメリットと注意点、企画の際に押さえておきたいポイントをまとめて紹介します。

目次

1dayインターンシップとは

1dayインターンシップは、1日で企業の仕事や雰囲気を知ることができる参加しやすいプログラムです。令和5年の調査では64.2%の大学が単位認定をおこなっており、インターンを教育の一部として扱う動きが進んでいます。

令和3年の調査では単位認定している大学が60.9%、単位認定はしていないが参加状況を把握している大学まで含めると72.9%となっています。こうした調査結果から、インターンシップが大学教育の中で位置づけを高めつつあることがわかります。

1dayインターンシップのおもな種類

説明会タイプは、業界や事業内容の整理をしたい学生に向いています。職場見学型は、実際の働く環境や空気感を知りたい学生にとってイメージをつかみやすい形式です。

ワークショップ型では学生自身が手を動かすため、企業側は参加者の考え方やコミュニケーションの取り方を確かめやすくなります。企業ごとに構成はさまざまですが、目的に合わせてプログラムのタイプを選べるのが1dayインターンの特徴です。

1dayインターンシップとオープン・カンパニーの違い

1日型・説明中心のプログラムは、2025卒以降の制度では、日本経済団体連合会の分類でタイプ1・オープン・カンパニーに位置づけられています。 

5日以上(専門活用型は2週間以上)かつ就業体験を伴うプログラムはタイプ3・インターンシップに当たり、就業体験の要件や期間の基準が定められています。

内容が説明会や企業紹介・交流中心のものをインターンシップと称してしまうと誤解を招くため、別名称としてオープン・カンパニーなどを用いるほうが適切です。

企業側の1dayインターンにおける3つのメリット

1dayインターンは、短時間でも多くの学生に企業の姿勢や雰囲気を知ってもらえる取り組みとして活用されています。接点の間口を広げながら、企業理解や採用活動の初期フェーズに役立つ情報を得られる点が特徴です。

採用ブランディングや認知拡大につながる

1dayインターンでは、企業理念や働き方を学生に直接伝える機会が得られ、短時間でも自社イメージの形成に寄与しやすい点がメリットです。学生がSNSで体験内容を共有することもあり、企業を知るきっかけが広がりやすい傾向があります。

若い層へのアプローチ手段として、参加のハードルが低い点も利点です。伝えたいメッセージを短時間で集中的に届けられるため、広報効果を得やすい形式とされています。

多くの学生に効率的に接点を持てる

1日完結型のプログラムは参加しやすく、比較的幅広い学生と短時間で会える点が特徴です。また、説明会よりも双方向のコミュニケーションを取りやすく、企業側が学生の反応や関心をつかみやすい場になります。

日程の調整負担が少ないため、忙しい学生とも接点を持ちやすい点が採用活動の初期段階に適しています。学生との接点を増やしながら、自社の理解促進にもつなげやすいバランスの取れた手法です。

優秀層の早期発掘・母集団形成に役立つ

1dayインターンを通じて、企業は将来有望な学生と早い段階で接触しやすくなるでしょう。

プログラム中のやり取りから学生の適性や姿勢を把握でき、本選考に向けた関係構築や母集団形成が可能です。

早期に候補者情報を得たい企業にとっては、採用戦略の入口として取り入れやすい方法といえます。選考前から学生の人物像を知れるため、その後の採用プロセスを組み立てやすくなる効果もあります。

学生側の1dayインターンにおける3つのメリット

1dayインターンは短時間で企業理解を深められるうえ、今後の選考にも活かせるきっかけになりやすい点が魅力です。ここでは学生にとって役立ちやすい3つのメリットをまとめて紹介します。

多様な企業を短期間で比較・体験できる

1日で完結するプログラムは参加しやすく、忙しい時期でも無理なく企業に触れられます。複数社の説明やワークを同じ時期に経験できるため、気になる業界や企業を広く見比べるきっかけになりやすいでしょう。

興味の幅も広げやすく、自分に合いそうな方向性を探しやすい点が特徴です。自分がどう働きたいかを整理する入口としても活用しやすいです。

企業理解が深まり、志望動機形成につながる

社員の話やワークを通じて職場の雰囲気や働き方を自分の目で確かめられ、仕事内容や社風を具体的に知れるため、その企業で働くイメージを持ちやすくなります。

1dayインターンシップで得た情報をもとに、自分の言葉で志望動機を整理しやすくなる可能性があります。短時間でも自分と相性が良いかを判断しやすくなる点もメリットといえるでしょう。

本選考に有利に働くケースがある

1dayインターンシップの参加者向けに早期選考の案内が届く場合があり、選考の入り口が広がることがあります。企業理解が進むことで面接で話しやすくなる点も、プラスに働きやすい部分です。

一部の企業では選考優遇の対象になることもありますが、あくまで可能性があるという姿勢で臨むのが良いでしょう。準備段階から企業と接点を持てるため、心理的な安心にもつながりやすいです。

企業側の1dayインターンにおける3つのデメリット

1dayインターンは短時間で学生と接点を持てる一方、企業側では情報量や判断材料が限られることから特有の課題もあります。準備や運営の工夫によって、こうした負担や不安を軽減しやすくなります。

1日では深い業務理解を提供しにくい

実務に触れられる時間が限られ、学生の理解が浅くなる可能性があります。仕事内容や役割の細部を十分に伝えきれず、就業イメージにギャップが残る点が課題のひとつです。また、理解が不十分なまま選考に進むと、入社後のミスマッチにつながる懸念もあります。

短時間でも仕事の流れがイメージできるワーク事例や職場紹介動画を用意し、説明の質を高めると補いやすくなるでしょう。先輩社員との座談会を組み合わせると、業務理解の深まりが期待できます。

運営コストや準備工数が発生する

プログラム設計・資料準備・スタッフ調整など、負担が一定以上発生します。参加者への案内やフォロー対応にも時間が必要で、採用担当者の業務量が増えやすいことも懸念点といえるでしょう。開催頻度が増えるほど、採用活動全体のリソース配分にも影響が出やすい可能性があります。

毎回ゼロから作らず、テンプレート化・動画化・説明パートの共通化などで準備負担を減らすことが可能です。オンライン形式を組み合わせると、スタッフ稼働の削減や日程調整の簡略化につながります。

学生の本気度を見極めにくい

参加ハードルが低い形式のため、志望度が高い学生と興味本位の学生が混在し、適性や価値観の判断が難しくなる場面があります。短時間の接点では評価材料が不足しやすく、早期に候補者情報を把握したい企業ほど判断が揺れやすい点が課題です。

簡易ワークやグループディスカッションなど、学生の姿勢が見えやすい要素を取り入れることで、志向や意欲を確認しやすくなります。参加前の応募フォームで簡単な志望動機を記載してもらう方法も、モチベーションの把握に役立ちます。

学生側の1dayインターンにおける3つのデメリット

1dayインターンは気軽に参加しやすい一方で、実務理解が浅くなりやすかったり、説明会との違いがわかりにくかったりする場合があります。

移動や時間の負担に対して得られる成果が少ないと感じることもあるため、事前の期待値や参加目的を整理しておくことが大切です。

実務体験が少なく、印象が浅くなる

1dayインターンは時間が限られているため、実践的な業務に触れられない場合があり、仕事内容の理解が断片的になりやすいです。短時間で得られる情報だけでは、自分に適した仕事かどうかを判断しにくい場合もあります。

こうした不安を感じる場合は、興味のある企業のイベントに複数回参加したり、長期インターンやOB・OG訪問を組み合わせたりすることで理解の厚みを補いやすくなります。1dayインターンは方向性を知る最初の一歩と捉え、最終判断を別の機会で深める姿勢が有効です。

説明会の延長と感じることがある

プログラムが講義中心になる企業もあり、説明会の延長という印象を持つケースがあります。実践的なワークや社員交流がないと、企業の特徴や仕事の進め方がつかみにくく、理解の深まりに欠けることがあります。

事前にプログラム内容を確認し、自分が期待する体験が得られそうかどうかをチェックしておくと、ギャップを減らせるでしょう。当日は社員に質問したい内容を事前に準備することで、講義中心のプログラムでも理解を深めやすくなります。

交通費・時間に対して成果が得にくいと感じる場合もある

移動時間や交通費をかけたわりに得られる情報が少ないと感じる学生もいます。1dayインターンが選考優遇につながらない企業もあり、投入したコストと成果のバランスに物足りなさを感じる可能性もあるでしょう。

解決策として、オンライン開催のプログラムを組み合わせたり、選考に関係する可能性がある企業を優先的に選んだりする方法があります。参加前に今日何を得たいかを整理し、質問事項を準備しておくことで、限られた時間でも満足度が高まるでしょう。

1dayインターンの3つのアイデア

1dayインターンは、業界ごとに学生の理解を深める切り口が大きく異なるため、目的に合わせたプログラム設計が効果的です。

IT・メーカー・人材のそれぞれで、業務体験・プロセス理解・早期接点づくりといった強みを生かした構成にすることで、学生の興味を引くことができます。

IT業界:課題解決ワークで志望度を高める

IT領域の1dayでは、学生が主体的に動けるよう、実務を踏まえた課題をあえてグループで扱う形式が効果的です。仕様整理や改善案づくりを学生自身に委ねることで、開発現場で求められる思考の流れをそのまま体験できます。

工程の一部を模擬的に組み込むと働く姿が具体化しやすく、職種選びの判断材料にもなるでしょう。技術系の仕事に必要な考え方に触れられるため、自分に合う働き方のイメージもつかみやすくなります。

メーカー業界:体験会で会社への理解を深める

メーカーの場合は、製品が生まれるプロセスを追体験できる構成にすると、学生が仕事内容の全体像を自然に理解できます。試作品の検討や企画段階の判断など、要所を示すことで業務の特徴が多角的に伝えられるのです。

若手社員との座談会を加えると、日々の働き方やチームの雰囲気がリアルに伝わりやすくなるでしょう。製品づくりへのこだわりや価値観も共有すると、企業理解がさらに深まるきっかけにもなります。

人材業界:ブランド認知と早期接点を両立する

人材系では、幅広い学生とつながりやすいオンライン開催が有効です。企業の価値観を反映したテーマを据えることで、事業への理解がよりスムーズになります。

終了後に相談会や追加イベントを案内する流れをつくると、企業との関係性を継続しやすい環境が生まれます。学生との距離が縮まるため、その後のコミュニケーションも円滑に進みやすいでしょう。

よくある5つの質問

1dayインターンに関するよくある質問は、選考との関係性・運営方法・設計すべき内容・オンライン実施時の注意点・学生の見極め方など、企業が悩みやすいポイントに集中しています。

運営負担や学生体験、評価のバランスを踏まえて整理することで、自社に合った実施方針を決めやすくなります。

1dayインターンを実施しても選考直結にはならないのか?

1dayインターンは学生との接点づくりや企業理解の促進を目的とするため、選考プロセスとして扱われにくい位置づけです。短期開催のプログラムは就業体験とは区別される傾向があり、制度上も選考直結の扱いにはなりづらいでしょう。

本選考との混同を避けるため、募集要項に別ルートである旨を明示しておくことが望ましいでしょう。学生との接点強化には有効ですが、選考評価につなげたい場合は別途評価フローの設計が必要です。企業として目的に応じて位置づけを整理することが大切です。

他社や代行業者に運営を依頼しても良いか?

インターン運営は代行会社への委託が可能です。運営負担を軽減できますが、学生が受け取る企業イメージを左右する重要な部分は企業自身が決めることが重要です。目的やメッセージの設計を企業側で担うことで、自社らしさを保ったプログラムに整えやすくなります。

外部と役割を分担する場合は、任せる領域と社内で管理する領域を明確にしておく必要があります。委託の利点を活かしつつ、採用ブランドを損なわない形で運営することが求められます。

学生に対してどれくらいの時間・内容を設ければ良いか?

半日〜1日で、企業説明とワークや交流の時間を組み合わせる構成がおすすめです。限られた時間の中で伝えたいポイントを絞り、学生が理解しやすい流れに整理しておきましょう。

持ち帰ってほしい体験を明確にすると、内容の選定がしやすくなります。所要時間や服装、持ち物などを事前に案内しておくと学生の不安が減り、参加しやすい環境が整います。過度に要素を詰め込まず、参加者の負担を調整することで満足度の向上が期待できます。

オンライン形式で実施する際の注意点は?

オンラインでは集中が途切れやすいため、短いワークや少人数で話せる場を取り入れると参加しやすい雰囲気が生まれます。ブレイクアウトルームを活用することで、学生と社員の対話が生まれやすくなります。

職場の様子が伝わりにくい点は、動画やバーチャルツアーの活用も検討しましょう。通信環境や参加手順の事前案内を徹底して、トラブルを減らす準備も必要です。オンライン特性に合わせたタイムテーブルを整えることで、理解が深まりやすいプログラムを設計できます。

学生の意欲・質をどのように見極めるべきか?

1dayインターンでは、学生の理解しようとする姿勢や参加態度を中心に確認する方法が適しています。短期間で能力評価をおこなうことは難しいため、アンケートや次のステップにつながる仕組みを整えると把握しやすいでしょう。

グループワークや発言などで見える行動は、意欲を知る手がかりとして役立ちます。自然な振る舞いが見えやすい場面を設定することで、学生をより立体的に理解できます。選考意欲の高い学生を次のステップにつなげるための導線を整えておくことが重要です。


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