- 更新日 : 2026年1月14日
研修や新人教育で役立つグループ分けの方法は?失敗しないためのポイントを解説
研修や新人教育では、グループ分けが学びの質を大きく左右します。ただ人数を区切るだけでは、発言が一部に偏ったり、議論が深まらなかったりすることがあります。
効果的にグループ分けをするには、目的を明確にしたうえで、役割を整理しておくことが重要です。本記事では、研修や新人教育で役立つグループ分けの方法や失敗を防ぐためのポイントを解説します。
グループ分けの目的・ルール
グループ分けを成功させるためには、具体的な方法を考える前に「どういう状態を目指すのか」を整理することが欠かせません。目的が曖昧なまま分けてしまうと、ワークの効果は十分に発揮されません。
ここでは、研修や新人教育で押さえておきたい基本として、グループ分けの目的・ルールを解説します。
以下の記事では、チームワークの必要性や高める方法を解説しているので、参考にしてください。
目的に合わせて分け方を選ぶ
グループ分けは、目的に合っていなければ効果を発揮しません。研修や新人教育では、目的によって、適した分け方が変わります。
- 交流を促したいのか
- 議論を深めたいのか
- 参加者の行動特性を見たいのか など
目的を意識せずに分けてしまうと、期待した成果が得られない可能性があります。
そのため、事前に「このグループ分けで何を引き出したいのか」を整理しておくことが大切です。目的が明確になれば、ランダムに分けるのか、特性を考慮するのかといった判断もしやすくなります。
公平性を保つためにルールを作る
納得感のあるグループ分けには、わかりやすいルールが欠かせません。基準が曖昧なままだと、不公平だと感じる参加者が出やすく、活動への集中力も下がってしまいます。
分け方の基準や流れは、なるべく簡潔に伝えて、全員が理解した状態ではじめることがポイントです。抽選やランダム方式を使う際も、「全員が同じ条件で選ばれている」ことを説明しておくと、安心感が生まれます。
グループ数や人数、進め方など必要なルールを最小限に絞って示すことで、混乱が少なくなるでしょう。
役割分担を明確にして進行をスムーズにする
グループワークを円滑に進めるには、あらかじめ役割分担を決めておくことが効果的です。進行や時間管理の担当を明確にすることで、議論が滞りにくくなります。
代表的な役割は、進行役やまとめ役、記録係などです。
役割が定まっていない場合、発言が一部の人に偏ったり、議論が整理されないまま進んだりすることがあります。あらかじめ役割を割り振ることで、全員が関わりやすくなり、参加意識も高まるでしょう。
結果として、グループワーク全体の質が向上し、チームとして協力する姿勢も育ちやすくなります。
定番で使いやすいグループ分けの方法
グループ分けに迷ったときは、定番の方法から選ぶのが安心です。ここでは、研修や新人教育の現場でよく使われている代表的なグループ分けの方法を紹介します。
ランダムで分ける
迷った場合は、ランダムに分ける方法がもっとも簡単です。抽選や番号振りで決めるため公平性が高く、特定の人に負担や役割が偏りにくくなります。参加者の先入観が入りにくく、新鮮な組み合わせを作りやすい点も特徴です。
ランダム分けが向いている場面は、下記のとおりです。
- 年齢・職種・性格などの偏りを避けたい研修
- 参加者の事前情報が少ない場合
- 固定メンバーになりがちな社内研修
人間関係への配慮が難しい場面でも使いやすく、トラブルを防ぎやすい方法です。
並び替えで分ける
並び替えで分ける方法は、テーマを提示してテーマの順番に並んでもらい、グループ分けをする方法です。
よく使われる並び替えの例は、下記のとおりです。
- 誕生日順
- 出身地順(北から南)
- 身長順
- 入社年順
並べ替えの仮定で自然に会話が生まれ、研修の冒頭に行うと緊張を和らげる効果も期待できます。
数字や事実を基準に進められるため準備物が不要で、基準を変えれば何度でも違う組み合わせを作れます。
席順・名前順で手早く分ける
時間をかけずにグループを作りたい場合は、席順や名前順を使う方法が適しています。進行側の操作が少なく、参加者も迷いにくいため、大人数の研修でもスムーズに進められます。
具体的には、座っている席の並びをそのまま人数ごとに区切る、名簿順にグループ番号を割り当てるなどの方法がおすすめです。スキルや特性を細かく考慮することは難しいものの、その分公平性は保ちやすく、短時間で進行したい場面に向いています。
研修で効果を出すためのグループ分けの方法
研修の成果を高めるには、定番の分け方に加えて「研修向けの視点」を取り入れることが重要です。人数やメンバー構成を少し工夫するだけで、議論の深さや参加者の集中度は大きく変わります。
ここでは、研修や新人教育の現場で実践しやすい、効果を引き出すためのグループ分けの考え方を紹介します。
目的に合わせて人数を調整する
グループの人数は、研修の目的に合わせて調整する必要があります。適正人数の目安は4〜7人で、人数の違いによって議論の質や進行速度が大きく変わります。
研修内容別の人数の目安は、下記のとおりです。
- 議論・ディスカッション中心:5人前後
- ロールプレイ中心:4人
- 複雑な課題・多角的検討:6〜7人
4〜5人程度であれば一人ひとりが発言しやすく、意見もまとまりやすくなります。人数が多すぎると発言機会が偏り、参加意識が薄れがちです。反対に少なすぎると意見の幅が狭まり、結論が偏るおそれもあります。
課題の難易度や研修の性質に応じて、「4〜7人」を基準に柔軟に調整しましょう。
メンバーの関係性を考慮する
グループ分けでは、メンバー同士の関係性にも配慮が必要です。親しいメンバー同士は協力しやすい一方、新しい視点が生まれにくい傾向があります。
関係性を考える際のポイントは、下記のとおりです。
- 配属先や部署が異なる人を混ぜると意見の幅が広がる
- 過去にトラブルがあった関係は同じ班にしない
- 「安心して話せる相手」と「新しい刺激を与える相手」をバランスよく配置する
また、研修中に何度かグループを入れ替えることで、固定化を防ぎ、より多くの学びや気づきを得やすくなります。
スキル・経験のバランスをとる
スキルや経験が偏ったグループ構成は、思考の幅を狭めてしまうことがあります。同じレベルのメンバーだけで固めるより、差を適度にもたせたほうが学習効果は高まります。
バランスをとる具体的なメリットは、下記のとおりです。
- 経験豊富な人と初心者が学び合える
- 専門分野の違いから複数のアプローチが生まれる
- ひとりに負担が集中しにくくなる
こうした構成は、アウトプットの質を高めるだけでなく、参加者それぞれの理解を深めるきっかけにもなります。
多様性を確保して新しい視点を生み出す
結論として、背景の異なるメンバーで構成されたグループほど、新しい発想が生まれやすくなるのが特徴です。下記のように、背景が異なる人が集まることで、同じ経験や価値観に偏らない意見交換が可能になります。
- 性別
- 年齢
- 職歴
- 専門分野
その結果、一見当たり前だと思っていた前提に疑問をもてたり、これまで見落としていた課題に気づけたりするようになります。多様な視点が交わることで、問題解決の選択肢が増え、議論そのものの質も高まりやすくなる点もメリットです。
事前に受講者のバックグラウンドを把握し、編成を工夫することもポイントです。そうすることで、研修中の学びが深まりやすくなります。
研修後の業務においても、柔軟な発想や協働意識を育てる効果が期待できます。
場が盛り上がるグループ分けのアイデア
研修や新人教育では、グループ分けに少し工夫を加えるだけで、参加者の緊張が和らぎます。その結果、自然な会話が生まれ、積極的に参加しやすくなるでしょう。
ここでは、場を和ませながらグループを作るアイデアを紹介します。
以下の記事では、チームワークを高める方法や事例を解説しているので、ご覧ください。
色アイテムで分ける
色アイテムを使った分け方は、視覚的にわかりやすいため、初対面同士でも盛り上がりやすい方法です。色付きカードやシール、ボールなどを配り、同じ色をもつ人同士でグループを作ります。
ひと目で所属がわかるため、大人数の研修でも移動がスムーズに進みやすくなります。色という共通のきっかけがあることで、自然に会話が生まれやすい点も特徴です。
分け方の説明が最小限で済むため、進行に手間がかからない点も現場向きといえます。準備する際は、色ごとの人数に偏りが出ないよう数を調整しておくと安心です。
シンプルながら、場の雰囲気を明るくする効果が期待できます。
共通点で分ける
参加者の共通点を探してグループを作る方法は、交流を深めたい場面に向いています。誕生月や出身地、趣味など、話題になりやすいテーマを設定すると会話が自然にはじまります。
よく使われる共通点の例は、下記のとおりです。
- 誕生月・星座・干支
- 出身地や居住エリア
- 趣味や休日の過ごし方
「同じ誕生月だった」「地元が近い」といった発見が、心理的距離を一気に縮めます。人数差が出やすいため、必要に応じて再調整する柔軟さも意識しましょう。
ミニゲームで決める
ミニゲームを取り入れると、楽しみながらグループ分けができます。ジャンケンやくじ引きなど、簡単なゲーム要素を加えるだけでも場は一気に和みます。
取り入れやすい例は、下記のとおりです。
- ジャンケンの結果で順番を決めてグループを作る
- くじやカードを配布してランダムに分ける
- レゴパーツやお菓子の種類を基準に分ける
体を動かす要素が入ることで緊張がほぐれ、その後のワークにも入りやすくなります。アイテムを使う場合は、アレルギーや人数差への配慮が必要です。
グループ分けで失敗しないためのポイント
どれだけ工夫した分け方でも、運用のポイントを押さえていなければ思うような成果は得られません。グループ分けの失敗は、議論の停滞や参加意欲の低下につながりやすいものです。
ここでは、研修や新人教育の現場でよくある失敗を防ぐためのポイントを解説します。
1. メンバーの向き不向きを把握する
グループ分けを行う際は、参加者の特性を把握したうえでグループを組みましょう。得意分野や苦手分野を事前に把握しておくと、作業負荷が一部の人に偏るのを防ぎやすくなります。
下記のように、それぞれの強みを活かせる配置にすると、チーム全体の成果が高まりやすくなります。
- プレゼンが得意な人
- 分析が得意な人
- 調整役に向いている人
スキル差が大きすぎる場合は、グループごとのバランスを意識することも欠かせません。強みを発揮できる場があることで、参加者のモチベーション向上にもつながります。
2. コミュニケーションしやすい環境を作る
グループワークの質を高めるには、意見を出しやすい雰囲気づくりが重要です。発言しにくい空気のまま進めると、せっかくのグループ分けも効果を発揮しにくくなります。
下記のように役割を決めておくと、発言の機会が偏りにくくなります。
- 進行役
- 書記
- タイムキーパー
初対面の参加者が多い場合は、冒頭に簡単なアイスブレイクを取り入れるのが効果的です。緊張がほぐれ、安心して話せる空気が生まれることで、意見交換も自然と活発になります。
3. 適度な競争と協力のバランスを保つ
ゲーム性のあるワークでは、競争と協力のバランスが成果を左右します。競う要素が強すぎると、場の空気が張り詰め、対立や消極的な姿勢を招きやすくなります。
一方で、協力ばかりを重視すると緊張感が薄れ、主体性が出にくくなる点にも注意が必要です。健全なバランスを保つためには、下記のポイントを意識しましょう。
- 共通の目標を示し、チームとしてのゴールを明確にする
- 進行役やまとめ役など、役割をあらかじめ決めておく
- 勝敗だけでなく、工夫や取り組みの過程も評価対象に含める
また、意見の衝突が起きた場合に備えて、ファシリテーターが調整役として介入できる体制を整えておくと安心です。適度な緊張感を保つことで、参加者の集中力とパフォーマンスが高まりやすくなります。
4. フィードバックを活用する
グループワークの学びを定着させるためには、振り返りの時間が欠かせません。グループワーク後にフィードバックを行うことで、成果だけでなく改善点も整理しやすくなります。
フィードバックは、次の流れで行うと伝わりやすくなります。
- よかった点を共有する
- 改善できそうな点を整理する
- 次のワークや業務でどう活かすかを考える
メンバー同士で意見を伝え合うことで相互理解が深まり、次のグループワークもスムーズに進みます。指摘は批判ではなく提案の形で伝えることがポイントです。
継続的な研修では、こうしたフィードバックの積み重ねがチーム全体の成長につながります。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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